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検索対象: 世界名作ものがたり43 愛の若草物語
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1. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

それてわたし、おねがいしますって、いってきたの。お金はもらえなかったけど、てもいま、 とても、つれし、 こんなふうにして、自分のすきな話を書いていけは、いっかはきっとひとり おも だちがてきる。みんなのために、いろんなことがしてあけられる。そう思うと : とっぜん、ジョーはことばを切りました。うれしくてたまらないのに、ちっともかなしいこ となんかないのに、ばろほろと大っふのなみだがこばれたからてす。 ちか おお こうしてジョーは、ゆめのおしろに、大きくひと足、近づくことがてきました。 おお じぶん かね

2. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

おかあさんのことばに、きようだいはいっぺんにしすかになって、だんろのそはヘあつまり ました。 ベスはおかあさんの足もとへ。 メグとエミーは、おかあさんのいすの左と右のひじかけへ。 ジョーはいすのせによりかかりました。もしおとうさんの手紙を聞いてなみだをこほしても、 だれにもみつかることがないように おとうさんは、もう年をとっていました。だからへいたいにならす、ばくしさんになってい くさにくわわったのてす。雨の中をどこまても歩き、てきのこうけきをうけてあふない目にあ てがみ そまつなしよくじてやせてしまったはすのおとうさん。けれど、手紙にはそんなことはひ あか とことも書いてありません。毎日を明るく、きばうをもってくらしていると、ありました。お しまいに、きようだいへのことばとして、こんなふ、つに書きくわえられていました。 よる おも 「昼も夜も、おまえたちのことを思い出さないときはない。、 しつもわたしが聞かせていた教え ちちかえ をまもるように。父が帰ったときには、りつばなむすめになっていてほしい。 くち おかあさんが読みおわっても、しばらくはだれひとり口をききませんてした。おかあさんの かたごしに手紙をのぞきこんだジョーは、そこにおとうさんのなっかしい文字を見て、かくす ひる てがみ とし あめなか ひだりみぎ てがみ

3. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

ました。 ケートはもうはたちになっていて、いかにもイギリスのおじようさんらしい、つつましいか んじだったのて、メグはひと目て気にいりました。 ( よかった。この人なら、なかよくてきそ、つ ! ) もっとも、ジョーの目から見ると、 ( 気どりやのおねえさんだわ。つきあいにくいな。 ) ケートのほうても、ジョーのほ、つしを見て、 いくらかおどろいたようすてす。 ひとみしりするベスは、はじめて会うボーン家の人たちに、びくびくしていましたが、ふた ごの男の子のかたほうが、足がわるいことに気づいて、いっぺんにどうじようしてしまいまし ( とてもおとなしそうな子ね。わたしがお友だちになってあげましよう。 ) エミーも、ど、つやらグレースと気かあいそ、ってす 「まるて、むかしからの友だちみたいてすね。」 ノク先生も、ほっとしたようにわらいました。 川のきしへ出たみんなは、二そうのボートにのりこみました。そのひとつのボートのこぎ手 かわ おとこ せんせい ひと とも とも ひと

4. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

( ベスがびようきになって、はじめてわかったわ。この妹が、どんなに気をくばって、はたら あいだ いてきたか。わたしが本に読みふけっている間、ベスはかわいそうなあかちゃんがしぬまて、 っしよ、つけ・′ルめし力し ( 、、、まうしていたんだわ ! ) おも ロやかましいおばさんの家て、ひとりばっちのエミーは、家にいるときには田 5 いもよらない ほどねっしんに、だいどころのあとかたづけをしていました。 ( うちにいるときもこれぐらいのいきごみてベスのおてつだいをすればよかった。そうすれは、 ベスだってびようきになるほどっかれずにすんだのに。 ) ベスのすがたが見えないのを、さびしがっている人が、もうひとりいました。 おとなりのローレンスさんてした。 日がくれると、きまってにわからやってきたベス。ろう人が耳をかたむけているとも知らす、 ほそいゅびをピアノのけんばんに走らせていたベス。 ( そのベスが、となりてしにかけている ! ) かんが そう考えるとたまらなくなったローレンスさんは、ピアノにかぎをかけてしまいました。 いっか、こよみは十二月にはいっていました。はだを切るようなつめたい風が、林のこすえ をゆすっているある日。とうとう、おいしやさまがおっしゃいました。 がっ ひと いもうと じんみみ かぜ はやし 144

5. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

「ほくだってすきてす。」 こた と、答えました。 「本なら、下のへやにいつばいおいてありますよ。ちょうどおじいさんはるすだから、こわく ありません。ど、つぞ。」 と、いわれて、ジョーははりきりました。 「あら、わたしはこわいものなんかなしょ ! 」 としよしつ 図書室にあんないされると、ジョーの読みたい本がぎっしりてす。 「うわあ、すごい ! 」 むちゅうになって、本だなにしがみついていると、げんかんのベルが鳴りました。 「たいへんだわ、おじいさまか ! 」 ーがとびあがると、ロ ー丿ーがくすっとわらいました。 「こわいものなし、なんてしよう ? だけどあんしんしてください。今のベルは、おいしやさ まてすから。」 いしやをむかえるため、へやを出ていきました。ひとりになったジ そういって口 ヨーは、ローレンスろう人のしようぞ、つ画を見あけて、つふやきました。 した じん

6. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

くりしたいとぞんじます。どうかうけとっていただきたい。」 手紙を読みおえても、しばらくはゆめを見ているような気分だったベスは、ジョーにさいそ くされて、ピアノにむかいました。 「すばらしいわ ! 」 おな メグも、ジョーも、エミーも、まったく同じいけんてした。もちろんべスも。 おと ピアノは、うつくしい音をひびかせました。けれど、もっとうつくしくかかやいていたのは、 かお ピアノにうつるベスのよろこびにみちた顔だったかもしれません。 「おれ、こ、、 し ( し力なくっちゃね。」 こた ーカいうと、すぐさまベスは答えました。 「今すぐいってくるわ ! 」 そして、さっさとにわへ出て、ローレンス家のほうへ歩いていきました。おどろいたのは、 あとにのこったジョーたちてす。 「こんなことって、あるかしら。」 「ひとりて、ライオンじいさんのところへ出かけちゃった ! 」 / 、ち 「ふるえて、ロもきけないんじゃないかしら。」 てがみ きぶん

7. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

じつをいうと、メグのくつは足にくいこむように小さなものてしたが、メグはなにもいいま せんてした。そのほうが、足が小さく見えますからね。 いよいよふたりは、ガーディナーさんのやしきへむかいました。ふたりきりて出かける。ハ ティーははじめてなのて、メグもジョーも、こちこちになっています。 それてもメグは、ガーディナー家のむすめたちとなかよしなのて、じきに気やすくなりまし たかジョーはそ、つい、つわけにいきません。 ( なんだかわたしって、お花ばたけの中へはいってきた子馬みたいだわ。 ) おまけにジョーは、せなかをかべからはなせないのてす。 ( ダンスをも、つしこまれたら、ど , っしよ、つ ? ) ちか しようねん しんばいしているところへ、ひとりの少年がのこのこ近づいてきました。 ( にけろ ! ) ようじん みちかんが こんなときの用心にと、ジョーはあらかじめにげ道を考えていました。 ( あのカーテンのかけへ ! ) するりともぐりこむと、 「あっ ! あなたは。」 あし なか

8. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

いつもあなたの家をながめているんてす。やさしいおかあさんと、なかよしのきようだ 。とても、うらやましい気もちて、見ているんてす。」 ローリーには、おとうさんもおかあさんもいないんだわ。 ) おも しようねん そう思 , っと、ジョーはこのひとりほっちの少年が、気のどくになりました。 「それなら、もう二どとカーテンをおろさないようにするわ。いくらても、けんふっしてちょ 、つ ~ して 4 も、 42 っ A 」 しいことは、あなたがわたしの家へあそびにくることよ。」 「そんなごめいわくをかけるなんて。」 「めいわくてすって ! 」 ーが、大きな声てさけびました。 まえ 「どういたしまして。おとなりどうしだもの、わたしたちすっと前から、お友だちになりたか ったのよ。」 それからふたりは、時間のゆるすかぎり、おたがいの家の話をしました。ついてに、なにが 十・ - 」か A 」い , っこ A 」、 4 も。 「わたしは、だんぜん本だわ。」 ー、力い、つ A 」、、つれ 1 しいこ A 」にロ いば く おお ほん はなし とも

9. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

さすかにどきりとしたジョーは、メグやハンナにいいました。 「おかあさんに知らせたほうがいいわ。」 「も、つ少しのしんば、つよ。」 と、メグが答えました。 かえ 「おとうさんがなおったら、ふたりいっしょに帰ってきてくださるわ。」 ところが、運のわるいことはつづくものてす。つぎの日にきたおかあさんの手紙には、 かえ 「よくなりかけたびようきが、またあともどりしそうてす。しばらくはうちに帰れません。」 と、書いてありました。 あいだ ああ、わすかな間に、 へいわてしあわせだったマーチ家の、なんというはけしいかわりよう てしよ、つ。 あいだ ついこの間まて、四人のきようだいがわらいさざめいていたへやに、今すわっているのはメ グひとりてした。 ( お金もいらない、。 トレスもいらない。早くおとうさんとベスになおってほしい みんなて楽しくくらしたい。 ) うすぐらいへやて、ジョーはベスのまくらもとに、ひっそりとすわっていました。 かね はや てがみ そして、 142

10. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

おかあさんに、はっきりとそ、ついいました。」 「とんてもない話だわ。」 あたま ジョーは、頭ごなしにきめつけました。ジョ かんが とは考えていないのてすが、 ( だからといって、おねえさんをひとりじめにするのは、ゆるさない ! ) そんなジョーの気もちを見ぬいているように、おかあさんがいいました。 「とにかくこのことは、メグにはないしょにね。ジョンと話しムロ、つときのよ、つす一て、メグの心 がわかりますから。」 み」、つい、つ , わけ・て、ジョーはプルツ クさんに会うたびに、 ( ちょうしのいい人 ) とばかり、にらみつけてやるのてす。ても、 っこうにききめがありません。 まえ ( こまったわ。ほうっておけは、クリスマス前にだって、おねえさんにプロポーズしそうだ。 ) そしてある日ジョーは、とうとうおねえさんにむかって、遠回しにけっこんの話をはじめま 「もしも、もしもよ。おねえさん、けっこんのもうしこみを、つけたら、ど、つする。」 ーだって、けっしてプルックさんを、わるい人 はな とおまわ はなし こころ ひと 巧 4