「歌をひとつ、つくらなくちゃね。」 と・も 、ました。 と、ベルトルトは友だち連中にいし つぎひあさ そして、クラウディアが次の日の朝、ユリウスをつれて東ィモムシ村へきたとき、 うた 子どもたちは歌いました。 、ユラーおばさん、、ほうしを買った。 ほうしを買った。 ばうしを買った、。 、ほうしはおばさんによくにあう。 よくにあう。 はなし ュリウスが馬になりたがらない話 うま れんちゅう びがし むら
と、人びとはさけんで、わらいました。 「でも、レタスのことだったらャギも知っていますよ。」 、ました。 と、カバンのユリウスはいし おも 「そう思いませんか ? 「ヤギがレタスをすきだっていうことは、たしかだがね。」 、ました。 と、人びとはいし 「でも、それがどうしたっていうんだ ? 」 「まあまあ待ってください。」 で と、カ、、ハンのユリウスはいって、うれしそうにもみ手をしました。 ひと 「ヤギがほしい人は、いそいで、おうちの庭から、おいしそうなレタスの玉をひとっ もってきてください。そうすれば、ヤギがどれをおいしがるかがわかります。いちば んおいしいのをまずたべますからね。それははっきりしていますよ。そうすれば、ユ おも リウスがどの家にいきたいと思うかがわかるわけです。 ひと ひと 134
じかん べんぎよう なつやす 一時間めは、あまり勉強をやりませんでした。みんなが、夏休みちゅうのことを りよこう したのです。大きな生徒の中には、旅行した子もいましたが、話はほとんどャギのユ リウスのことばかりでした。ョ ( ネスもそこにいながら、ひとことも口をききません でした。 っ 1 ま、つ、 ミツ。 ( チ小屋にとじこめられたヤギは、かわいそうに、ちっともおもし いたひ あたまうえ ろくありませんでした。つみかさねた板を引っくりかえすと、木ばこが頭の上におち ~ 、ら てきました。暗いのがこわくもなってきました。小さなまどはほこりだらけで、クモ やく のすがいつばいです。まどガラスをなめてみましたが、さつばり役にたちません。 とうとう、やけになって、 = リウスは、つのでガラスをつきやぶりました。それか ら、長いことまどわくをゆすぶっていると、ようやくまどがはずれました。これで、 しんせんくうき すこち どうやら新鮮な空気がはいってくるようになりました。県をきずつけて少し血が出ま したが、それくらいは、たいしたことありません。 ああ、はらがへってたまらないなあー ミツ。 ( チ小屋に近いさくのところに、大き おお ごや ごやちか まよ はなし くち おお
、ました。 と、カ。ハンのユリウスはいし 「それに、こいつはだれのものでもありません。あなたがたのところへにげてきたん みひと しゅうかん むら このヤギを見た人があります。でも ですからね。ほかの村でも、なん週間かまえに、 はんぶんやせい どこからきたのか、だれも知らないのです。もしかすると、まえに、半分野生のむれ といっしょに山の中にいたのかもしれませんよ。ャギは年とると、シカみたいにさま よい歩くことがあるっていわれていますからね。」 がっこう せんせい 「学校の先生みたいな、もののいいかたをするじゃないか。」 むらひと 、ました。 と、東ィモムシ村の人たちはいし 「こっちにわたしたまえ。だいたい、 「やつらにわたせば殺されてしまうぞ ! 」 むらひと と、西ィモムシ村の人たちがさけびました。 「こっちへくれば、しあわせに暮らさせてやる。」 「へえ ? はじめに殺すとかなんとかいったのは、だれでしたかね ? あんたがたじ ひがし ある やまなか ころ ころ こっちの草をくっていたんだから。」 くさ とし
むらうしかわ ムシ村の牛が川をとびこえて西ィモムシ村へいき、西ィモムシ村の牛が東ィモムシ村 まきば の牧場へいきました。 村人たちがそれを見て、けんかになりました。 、ました。 東ィモムシ村の人たちはいし くさ けんこう 「こっちの草のほうが、味もいいし、健康にもいい。 うし へ牛をよこしたんだ。」 むらひと 、ました。 西ィモムシ村の人たちはいし みずけ 「こっちの草のほうが、こえていて水気がある。それで、あんたがたは、こっちへ牛 をよこしたんだ。」 む そして、どちらも、あいてがたの牛をつえでなぐり、足でけって、向こう岸へ追い たてました。 ひ りようほうむらびと その日から、両方の村人たちは、にくみあうようになりました。もう、おたがいに であ ほうもん 訪間しあうことをせず、出会ってもあいさつをしませんでした。 ひがし むらびと にし くさ むらひと み あじ うし むら それで、あんたがたは、こっち あし むらうしひがし ぎしお むら うし
