一本 - みる会図書館


検索対象: ポトフ博士のおかしな発明
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1. ポトフ博士のおかしな発明

みず そうともさ、客にすすめた水はしばりたてのリンゴジュ 1 ス、きりと ったかべはリンゴなんだ。 み つまり、これはリンゴの実をくりぬいた家だったのだ。 ま」 ひ かぜ 大きな窓から、お日さまの光と、 いいにおいの風がはいってくる。リ み へや ンゴの実がとてつもなく大きいので、部屋はひろびろしている いえかず なーるほど。木は一本、リンゴの実がすずなりだから、家の数にして とち は土地はそれほどいらない。木がかってに実をつけるから、家をたてる おもそんなにかからない。 それに、リンゴの家が木からおっこちないとくべつのしかけは、博士 けんきゅう あんぜん の研究で、ちゃんとくふうされていて、安全だった。 やこゝレ」、つり・・ 4 小 , っ ′、。にひ A 」 カバヤマ大統領はもちろん、国の人びとはみんな、この家がすっかり 気にいった。 やさい はかせ 「ポトフ博士、リンゴだけじゃなく、ほかの野菜やくだものの家もっく ろうじゃないか」 おお か きやく ぽん おお ひかり み いえ み はかせ 9

2. ポトフ博士のおかしな発明

・この本の文をかいた人 いわままりこ 北海道に生まれる。『ネコがパンツをはいたなら』 ( 岩崎書店 ) で日本児童文芸家協会新人賞を受賞。 作品に , 『あまんじゃくがやってきた』『夢どろば うをおいかけろ』『こちら夢売り株式会社』 ( 岩崎 書店 ) 『ネコとばくのドキドキ日記』 ( 教育画劇 ) 『ばくの恐竜プタノドン』 ( 文溪堂 ) などがある。 日本児童文学者協会会員。 深見春夫 ( ふかみはるお ) 1937 年 , 東京都に生まれる。イラストレーターと して , さし絵や絵本の仕事を手がけている。絵本 に , 『あしによきによき』『せかいいちのばうし』 『ゆめみるビンピキ』 ( 岩崎書店 ) 『なつみかんのお へそ』 ( 福武書店 ) がある。 ポトフ博士のおかしな発明 くいわさき創作童話〉 21 NDC913 発行 1994 年 9 月 10 日第 1 刷発行 作 いわままりこ 絵 深見春夫 発行者 小西正保 印刷 三美印刷株式会社 製本 株式会社若林製本 株式会社岩崎書店 発行所 東京都文京区水道 1 の 9 の 2 〒 112 谷 03 ー 3813 ー 5526 ( 編集 ) 03 ー 3812 ー 9131 ( 営業 ) 振替 00170 - 7 一 96822 ⑥ 1994 Mariko lwama & Haruo Fukami PubIished by IWASAKI SHOTEN, Tokyo. Printed in Japan ISBN 4 ー 265 ー 04121--3 落丁本・乱丁本はおとりかえいたします。

3. ポトフ博士のおかしな発明

0 。ロ 0 0 ゅめ こまったことや夢を、なんでもガんでもポトフ 主にたよるのはやめたようだよ。どうしたらよく なるガ、みんなでいっしようけんめいなんガえは じめたんだ」 「それじゃ、ポトフ主とネコの鉄五郎は、すい ぶんとらくになったね」 にん * ) 「いやいや、そこガ人気のポトフ主。あいガわ ちゅうもん らす、外国ガらも注文ガああくてねえ。あガしな はつめい はつけん 発明や、ふしきな発見にあけくれているよ。さあ、 わたしもそろそろガえらなくちゃ。またくるよ」 みなみそら そらいろ 空色インコは、南の空へとびたちました。 しゆくだい あっ、ざんねん /. 宿題をヴらヴらやってくれ ぽん るえんびつを、一本たのめばよガったなあと、ば くはあもいました。 はかせ てつごろう はかせ

4. ポトフ博士のおかしな発明

なん日かすぎた。 あさしんぶんおお ある朝、新聞に大きくこんなニュースがのった。 えはつめい はかせ 「ポトフ博士、ついに理想の家を発明」 こ、つ力し ひろば きよう、おまつり広場で公開されるという。 ヾこゝし JA フり : よ、つ ひと ひろば カバヤマ大統領をはじめ、人びとが、わんさと広場にあつまった。 ところが、家なんて、どこにもない ばん おお とてつもなく大きなリンゴの木が一本、どかっと、枝をのばしてはえ おお ているだけだ。枝には、大きなリンゴがすずなりになっている。 「みなさん、ようこそ ! 」 くろ した リンゴの木の下で、黒ネコの鉄五郎が気どっておじぎをした。 「モデルハウスはこちらから」 きみき 鉄五郎は、木の幹についているボタンをおした。と、パアッと、幹の 一部がドアのようにひらいて、入口ができた。 「おやまあ ! 」 いちぶ てつ」ろう にち えだ てつ」ろう えだ みき

5. ポトフ博士のおかしな発明

てんじよう みんなは、あっけにとられた。 「さあさあ、なかのエレベ 1 タ 1 にどうぞ。上にまいりま 1 す」 鉄五郎は、まるでデパートの人のように、てのひらを上にむけた。 ゆか エレベ 1 ターがとまりドアがあくと、そこは、白い部屋だった。床も ま 天井もかべも、ソフアもテ 1 プルも、みんな真っ白なんだ。そのうえ、 立ロ屋じゅうリンゴのあまいにおいでいつばいだっこ。 「まずは、おもてなしを」 ぐち 鉄五郎は、キッチンについているコックをひねった。じやロからすき きやく みず とおった水が、ほとばしりでた。それをコップでうけて、お客にすすめ ひとくち 一口のんで、お客は、「あまいつ」とさけんだ。 鉄五郎は、白いかべをすこしきりとって皿にのせ、お客にさしだした。 きやく ひとくちた それを一口食べたお客は、「これはもぎたてのリンゴの味だっ」と、びつ くりした。 へや てつごろう てつごろう てつごろう しろ きやく ひと さら うえ しろへや しろ あじ きやく うえ 8

