0 ・・ じよし であろうか。それはやがて、解決するときもありました。 はこわ じよし げんすいほうもん マッカーサー元帥訪問をおえて、女史らは休養のため八月一二十一日、箱根 ( 。 たいしゅう ごぜん こくみんかんげいたいかい こうきょまえひろば 皇居前広場で国民歓迎大会が開かれたのは、九月五日の午前、五万人からの大衆が、 うんしゅう 女史の風貎に接しようと雲集していました。 とくせつ 高い特設のステージに立った女史は、 「大ぜいの皆さんが、わたしのために集まってくださったのをうれしく思います。皆さ がたあたまこ んの気持ちは、あなた方の頭を越えて、 この高いステージに昇ってきて、そして こころかよ わたしのスカートから、わたしの心に通 ってきています。」 かん洋〕キ」 と、感激にふるえながら語ったのでした。 しんたい わたしたちふつうの身体のものには、そ れいみようき の話が、いかに霊妙に聞かれたことだつを】、「 ながねんげつたいけん たでしよう。長い年月の体験が、普通人 えとく かんか / 、 いじようの感覚を会得しているのでしょ ふうほうせつ みな ひら じよし あっ きゅうよう がっか がっ 第ーと みな 175
・んとく はつおん 4 わ・ん・か / 、 もはればれと、大きなものに包まれてしまう。会得し切ったロ話法による発音も、音楽 かんせい を聴くように快よく耳に響く。完成された『偉大な人間』にただただ俯仰するのみとい ったことでした。 ひしょ しようわ ねんがっ 昭和二十三年八月三十日午後八時四十七分、女史と秘書トムソン女史を乗せた汽車は、 とくめー、 とうきようえき・とうちゃく せんりようか にほんそうしれいふ 【び東京駅に到着した。まだ占領下の日本、総司令部の特命で仕立てられた特別車から、ヘ らいにち・ とうきようえき レン・ケラーは、東京駅のホームに、その第二回目の来日の一歩をしるしたのでした。 げんすい マッカーサー元帥の賓客という、きび しい資格でしたが、女史はほんとうに日 はんふじゅうひと 本の不自由な人びとのためにやってきた たちば のだという立場から、資格とはかけちが ったような和やかさでした。 じよし ふるとも 古い友だちの、そして女史の招聘責任 いわはしたけおし 者の大阪ライトハウスの岩橋武夫氏 ( 故 えきと・つ ほ - つよ - っ 人 ) と駅頭での抱擁も、あたりの人たち まと かん洋〕き かずおおひと の感激の的でした。出迎えた数多い人び じん しやおおさか なご こころ じよし みみひび でむか ひんきやく にち 1 」 ) 」 つつ しようへいせきにん ひと ふんじよし かいめ にんげん した 一」・つ - わほ・つ じよし ふぎよう とくべっしゃ 書斎で点字本を読むヘレン・ケラー きしゃ 173