カール ハインツは、ヤギのユリウスがくるのをたのしみにしていました。それで、 まえの晩のうちに、川をわたってむかえにいきました。カーリンが本をやぶかれてお し こり、もうュリウスのことなんか知るもんか、といったからです。 うし いえお カール ハインツが牛を家へ追っていくと、ユリウスもじぶんから、走ってついて し おんな しようねん きました。こんどはこの少年のせわになるのだということを知っていたのです。女の おも 子たちはやかましすぎる、とユリウスは思っていました。 ひあさ まきば つぎの日の朝、ヤギはまた牧場へつれていかれました。カールⅡ しいました。 れるときに、ユリウスをなでて、 こ ばん く・つきにんげん はなし ヤキが空気人間とたたかう話 かわ ほん ( インツは、わか はし 110
どうぶつ 動物ならなんでもすきで、動物のあっかいかたがじようずでした。 「かわいそうに。 。しいました。 ハインツよ と、カール 「びしょぬれじゃないか。小屋に入れてやりたいんだけどなあ。」 でも、なでてやろうとすると、ヤギはにげました。そして、二、三歩走ってから立 ちどまり、くびをかしげました。 ま . な ちか ( インツは、ゆっくりとヤギに近づいて、ひくい声でなにか話しかけまし カール た。ところが、手をのばすと、ヤギはまたとびのきました。とうとうカ】ルⅡ ちゅうい は、くるりとうしろを向きました。するとヤギは、注意ぶかく、したしみをこめて、 はなしようねん 鼻で少年をおすのです。 「あそびたいのかい ? 」 と、カー ( インツはたずねました。 そのとおり、ヤギはあそびたか 0 たのです。やがて、少笋とヤギは牧場じゅうをか どうぶつ こえ 。ほはし
あげときゃいいんだ。 「そうよ、 。し力ないわ。」 と、ザビーネがエーフヒエンをかばいました。 、いったってしようがないじゃないの。ほら、エーフヒエンはな、 「そんなにガミガ、、 ているじゃない ? 」 「わかってるよ。」 と、マルチンはいし 、ました。 せきにん 「でも、みんながぼくのことをおこるけど、ほんとうはエーフヒエンの責任なんだ。」 「あたしをおこればいいんだわ。みんな、あたしがわるいのよ。」 おおごえ と、エーフヒエンが大声をはりあげました。 「そうはさせるものか ! 」 と、マルチンがさけびました。 「ぼくのいもうとなんだからな。」 128
ができました。 ーソーセージや、塩けのあるチーズがはさんであ ハタバンがあるぞ ! レ、、 みずけおお リする夏リンゴに、水気の多いナシときたー るやつもあるー 、パンをつつんだ紙などを、ユリウスはヘやじゅうにまきち ふでばこ 本、ノート、 ばしょ らしました。あちこちへ場所をうっしては、したつづみをうってたべました。 とうとう、まんぶくす 冫いたいものだー つまで、もこここ ここは気に入ったぞー ると、ユリウスはゆかの日だまりに横になって、ねむってしまいました。 まえ やがて、子どもたちが先生をまんなかにかえってきて、ドアの前にならびました。 みんな、さけんだり、わらったり、おしあいへしあいしてのぞきこみました。 ふあん ュリウスは、あんまりたくさんの顔がならんで見つめるので、とても不安になって り・よ ) つま - ) きました。できれば、まどからとびだしてにげたかったところでしよう。ャギは両方 まえあしきようたくうえ の前足を教卓の上にのせました。 がっこう 「ユリウスが学校にはいったぞー ほん 0 、 せんせい なっ かお よこ ュリウス、二かける二はいくっ ? かみ しお ュリウス
ふあん うを追いまわされたときよりも、もっと不安でした。ガタガタゆれるのも、とてもな こえ かん さけない感じでした。でも、いまはおなじみの声ばかり聞こえるので、うれしそうに はしうえ 橋の上へとびおりました。 トラックは発車し、ユリウスはもう一度、からだをゆすぶりました。 もりまぎば 東ィモムシ村と西ィモムシ村から、森と牧場から、人びとが走ってきました。 「かえってきたー ュリウスがかえってきた ! 」 と、みんなはさけんで、ヤギをなでました。うれしさのあまり、ついけさがたはユリ ウスなんぞまっぴらだといっていたことも、すっかりわすれてしまいました。 「わたしがひきとるよ。」 、ました。 と、ヘルマンのおとうさんがいし ばしょ ばしょ 「やつばり、おちつき場所がないとね。おちつき場所ができれば、きっといたずらも しなくなるだろう。」 「あんたのうちにはガチョウがいるじゃないか」 ひがし お むらにし はっしゃ むら ひと はし 132