うんてん手 - みる会図書館


検索対象: いたずらっ子といたずらヤギ
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1. いたずらっ子といたずらヤギ

す。 = リウスは、村じゅうをあちらへこちらへと、追いまわされました。 走 0 ているとちゅうで、ふと、また。 ( ンのにおいがしました。 = リウスは、 にんげん なかにわはし ゅん、人間のことはわすれて、。 ( ン屋さんの中庭に走りこみました。ところが、ここ はわなでした。まわりは、 かべと家ばかりなのです。 = リウスはふるえて、あたりを み 見まわしました。 中庭のまんなかに、メリケン粉のふくろをつんだトラ ' クが一台とま 0 ています。 うんてん手がちょうど、あたらしいメリケン粉を。 ( ン焼き場にはこびこむところでし 、ーナ . し た。ほろの下の荷台が、 = リウスにはほらあなのように思えました。あそこにかくれ くら られるぞ ! ャギはひととびでそこにとびあがり、暗いおくに身をひそめました。 なかにわ そのときにはもう、みんなが中庭におしよせました。うんてん手も、トラックにも どってきました。 「ヤギはどこだ ? 」 おおごえ と、人びとは大声をはりあげました。 なかにわ はし ひと しゅ むら しゅ 124

2. いたずらっ子といたずらヤギ

があるのか、ユリウスはいつもさぐってみずにはいられませんでした。 ろうかには、、ほうしとうわぎがかけてあります。ュリウスはくんくんとかいでみま きようしつ した。子どもたちのにおいがします。きっと近くにいるにちがいありません。教室の ドアも半びらきになっていました。 ュリウスはドアをすっかりおしあけて、ぶらぶらと中へはいっていきました。みよ いえだいどころ うなにおいがします。ベルトルトの家の台所や、クラウディアの家の居間とは、ぜん せんちがうにおいでした。 しんせんくさあか まどじきいの上に、新鮮な草と赤い花をうえた、うえ木ばちがのっていました。 = リウスはそれを根まですっかりたいらげました。 それから、教卓の上のチョークをかじりました。でも、かさかさしすぎているよう な気がしました。黒板ふきのスポンジも、おいしくありません。 ある つくえのあいだをゆっくりと歩いているうちに、ランドセルと手さげ力。 ( ンが見つ かりました。とめがねでしめてあるのもありましたが、たいていは鼻をつつこむこと はん きようたく うえ こくばん うえ ちか よな

3. いたずらっ子といたずらヤギ

「ここに、にげこんだんだ ! 」 「ヤギなんか見かけなかったね。」 と、うんてん手はいって、荷台のふたをバタンとあげました。 「ユリウスをさがしているのかい ? 」 や と、。 ( ン屋さんがたずねました。 おも 「それは思いちがいじゃよ、 オしか , な。ここにはい , ないよ。」 おと そして、メリケン粉うんばんのトラックは、ユリウスをのせたまま、ガタガタと音 をたてて走りさりました。 しゅ み こ 126

4. いたずらっ子といたずらヤギ

がわ そのとき、トラックがきたので、人びとはわきへよけなければなりませんでした。 しゆくるま うんてん手は車をとめて、まどから身をのりだしました。 「あんたがたは、けさ、ヤギをさがしていたんじゃなかったかね ? そいつなら、こ こにいるよ ! 」 みんなが、車のまわりにおしよせました。 「四つの村にメリケン粉をはこんでね。」 と、うんてん手はいいました。 くるま 「五つめの村にいって、車がほとんどからになったら、こいつを見つけたというわけ め だよ。いや、おどろいたね。ギラギラひかる目がふたっ、こっちをにらんでいるんだ から。こいつ、つのまではやしていやがる。」 うんてん手は道におりて、荷台のふたをおろしました。 め け ュリウスはあかるいところに出て目をパチ。 ( チさせ、からだをゆすぶりました。毛 くら むら 皮から、メリケン粉が雲のように立ちのぼりました。暗いトラックの中では、村じゅ むら むら しゆみち くるま しゅ びと

5. いたずらっ子といたずらヤギ

「かわいいャギよ。あたし、ヤギのすきな草をいつでもさがしてあげるわ。うちにも かちくごや 家畜小屋があるし。」 と、カーリンがいいました。 「うん、これはいい考えだ。」 、ました。 と、カバンのユリウスはいし 「子どもたちみんなで飼うことにしたらどうだろう。きみたちのところにいれば、殺 にち されつこないしね。では、こうしよう。まい日、かわるがわる、 O じゅんにせわ 丿ス、ヘルマン、ヨ をするのだ。さいしょにベルトルト、つぎにクラウディア、ドー ハインツ、マルチン、ということでどうだね。しまいま ハネスカーリン、カール でいかないうちに、、ほくはまたもどってくる。もう一度、持ち主がだれか、ほうぼう もぬし をきいてまわることにしよう。持ち主がいれば、かえさなくちゃならないからね。」 むらひと 東ィモムシ村の人たちは、さんせいしました。西ィモムシ村の人たちにヤギをとら れずにすむからです。 ひがし むらひと かんが くさ もぬし ころ

