くらあそびにいっても、チョコレートを 「あのおばさん、けちだからな。い 一枚しかくれないんだ。だけど、ばくだんをしかけて、どかーんとやれば、 どうだい、チョコレートは。せんぶこっちのものさ。」 「でも、どかーんってお店こわれないの。おばさんもふっとんじゃうだろ。」 しんばい モコは、む配になりました。 「だから、くしんしてるのさ。」 コンは、したをベろりとだしました。 のはら 「チョコレートは野原へ、だけどおばさんはちがうとこ、つまり、九州のお んせんにとばしちゃう。」 きゅうしゅう 「九州のおんせんへとばすって。」 きゅうしゅう 「おばさんがね、いちど、九州のおんせんにいきたいって、話してたのしつ てるんだ。おばさんのいもうとが、およめにいってるのさ。そいで、あっ みせ きゅうしゅう
と、コンはめいれいしました。 「へまをするなよ、にげおくれると、どかーんだ。おまえはばらばらになっ ちゃうそ。」 「えつ、ぼくがばらばらに ? ・」 「そうさ、それから、まただな。チョコレート がおんせんにとんでいき、お のはら ばさんが野原においたざるの中におっこちてくるかもしれない。そうなっ たら、モコのせいだそ。どが、うまくいけば、チョコレート、 がそっ ~ 、り・ほ くらのものになるんだ。しつかりたのむ、ぜ。」 コンはモコのかたをたたきました。 でも、ああーーー・モコはいきをとめたまま、ぼうのようにつっ立ちました。 のはら ( どうしよう。。ほくがばらばらになる。お店のおばさんが、野原のざるにふつ てくる。ああ、おばさんはなんてどなるだろう。それとも、おばさんがば なか みせ
というまにそこへいっちゃったら、おばさん、きっとよろこぶぜ。」 「へえ、そんなにうまくいくかなあ。」 「それはおまえのうでひとっさ。 いいか、こんなすてきなひみつをうちあけ たのだから、おまえがばくだんをしかけてくるんだそ。」
「おじさん、こんにちは。」 と、。ヒコがあいさっしました。 「こんにちはだと。きみはだれだい。」 おじさんは、くろめがねのかおをかしげてみせました。 ( あれ、おじさん、目がわるいのかな。ぼくの一、と、よくみえないのかな。 ) ビコは、おじさんにちかづきました。 「・ほくのこと、わからないの。ぼくはね、ほら、あのきん。ほうげの野のむ こ一つの・ と、。ヒコがいいかけると、おじさんは、手をあげていいました。 「まあ、まてよ。きみがだれか、いま考えてみるからな。わしにあてさせて くれ。えーと、きみのとくいなものはなんだな。」 「とくいなこと ? 」 かんが は 170
と、いきをつきました。 おじさんも、いきをつきました。 みると、あらら、おじさんのかぶっていたむぎわらぼうしは、とっくにぬ げおちています。 そして、ちゃいろいあたまに、ちゃいろい長い耳が、つんとたっているで はありませんか。 。ヒコは、はっとして、せなかからとびおりました。 くろめがねがずりおちたおじさんのかおが、。ヒコをみてわらいました。 「ジロおじさんだ ! 」 。ヒコはさけびました。 ながみみ 179
とべるんだな。」 「いやだよ。おろしてよう。」 。ヒコは、くすぐったがってさけびました。 「さ、おろしたそ。だがね、。ヒコ、きみはあのたば一、のけむりをみても、ジ ロおじさんだとはわからなかったのかい いっしょに手をつないでとんで も、わからなかったのかい。なんてまあ : : : 。」 おじさんは、あきれたようにいいました。 ( ほんとに、ぼくのほうがなんにもわからなかったんだなあ。あんなけむり は、ジロおじさんだけしかできないのになあ ! ) 。ヒコは、はずかしくなっていいました。 「おじさんの。ほうしとめがね、ひろってくるよ。」 「よし、いちごをもってきたから、これから。ヒコのうちへいって、みんなで 182
クローバおかにすんでいる、おかあさんのおとうとのジロおじさんは、白 いはをみせてわらいました。 とんばがえり、だいすき 「ひどいや、ひどいや。」 。ヒコは、おじさんにだきっきました。 「おじさんたら、くろめがねなんかかけて、しらんふりしてさ。そいで、ぼ くのこと、だれだなんてきいてさ。」 「はつはつはつは。」 おじさんは、ピコをだきあげました。 「まちでしゃべるを二ほんかって、一つ。ヒコにあげようとおもってきたのさ。 こ一、らで。ヒコがあそんでないかなと、みてたのさ。ところが。ヒコは、おじ しろ 180
「いいか、モコ。ぼくはここで、とけいじかけのばくだん、つまり、じげん ばくだんをつくる、けんきゅうをしてるんだ。」 「えつ、ばくだん ? 」 コンはあたりをみまわしました。 じかん はなび 「この花火と、目ざましをつかってだな。時間をあわせておくと、どかーん とはれっするばくだんをつくるんだ。」 「それ、どうするの。」 「クロー。ハおかのおかし屋、しってるだろ。チョコレートを売ってる店、あ そこにばくたんをしかけるんだ。」 みせ 「あれ、あの店のおばさん、コンくんのしんせきじゃないの。どうして、ば くだんなんかしかけるの。」 や みせ
おじさんは、川のまん中にあけたあなに、つり糸をたらしていました。モ コが近づくと、おじさんは糸をひきあげました。糸のさきに、ぎんいろのさ かながはねました。 「や、さかなだ ! おじさん、一、んなと一、でさかなつってるの ? 」 モコはびつくりしてたずねました。 「そうだよ。ほら、たくさんとれたよ。」 おじさんはあなのよこにかさねたさかなをゆびさしました。つられたさか なは、びんとこおりついていました。モコはおそるおそるあなをのそきこみ かわおと ました。つめたい風が、びゅうとふきあげ、川の音が、 と、とどろきました。 あお そして、ああ、モコはこおりのあなのそこのふかいおくに、青ぐろい川の ちか かわ かぜ なか かわ 110
「こんにちは、おじさん。」 と、モコがあいさっしました。 こえ 「その声はうさぎのモコちゃんだな。かぜをひいたのかい。かぜなら早くう かえ ちへ帰ってあったかくしてねるんだよ。どら、おくすりをあげようか。お くすりはあの草とあの木の根をせんじて : 「あ、だいじようぶですよ、おじさん。」 モコはあわてていいました。 「それよかおじさん、おしえて。ゆきってだあれ ? からすのカーコはいじ しらが わるな白髪のばあさんだというし、ヤマホクチの花は、あたたかいおふと のはらやま んをかけてくれるやさしいひとだっていうし。ねえ、おじさん、野原や山 におふとんをかけてあげるなんて、。ほくみたいなこうさぎじゃ、とてもで きないよね。ゆきって、すごい大女なんだろうか。」 くさ おおおんな はや 126