章物 《白ソノラマの宇どもの笨》 ほんノ ) いさく 日本名作のがり はつばいらゆう 全 10 巻発売中 ① かぐやひめ あひめさまのものガたり集 おう ② あんじゅとすし王 ガなしいわガれのものガたり集 ひこいち ③ 彦ーとんちばなし とんらとユーモアのある話 うみ ④ 海さちひこ 山さちひこ 「古革もより笨の罟 ⑤ 大江甬のあにたいじ あにたいじのものガたり集 ⑥ つるのあんがえし どうぶつのててくる民話集 ⑦ うしわかまる あ生ガガつやくヴるものガり集 ⑧ ゆきあんな こわくてふしきな民話集 ちょうじゃ ⑨ わらしべ長者 しようしきものの民話集 ⑩ やじさんきたさん ふたりのあガしなたびの話 せん しようかっこうていがく 第一線の児童作家が、小学校低学 ねん 年の子どもむけに、すばらしい日 はんめいさく 本名作の数々をおおくりします。 せかいめいさく 原作 / オールコット かつら 桂 真佐喜 あさひ 《朝日ソノラマの宇どもの笨》 - 力、いノ ) し、さく 世駻名作のがり しようがっこうていがくねん 小学校低学年むき好評発売中 / * アルプスの少女ハイジ * ふしぎの国のアリ ス * フランタ スの * ピ さんせん * 田をたすねて三千 里 * ピノッキオのばうけん * みつばちマーヤのばうけん * にんぎよひめ * くるみわり人形 * しらゆきひめ * ト乙・ソーヤーのほうけん * シンドバットのほうけん * たから じま * こじガものガたり * ハッワルべリーのほうけん ルスのふしぎなたび * 赤 毛のア * ワ ンタ ブッ * あ らいぐまラスカ ル * 未 来少犖コナ ン * ふ しぎな島のフロ ネ の学校ワオレ栃。 き五 * アラジンとまほうのランプ * 南の虹のル * イソップ物語 * わたしのアンネット * 小公女セ * 愛少女ボリアンナ物語 1 ・ 世界名作ものがたっノ 43 ぜんかん こうひょうはつばいらゆう い ) う いぬ げんきく はは やま い ) う みんわしゅう げ みんわい ) う みんわい , う 朝日一〃ラマ 〕原作オールコットラ かつらまさ」ー 〔文 / 桂真佐喜 じどうさっか がたリ かすかす 定価 680 円 @NIPPON ANIMATION CO. , L D. 1987 I S B N 4 - 2 5 7-73 04 3 - 9 C 8 0 9 7 \ 6 8 0 E ストー

間もなくばろりとなみだをこばしました。けれど、少しもはすかしいという気もちにはなりま せんてした。 めしつかいのハンナが、 「おしよくじをどうぞ。」 とよびにこなけれは、ジョーはもっとはけしくなきだしたかもしれません。 あいだ しよくじの間じゅう、ジョーは考えていました。 おも しくさてくるしんているおとうさんのことを思ったら、わからす ( ふへいをいうのはよそう。、 やのおはさんのめんどうをみるぐらい、わけのないことだわ。 ) にんおな きっと、ほかの三人も同じようなことを考えていたにちがいありません。しよくじがおわる と、ジョーのいう「わからすや」マーチおはさんのために、シーツをぬうしごとがまっていま したが、ひとりももんくをいうものがいなかったことてわかります。 げんき まえ いつものようにベスがピアノをひくころには、みんな元気をとりもどしてい ても、ねる前、 おと ました。古いピアノから、ベスの白いゅびが、じつにみごとな音をひき出します。それにあわ エミーの四人ががっしようするのてす。 せて、おかあさんとメグ、ジョ うた もともとおかあさんは、すはらしい歌い手てしたから、きようだいはまだほんの子どもだっ ふる かんが しろ かんが

それてわたし、おねがいしますって、いってきたの。お金はもらえなかったけど、てもいま、 とても、つれし、 こんなふうにして、自分のすきな話を書いていけは、いっかはきっとひとり おも だちがてきる。みんなのために、いろんなことがしてあけられる。そう思うと : とっぜん、ジョーはことばを切りました。うれしくてたまらないのに、ちっともかなしいこ となんかないのに、ばろほろと大っふのなみだがこばれたからてす。 ちか おお こうしてジョーは、ゆめのおしろに、大きくひと足、近づくことがてきました。 おお じぶん かね

