あんちゃん - みる会図書館


検索対象: 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし
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1. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

しました。 こおリ 「ことしは、氷のくるのもおそかったが、きえるのも おそい。だから、まだ、舟おろしてねえが、あしたあたり てんき おも 天気だら、おろしてみつかと思ってた」 あし と、あんちゃんは、足をなげだしたまま、しゃべっていま した。 ンタさんから、舟ぐるみやとわれるというのが、あん ちゃんの、まいとし、あてにしてるしゅ、フにゆ、つ ( 収入 ) で した。 「トッカリ . よ、。こ、、 オしふはいってきてるよ、フだな。さっきも きりの中でないてたつけ」 「ンだあ : : : 」 くち あんちゃんのこたえるまえに、ヾツバアが口をだしま ふね ふね

2. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

ハンタさんは、舟の上でからだをふせて、左手であい ず , しました。 あんちゃんは、エンジンをとめました。 ふね こおり エンジンがきれても、舟はそのまま、しようめんの氷に むかって、しすかにすすんで行きました。 ンタさんが、てつば、つをかまえます。すこしとおくで す。三百メートルはあるでしよ、フ。 あんちゃんは、こんなにとおくて、たまがうまくあた ハオイとのわかれ びやく ふね 、つ、て ひだりて

3. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

上のあんちゃんは、東京へ出かせぎに行って、お金をお くってきます。 プータマは、 ハさいですが、からだのはついくもわるく、 ちのうも、おくれていて、いつも、年下の三つや四つの子 とあそんでいました。 プータマというのは、もちろんほんとうの名まえではあ りません。いつのころか、じぶんのことをプータマと いだしたのです。それで、みんなも、プータマとよぶよう になり , ました。 、力し プータマが、貝でポケットをふくらませて、家にかえっ ンタさんは、がんかんとおこした、だるま てきました。ハ ストープのまえで、よこになって、あんちゃんとはなして 、つ、 ) 、つきよう か

4. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

「二、三印、、フっちゃってみろ。はらがすけば、さかなと るべさ。トッカリだもの : : : 」 と、あんちゃんは、おしえました。 「プータマ : : : ふ、舟の上から : まるのまま : : : ゃんだぞ」 チ . ャッチ . ヤが、ち、えをかしました。 フータマが、さかなのかご」かか、えて、はまにい 2 、と、 ハオイは、あまったれたなき声をだして、おっかけてきま した。 プータマは、舟にのっても、バオイがおっかけてこれ るかと、しんばいでした。 ハオイは、まるいあたまを、水めんに、フかべて、すべるよ 、フについてきました。十分ほどはしらせて、 ふね ふね じゅっぷん 、つえ 」え さかな、なげてみろ。

5. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

たべませんでした。 「あんちゃん、おらのバオイ、なんにもくわねえ。しぬン でないべか ? プータマに、 こうたずねられて、あんちゃんにも、よいち えはうかびませんでした。 そのとき、チャッチャのところへ、あそびにきたぶらく のじいさんが、そのはなしをきいて、こ、フ、、 ししました。 っちょま、え ( いちにんまえ ) 「トッカリはな、プータマ。子か、い くち に、さかなをたべるよ、フになるまで、おやがロンなかで かんで、つばで、ねってくわせるのよ。さかなだけ、ばん とやったって、くうもんじゃねえ」 プータマはそれをきいて、あんちゃんがとってきたこ くち まい ( 氷下無 ) を、ロのなかで、ぐちゃぐちゃとかんで、手の

6. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

にげられると、プータマかかわいそ、つだからといって、 あんちゃんは、トッカリの子を、たすきがけにひもでゆわ 、えました。 あんちゃんだって、バッパアだって、このトッカリの子が そだつなんて、かんがえても いませんでした。かれ葉が ま、フときにつかまえたトッカリは、そだてられないと われていたのです。 にち トッカリの子は、つれてこられてなん日かは、なにも 友だちになる レ」よも

7. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

にのせるのです。プータマは、それを、がいこつの木のえ だにあんちゃんがつくってくれたぶらんこにのって、 ふくれつつらをしてながめていました。 ンタさんは、やくそくをわすれていたのではありま せんでしたが、なにしろ、とてもいそかしかったのです。 ある日、 ンタさんと、あんちゃんが、えものをもって なみ タかたもどってくると、プータマが波、フちぎわに、はら ばってあそんでいました。 ゅ、つ

8. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

いいな」 「このあたりで かぜ ふね と、あんちゃんは、舟をとめました。あたりは風もなく、 なみもなく、しずかでした。 「ほれ、バオイ。しつかりく、フだぞ」 プータマは、たちあがって、さかなのしつばをつかんで、 ふってみせました。 さかなは、バオイの一メートルほどて バチャーン : ひか まえにおちて、ゆらゆらとぎん色に光って、しず・んでいき ました。けれど、バオイは、見むきもしないで、プータマの 手からえさをくれと、せがむのでした。 ばかトッカリだ」 「どもならんて : あんちゃんは、亠尸をたてて、わらいました。 プータマは、わら、フどころではありません。おこってい

9. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

のでしようか。えさを、たべたのです。 「あんちゃん、くった。おらいのバオイ、くったじえ : はじけるよ、フに、 AJ びはねなか、ら、 プータマは、マメが あんちゃんに知らせに行きました。 みずうみ こおり やがて、湖から氷がすがたをけし、りよ、つ ( 猟 ) 舟や カキ舟が、つごきはじめました。 かいこつのなみ木も、あかるいみどりの葉をつけはじ めました。 トッカリの子は、だんだんひきしまったからだになり ました。 プータマは、一日じゅう、トッカリとあそびます。夜も、 なやでトッカリとねることもあり 、ヾツバアにしかられ ていました。 ぶね よる

10. 戸川幸夫・動物ものがたり 6 三里番屋のあざらし

きものどろどろにして」 「なんだべ、あいっ : と、あんちゃんがつぶやきます。 プータマは、舟を見つけると、りよう手をついて、からだ そら 半ぶんをおこし、かおを空にむけて、オー、オーと声を たてました。 「トッカリをまねてけつかる : : : 」 あんちゃんは「ばかでないべかーといって、ヘらへらと わらいましたが、ハ ンタさんはわらいませんでした。 りゅうひょう かくれてい ンタさんは、そのあくる日、皿氷のかげに る、トッカリの子を見つけるのにむちゅうでした。 おも プータマのために、つかまえてやろうと思ったのです。 い 2 、らも目につ 0 まし いままでは、トッカリの子など、 たか、さかすとなると、てごろなのがなかなかなくて、