6. ポトフ博士のおかしな発明

はかせ にんきもの ポトフ博士は子どもたちの人気者。なぜって、むし歯 しゆくだい をなおすキャンディ 1 とか、宿題をかたづけてくれる たの えんびっとか、そんな楽しいものを、つぎつぎに発明 してくれるからさ。 はかせ たの そのポトフ博士のいま一ばんの楽しみは、さかなつり。 けんきゅうしつ きようも研究室をぬけだして、ヒョウタン池にでかけ てしまったよ。そしたらネ : い ィー朝朝い、口一いーい一朝

7. ポトフ博士のおかしな発明

かえ にのって帰っていった。 とち 「ふ 1 む、せまい土地にひろい家か ? これはむずかしいね」 あたま はかせ さすがのポトフ博士も、頭をかかえこんだ。 けんきゅう 「博士、まあ、その研究はあとにして、おやつにしましようよ」 あか 、ゝ、ほっぺたのようにつるつるした、赤いリンゴをもっ 助手の鉄五良カ はかせたいこうぶつ てきた。リンゴはポトフ博士の大好物だ。 あじくち ひとくち はかせ ポトフ博士はリンゴを一口、パリンとかじった。あまずつばい味がロ いつばいにひろがった。そのとたん、ピカッとひらめいたんだ。 「わかったぞ ! 鉄五郎」 まったく、リンゴというのはすごいね。そのむかし、ニュ 1 トンはリ ばんゅういんりよくほうそく お ンゴの落ちるのをみて、『万有引力の法則』とかいうのを発見したそうだ しんはつめい ひとくち はかせ が、ポトフ博士は、リンゴを一口かじって新発明をするんだから。 くろ さいしんしき いえけんきゅう ポトフ博士と黒ネコの鉄五郎は、さっそく最新式の家の研究にとりか っ一」 0 力 / じよしゅてつごろう はかせ はかせ てつごろう てつごろう はつけん 5

8. ポトフ博士のおかしな発明

もん たい二問。クジラはどこにいますか ? 」 ハイ、クジラハ池ニイマス」 くろ はかせ 博士と黒ネコの鉄五郎はニャリ。 。もんヾかっこ , っ 「だい三問。学校は、なにをするところですか ? 」 てつごろう 鉄五郎のしつもんに、ロポットはながいあいだ目をパチパチさせてよ うやくこたえた。 「友ダチト、タノシクアソプトコロデス」 はくしゅ パチパチパチと、拍手。 べんきよう せ一い、かし 正解は、「勉強するところ」かもしれないね。でも、子どもたちは、ロ ポットのこたえがすきだった。 もん 「だい四問。この国でじまんできるものはなんですか ? 」 からだ ロポットは、体をゆすってかんがえた。おなかのコンピュ 1 タ 1 には、 めちゃくちゃな線がながれている。 やがて、しつかりとこたえた。 とも てつごろう

9. ポトフ博士のおかしな発明

ヾこ ) A 」、つり》よ、つ カバヤマ大統領がはりきった。 じめん やさい 「おやすいご用です。野菜やくだものの種をまいた地面に、わたしの発 やくひん 明したこの薬品をふりかけるだけでいいのです。どんなものも、これで おお くすり 4 小、つい せいちょう すぐに大きく成長するのです。薬はたくさん用意しましたから、みなさ んにおわけしましよう」 くすり ひと というわけで、人びとは、一びんずつ、その、すばらしい薬をわけて もらった。 かっこ、つ こうして、ピーマンの家、バナナの家、トウモロコシの学校、ほかに もいろいろできた。 カバヤマさんは、キャベツの家にすむことにした。しんをくりぬいて、 あとは一まいずつかべをはがして食べていける。キャベツは葉がなん枚 もかさなっているから、とてもあたたかで、しずかだ。 あさ ある朝、カバヤマさんが、ゆったりと、キャベツのジュ 1 スをのみな しんぶんよ がら、新聞を読んでいたときのことだ。 よ、つ ひと たね はっ

10. ポトフ博士のおかしな発明

「すぐに食いやぶるでしような」 「コンクリ 1 トでとじこめるのは ? 」 じかん 「いや、コンクリ 1 トがかたまるのに時間がかかる」 「それじゃ、さえぎるものは山しかない」 ヾこ ) A っり : よ , っ このとき、カバヤマ大統領は、ピカッとひらめいた。 「そうだ、山だ。山ならどっさりあるぞ。ほら、ゴミの山だよ。あれを たくさんのトラックではこんで、虫のまわりにつみあげるんだ」 じっこう 作戦は、すぐに実行された。 おおがた なん台もの大型トラックが、ゴミをはこび、おばけ虫のまわりに、ザ ザ 1 ッとおとした。 たくさんのトラックで、なんども往復したので、ゴミの山はまたたく まに、おばけ虫たちをとりかこみ、とじこめてしまった。 あんしん 「これで、ひとまず安心だね」 「なかのおばけ虫たちは、どうなるのかな」 さくせん やま むし むし やま やま むし おうふく むし やま やま 9