ろう人のすわっているいすのほうへ、近づいてきました。そんなことは知らんふりのローレン スさんは、話しあいてのおかあさんにむかっていいました。 おんがく 「この 1 」ろロ ーリーは、音楽をなまけとります。それはかまわんが、こまるのはピアノてして なが な。あまり長くほ、つっておくと、ちょうしがくるってしまう。どうじやろ、つ、おたくのおじよ うさんて、だれかひいてぐださる方はおらんじやろうか。」 ローレンスさんの後ろては、ベスが、 ( わたくしが ! ) とさけびたくなるのを、がまんしていました。 「もちろんおじようさんは、だれともしゃべらんてよろしい。わしは自分のへやにはいったき りだし、ローリーはるすのことか多いんてな。 ・・・さあて、と。」 かえ ローレンスさんは、帰ろうとするようなみふりて、いすから立ちあがりました。 がた 「てはひとつ、今の話をおじようさん方にったえてくださいよ。」 じん おかあさんにあくしゅしようとして、のはしたろう人の手を、しつかりとにぎったのはベス てした。 「わたしても、よろしいんてしよ、つか」 じん はな はなし おお かた ちか じぶん

おと へやのとびらをあけはなして、ベスのひくピアノの音を、ローレンスさんがうっとりと聞い ていたことを。 がけんかんて見はっていてくれたことを。 ほかのものか近よらないよ , つに、ローリー ピアノの上のがくふが、ベスのために新しく手に人れたものてあることを。 こころ ベスの心は、ローレンスさんにたいするか ひとっとしてそんなことに気づかなかったのに、 んしゃの気もちて、いつばいてした。そこてベスは、おねえさんたちにてつだってもらって、 よる あさはや ローレンスさんのためにうわぐっをあんてあけたのてす。朝早くから夜おそくまて、くろうし じん てあんだそのおくりものを、ある朝早く、ろう人がまだ目をさまさないうちに、そっととなり の家へおいてきました。 ( おじいさんが、よろこんてくださるとし はんにち ところが、半日たっても一日たっても、ローレンスさんからへんじがありません。だんだん ベスはしんはいになってきました。 ( はらをたてたのかしら。 ) かえ 二日目のひるすぎ、ベスはおっかいに出かけました。用をすませて帰ってくると、なんのさ わぎてしよう。家のまどから三人のきようだいが、手をふっているてはありませんか。 うえ ちか あさはや あたら よう

ぞら いつも楽しいマーチ家てしたが、おかげてみんな、つゆ空のようにうっとうしい気分てす。 「いやだなあ。こんなときはロ ー丿ーをさそって、スケートにてもいこ , つつと。」 くつをふら下けて出ていくジョーを見なから、エミーかメグにいいつけました。 「ジョーねえさん、ひとりてスケートに、 しくつもりよ。池のこおりがゆるんてきてるもの、き ようつれてってもらえなきや、ことしのスケートはおしまいだわ ! 」 「そんなにいうなら、おいかけていけはいいのに。」 A 」メクカいいましに。 「ジョーは去」っ」、ロ ちどあやまるといいわ。」 「ええ、そ、つする ! 」 しそいてしたくをしたエミーは、ジョーをおいかけました。エミーが池についたのは、ちょ 、つÄ」ジョ ーかスケートぐ つをはいたときてした。妹がきたのを見ても、そっぱをむいて、こお りのはりぐあいをしらべるロ ー丿ーのほ、つへ、すべっていきました。 「きしにそってすべること。まん中は、あふないよ〇」 斗从エミー 」、キっゅ、ついし」ロ に気かっかす、くつをはくのをいそいていたエミーの耳 ー丿ーといっしょよ。あそんてごきけんのよくなったところて、も、つい なか きぶん みみ

