たたい - みる会図書館


検索対象: 空にうかんだエレベーター
7件見つかりました。

1. 空にうかんだエレベーター

のまえに、 それからまた三十ぶんはどたったころ、ショーウインドー おんな あか あの女の子が、やってきました。女の子は、赤いかさをさして、こっそ りとやってきたのです。女の子は、ショーウインドーをひと目見るな り、ぎようてんしました。 ( 、フさぎは ? ピアノは ? おちばは : ったの : おんな 女の子は、ショーウインドーをすみからすみまでながめまわし、のび あがって、そりの中までのぞきこみました。それから、ガラスをたたい て、たきなこえでよんだのです。 「、つさぎさん、、つさ、さん」と。 そのこえは、どんどんたきくなり、ガラスをたたく手には、カが入 りました。 「うさぎさん、あたし、ともちゃんよ おんな なか さんじっ おんな みんなどこへ ってしま

2. 空にうかんだエレベーター

「すっかり雨にぬれて、とてもきたなくなってしまったわ」 みせひと ともちゃんは、目をまんまるにして、じっと店の人を見つめました。 みせひと いったのです。 すると、店の人は、ばんと手をたたいて 「そうだ。あのうさぎ、あんたにあげるわ。もういらないから。そのか わりね、もうほんとうに こないでね。ショーウインドーを たたいたりよごされたりするの、とてもこまるのよ」 うしろで、たきなこえがしました。ふりむくと、店の人が、こわいかおで 立っていました。ともちゃんは、二、三ばあとすさりして、それからお どおどとたすねました。 ど : 」に ってしまったの」と。 みせひと はやくち こたえました。 店の人は、早口に 「ゆ、つべ、ショーウインドーにどろば、つが、入ったらしいの。、つさぎは、 どうろにほうりだされていたわ」 あめ め て さん

3. 空にうかんだエレベーター

このときです。 「やめてちょうだい , ガラスをたたくの」

4. 空にうかんだエレベーター

「そうしてそのときは、ねえうさぎさん。あなた、 みせ わたしのお店にきてくれる ? わたしはあなたに もっといろいろなよ、つふくきせてあげるから」 「そりやいし」 うさぎは、ばんと手をたたいて、 みせ はや きくなってくださいね。そして、早くお店を 出して、ばくをむかえにきてくださいね しいました。 一イ はや

5. 空にうかんだエレベーター

おんな まん月は、もうすぐでした。 みかづき 三日月が、すこしすっすこしすっ、ふくらんでいきます。まるで、きい ろい花のつばみが、ふくらむように・ そして、あるばんとうとうまんまるの月が、ひがしのビルの上に まち のばりました、そのとき、町のとけいとうのかねは、はなやかになり、 ショーウインドーは、きらきらとひかりました。 そのよおそく、おうだんほどうをあの女の子が、わたってきました。 女の子は、ショーウインドーのまえまでくると、コッコッとガラスを たたいて、 「、つさぎさん、あたし、ともちゃんよ。と、フと、つきたわ。べッドからこっ そりぬけ出してきたのよ。おかあさんには見つからなかったわ しいました。 げつ おんな つき 、つえ

6. 空にうかんだエレベーター

「すてきすてき」 と、ともちゃんは、手をたたきました。 「いいでしよ」 、つさぎは、またと / 、いそ、つにはなしま、丁。 「ばくは、まん月のたびにここにくるんだよ。お月さまにいちばん つき いつばいにあびるんだよ」 ところまできて、月のひかりを ちかい 「いいわねえ : と、ともちゃんは、ためいきをつきました。そして、おもったのです。 っしょに、 こ、つして空にうかんでいたいなあと。 つまで、つさ、と きん 月のひかりをあびて、ともちゃんのようふくは、金いろに見えました。 きん セーターをきたうさぎと、金いろのふくをきた女の子をのせて、その そら のようでした。 エレベーターは、まるで空にうかんだショーウインドー ともちゃんは、またおもいました。わたしもいっかようふくやさんに つき つき み

7. 空にうかんだエレベーター

ふたりは、エレベーターにとびのりました。そのとたんエレベーター は、どきっとふるえて、ドアがしまりました。そして、うごきだしたの です。上へ上へ、どこまでも上へ : エレベーターの中は、まっくらでした。とびらのよこに、ぎっしりと あお ついた小さなボタンのひかりだけが、ばおっと青く、それが上へ さんじっ 上へとうつっていきます。十かい、「一十かい、三十かい、五十かい・ それでもまだまだ上がります。 「す . ごい、丁ごい」 と、ともちゃんは、手をたたきました。 「そ、つともそうとも、天まで いくんだ」 うさぎは、エレベーターの中で足ぶみしました。ともちゃんは、じっと エレベーターのボタンを見つめます。エレベーターは、もうとっくに 百かいをこしました。耳をすますと、とびらのそとでゴーゴーとふし おと ぎな音がきこえます。 ひやっ みみ てん あし