かあさん - みる会図書館


検索対象: 森からのてがみ
14件見つかりました。

1. 森からのてがみ

チラランのおかあさんたら、ほんとうにあわてもの。 きようはおかいもので、ほしぶどうをわすれてきました。 わる 「チララン、悪いけどお店まで、ほしぶどうをとりにいってくれる ? あれ がないと、クリスマスケーキがつくれないのよ。」 「うん、 しいわよ。」 チラランは、うきうきしてこたえました。 そとゆき 「だって、外は雪がい つばいつもっているんですもの。でも、そのお店、ど ゆきみち こにあるの。雪で道がわかるかしら。」 「かあさんの足あとをたどっていけ。は、すぐわかるわ。」 かあさんはこたえました。 かえ 「だって、かあさん、たったいまそこから帰ってきたはかりなんですもの。」 あし みせ みせ

2. 森からのてがみ

0 「しんばいして、ずいぶんあちこちをさがしまわったのよ。」 かえ それからかあさんは、チラランのもって帰ったあわの実で、。 ( ンをやき、木 いちごのジャムでパイをつくり、ふかしたおいもで、スイートボテトをこさ えました。 たった一つのクリスマスケーキよりも、こっちのほうが、ずっとすてきで すね。 てがみ 0 森からの手紙はこれでおしまいです。 のねずみのチラランはあとで、おかあさんからわすれものがなんだ ったかをおしえられました。 ゆき 「じゃ、あたし雪がやんだら、一、んどこそきっととりにいってくるわ。」 0 0 0 0 よもり・

3. 森からのてがみ

ちゃう。」 チラランは、うさぎのおねえさんのうちを出てから考えました。 つづ すると、すこしさきの木かげから、べつの足あとが続いています。 「これがかあさんの足あとだったかしら。ちょっと大きすぎるみたいだけど けれど、チラランはかあさんの足あとがどうだったか、もうすっかりわす れていたので : あし その足あとをつけていくことにしました。 と、しばらくいくと木のねもとに家が見えてきました。 みせ 「あれがきっと、かあさんのいっていたお店なんだ。」 「あのう、わすれもののことですけど。」 チラランがドアをそっとあけると、 あし おお かんが

4. 森からのてがみ

かえみち 「それに帰り道もわからなくなっちゃった。」 すると、ずうっとさきに、見お。ほえのある足あとがついています。 「あれは、かあさんの足あとだ。ぜったいにそうだわ″】」 チラランはむちゅうになって、足あとを追いかけました。 そのさきに、見おぼえのあるうちが見えます。 みせ 「あれはお店かしら。 しいえ、あれは、あたしんちだ。」 しろ チラランは、なんどもころびそうになりながら、白いいきをはいて、うち の中にかけこみました。 「かあさん、ごめんね。わすれもの、わすれちゃったの。」 チララン、がい一つを ) 「そんなものもういし かあさんは、チラランをやさしくだきました。 なか あし

5. 森からのてがみ

かえ ゆき 「雪がひどくならないうちに、はやくお帰りなさい。」 かえ 「でも、やつばりわすれものをもって帰らなくちゃ。」 うずらのおくさんのうちから出て、チラランはつぶやきました。 すると、やぶのむこうに足あとがついているのが見えます。 あし 「これかあさんの足あとかしら。」 かんが チラランは考えました。 「かあさんの足あとよりも、ちょっと大きいようだけど : : : 。」 あし でも、チラランはさっきまであとをつけていたかあさんの足あとがどんな だったかも、わすれてしまっていたのです。そこで : チラランはそのあとをつけていく一、とにしました。 つづ ゆきなか 足あとは、こやみになった雪の中を木のあいだをぬけて続いています。 いえみ と、そのさきに小さな家が見えました。 あし おお

6. 森からのてがみ

「わかった。」 チラランは、いまにもおもてへとびだしそうです。 みち ゆき みち かえ しいこと。より道しないで帰ってくるのよ。雪がふりだしたら、道がわか らなくなっちゃうんだから。」 かあさんは、チラランのくびにマフラ 1 ーをぐるぐるまきにすると、家から おくりだしました。 ゆき うえつづ 外に出てみると、ほんとう″】かあさんの足あとが雪の上に続いています。 ある チラランはそのあとを、ケンケンしながら歩いていきます。 雪って、なんてすてきなんでしよう。 なにもかもまっ白におけしようして、まるで森がはなよめさんになったみ ゆき いろそら すると、しばらくして、はい色の空から大きなぼたん雪がふりだしました。 そとで ゆき 、 0 しろ よもり

7. 森からのてがみ

「あのう、かあさんがわすれたものはありませんか。」 すると、 「ありません。」 こえ 中から声がして、うすらのおくさんが出て来ました。 「そのわすれものってなんですか。」 「こまったなあ。」 チラランはうちの中を見まわしました。 「それをわすれちゃったの。そいで、それがないとクリスマスケーキが出来 ないの。」 それを聞くと、うすらのおくさんは、 「それじゃあ、これをあげるわよ。さ、エ。フロンをひろげてごらん。」 そういって、あわの実をエ。フロンの中に入れてくれました。 なか でき

8. 森からのてがみ

0 0 0 0 0 はいけい ゆき 森はもうすっかり雪にうすまっていますが、あなたのところはいか がですか。 きようはクリスマス。動物たちのおかあさんは、朝からケ = キづく りに大いそがしです。 こんなときには、ふだん「か。せをひくから外に出ちゃいけないよ。」 といっているおかあさんたちも、つい子どもにお使いをたのむ一、とに なります。ちょうど、のねずみのチラランのおかあさんのように。で もチラランはひといちばいわすれつ。ほかったのです。 のねすみのチララン ↓もり・ おお どうぶつ そと つか あさ

9. 森からのてがみ

「おいものことならしっとるが、わすれもののことはしりません。」 あなぐまのおじさんが、おいもをふかしながらこたえました。 「もう : : こまっちゃったなあ。」 チラランはなきべそをかきました。 かえ 「それをもって帰らないと、クリスマスケーキが出来ないんだもん。」 かえ 「そんならこれをもって帰りなさい。」 あなぐまのおじさんは、ほかほかとゆげのたつおいもを三つ、チラランの 工。フロンにおしこみました。 かえ ゆき かえ 「雪がひどくなるそ。はやく帰った、帰った。」 「かあさんのいっていたお店は、 したいどこなんだろう。」 あなぐまのおしさんのうちを出ると、チラランは、足あともない雪の中を ある 歩きはしめました。 みせ でき ゆきなか

10. 森からのてがみ

「さて。これでひとりはすずしくなった。」 ある じぶん プンカンはズングリのうちわで、自分をあおぎながら歩き出しました。 すると、すぐりのしげみのむ一、うから、たぬきのズブズブばあさんが、ひょ あたま うのうを頭にのせてやってくるのが見えます。 。フンカンはうちわを。ハタバタとならして近づいていきました。 「ちょっとうかがいますけれど : : : 。」 かお 「まあ。フンカン。どうしたんです。このあついのにあらたまった顔をして。」 ズブズブばあさんは、ひょうのうの一、おりをカチャカチャとならしていし ました かお けれど、。フンカンはあいかわらずすました顔をして、 「あの、たぬきのにくというのは、そんなにおいしいものですかね。」 「あなた、・ すいぶん聞きにくいことを聞きますねえ。どうしてまた : : : 。」 ちか