おと と、やがて、ゆくてのやみの中からふしぎな音が聞一、えはじめたんだ。 おと ハサバサバサッとはばたく音。 おと み ブルブルッと身ぶるいをする音。 おと ごえ うなり声がする。つめでゆかをひっかく音がする。。へタベタとしたなめず わる おと りをするような音も聞こえる。そして、むねが悪くなりそうな、なんともい えないにおし こ , れ、が、、ハ / 、ロワさんのいっていた「世界一どうもうなやっ」のにおいなん おも 」プっ一つ、刀 , ~ : まくは思わず、じゅうの引き金にゆびをかけた。すると、 どうぶつ 「これからわしの動物コレクションを見せてやろう。」 / ロワさんが口を開いた。 「きみの知っている生き物は一びきだっていないはずだ。」 そして、さいごのかいだんをおりると、いきなり。ほくにスプレーのような 、 0 くちひら もの なか ひがね せかい み 118
おとあたまうえ かん 大きな音が頭の上でおこった。ぼくはとっさにきけんを感じてにげ出そう としたが、 「動くんじゃない /. 」 こえおも ハロワさんの声で思わすすくむと、 ガッ、ンイイイン″・ おと 重たい音が・ほくのまわりにひびきわたった。落ちてきたものがてつのおり て けい - か冫、 だということは、手さぐりをしてみてすぐにわかった。計画どおり、・ほくは おりにとじこめられたんだ。 おと カチッとかぎをかける音がして、 あんしん 「やれやれ。これでひと安心だ。」 こえ おりのむこうで。っハロワさんの声が聞こえた。 「なんだって : おお おも お だ 128
どのくらいたったでしよう。うつらうつらしているチクタクの耳に、聞い おと たこともないようなふしぎな音がひびいてきました。 ティントンタタン ティントンタタン おと あれはなんの音だろう。チクタクはぼんやりした あたまなかかんが 頭の中で考えました。ぼくはゆめをみているのかしら。 ティントンタタン ティントンタタン あたま チクタクは。ハケツを頭からぬいで、木のねもとにおくと、うろのかべにも たれかかりました。 そして、こっくり一、つくりと、ねむりはじめました。 みみ
チクタクは手をひっこめました。 ある チクタクはまた歩きだしました。するとこんどは、 ハ一フパ一フ ハ一フ。ハ一フ あたまうえ おと 頭の上で、ようきな音が聞こえます。 「やあ、これはいいそ。」 見あけると、それはきよねんなった、とびら おと の木の実がかわいては。せる音です。 がっき 「ようし。これをぼくの楽器にしよう。」 でも、木のぼりのできないチクタクが、どう やってとびらの実をとったらいいでしよう。 チクタクはこれもあきらめました。
森のなかまたちは、あのティン、トン、タタンというリズムにのせて、い 0 おんがく しようけんめい音楽をかなでているのです。 おと 。しナしだれがひいているんだろう : : : 。」 「でも、あの音よ、つこ、 チクタクはうろの中からからだをのりだしました。すると、すぐそこに見 だ おと がっき つけたのです。あの、ふしぎな音を出す楽器を ティントンタタン ティントンタタン それはさ 0 き木のねもとにぬぎすてておいた、チクタクの。 ( ケツでした。 、バケツがなっていたのです クヌギのこずえから落ちる雨のしずくに ティントンタタン ・トン・ ティン・ やがて、さいごのひとしずくが落ちて、えんそうは終わりました。 なか お あめ お み
おと いてゆくと、大きな屋根の下まで来て、音もなくとまった。 ひとりでにドアがあく。 こえ まえ くるま ・ほくはそおっと車からおりると、目の前のくらやみにむかって声をかけた。 ロワさんこんばんよ。。 : 、 , ロワさんこんばんは。」 おと すると、くらやみの中で、「ギギイ」とドアのあく音がして、 がむかえに出たよ。 「ともかく中へはいりなさい。」 , ロワ・サンダラボッチにいわれて、ぼくはあとについていった。 どこもかしこもまっくらやみで、どこからどこまでが家なのかもよくわか で おお ゃねした なか ハロワさん 116
ぼうや。家をあけるそ。早くおいで。」 こえ げんかんのほうから、男の人の子どもをよぶ声がした。子どもは、 し 「もう、知らないそ。」 ひとこといいのこすと、庭をよぎってかけさっていく。・ほくはもう、どう えだかお したらいいかわからなくなって、枝に顔をつつふすと、はけしくせき一、むば かりだった。 おと トラックがとまり、人びとがばらばらとおりた立日がする。ガチャガチャと ど′」う どうぐ だ おと 道具をとり出す音も聞こえる。怒号がとび、続いてガチャ 1 ーンとガラスのく おと トサッとかわら ハリッとかべがやぶかれ、ドサッ だける立日、ドカン おと をなげおろす音がひびく。 「だめだ。。ほくんちを、こわすな″】」 かお ぼくは顔をあげてたしかめるのもおそろしく、りよう手で耳をふさぎ、枝 ひと おとこひと はや つづ て みみ えだ 152
みみき つぎにチクタクの耳に聞こえてきたのは、 プウウウウウン プウウウウウン おと という、のんびりした音でした。どうやらゆくての、ねむの木かけから聞一、 えてきます。 「よし。こんどこそ。」 チクタクはいきおいこんで、木のみきをまわりました。 すると、そのとたん、大きなはちのすからすずめ。はちがいっせいにとびた してきました。 「わあい、たすけて″】」 チクタクはいちもくさんににげだしました。 「あーあ。」 おお
てその中にふみこんだ。 ドド 1 ーン″・ おと ものすごい音がして、ドアがしめきられる。 かびくさいにおい力を まくをつつんだ。 / ロワさん : こえ ・ほくは小さく声をかけた。 「どこにいるんです : : : 。」 いえかえ こんなところでバ。ハロワさんとはぐれちまったら、ぼくは一生、家へ帰る でき ことが出来ない。 いや、それよりも、いつ、ど一、からその『世界一きけんな けもの』がおそいかかってくるか、わかったものじゃないんだ。 ハロワさん : : いないんですか。」 こえ ・ほくはかすれた声でいって、ライフルをかまえなおした。すると、 なか せかい 125
おと きれいな音が聞こえました。 ばん 見ると、すぐ耳もとで、一本のささやきぐさが、たくさんのさやをかぜに ならしています。 がっき 「こりゃあすてきだ。ぼく、これを楽器にしようっと。」 チクタクはす 0 かりうれしくな 0 て、ささやきぐさに手をだしました。す ると、 「だめ″】」 おおごえ さやの中から大声が聞こえました。よく見れ。は、一びきのくもがチクタク をにらみつけています。 「ここはあたしのうちなんだ。あんただ 0 てじぶんの家をか 0 てにも 0 てい かれたらめいわくだろう。」 「ごめんね。そんなつもりじゃなかったんだ。」