ら、ぼくたちはヘとへとにつかれきって、いきが、『はつはつ。』としてい るはずだ。それに、あんなたかい山のてつべんにの・ほっているとしたら、 ・ほくたちはうれしくてうれしくて、『やつほー。』とさけびたい気もちになっ ているはずだ。」 といって、 「ところが、ぼくたちはいま、いきが、『はつはつ。』としてもいないし、『やっ ほー。』とさけびたい気もちにもなっていない。それなのにどうして・ほくた ちが、あの山のてつべんにいるなんていえるんだい。」 しいました。 そしてうさぎは、 「かしたまえ。きみには、地図の見かたというものが、まるでわかっていな いのだ。」 やま
きつねのしつばい のはらに一びきのきつねがすんでいました。 ある日のおひるすぎ、きつねはおやつをたべたい気もちになったので、た べものをさがしにでかけました。 ぶらぶらと道をあるいていくと、のはらのはずれに、一本のみかんの木が たっていました。 木のえだには、みかんのみがかそえきれないほどになっていました。ねも とのところをみると、そこにもみかんのみが一つ、一、ろんと一、ろがっていま した。きつねは、 「これはいし 、ものをみつけたそ。さっそくごちそうになるとしよう。」 といいながら、みかんのみをひろいあげました。でも、かわをむきはじめよ みち ひと 0 0 0 0 0 0 00 120
とさせるれんしゅうにとりかかりました。 それがうまくいくと、こんどはひげを、 「だらあん。」 とさせるれんしゅうにとりかかりました。 それがうまくいくと、ねこは、とろうんとした目を入り口のドアのほうへ むけて、よわよわしく手をふりながら、 「まあ、しんばいしないでくれたまえ、ただのかぜだとおもうから。でも、 もっとひょっとすると、ト ひょっとするとはっしんチフスかもしれない。 ラホームかもしれないのだ。」 といってみました。 ねこは、たいへんとくいな気もちになりました。そして、 ( はやくだれかこないかなあ。 ) ぐち 136
「ははあ。」 ぶうたは、ゆめをみているような気もちになって、ぼーっとしながらつぶ やきました。 「それにしても、あのかわいらしいこんこさんが、どうしてぼくのようなこ ぶたをすきになったりしたんでしようねえ。」 「それはですねえ。」 とうさんぎつねは、ちょっともじもじとしながらこたえました。 「しつれいですけど、ぶうたさんのてつ。ほうのへたさかげんは、このあたり でもゆうめいでしてねえ。ところが、こんこは、そのてつ。ほうのへたなと ころが、すっかり気にいったらしいのです。」 「へたなところが ? 」 「そうなんです。『ぶうたさんはとても気のやさしいこぶたさんで、いきもの 108
ッドのなかで、気もちよさそうにねむってい いまもうさぎは、こぶたがべ るのをみると、たちまちぐいぐいともうふをはがしにかかりました。 あさ 「おい、おきろおきろ。きのうの朝いいきかせた。はかりじゃないか卓にな たら、すぐ目をさまさなければいけないって。さあ、おきるんだおきるん こぶたはやっとのことで目をあけると、あくびをしながら、ぶつぶっとも んくをいいました。 「なんだっておこしたりするんだよう。せつかくすてきなゅめをみていたと ころだったのに。」 「すてきなゅめって、どんなゅめなんだ。」 「キャベツのゆめさ。」 「なあんだ、またキャベツか。そのこともこのまえちゅういしておいたはす
きょにとうせんしたのです。 「どうだいこぶたくん。これでやっと、ぼくたちどうぶつもにんげんとかた をならべることができるようになったんだ。。ほく、もううれしくってさ。 一、ぶたくんだってうれしいだろ ? 」 「そうだなあ。そういわれてみると、なんとなくうれしいような気もちもす るみたいたねえ。」 こぶたはしかたなさそうにへんじをして、ふわーっとあくびをしました。 それをみると、うさぎはじれったそうなかおになって、しんぶんをとんと んとたたいてみせました。 「こぶたくんこぶたくん。このタヌエモンさんたけどね、もしもこのタヌエ モンさんがキャベツだとかにんじんたとか、そういうくたらないゅめをみ ていたとしたら、市会ぎいんにとうせんできたとおもうかい ? もちろん
のとんでくるほうへはしっていったのです。 うさぎはうまいぐあいに、じぶんのおでこで、 「がちん。」 だま と、びー玉をうけとめると、ばったりとたおれました。 「わあい、やったあ。」 ぶうたはよろこんで、うさぎのそばへかけよりました。 みるとうさぎは、じめんにたおれたまま、びくりともうごきません。 「しんだのかな。」 ぶうたはきゅうに、すまない気もちになりました。いそいでうさぎのむね おと に耳をあててみると、どきどきとしんそうの音がしています。 「ああよかった。でも、すぐにてあてをしなけりゃあ。」 ぶうたはうさぎをだきあけると、町のびよういんへはしっていきました。 みみ まち 114
と一、と一、とあるきつづけて、ねこは町からとおくはなれた、いなかののは らへとやってきました。 ひろびろとしたのはらには、みどりの草がいちめんにおいしげり、まっさ おにはれた空では、お日さまがきらきらとかがやいていました。どおっと風 がふいてくるたびに、草たちはうれしそうにちかちかとひかりました。 これはまた、なんというすてきなのはらでしよう。 のはらがこんなにすてきなのですから、そこにすんでいるどうぶったち だって一びきの一、らす、やさしくて気のいいどうぶったちばかりにちがいあ りません。どなりつこもとっくみあいもしないで、なかよくくらしているに ちがいありません。 ねこは、しあわせな気もちになって、うっとりとためいきをつきました。 まち くさ かぜ 162
すな ちゃいろい毛をしたいぬと白い毛をしたいぬが、砂・ほ一、りをあげながらど たんばたんととっくみあいをしていました。ちゃいろい毛をしたいぬが白い 毛をしたいぬのごはんを、だまってペろりとたべてしまったというのが、とっ くみあいのげんいんでした。 どなりつこや それからもねこは、かそえきれないほどけんかをみました 0 、 とっくみあいが、町のあちらこちらでまい日のようにおこっているらしい ということもだんだんとわかってきました。 町のどうぶったちは、どうしてこう、けんかをしたがるのでしよう。 けんかをみるたびに、ねこはいやなきぶんになりました。一、れいじよう町 にはすんでいたくないという気もちが、しだいにつよくなってきました。 そしてとうとうある日のこと、ねこはいなかのほうへひっこしをする気に なったのです。 まち しろ にち しろ 161
ができましたことは、わたくしのふかくよろこびとすると一、ろであります。 われわれはこれからさき、どのような一、とがおこりましようとも、どなりつ こもせずとっくみあいもせず、いつもしずかにわらいながらなかよくへい わにくらしていこうではありませんか。一、ののはらのひとすみにうまれた ちから なかよし運動をみんなのカでたいせつにそだてあげ、村から村へ町から町 へ、さいごには世界ぜんたいへとおしひろげていこうではありませんか。」 ね一、は、すっかりいい気もちになって、むねをはりながら話をつづけまし 「そもそもけんかとは、たべもののうばいあいからおこりやすいものなので あります。でありますからして、けんかをなくすためには、ますたべもの のうばいあいをなくさなければならないのであります。かりにもし、われ われのなかからたべものをひとりじめして、『一、れはおれさまのものだ。さ うんどう せかい むら はなし まち 201