こえ 小さな声でたずねました。 「しんじます。」 ズングリはこたえてから、はっとしてプンカンのほうをふりむきました。 「な、なんだい、きみか。いきなりびつくりするじゃないか。」 かお けれどプンカンは、まじめな顔つきをくずさすにたずねました。 「で、そのおばけがもしもきみのうちを食べているとしたら、きみはどうし ますか。」 「ねえきみ。なんだってそんなえんぎのわるいことを聞くんだい。」 フンカンはこたえました。 ズングリのうちわがとまりました。。 いえまえとお 「いや、ついいまさっき、きみの家の前を通りかかったらね、目が三つでロ が耳までさけたおばけが、へやの中にあがりこんでいるのを見かけたもの だからね。」 みみ なか くち
チラランのおかあさんたら、ほんとうにあわてもの。 きようはおかいもので、ほしぶどうをわすれてきました。 わる 「チララン、悪いけどお店まで、ほしぶどうをとりにいってくれる ? あれ がないと、クリスマスケーキがつくれないのよ。」 「うん、 しいわよ。」 チラランは、うきうきしてこたえました。 そとゆき 「だって、外は雪がい つばいつもっているんですもの。でも、そのお店、ど ゆきみち こにあるの。雪で道がわかるかしら。」 「かあさんの足あとをたどっていけ。は、すぐわかるわ。」 かあさんはこたえました。 かえ 「だって、かあさん、たったいまそこから帰ってきたはかりなんですもの。」 あし みせ みせ
ワタボコリは、はをくいしばっていいました。 「ぼくも目なんかまわってない。」 スナポコリもこたえます。 「これは、・ほくたちが、ちょっと走りすぎた、ってだけのことなんだ。」
「なにしろ、えらくおいしそうなにおいがするもので。」 ゾウがはなをまきあげていった。 「ほんとに。」 「まったく。」 「そのとおり。」 カモシカたちがあいづちをうつ。 「イッヒッヒ、ほんのおのこりで、よござんす。ィッヒッヒ。」 ハイエナだ。 「ほくは、うちのおじいちゃんのところへすこし、もってかえってやりたい んですけど。」 と、これはさっきのネズミだった。 かお ほんとにねえ、こんなときは、どんな顔をしてなんとこたえたらいいんだ 102
よそへうつるか。」 と、例のつぶやきがとどいた。 ・ほくははしごを二だんほどあがると、 「あの : : : あなたはだれですか。」 おも 思いきってたずねてみた。こずえの中がいっしゅん静まりかえった。それ からややあって、 「あなたはだれですか。」 おな ぼくがしたのと同じしつもんがかえってきた。 : このべっそうのものです。」 「。ほど、は : ぼくがちょっとつまってこたえると、 「わたしはこの庭のものだ。」 そんなことばがもどってきた。 なか しず 146
わたしは、つられてすこしロもとをゆる めながらたずねました。するとおばさんは、 「ヒッヒッ ( ツ、ツ、ヒチ ( 五十六」 とわらいこけて、 あか 「あたしが赤いクレョンだからさ。」 とこたえました。 あか 「なんで赤いとおかしいの ? 」 わたしが続けて聞きますと、 あか 「まっかなウソをついて、赤つばじをかくに きまってるからさ、ウッヒッヒッヒ。」 赤のおばさんがいします 「それなら、ほかの色になりたいのですね。」 つづ くち 0 179
0 チラランはゆびきりをして、そうこたえたことでしたが、ほんとう こど、じようふでしようか。 おおゆき だってあれから森はたいへんな大雪で、なかまたちは春がくるまで、 おもてへ出られなくなってしまったのです。 わすれん・ほうのチラランが、ほしぶどうのことなんか、春までおぼ おも えていられると思いますか ? では、またいっか手紙を書きます。 あなたもひまがあったらおへんじをください。 。どうそかぜなどひきませんように。 0 ↓つり・ てがみ さようなら はる はる
なか かお 顔はかすんでよく見えない。 おも ロワ・サンダラボッチだな。。ほくは思って、まどの ははん、あの人が。ハ、ハ 中から手をふった。 すると、あいてはそれにはこたえすに、ぶいと横をむくと、なにかあかる ある みち くまるいものを落として、道のむこうへ歩いていく。 はて、あれはなんだろう。。フレゼントかしら、落としものかしら。ともか ひと 135
「きみはだれ ? 」 かお にくがいうと、その子はかなしそうな顔をして、 「。 ( パがいないの。」 と、まわらないしたでいった。 「。 ( 。 ( がいなくなっちゃった。」 「さがせばいるさ。」 ほくがこたえると、 「さがして。」 その子はいって、すこしあいた門の中へはいっていく。あとをついていく と、できたての家のまあたらしいドアをあけて、その子はけんかんに立っと、 「はやく / ノ力いないの。」 という。・ほくはしかたなしに中へはいると、ろうかへあがって、 なか もんなか 138
「ぶどうは自分でとびこんでくるし。」 ひ 「きようはすてきないい日だねえ。」 「ほんとに、ほんとに。」 そのころからすのからつ。ほは、まだごちそうが見つからなくて、森の上を とんでいました。 ふと見ると、木かげでねすみとりすが、おいしそうなものを食べています。 からつ。ほはもうがまんできなくなると、 ぼくにもそのごちそうをわけてくれるかーい。 こえ ふたりに声をかけました。 「どうそおー。」 ふたりがわらってこたえました。 じぶん み もり うえ