6. いたずらっ子といたずらヤギ

まえ わくらい、ひとりでできるわよ。」 クラウディアはくさりを手くびにまきつけて、ヤギを引っぱっていきました。庭の よ、つ ほくさ あずまやには、もうャギのための用意がすっかりととのえられていました。干し草が じめんうえ みず ひとたばと、新鮮な草がひと山つんであり、地面の上に、水をいれたふかざら、その そばに大きな塩のかたまりがおいてあります。 ほくさくさ ャギはそれをみんなためしてみました。まず塩をなめ、それから干し草と草をたべ、 くち さいごに水をひとロのんだのです。 にんおんな こりようしん 三人の女の子と両親は、そのようすを見ていて、ヤギがいかにもおいしそうにたべ おも るのをうれしく思いました。 おかあさんは、ユリウスのくびに小さなすずをつけてやりました。ャギはそれをと てもおもしろがって、しよっちゅうくびをふりました。 おも おとうさんがいし 、ことを思いっきました。ュリウスを、小さな干し草うんばん車の 前につなぐのです。それで子どもたちは、ヤギといっしょにドライプに出かけること おお みず しお やま しお ほくさ しゃ

7. いたずらっ子といたずらヤギ

うえ みんなは、ほんとうにとてもおこっていました。そして。 ( ン屋さんの家を、。 ( ン焼 みせらかしつ き場から、お店、地下室、ものおきにいたるまでぜんぶさがしました。それから、ユ やく リウスをつかまえようと、村じゅうをさがしはじめました。役たたずのいたずらャギ じゅうある ~ しし力ないのです。 を、自由に歩きまわらせておくわけこよ、 はなしぎ 女の人がふたり、ちょうどせんたくものをさおに干したばかりでしたが、話を聞く おんなせんせい と、あわてて出てきて、せんたくものをみんなとりこみました。女の先生は、ヤギさ じゅぎよう やす がしを手つだうことができるように、授業をお休みにしました。 ~ いかされました。もしかしたら、ユリウスが マルチンは、東ィモムシ村へさがしこ そっちへいったかもしれないではありませんか。 ひがし むらひと まもなく、東ィモムシ村の人たちも、そこいらじゅうをさがしはじめました。森や はしうえじん まきば 牧場へ走っていった人たちもありますし、橋の上に陣どった人たちもあります。橋の そうがんきよう 上からだと見とおしがきく、というわけです。双眼鏡までもちだした人もありまし た。でも、ユリウスのすがたは、つののさきつ。ほも、ひげのはしさえも、見あたりま おんなひと ひがし ひと むら むら ひと ひと 、もり 129

8. いたずらっ子といたずらヤギ

おも ベルトルトは、お医者さんの家についたときは、うれしく思いました。クラウディ アがもう、まっていたのです。クラウディアは、ふたりのいもうとといっしょに、庭 た の門のところに立っていました。 「女の子ばかりか ! 」 をスペルトルトよ ししいました。 「小さい子には気をつけてくれよ。ュリウスはあっかましいからね。」 「あたしなら、だいじようぶ。」 、ました。 と、クラウ一アイアがいし て 「ぼくたちも手つだうよ。ここにのこるから。 、ました。 と、ヘルマンとマルチンがいし 「ありがとうさん。」 と、クラウディアはこたえました。 おんな 「あんたたちはいつだって、女の子はばかだって考えているんだから。ュリウスのせ もん おんなこ しゃ こ かんが にわ

9. いたずらっ子といたずらヤギ

がっこう 「だんだんに、また学校になれるようにね。」 みんなは、たのしそうに歌をうたいながら、でかけました。 せいと こうてし せいと ュリウスは、校庭で生徒たちがうたうのを耳にしました。生徒たちがまだ近くにい あたま るあいだは、頭をかしげて、耳をすましました。 おんがく みんなが遠くへいってしまって、歌ごえが聞こえなくなると、音楽のあとを追いか まえむ けたくなりました。前向きにこの小屋にはいってきたのですから、出るときはうしろ 向きでなければだめです。長いあいだ、うしろ足のひずめでドアをけっているうちに、 さびたじようまえがはずれました。ュリウスはそろそろと小屋のそとへ出ると、まん ぞくそうにメーメーとなきました。 おんがく がっこ。っ それから、学校のたてものに向かって、走っていきました。音楽がとてもすばらし かったので、ヒマワリのことはもうすっかりわすれていました。でも校庭はからつぼ あさひ で、朝日をあびてしずまりかえっています。 = リウスは、あたりを見まわしました。 あっ、あそこにあけつばなしのドアがある ! あけつばなしのドアの向こうにはなに とお みみ みみ あし こうてい ちか

10. いたずらっ子といたずらヤギ

・かっこう 「ちゃんとおとなしくしているんだよ、 ? ぼくは学校へいかなくちゃなら ないんだ。午後になったら、またいっしょにあそぶからな。 = リウスは少の手をなめました。カールⅡ ハインツがとくべつかわいがってくれ ることを知「ていたのです。ャギは牧場の門まで少 ~ を追 0 てい 0 て、うしろからか なしげにメーメーとなきました。 かん こういう日の午後は長く感じられます。ュリウスは、たべてはのみ、そしてねむつ てから、またのんではたべました。 あの子はいったいどこにいるんだろう ? だれも話あいてがなく、なでてくれる人 うし くち もありません。牛は、ぶしようたらしく木かげにねころんで、ロをもぐもぐ動かして います。 えんそくで ュリウスは西ィモムシ村へ、ちょっとした遠足に出かけました。そこでも、牛たち むらまきば は、東ィモムシ村の牧場とおなじように、かん木や木の下でダラダラとねそべってい した ます。ュリウスは、ナシの木の下にまだ一まい紙きれがのこっているのを見つけまし ひがし にし むら かみ はなし した うご ひと 111