村 - みる会図書館


検索対象: いたずらっ子といたずらヤギ
124件見つかりました。

1. いたずらっ子といたずらヤギ

西ィモムシ村の人たちも、さんせいしました。東ィモムシ村の人たちにヤギをとら れずにすむからです。 にちこうたい 子どもたちはよろこびました。ャギは一日交替で、こちらの村からあちらの村へ、 けいさん むら あちらの村からこちらの村へとうつるのです。それはもう、計算すみでした。 「こいよ、ヤギ。」 と、ベルトルトがよびました。 「きようは、。ほくのうちだ。」 て しかしャギは、橋の手すりをかじっていて、動こうとしません。力、、ハンのユリウス がポケットからつなをだして、ヤギのくびにまきつけました。 「名まえをつけてやらなくちゃいけないね。」 、ました。 と、ユリウスはいし 「だれだって、ヤギなんてよばれたくはないだろう。」 すると、子どもたちはさけびました。 にし むらひと むら うご びがし むらひと むら むら

2. いたずらっ子といたずらヤギ

むらうしかわ ムシ村の牛が川をとびこえて西ィモムシ村へいき、西ィモムシ村の牛が東ィモムシ村 まきば の牧場へいきました。 村人たちがそれを見て、けんかになりました。 、ました。 東ィモムシ村の人たちはいし くさ けんこう 「こっちの草のほうが、味もいいし、健康にもいい。 うし へ牛をよこしたんだ。」 むらひと 、ました。 西ィモムシ村の人たちはいし みずけ 「こっちの草のほうが、こえていて水気がある。それで、あんたがたは、こっちへ牛 をよこしたんだ。」 む そして、どちらも、あいてがたの牛をつえでなぐり、足でけって、向こう岸へ追い たてました。 ひ りようほうむらびと その日から、両方の村人たちは、にくみあうようになりました。もう、おたがいに であ ほうもん 訪間しあうことをせず、出会ってもあいさつをしませんでした。 ひがし むらびと にし くさ むらひと み あじ うし むら それで、あんたがたは、こっち あし むらうしひがし ぎしお むら うし

3. いたずらっ子といたずらヤギ

つぎひ ひ うしまきば 次の日は、またお日さまが顔をだしました。両方の村の人びとが、牛を牧場へ追っ ていくと、ヤギはどこかへきえうせていました。かん木の下やいけがきの中をさがし ひがし てみましたが、西ィモムシ村のがわにも、東ィモムシ村のがわにもいませんでした。 どこかへいってしまったのです。 「どこにかくしたんだ ? むらひと と、西ィモムシ村の人たちがたずねました。 「おれたちがかくしたっていうのか ? 」 むらひと と、東ィモムシ村の人たちがさけびました。 ひがし けんかがひどくなり、カバンの おも はなし ュリウスがいいことを思いつく話 むら かお りようほうむらひと むら ・ほくした 0 お

4. いたずらっ子といたずらヤギ

「ユリウス、こうなったらあんたは家をたてて、店をひらかなくちゃいけないよ。」 「ええ、そうできればいいんですがね。」 と、カ、、ハンのユリウスはいし 、ました。 にんげんとし 「人間は年をとるものだし、いつまでも旅まわりをつづけたいわけじゃありません。 でも、ぼくにはおかねがないんですよ。このヤギは、みなさんの手もとにおいといて ください」 その顔はとてもかなしそうでした。 むらふるしよう・ほうごや 「われわれの村の古い消防小屋にはいればいい。 、ました。 と、東ィモムシ村の人たちがいし そんちょうこうしやはんぶん むら 「われわれの村では、村長公舎が半分あいている。」 ました。 と、西ィモムシ村の人たちはいい 「では、 しいようにしたまえ。」 ひがし と、東ィモムシ村の人たちがいし ひがし かお むらひと ならひと むらひと 、ました。 たび みせ て 139

5. いたずらっ子といたずらヤギ

「カール ハインツ ! そら、きたぞ。きたぞ ! 」 もう、ヘルマンが西ィモムシ村の子どもで、カールー ーハインツが東ィモムシ村の子 どもだなんていうことは、まったくどうでもよくなってしまいました。 男の人たちは、さくをとびこえて、少無〈たちをたすけようとしました。ところが、 ひがし ャギはすぐにそっちへつつかかっていきました。そして東ィモムシ村の人たちを西イ むら お モムシ村へ、西ィモムシ村の人たちを東ィモムシ村へと、追いちらしました。走った り、さけんだり、わらったりで、大さわぎになりました。 おも ャギは、ここと思えばまたあちら、というふうに、そこいらじゅうをかけまわりま した。だれかがうしろからしのびよろうとすると、たちまちふり向いて、つのでおど おも しました。でも、だれにもいたい思いをさせるようなことはしません。人びとはフウ フウいって走りまわり、とうとう、つぎつぎに、さくをこえてにげだしました。 まきば さいごに、ヤギは牧場にひとりぼっちになりました。そして、円をえがいてゆっく しゅう りと一周し、みんなの頻をながめました。その目は、さもまんぞくそうにキラキラと かお むらひと むら おお ひがし め むら えん ひがし むらひと ひと むら こ

