そうしてふたりは、どれほど空にうかんでいたでしようか。いっか しろ かたむき、ひがしの空が、ほおっと白くなりました。 つき 「たいへんだ , 月がしすむ」 と、、つさかさけびました。 みせ 「月がしすんだら、このマントはきえてしまうよ。それからお店の ショーウインドーのガラスもふさがってしまうんだ」 「エレベーーターにどりましよ、つ」 ともちゃんはふりむいて、エレベーターをさがしました。が、エレベ ーターは、もうどこにも見えません。かぜにとはされてしまったの つき でしようか。月のひかりにとけてしまったのでしようか。かげもかたち もないのです。 「しかたがない。 いでよ」 つき つき このままゆっくりおりていこう。ちゃんとついてお
「すてきすてき」 と、ともちゃんは、手をたたきました。 「いいでしよ」 、つさぎは、またと / 、いそ、つにはなしま、丁。 「ばくは、まん月のたびにここにくるんだよ。お月さまにいちばん つき いつばいにあびるんだよ」 ところまできて、月のひかりを ちかい 「いいわねえ : と、ともちゃんは、ためいきをつきました。そして、おもったのです。 っしょに、 こ、つして空にうかんでいたいなあと。 つまで、つさ、と きん 月のひかりをあびて、ともちゃんのようふくは、金いろに見えました。 きん セーターをきたうさぎと、金いろのふくをきた女の子をのせて、その そら のようでした。 エレベーターは、まるで空にうかんだショーウインドー ともちゃんは、またおもいました。わたしもいっかようふくやさんに つき つき み
「ほ、つら、とべるよ」 ともちゃんも、まねをしました。 そら オカした力い空の上にふわりとうかんでいました。 ふたりは、こ、 ) むねのところで、ぎんのリポンが、きらきらひかります。 いつばいにあびて、ふたりは空をとびました。この 月のひかりを つき おと とき、ともちゃんの耳には、くものうごく音も、月のひかりのこばれる 音も、ちゃんときこえたのです。ああ、わたしの耳うさぎさんの耳と おなじになったわ、と、ともちゃんはおもいました。 とおくで、たくさんのほしが、きらめいています。 すみれいろのちぎれぐもが、とんでいきます。 くち 、つさぎは、ロぶえをふきました。 ともちゃんは、うたをうたいました。 月のひかリのマントをきれは そら 空とぶうさきになれるのよ : つき つき みみ みみ
「それしや、わたしはミシンのしたくをするわ」 ともちゃんは、ミシンのふたをあけて、あぶらをさします。糸をミ シンに かけて、はりのぐあいをたしかめて、そして、月のひかりのう すいぬので、マントをこしらえはじめたのです。 うさぎは、ともちゃんにたすねます。 つき 「月のひかりのマントには、どんなボタンがにあうかなあ : : : 」 「そ、つねえ : ともちゃんは、しばらくかんがえてから、につこりわらっていいました。 「ボタンよりもリポンかいいわ。ほしのひかりをあんで、ぎんのリポンを つくりましよう。そうして、それをマントにぬいつけて、えりのと ころでむすびましよう」 ) ) 0 「そりやしし あたらしいデサインだ」 「ええ。空のようふくやさんにびったりのふくよ」 つき
、つさぎは、つなすいて、ショーウインドーのまえまであるいてくると、 ガラスをこすりはじめました。りよ、つ手できゅっきゅっと、まるでガラ スみがきをするように。ともちゃんも、はんたいがわからまねをします。 いきをかけながら、いっしよ、つけんめいこすります。 ガラスに、はつはと すると、ガラスはまるでこおりがとけるように、つすくなっていって やがて、うさぎの手とともちゃんの小さな手が、びったりくっ ついたではありませんか。 「うわあ、ガラスがなくなってしまった」 ともちゃんは、目をまんまるにしました。、つさぎは、、つなすいて、 つき 「そう。月のひかりで、とけてしまったのさ」 そうい、つと、びよんとそとにとび出しました。それから、ともちゃん の手をしつかりとにぎって、 「さあいこ、つ。月かしすむまで、ばくはじゅうだよ」 いったのです。 つき
それから、うさぎは、ズボンのポケットから しました。そして、それを天にかざして、じよきじよきうごかしたのです。 そら きなぬのをきりとるよ、つに・ まるで、空からぶらさがった た 「さあ、これから しいことしてあそばう。月のひかりでようふくっ くるんだよ」 うさぎは、たったいまきりとったはかりのぬのしを、りよう手でさ さげもっていました。 「わかった。ようふくやさんのつもりになるのね ! 」 ともちゃんは、おどりあがりました。つもりになるのなら、だれにもま みせ けません。ともちゃんは、まい日たったひとりで、ままごとに、お店や さんごっこに、おひめさまごっこをして、あそんでいるのですから。ともち ゃんは、、つさぎからぬのじを、つけとって、、つつとりと しいました。 つき 「まあ、月のひかりのいろね。すきとおっていて、すてきなきいろで、そ れに、なんてかるいんでしよう : つき いはさみをとり出
このとき、ともちゃんの目には、月のひかりのぬのじカ 見えたのです。 つき ゞはっ医り・と
すると、うさぎは、ピアノのいすからすっくりと立ちあがったのです。 つき みあ そして、まぶしそうに月を見上げたのです。ともちゃんは、おどりあが りました。 「、フさぎさん、、つごけるのね , ・」
そこからは、 たきな月が、手にとるように見えます。見おろせば、町の あかりかまめつぶほどにきらめいていて、それはまるでビーズの はこを、ひっくりかえしたよ、つでした。
ふたりは、手をつないで、町のたどおりをはし「ていきました。 おうだんほどうをいくつもわたり、こうえんをとおりぬけ、はしを まち わたって、まだはしりました。はしってもはしっても、よるの町はっ ついていました。 どこまでいくの ? ・ はしりながら、ともちゃんがききました。 「お月さまに、 いちばんちかいところまで」 と、、つさぎはこた、たました。 つき