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検索対象: のんびりこぶたとせかせかうさぎ
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1. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

あんしんしてたべてくれたまえ。」 でも、こねずみは目をばちくりさせているだけでした。きつねはじれった くなって、 「たべろといったら、たべんかつ。」 とどなりつけました。こねずみは、わあっとなきだすと、どこかへにげていっ てしまいました。きつねは、かんかんにはらをたてて、 「ひとがしんせつにすすめてやったのに、なぜたべようとしないのだ。しつ けというものが、まるでできておらんではなしカ 、 : ばかねすみのとんまね ずみめ。」 とぶつぶついいました。 そのとき、うさぎが一びき、こちらへやってくるのがみえました。よろ一、 んだきつねは、 123

2. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

A 」 いいながら、 「ちょっ。」 としたうちをしました。 そのとき、ねこが一びきやってきました。 それは、きつねとなかよしのねこでした。 きつねはよろこんで、 しいところへきた。きみにみかんをあげようとおもって、まってい 「ねこ、 たのだ。さあ、たべてくれたまえ。」 といいながら、みかんをさしだしました。 ねこもよろこんで、 「やあ、これはありがたい。では、えんりよなくいただくよ。」 といって、みかんをうけとるとすぐにかわをむいて、 126

3. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

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4. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

といって、とびあがりました。そのみかんは、あまいどころか、せすじがそ うっとなるほどすつばかったのです。 「ねこ、ね一、。」 と、きつねは、したをぶるぶるさせながらさけびました。 「きみは、このみかんがあまいといったじゃないか」 「だって、ほんとうにあまかったんだもの。」 と、ねこが目をばちくりさせながら一、たえました。 「うそだ、うそだ。」 きつねがさけびました。 「一つの木に、あまいみと、すつばいみがいっしょになったりするものか。 きみは、すつばいみかんをわざとおいしそうにたべてみせたのだ。そうやっ て、。ほくをだまそうとしたのだ。ああ、きみはなんというひどいねこだろ ひと 129

5. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

そしてきつねは、 「きみとぼくとはなかよしのはすだったではないか。それなのに、どうして こういうひどいことをするのだ。ぼくは、もうねこというものがしんじら れなくなってしまったよ。」 しいながら、 「おいおいおいおい。」 となきだしました。 こえ そこへ一びきのたぬきがやってきて、きつねに声をかけました。 「きつねさん、きつねさん、おとりこみのところをもうしわけありませんが、 このあたりにみかんがおちていなかったでしようか。さきほど、このへん で石につまずいてころんだのですけど、そのひょうしに町からかってきた まち 130

6. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

( ようし、ぼくもびようきのまねをしてみるとしよう。そうすれ、は、みんな もまえよりずっと。ほくのことをそんけいしてくれるかもしれないそ。 ) ねこは、家へとんでかえると、へやじゅうをひっかきまわして、白いずき んをさがしました。 でも、ね一、の家には、すきんなどは、一つもありませんでした。 そのときねこよ、。こ : 。オしところのすみに、一まいのきれのふくろがおちてい ることに気がっきました。 それは、ビスケットをいれておくのにつかっていたふくろでした。 ( まあいいや。これでがまんしておくとするか。 ) ねこは、ビスケット のふくろをあたまにかぶってべッドにもぐりこみ、も うふをはなの上までひつばりあげると、目を、 「とろうん。」 ひと しろ 135

7. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

とかんがえながら、べ ッドの上でいっしようけんめい目を、 「とろうん。」 とさせていました。でも、いつまでたってもねこの家には、だれもやってき ませんでした。 ねこは、まちくたびれて、じぶんでもしらないうちに、ぐうぐうとねむり こんでしまいました 9 それから、しばらくして目をさましたとき、ねこはじぶんがびようきのま ねをしていたことをすっかりわすれてしまっていました。 ですから、じぶんがビスケットのふくろをかぶっていることに気がつくと、 ねこはたいへんびつくりしました。 ( な。せだろう。な。せ、ふくろなんかかぶっているんだろう。 ) と、ねこはかんがえました。でも、いくらかんがえても、なぜだかわかりま 137

8. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

A 」 「わかった。ぼくはしらないあいだに、ふくろをかぶってねてしまうふしぎ なびようきにかかってしまったんだ。」 「どうしよう、どうしよう。」 いいながら、 「わあっ。」 となきたしました。たぬきはあわてて、 「なくな、なくな。」 となぐさめながら、いそいで病院へでんわをかけました。 すぐにきゅうきゅう車がやってきて、ね一、を病院へはこんでいきました。 「べつにわるいところは、なさそうですけれどねえ。」 と、ねこのむねにちょうしんきをあてたり、レントゲンしやしんをとってし しゃ びよういん 140

9. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

らべたりしたあとで、ねすみのおいしやさんが首をひねりながらいいました。 ねこは、よろこんでたずねました。 「わるいところがないのなら、もう、家へかえってもいいですか ? 」 「いやいや、またそういうわけには、いきません。ちょっとこちらへきてく たさい。」 ねすみのおいしやは、ねこをべつのへやヘつれていきました。みると、ゆ かの上に、いろいろな大きさをしたきれのふくろがちらばっています。 ひと 「ねこさん、こんや一ばん、このへやにとまっていってください。家にかえっ しいかどうかは、あしたになってからきめるとしましよう。」 「それにしても、どうしてこんなにふくろがちらばっているのですか ? 」 ねこが、ふしぎそうにたずねました。 「これはじつけんです。あしたの朝、目をさましたとき、ねこさんがまたふ おお あさ 141

10. のんびりこぶたとせかせかうさぎ

「そうですね。でも、ねんのために、もう一日たけいてもらいましようか。」 と、ねすみのおいしやがいいました。 びよ、ついん しかたなしにねこは、ふくろのちらばった病院のへやで、ねたりおきたり しながらたいくつな一日をすごしました。 あさ つぎの朝、目をさましたときも、ね一、のあたまにはなんにものってはいま せんでした。 「これでどうやら、びようきではない一、とがはっきりしたようですな。もう 家へかえってもかまいませんよ。」 と、ねずみのおいしやがいいました。 「ありがとう、ありがとう。」 ねこは、ねすみのおいしやになんどもおれいをいうと、 ( びようきでなくて、ほんとによかったな。 ) いちにち 143