もかけてあったかもしれません。 ー丿ーはそっとっふやきました。 その、しすかだけれどさびしそうな横顔を見て、ロ おじいさまといっしょにくらしてあけよ、つ ! 」 「ゆめのおしろをすててもしし かた ーリーは、おじいさまの生きているかきり、 : 人は、人それぞれの生き方があります。ロ ゅめをすてることをけっしんしましたが、、 ジョーはねっしんに自分のゆめをそだてていました。 本とインクのあるおしろ。それは、い 、つまてもなく、やねうらべやてす。ひまさえあれは、 ジョーはそのへやにこもって、しようせつのけんこうを書いていました。 いそかしい毎日てした。 十月になると、秋の日はみるみるうちに、西の山なみへおちこんていくからてす。 やがてジョーは、そのけんこうを書きおえました。しかも、ふたつも しんぶんしゃ そのふたつのけんこうをもって、ジョーはこっそり、町の中の新聞社へ出かけました。 「ほう、きみが書いたの。」 しんぶんしゃ 新聞社の人は、ジョーの顔をじろじろとながめたあげく、 「あすかっておこう。一しゅう間もすれは、へんじがてきる〇」 しんぶんしゃ ふつきらはうにいいました。それてもジョーは、うれしくてたまりません。新聞社のたても がっ あき かお よこがお やま まち なか 109
な、まんぞくしたよ、つな、さびしいような : 「これ、おと、つさまに。」 そういって、ジョーはもっていたお金を、おかあさんにさしだしました。 「二十五ド マーチ家にとっては、大金てす。ジョーのような子どもが、かんたんに手にいれることのて きるお金てはありません。 「まさかジョー、わるいことをしたんじゃないわね ? 」 「もちろんよ。これは、わたしがかせいだお金。」 かお 」っ。はい , 」、 、いきったジョーは、とたんにはすかしそうな顔になって、 「しからないてね、おかあさん。わたしがわたしのものを売ったんだから、かまわないてしょ としいなから、はうしをぬぎました。そのジョーの頭ー みんな、 「のつ。」 とさけんだきりうごけなくなりました。ジョーの、あのうつくしくふさふさしたかみの毛が、 かね たいきん かね かね あたま 128
おと の古いピアノは、がまんてきないほどひどい音をたてました。ひとりてひいているとき、きい ろくなったピアノのけんはんの上に、なみだをこはしたことがあるほどてす。それてもベスは、 つらい気もちをみんなに知られまいとっとめていました。 ーか、つつかりして 一方、エミーのなやみは自分のはなてす。まだあかちゃんのころ、ジョ します。 エミーをせきたんをいれるバケツにおとしたことがあります。エミーはい、 「そのせいよ。わたしのはながこんなかっこうになったのは。」 はなし すえっ子のエミーはあまったれて、メグと話があいましたし、ベスはようきなジョーねえさ んとなかよしてした。 げんき まったく、元気いつばいにはねまわるジョーを見ていると、どんな気むすかしゃても、ほほ えみたくなります。マーチおばさんがそうてしたし、おとなりのローレンスろ、つ人がそうてし マーチ家が、ローレンス家と友だちづきあいがてきるようになったのも、みんなジョーのお かけだったのてす。 ゆき その日は雪もようてした。 ゆき ゆき あいだ ベスとエミーが雪がっせんをしている間、すごいいきおいて雪かきをしていたジョ ふる じぶん うえ とも じん ーが、大
『ジョセフィーンや。』 おも そらきた ! そう田 5 って、わたしはいちもくさんににけだしてしまったの。」 ジョーの話を聞いて、ベスかいいました。 「かわいそうなおねえさん ! 」 エミーもいしました。 「マーチおはさまったら、まるて『きゅうけつきん』ね」 「『去」ゅ、つけ・つ」』の一」 ) 、て 1 しよ、つ ? ・」 」ジョーがりゆ、つい 1 し、まーしに。 「ちをすうおにだから、『きゅうけつき』よ。それじゃなんだかばいきんみたいよ。」 とき エミーは、むすかしいことばをつかおうとして、時どきまちがえるくせがあるのてす。 「ねえ、夏休みになったら、どんなことをする ? 」 ちゅういされたエミーか、いそいてべつの話をもちだしました。 おも ふゅあいだ 「そうねえ。わたしは田 5 いっきり朝ねばうがしたいな。冬の間さんざんはたらいたんてすもの。 おも のんびり休もうと思うのよ。」 「わたしは本を読もうっと。」 なつやす あさ はなし
「へえ ! きみのおかあさんが ? 」 げんき ほめられて、ロ ーリーはきゅうに元気か出たようてす。 かいしゃ 「だったら、ばくにもなにかてきるかもしれない。おじいさまはね、ばくを会社のあとつぎに ふね したいんだ。とても大きな船を走らせて、いろんなしなものをはこふしようばいをさせたいん た。てもはくは、そんなことか大きらいさ ! 」 かおあか しゃべるにつれて、ロ ー丿ーの顔が赤らみました。 だいがく 「大学へはいるまては、おじいさまのいうとおりにする。ても、そこから先のしごとは、自分 の考えてすすめたいんだ。それがいけないというなら、ばくはあの家をとび出してやる ! 」 ふね 「船をひとつもらったら ? 」 ーか、ちょ、つしよくいいました。 ふね 「その船て、すきなだけせかいを回るのよ。」 「いいかげんなことをいわないて」 メグが、ジョーをたしなめました。 だいがく 「ローリー あなたは大学ていっしようけんめい勉強するのよ。そうすれはおじいさまもよろ かんが 0 おお まわ で べんきよう さき 106