はしゃ 「こまったわね。ハンナがむかえにきたら、馬車をさがすから、それまて休んていてよ。」 「そうするわ。わるいけど、コーヒーをもってきてくれない ? 」 せわのやけるおねえさんてす。ても、足をくじいているのては、しかたがありません。 「まってて。」 しよくどうへとんていったジョーは、そこて大しつばいをしました。コーヒーをこほして、 ドレスをよごしたのてす。 「、十ノよ、 あわてたジョーは、もっていた手ふくろてドレスをこすったのて、メグの手ふくろまてコー ヒー色になりました。 「ひやあ、めちゃくちゃだわ ! 」 ドレスの ー丿ーが、コーヒーをはこふのをてつだってくれましたが、 そこへ通りかかったロ まえ 前も後ろもだいなしになったジョーは、もうおどることがてきません。がっかりしているきょ はなし がいろいろとおもしろい話をしてくれました。 うだいの気をひきたたせるように、ローリー ーリーは自分の馬車にのるよう、すす そのうえ、馬車をさがすのがむすかしいと知って、ロ めてくれました。 とお ばしゃ あし じぶん ばしゃ やす

フレッドもジョーも知りませんてしたが、このようすをケートが見ていたのてす。 ( なんてことをするんてしよう。 ) じぶんおとうと 自分の弟ながら、ケートははらをたてました。 ( それにひきかえ、ジョーはりつばだわ。 ) くち たとえすっとんきようなはうしをかふっていても、男みたいな口をきいても、ジョーはすて きな女の子。ケートにも、どうやらそれがわかってきたようてす。 おな 同トしころ、メグ A 」プルツ クさんは、ドイツ語て書かれた、しの本を読んていました。 「わたし、ドイツ語 ( ー こまじしんがありませんの。」 そういってメグはしりごみしましたが、プ ルックさんは、いっこ、つ気にかけるよ、つすかない のてす。 「まちがってもかまいませんよ。気がるに読んてごらんなさい。」 そこてメグは、おっかなびつくりて、その本を読みあけました。それはドイツのゆうめいな じよおう 丿ー・スチュアート」てす。 し人シラーが書いた「女王メー じよおう みず メグのうつくしい声は、かなしみの女王にふさわしく、水のながれのように、聞く人の心へ しみとおります。 じん おんな ほん おとこ ひと こころ

のは、この親切な四人のきようだいだったかもしれません。 プレゼントをもら 0 て、おかあさんが大よろこびしたのはもちろんてすが、まだきようだい うまてもなく、おしばいてす。 には、そのばんの大しごとがまっていました。い お話はジ「ーが作りましたが、おしばいにつかうどうぐは、四人がてんてにちえをしば 0 た おお ふる おも け「さくてす。プリキのきれはしをかざ「たドレスがあるかと思えは、古い大きなバター人れ ふた かずた にぎん紙をはりつけてランプをこしらえます。やくしゃの数が足りないのて、ひとりて二つも みつ 三つもやくをひきうけて、そのいそがしさったらありません。 おまねきをうけた友だちが、とくべっせきのべッドておしあいへしあいしはじめたころ、ま くの後ろてはやっとよういかてきました。 さあ、いよいよまくがあきます。 もり だい名は、「くらい森」てす。 その森というのは、三本はかりのはち一つえの木。おくに見えるほらあなは、たんすのかべ。 それても、そこにすんているまじよが、火にかけていたなべのふたをとると、ほんもののゆけ がふわーっとあがったのて、おきやくさまは大よろこびてす。 しんせつ おお おお

おと の古いピアノは、がまんてきないほどひどい音をたてました。ひとりてひいているとき、きい ろくなったピアノのけんはんの上に、なみだをこはしたことがあるほどてす。それてもベスは、 つらい気もちをみんなに知られまいとっとめていました。 ーか、つつかりして 一方、エミーのなやみは自分のはなてす。まだあかちゃんのころ、ジョ します。 エミーをせきたんをいれるバケツにおとしたことがあります。エミーはい、 「そのせいよ。わたしのはながこんなかっこうになったのは。」 はなし すえっ子のエミーはあまったれて、メグと話があいましたし、ベスはようきなジョーねえさ んとなかよしてした。 げんき まったく、元気いつばいにはねまわるジョーを見ていると、どんな気むすかしゃても、ほほ えみたくなります。マーチおばさんがそうてしたし、おとなりのローレンスろ、つ人がそうてし マーチ家が、ローレンス家と友だちづきあいがてきるようになったのも、みんなジョーのお かけだったのてす。 ゆき その日は雪もようてした。 ゆき ゆき あいだ ベスとエミーが雪がっせんをしている間、すごいいきおいて雪かきをしていたジョ ふる じぶん うえ とも じん ーが、大