9 うれしいんだもん さむくなったので、モコの家ではストー。フをつけました。 おとうさんが、屋根にはしごをかけて、えんとつをつけました。 「おとうさん。」 モコが下からいいました。 「そこから、なにがみえる ? 」 とお はりがねでえんとつをゆわえていたおとうさんは、立ちあがって、遠くをみ るまねをしました。 ちゃ 「ミミちゃんちがみえるよ。ミミ ちゃんちのおばあさんが、一、たつでお茶を のんでるよ。はくさいのおつけものを食べてるよ。」 した 103
「ぼくのはこうだ。みててごらん。」 ビコは、あしでつよくとん ! と土をけってとびあがりました。くるんと まわっていました。 「さあ、きみのばんだよ。」 「してもいいけど、このごろはべんきようがいそがしくて、あまりしてない んでねえ。」 コンは立ちあがり、 「あっ、ひ一、うき ! 」 そら と、むこうの空をゆびさしました。 「どれ、どこ ? 」 あおそら そら 。ヒコも、あわてて空をみました。けれど、青い空のどこにも、ひこうきの すがたはみえませんでした。 っち 164
なが れてひかって流れていました。 「川のうたがきこえるわ。」 、ました。 うみうみうみ 「海へ海へ海へい 「そうだ ! 」 た と、モコは立ちあがりました。 とお いっかグラさんにいったんだ。とんでごらん。とんだら遠くがみえ せかい たかたか る。新しい世界がみえるって ! 高く高くとんだら海がみられるよ。 やま ちゃん、ぼく、山へいってくる。山のてつべんで、とびあがってみるんだ ! 」 モコは、むちゅうでかけだしました。 はやし 林をかけて、はたけをかけて、 かわ あたら やま ・つて、うたってる : ちゃんの家を通りすぎ、ぶなの木山に いえとお うみ きやま
しいにおいのしてくるあしもとのかごを、きになるようにながめ ました。 「あのね、いちごなんかとってもすきだよ。」 と一、ろが、おじさんは、まだまだくびをふりました。 うさぎって、そんなやっかね。」 「へえ、そうかね。それでおしまいかい ( えい、なんてわからすやだろう ! ) じめん 。ヒコは、地面をけってさけびました。 「さあ、立つんだ。ぼくが手をつないであげるから、ぼくといっしょにとん でごらん。おもいきりはねてごらん。そうしたら、うさぎがどんなものか、 きっとわかるさ。」 。ヒコは、おじさんのりよう手をつかみました。 おじさんは、。ヒコにひつばられて立ちあがり、。ヒコといっしょに、林の中 はやしなか 175
のはら 野原もくるりと、 あたら 「新しい世界がねえ。」 グラはうたぐりぶかいちょうしでいいました。それから、よっ一、らしよと、 あなからはい出て、立ちあがりました。 そらあお ちかしつ 「地下室の中は、どこをみても土ばかり。外へ出りや、空の青てんじようと、草 。ほうぼう。そのほかにや、なにもみえんさ。べつにかわった一、ともなしさ。」 「グラさん、草ばかりって、きん。ほうげの花やしろつめくさの花がみえるで はやし しよう。ねえ、林やかばの木のダンスもみえないの ? 」 モコはびつくりしてたずねました。 とお 「グラさん、はねてごらんよ。。ほーんってとんでごらんよ。遠くがみえるよ。 さんかくやね おがわ はやし かばの林も、さらさら小川も、。ほくのうちの三角屋根もみえる。そのむこ せかい なか くさ いっかいてん、世界がかわるよ。新しい世界がみえるん っち せかい そと あたら せかい くさ
モコは、外へ出て、うらのかきねのそばにあなをほりました。すると、 「こらつ、だれだ ! 」 っちなか 土の中から、だれかがさけびました。みると、おしりにペンチのようなは さみをもった、はさみ虫でした。はさみ虫は、赤ぐろい六本の足でなにかを かかえこむようにしながら、もういちど、どなりました。 「あっちへいけったら ! 」 「あれ、はさみ虫、おなかの下になにかくしてるの。」 むし モコがのそき一、むと、はさみ虫はおこって立ちあがりました。すると、は くつもかたまっ さみ虫のいたところに、それはりつばなしんじゅの玉が、い ているのがみえました。 「へえ、きみ、いつのまに、一、んなきれいな玉をあつめたんだい。」 モコは目をまるくしました。けれど、はさみ虫はおしりをふりたてて、玉 むし そと むし むし した むし たま むし たま たま