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検索対象: 世界名作ものがたり43 愛の若草物語
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1. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

おも ところがそのプレゼントをあけようと思ったら、おかあさんがいません。 「だれかびんばうな人の家へいくとおっしやって。おくさんときたら、なんてもかんてもばっ ばと人にやりたがるたちだから。」 ハンナはいうのてす。しかたなく、四人はペこペこのおなかをかかえて、おかあさんの かえ 帰りをまちました。 かえ おと やがてドアの音がして、おかあさんが帰ってきました。 ご本をありがとう ! 」 「クリスマス、おめてとうー きようたいはロぐちにいいました。 「クリスマスおめてと、つ。」 こた と答えたおかあさんは、すぐにつづけて、 ちか まえ はなし 「ごはんの前にお話があるの。近くにね、六人の子どもをかかえて、それはきのどくなおうち があるんてす。あなたたち、クリスマスプレゼントのかわりに、しよくじをその人たちにあけ てくれない ? 」 げんき ーが元気な声をあけました。 ほんの少し、間があきましたが、ますジョ 「よかったわ、だれも朝ごはんに手をつけてなくて ! 」 ひと くち ひと あさ ほん ひと

2. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

お話をはじめる前に、ます四人のきようだいをごしようかいいたしましよう。耳をすまして ごらんなさい。てんてに、なにやらしゃべっていますね。 「プレゼントのないクリスマスなんて ! 」 まえ といったのは、だんろの前てながながとねそべっていたジョー。 「あーあ・・・・・・お金がほしい。 大きなためいきをついたメグはいちはん上のおねえさんなのに、古ばけたふくをきています。 「ふくだの、くつだの、アクセサリーだの、いつばいもっている人がいたり、なんにももって ひと ない人がいたり。よのなかはふこうへいにてきてますのね。」 すえっ子のエミーもそういいます。 「ふへいをいったらきりかないてしよ。 おお 1 も、つすぐクリスマス プレゼントはなににしよ、つ かね うえ ひと ふる みみ

3. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

「とつつきはわるいけど、やさしい目をしていらっしやるわ。わたしのおじいさまほどじゃな いけど、てもこの人がすき。」 「ありがと、つ、おじよ、つさん。」 ふいに声をかけられて、こんどこそジョーはとびあがりました。ロ ー丿ーのおじいさんが、 かえ 帰っていたのてす , おも いったんはにけだそうと思いましたが、そんなことをしたら、一一どとなかよしになれるチャ ンスはありません。 どきようをきめたジョーは、びくびくしながらろう人にあいさっしました。 「あのう、こんにちは。」 「、わしは。」 と、ろう人はふあいそうにいいました。 「あんたのおじいさんほど、りつばてないらしいね。」 「ええ、まあ。」 「わしはよほどとつつきがわるいよ , つじゃね。」 「そんな気がするんてす。」 じん ひと じん

4. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

2 おかしなおしはい 四人ははらペこてんしてす いもんのにもつをおくるしごとかいそがしくてねえ。なか 「へいたいさんをはけますために、 かえ なか帰れなかったの。」 まえ かお そういいなから、おかあさんはだんろの前のいすにこしをおろして、四人の顔をじゅんじゅ んに見ました。こうやっているときが、おかあさんにとって、いちはんしあわせな気分ていら れるのてしよ、つ。 にこにこしながら、おかあさんは、一通の手紙をとりだしました。 「ごらんなさい。おとうさんからてすよ。」 「わあっ。」 たちまち、四人は手紙のうはいあいてす。 「しすかに。今わたしが読んてあけますから。」 てがみ つう てがみ きぶん

5. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

ーカいいました。きようだいの家ては、毎年クリススになると、きんじよの人たちを あつめて、おしはいを見せることにしていたのてす。 「まわ」け・いこ ? ・」 かお と、メグは顔をしかめました。 「ことしておしまいにしましようね、おしはいなんて子ども 0 ほいことをするのは。」 「あんなことい 0 てる。おねえさんだ 0 て、うれしそうよ。白いドレスをきて、アクセサリー をいつはいかざる、きれいな女の人のやくだったら。」 にむきなおりました。 ジョーは、エ 「あなたがきぜっするはめん、や 0 てみてよ。まるてはっきれがたおれるみたいだもの。」 「だって、しかたがありません。」 くち エミーか口をとがらせました。 「わたし、生まれていちども、人がきぜっするところを見たことがないんてす。」 おしはいには、さ 0 ばり気がすすまない = ミーてしたが、からだが小さいのてわるものにさ らわれるやくにびったりなのてす。 し ? こうやって手を組み合わせるのよ。」 「じゃあわたしが、手本を見せてあける。い、 てほん ひと おんな しろ ひと

6. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

ローリーは、またロをとがらせました。 「はくがそんなことをするもんか。」 おも 、いいかけて、はっと思いだしました : : : そ、ついえば、きようだってべんきようをなまけ せんせい て、先生にしかられたはかりてはありませんか ? っ・・ : : 、つんそ、ったね。」 ローリーは、すっかりすなおな気もちになって、答えました。 「これから気をつけるよ。」 しようねん そう : : : そんなところが、少年の人にすかれるせいかくだったのてす。 夜になって、ベスがしばらくふりてローレンス家へあらわれました。 白いやさしいゅびが、ながれるようにピアノのけんはんをたたき、ローレンスろう人と、ロ ー丿ーの耳を楽しませてくれました。 おんがく ( おじいさま。音楽を聞きながら、なにを考えているんだろう。 ) ロ ー丿ーは、ろう人の顔をそっと見ました。 とお ( どこか、すっと遠いところをながめている : : : ) ローレンスがみつめているのは、なくなったわが子 : : : ロ よる しろ じん くち かお ひと かんが ーリーにとってはおとうさんのお じん 108

7. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

話あいてかいるだけても、どんなにたすかるてしよう。といって、お年よりにむりをさせるこ とはてきません。おかあさんは、ていねいにおれいをいったうえて、ことわりました。 かえ しばらくしてローレンスさんは、となりへ帰っていきましたが、すぐろう人のかわりにあら かお われたのは、プル ックさんてす。ちょうど、けんかんてはったり顔をあわせたのはメグてした。 「お話は、ローレンスさんにうかかいました。おかあさまのつきそいとして、わたしがおとも いたします。」 「まあ , ・」 メグは、手にもっていたこう茶のカップを、おもわすおとすところてした。 ロ フ ローレンスろ、つ人といし ルック」′ル A 」、 : なんという親切な人は カりいるのてしよ、つ。 おも 「ありがと、つございます。母もきっとよろこふと思いますわ ! 」 口には出しませんてしたが、 ( わたしだってうれしいんてす。プル ックさんがいってくださるのなら、あんしんてきますも フルックさんをみつめるメグの目が、そうささやいていました。 じん じん しんせつ ひと 12 ラ

8. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

おと へやのとびらをあけはなして、ベスのひくピアノの音を、ローレンスさんがうっとりと聞い ていたことを。 がけんかんて見はっていてくれたことを。 ほかのものか近よらないよ , つに、ローリー ピアノの上のがくふが、ベスのために新しく手に人れたものてあることを。 こころ ベスの心は、ローレンスさんにたいするか ひとっとしてそんなことに気づかなかったのに、 んしゃの気もちて、いつばいてした。そこてベスは、おねえさんたちにてつだってもらって、 よる あさはや ローレンスさんのためにうわぐっをあんてあけたのてす。朝早くから夜おそくまて、くろうし じん てあんだそのおくりものを、ある朝早く、ろう人がまだ目をさまさないうちに、そっととなり の家へおいてきました。 ( おじいさんが、よろこんてくださるとし はんにち ところが、半日たっても一日たっても、ローレンスさんからへんじがありません。だんだん ベスはしんはいになってきました。 ( はらをたてたのかしら。 ) かえ 二日目のひるすぎ、ベスはおっかいに出かけました。用をすませて帰ってくると、なんのさ わぎてしよう。家のまどから三人のきようだいが、手をふっているてはありませんか。 うえ ちか あさはや あたら よう

9. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

・ : そんなおしゃべりがあってしばらくして、四人の夏休みははじまりました。 やくそくどおり、メグは十時になってもおきてきません。 ジョーは、ロ ー丿ーと川てあそんだあと、りんごの木にこしかけて、本にむちゅうになって しました。 にんぎよう さすがにベスは、自分の人形をしまってある戸だなのせいりをはじめましたが、じきめんど 、つになって、ピアノをひくことにしました。 エミーはエミーて、いちはんお気に人りの白いドレスをきて、にわのすみて絵をかいていま じかん お茶の時間になってあつまった四人は、この半日の楽しさについて、いろいろとしゃべりあ しました。 しいことはかりてはありません。買いものに出かけたメグは、せん もっとも午後になると、 あたま たくのてきないきれを買ってがっかりしましたし、ジョーは本を読みすぎて頭がいたくなりま した。ベスはごちやごちゃになった戸だなを見て考えこみ、エミーは大切なドレスをにわか雨 てぐしょぬれにしました。 くち よる それても、夜、おかあさんに会うと、きようだいはロぐちにいいました。 ちゃ じぶん かわ しろ かんが にんなつやす たいせつ あめ

10. 世界名作ものがたり43 愛の若草物語

へやのすみつこから、エミーカいいました。 「あと十年もしたら、わたしがうんとはたらいてさしあげるわ。」 「ありかとう。あてにしないてまっことにしますわ。」 にこにこしていいましわ」。 そのとき、べつのまどから外を見たベスが、 げんき ー丿ーが元気よくこちらへやってくるもの。」 、ことかありそ、つよ。ロ 「な ~ 力いし にんまえ ー丿ーはいきおいよく四人の前にあらわれました。 そのとおり、ロ 「馬車にのろうよ。さんざんべんきようして、頭がおかしくなっているんた。プ おも おおくりしていくから、おしゃべりがはすむと思、つな。」 さっそく、ジョーとベスとメグが、なかま人りすることになりました。 かえ ちょうどそこへおかあさんが帰ってきたのて、気のきく口ー丿ー 、いいつけてくたさい」 「町にご用があったら といいました。 「そうね。ては、ゆうびんきよくへよってくださる ? おとうさまから手紙がくる日なのに、 まだこないの。きちょうめんな人てすから、めったにおくれることはないんだけど : おと そのことはがおわらないうちてした。けんかんのほうて、するどいベルの音がひびきました。 まち ばしゃ ねん そと ひと あたま てがみ ルック先生を せんせい