が高い木のこすえなどに舞いおりるときの美しさは , 見ていて思わ すためいきがでるほどです。 かっくう アオサギは , とまる木が見つかると , 羽ばたきをやめ , 滑空しま つばさ 2 ~ 3 度大きく翼をひろ す。ついで , いきおいをとめるかのように せいし げてはばたき , 空中に静止し , そのまま長い脚からふんわりと舞い おりるのです。アオサギならではの美しい着地です。 ほうらん こうた、、 さて , メスとオスが交替で抱卵した卵は , 25 ~ 28 日でふ化します。 らゆうじゅ人 5 月中旬から 6 月初めのころです。このころからコロニーは活気づ き , ひな鳥たちの鳴き声があたりにこだまします。こんどは親鳥は うたし、 ひな鳥のために , 交替でエサを運んでこなければなりません。ドジ ぬま ョウ , フナ , カエル , 昆虫などを , 近くの川や沼などからとってき ます。ひな鳥は 1 日に自分の体重くらいの量のエサを必要とします から , これはなかなかたいへんな仕事です。ですから , ときには 30 あし こんらゆう 抱卵する親鳥 抱卵はオスとメスが交替に行なう す第てな第ラせぐ
はかい ーはかろうして守られてきましたが , 一度破壊した て , このコロニ しぜん 自然をもとにもどすことがいかにむすかしいことなのかということ を , わたしたちに訴えているような気がしてなりません。 たお 3 分の 1 もの大量の木が根こそぎ倒れてしまいました。はたして 来年の春 , このコロニーから巣立っていった若いアオサギたちがふ さいたま たたびここにもどってきてくれるでしようか。わたしはふと , 埼玉 のだ 県の野田のサギ山の話を思い出しました。それは多い年には 4 万羽 とっぜん もいたシラサギの森に , ある年 , 突然 , 一羽ももどってこなくなっ たという悲しい話です。野田は 250 年以上もつづいてきた有名なサギ むごんうった 山だったのです。これ以上の , わたしたち人間にたいする無言の訴 えが , ほかにあるでしようか。言葉のしゃべれない鳥たちの , 人間 こうぎ への抗議だといってもいいでしよう。 かき こんな言葉があります。「柿の実はぜ 昔からの山国のいい伝えに んぶもぎとるな。旅人と鳥のためにも残しておけ。」山のブドウや実 しぜん てんちしぜん めぐ にしても , 天地自然の恵みによって育ったものです。自然は人間 ひと だけのものではありません。同し地球の住民である鳥たちにも , 等 しくその恵みをわけてあげよう , というのです。人間の心は本来や さしいものだと思います。小さな生きものたちのためにも , きれい な空気と水と緑をいつまでも残しておいてあげたいものです。 うった ほんらい めぐ 36