あし なにかたべてごらんよ 子ゾウは、おなかがすいて いました。それで、しらずし らずのうちに、はなで、くさ をひきぬいていました。まえ 足でほこりをはらうと、ロ のなかにつめこみました。 ニシキヘビかしし ゝました。 「ほうら、ふたつやくに った。もとのはなだったら
そんなこと、できやしないぜ。ところで、ここは日が かんかんでりで、あっくはないかね 「そうですね 子ゾウのはなは、しらずしらずのうちに、おおきな にごったみどりでぐちょぐちょのリンポポ川のどろ みず 水をすいあげていました。そして、あたまのうえにび しやっとかけました。 がわ
こんどは、子ゾウは、のつばの ダチョウおばさんのしつばの けをひつばりました。 それから、ひょろながの キリンおじさんのうしろ足を とつつかまえて、とげとげの木の なかをひきずりまわしました。 みず それから、水のなかで ひるねをしているふとっちょの カバおばさんをたたきおこして、
つぎのあさ、子ゾウは、バナナとさとうきびを どっさりせおい、おまけにメロンを十七こかついで、 みんなに しいました。 「さよ一つなら。ばく、 これから、木がびっしりで、 にごったみどりで ぐちょぐちょの、 リンポポ川のきしまで、 ってくるよ。 ワニがなにを かわ
「すみません。このへんには、いろんなどうぶつがご ちやごちゃいるようですが、ワニのようなもの、みた ことありますか ? 」 「ワニをみたかって ? 」 しいました。 ニシキヘビは、ばかにしたように 「みたとしたら、どうなんだ。なにをききたいんだ ? 」 「ごめんなさい。ワニが、なにをたべているか、ききたい んです すると、ニシキヘビは、とぐろをほどいて、ざらざらの さおのようなしつばで、子ゾウをたたきました。
おれたちがまけてみろ、あの ガチガチのよろいでみをかためた ワニやろうが、おまえの一生を めちやめちゃにしてしまうんだぜ ニシキヘビは、いつもこんな いいかたをするものです。 いいながら、ヘビは、ひつばりました。 さあ、子ゾウとヘビがちからを あわせたので、こちらが つよくなりました。 いっしよう
「いやですよ。ばく、もう / たたかれたくない」 ニシキヘビは、 ~ / 、し、し 「じゃあ、おまえがだれかをたたサよ 「ええ、ばく、たたきかえしてやりたい 「そうだよ。おまえのそのべんりなはなで、たたいて しまえば いいんだ 「ありがとう、ばく、おばえておく」 しました。 子ゾウは、いゝ 「ばく、うちへかえります。そして、たたいてやりますよ 2 ゝじゃないか」
「うわっ、バナナがおちた にいさんたちは、あわてて ないことはすぐにわかりました。 「え、はなか ? おまえ、どこでそんないたずらおば えたんだ。おまえのそのはな、なんでながくなっちゃ ったんだ しました。 子ゾウは、ゝゝ 「ばく、このはな、ワニからもらったのさ。おおきな、 にごったみどりでぐちょぐちょの、リンポポ月でね。ば く、ワニがなにをたべてるかきいたんだよ。そしたら、 ししました。が、ヾナナで かわ
素朴な心あたたまるお話がいつばい / 現代の子どもたちに贈る民話集。 集英社版 母と子の日本の民話 ( 全 3 。巻 , く監修 > 関敬吾 / 坪田譲治 / 和歌森太郎く編集協力 > 西本鶏介 さ楽テ懐ふ笑とさヾま・ 絵いマいさ話ち て、文別民と 描章に話の悲 きと収の心し 、め数をいわ ま し美、々伝話い 話 る , り , 内①とんちひこいち⑩雪女 ⑩したきりすずめ ②おいとけばり ③ほらくらべ ⑩つるのおんがえし ⑩かさ地ぞう ④大工とおに六 ⑤おろかむこ ⑩かちかち山 ⑥天ぐのかくれみの @くわんくわん ⑦一すんばうし @ぶんぶくちゃがま ⑧牛方と山んば @たにし長じゃ 生⑨そこっそうべえ @山ぶしときつね 年 ~ ⑩かつばのきずぐすり 3 に王とどっこい のねずみのよめいり ⑩お月お星 ⑩子そだてゆうれいのかもとりごんべえ 中 ⑩えすがたにようばう水こい島 発 結 ⑩たからふくべ 3 うばすて山 巻 ⑩花さかじいさん⑩へつびりよめご 全 こどものための世界名作童話 3 ゾウのはなはなぜながい ◎ 1979 訳寺村輝夫発行 / 集英社堀内末男 絵長新太 Printed in Japan
ホラ話を楽しむのに、よけいな知識はいらないのですが、およそ動物の中でぞうの 鼻はど特別な役わりをもっているものはありますまい。ぞうの鼻の中は海綿のように なっています。空気を吸うときはゴミよけのフィルターになります。また水をたつぶ りしみこませて、水あびのポンプにもなります。草や木の葉をもぎとり、高い枝にま でとどく、人間でいえば手の役わりもするし、だい一たいへんな力もちなのです。キ プリングの作品にも、そういう特長がちゃんと描かれています。 ところで、この作品の舞台になっているアフリカではどう考えているでしようか。 私は今まで七回もぞうのいるアフリカのサバンナを旅しました。ある時、子どもたち と仲良くなって、私がもっていったスケッチブックに、ぞうの絵をかいてもらったこ とがあります。私はおどろきました。私たちとは書き順がちがうのです。日本に帰っ て日本人の子どもに書いてもらったら、はとんどみんなが鼻から書きはじめました。 ところが、東アフリカの子どもは、キバから書きはじめるのです。顔をかいて耳、か らだ ) しつば、足・ そして「終りだ。」というのです。鼻がないのです。私がさい そくすると、ああ、といって書きたしてくれました。四人はどの子どもに書いてもら いましたが、 鼻を先に書いた子はひとりもいませんでした。 今ここでくわしくその意味をさぐるべージ数がありませんが、要するに、 いつもぞ CD