「かばかばかばかばかの木なんていうんですもの。なにおこってるの、モコ ちゃん。」 「だってさ、かばの木は、ぼくがとんでも、とん・ほがえりしても、なんとも いわないんだ。きっと、うらやましかったんだね。かばの木なんて、うさ ぎみたいにかけっこもはねっこもできないし、こんな金ボタンもつけら れないんだものね。」 「そうかしら。」 よ、 かばの木の白いみきに、耳をあてました。 「モコちゃん、こうやってきいてごらんなさい。かばの木がなにかいってる 「どれどれ。」 モコもまねして耳をくつつけました。すると、あら、ほんと、木は小さな みみ しろ みみ きん
みどりの葉をつけて立っていました。 「かばの木、かばの木。ほら、ぼくの金ボタン、みてごらん。」 と、モコがよびました。 かばの木は、だまって、からだをゆすりました。 たか 「かばの木、どうしてだまってるの。みてごらん。・ほく、高くとべるよ。」 モコは、ぼーんととびあがりました。 「とんぼがえりだって、できるよ。」 モコは、くるんと、とん・ほがえりをうちました。 「どうだい、。 ほくのとぶとこ、みたろ。」 と、モコはいいました。 「おどろいたろ ? 」 でも、かばの木はやつばり、だまってからだをふるわせているだけでした。 きん
「ちつ、ちつ。」 モコは、空をみあげました。 「かっこうのやつがいたら、モコちゃん、かっ一、う、 ってどなってく れるのにな。かばの木なんてつまんないや。なにいってもだまっててさ、 か。はか、はか、はか。はか、はかの , 木ーーー。」 こえ すると、「うふふふ。」とわらう声がしました。 「あれつ、かばの木、わらった ? 」 モコは目をまるくしました。 「あたしよ、モコちゃん。」 か、はの木のかげから、かごをもったうさぎの女の子がかおをだしました。 「なあんだ、 ちゃんか。」 A 」、モコがしし 、ました。 ミミがわらいながらいいました。 め おんな
る かい モ ばう う わ コ し一 みか が い どら のよ や は ち の 、耳わ 耳 : り ゃ 手て 木きう び う い の風に し を ん を 小こが や す び う 冫ま わ い さふ ば び き ど ない た い 葉はて ん の ま な わ び 木きし わ ま し ふ わ た か の た は う わ ほ た に わ の 木きき は れ 14
こ、ん 声で、 AJ 、 、ました。 は、うすい。ヒンクのはなを、もこもこさせて、 め しいました。 まあるい目をまんまるくさせて、 き 「きこえる。かばの木がいってるの。木だってたのしいよ。かけっこしなく ても、小鳥がとんでくる。それに金ボタンのかわりに、ふさかざりをつけ ているよ。ぼくのふさかざりに、はちもくる、ちょうちよもくるよって 「ほんと、そういってる ? 」 しゅしゅしゅしゅ っているようでした。 ちゃん、しゅしゆっていってる。」 0 ことり きん
とミミカししました。 「それから、うふん、あたしがおかあさんになったら、あたしのあかちゃん なか も、あたしのおなかの中で、木の葉をしやりしやり食べるのよ。あかちゃ んね、ちっちゃなはなをもこもこさせて、おいしいおいしいって食べるわ。」 「へえ、それじゃ、 ちゃんのあかちゃんが、おかあさんになってもそう なの ? 」 モコはうれしくなって、手をたたきました。 「ミミちゃん、さくらんぼのたね、うめようよ。木が大きくなって、さくら んぼがなったらいいね。 ちゃんのあかちゃんが大きくなって、そのま たあかちゃんが大きくなって、きっとよろこぶよ。さくらんぼの木がある と、よろこぶよ。」 おお おお おお
おも かえ になるじやろ。もって帰ろうと思ってな。」 それから、よたよた草の中にかくれていきました。 うみ 「グラさんは、海をみないから、海はないというの ? 」 とミミがたすねました。 なか 「さくらん・ほのたねの中に、木はみえない。花もみえない。さくらんぼもみ えない。たねをみたら、しゃぶりかすのたねにしかみえない。でも、たね なか の中にはいろんなものがはいってるんだ。」 A 」、モコがしし 、ました。 こえ 「かばの木の声もみえないわ。うただってきこえるだけよ。ねえ、モコちゃ 、ました。 まえなが 川はモコたちの前を流れていました。いつもとおなじように、ちらちらゆ かわ くさなか うみ
」え うた声がきこえてきました。 「ちびのやっ、あんなうたうたって。」 おも けんが思ったときです。タやけのばらいろがばあっとあかるくなって、ゆ おも きをかぶって立っていた小さな木が、のこのこ動きだしたのです。あっと思う と、木とみえたのはみんな耳のつんと長いうさぎたちで、ゆうこのまわりを とりかこみました。 かわら うたにつづいて、まっ白なきつねがおどるように川原からあらわれました。 「おう、おう、おう。」 きつねちゃん百びき 出ておいで ひやっ しろ ゅう みみ う′」 157
まいにち、まいにち、ゆきがふ 0 て、野も山もま 0 白になりました。 やまなか 山の中のゆうこの家も、ゆきでかこまれてさびしくなりました。とうちゃ んが山へ木を切りに出かけると、ゆうこはひとりぼっち。 ゆきがふかくなると、友だちもあそびに来てくれません。日に一回、るす のゆうこをみに来てくれていた近くの。はあちゃんも、しんけいつうだとかで こられなくなりました。 ゅうこは一日、だれもいない家の中でまりをついたり、外へ出て、ゆきだ つく るまを作ったりしてあそびました。 木の枝にも、切りかぶにも、こんもりとゆきがつもって、ふしぎな動物た やま ゆきの中の白い白いうさぎたち えだ にち しろしろ とも ちか いえなか は しろ そとで カ > どうぶつ 148
6 さくらんぼの木になあれ 「お天気がいし 、といそがしいわ。」 うさぎのモコのおかあさんがいし 「せんたくものをほして、おふとんをほして、こんどは、これもほさなく ちゃ。」 そと おかあさんは、きゅうりをざるにいれて、外へ出ました。 「おかあさん、はたけにきゅうりをまくの。」 と、モコがたずねました。 「このきゅうりは、まくんじゃありません。」 と、おかあさんがこたえました。 てんき 、ました。 で