6. いたずらっ子といたずらヤギ

つぎの日の朝早く、ベルトルトはヤギをクラウディアのところ〈つれていきました。 ャギをつれて西ィモムシ村の街道をとおらなくてはならないので、ベルトルトはいし 気持ちがしませんでした。だ 0 て、西ィモムシ村にも、きのうのできごとが知れわた むらしよくどう 0 ているのです。東ィモムシ村のおじいさんが、きのうの晩、西ィモムシ村の食堂に きて、なにもかもしゃべ 0 ていったのでした。 「おはよう、ベルトルト。 こえ ひと と、人びとは声をかけました。 「けさは、あんたのうちじゃ、「ーヒーをじかにポ〉トから、のまなくちゃならなか「 ュリウスがコーヒー はなし ーティーのためにめかしこむ話 むら ばんにし

7. いたずらっ子といたずらヤギ

もんだい そんなことは気にしませんでした。でも、けんかがはじまってからは、これが問題に川 なってきました。だって、川のながれの上が、村ざかいだからです。 あるとき、てすりがこわれました。さいしょにそれを見つけたのは、『カバンのユ つも力。 ( ンをもち歩いているので、こういう名まえで呼ばれてい リウス』でした。い けいと おとこ た男です。この = リウスは、村じゅうを歩いて、くつひも、せつけん、毛糸、たわし、 ぬい糸、ゴムひもなどを売っていました。 「のてすりがこわれてますよ。なおさなくちゃいけませんね。」 むらひと ひがし っしょにいってみました。 ュリウスがそういうので、東ィモムシ村の人たちは、 「われわれがなおすんだって ? ィモムシ川をよく見てほしいね。ことしは、ずっと こっちがわをながれているじゃないか。われわれのがわの手すりは、どうもなってい むら ない。なおすのは、西ィモムシ村のほうだよ。われわれには、かんけいないさ。 カバンのユリウスが西ィモムシ村へいくと、村人はさけびました。 「なにをいうんだ。てすりはもう、きょ年からすっかりくさっていたんだよ。そし にし かわ むら むら うえ ねん がわ むら むらびと

8. いたずらっ子といたずらヤギ

ある日、けんかがとくべつひどくなりました。それはこういうわけです。 あさひと まきば むら 朝、人びとが牛を川べりの牧場に追っていくと、東ィモムシ村のがわに、一とうの ャギがいたのです。でも、どちらの村にもャギはただの一とうもいなくて、飼ってい るのは、牛、ブタ、馬、ニワトリ、ガチョウ、大、ネコだけでした。ところが、とっ ぜん、ヤギがあらわれたのです。毛ぶかくて、二本のそりかえったつのと、長いャギ ひげをはやしたヤギでした。 むらひと 東ィモムシ村の人たちはびつくりして、はじめはなにもいえませんでした。 すると、西ィモムシ村の人たちがさけびました。 ひがし きやく みようなお客があらわれて、 しようねん はなし ふたりの少年がにらみあう話 うしかわ むらひと むら ひがし

9. いたずらっ子といたずらヤギ

ひと はしむ みんなは、橋に向かってかけだしました。橋のまんなかに、カ、、ハンのユリウスがヤ ギといっしょに立っていました。それをはさんで、かたほうのがわに西ィモムシ村の 人たちが、もういつぼうのがわに、東ィモムシ村の人たちがつめかけました。 「そのヤギは、はじめはわれわれのほうにいたんだ。だから、われわれのものだ。」 ひがし と、東ィモムシ村の人たちがさけびました。 「われわれのものだ ! さいごには、われわれのほうにいたんだから。」 むらひと と、西ィモムシ村の人たちがさけびました。 「、ほくのものですよ。」 と、カ、、ハンのユリウスはいって、ヤギのひげをなでました。 はしうえ 「。ほくが見つけたんです。ここの橋の上でね。」 であ 正確にいえば橋のどこでヤギに出会ったのか、ということを、すぐにみんなは知り たがりました。東よりかそれとも西よりか ? 「川のま上でしたよ。」 せいか、 かわ うえ ひがし むらひと ひがし むらひと むら

10. いたずらっ子といたずらヤギ

もうひとりは東ィモムシ村の人です。はじめ、ふたりは、いつものように、なにもい こうぎしん わずにすれちがおうとしました。でも、東ィモムシ村の人はとても好奇心がつよく、 「ヤギのユリウスはどうしている ? 」 と、たずねました。 すると、西ィモムシ村の人も立ちどまって、わらいながら、ヘルマンの家の庭でガ チョウのしでかしたことを話して聞かせました。 そのあとで、ふたりはしたしけに、おやすみなさいとあいさつをかわして、わかれ ました。 ひがし むらひと むらひと よよ ひがし むらひと いえにわ