それてわたし、おねがいしますって、いってきたの。お金はもらえなかったけど、てもいま、 とても、つれし、 こんなふうにして、自分のすきな話を書いていけは、いっかはきっとひとり おも だちがてきる。みんなのために、いろんなことがしてあけられる。そう思うと : とっぜん、ジョーはことばを切りました。うれしくてたまらないのに、ちっともかなしいこ となんかないのに、ばろほろと大っふのなみだがこばれたからてす。 ちか おお こうしてジョーは、ゆめのおしろに、大きくひと足、近づくことがてきました。 おお じぶん かね
ジョーの足がもつれました。 「ば / 、はいプつ。」こへもい力ない ここにいつー・」 ロ ー丿ーが、そのジョーのからだをがっちりとささえてやりました。 「それに、よく考えてごらん。ベスみたいないい子が、そうかんたんにしぬものか。」 「気だてのいい子だからって、しなないとはかぎらないわ。」 げんき ベスはきっとよくなるよ。なぜかって ? それはね、ベスのい 「元気を出すんだ、ジ こんや ちはん会いたい人が、今夜くるからさ。」 ロ ー丿ーがなんのことをいってるのか、ジョーにはわかりませんてした。 「きみたちのおかあさんだよ。」 かえ こんや 「おかあさんが ! 今夜、お帰りになるというの。」 おも 「じつは、そ、つさ。きみたちにないしょて、よけいなことをしたと思うけど、ばく、がまんて きなくて、きのうおかあさんに知らせたんだ。」 「まあ。」 かえ こんや 「たった今、プ ルック先生からへんじがきて、今夜じゅうに帰りますって。」 かんが ひと せんせい 146
女の子の心というのは、じつに気まぐれに、右へゆれ左へゆれるものてす。それてつい、メグ はいってしまいました。 かえ 「おまちになっても、むたてすわ。どうぞお帰りになってください ! 」 フルックさんにしてみれば、かみなりにうたれたような気分だったてしよう。 じぶん しばらくは、ばんやりと立ちすくんていましたが、自分をにらんているメグに気がつくと、 かわいそうに、しょげきってへやを出ていこうとしました。 そこへ、 「ごめんなさいよ。」 はいってきたのはマーチおはさんてす。おばさんは、となりのへやヘはいったプルックさん を、じろりと見て、 「ははあ、あれだね。」 といいました。 「あんたのおかあさんから聞きましたよ。あんたとけっこんしたいという、かていきようしは。 まさかあんた、あんな金のない男といっしょになるつもりじゃあるまいね。そんなことになっ たらわたしのざいさんは、一文だってあげませんよ。」 おんな こころ み かね もん おとこ で みぎ ひだり きぶん 巧 7
そのへんじをもらって、おばさんはかんかんになりました。しはらくは、マーチ家のだれと くち も口をきかないほどてしたが、やがて、友だちの家てジョーを見かけたおばさんは、どういう ものかジョーがひどく気にいって、 「うちへきて、わたしのあいてをしてほしい。 といいだしたのてす。 「がんこておこりつばいおはさんのおあいてなんて ! 」 おも ジョーはこまりましたが、ちょ、つどしごとをさかしていたときてもありますし、田 5 いきって いえかよ おばさんの家へ通、つことにしました。 ってみると、ジョーはあんがいおはさんとうまくいくのてす。たまにおはさんがかみなり をおとすと、 「も、ついや。がまんてきないわ ! 」 かえ と、ジョーもまけすにおこって、さっさと家へ帰ります。するとおはさんのほうかあわてて、 「もどっておいて、ジョーや。」 と、つかいを出します。そこてジョーはてれくさそうにわらいなから、またのこのことおは まえ さんの前へあらわれます。いつのまにかジョーは、このやかましゃのおはさんがすきになって A 」も
「あす、イギリスのボーン家から男の子と女の子の友だちがきます。みんなていっしょにあ たの ホールあそびを楽しんだり。きっ そびませんか。キャンプをしたり、ボートをこいだり、ご おも とすてきだと思うよ。プルック先生が、ばくらのめんどうをみてくれるやくそくてす。ては、 おまちしてます。 「わあ、おもしろそう ! 」 さけんだジョーは、さっそくおかあさんにその手紙を見せました。 してしよう ? わたしたちもなかまにはいって。」 「ボーン家って、どんな人たちかしら。」 と、メグが口をはさみました。 「おすましやさんじゃあなくって ? 」 とし・つえ 「さあ、それは知らないけど、みんなて四人よ。いちばん上がケートて、おねえさんより年上 のなかよしなの。すえっ だって。その下はフレッドとフランク。ふたごの男の子て、ローリー おんな 子はグレースという女の子だわ。」 くち した ひと せんせい おとこ おんな おとこ てがみ とも うえ きみの親友 しんゅう ロ