「ああ、どうしよう。あれは、たった一本のおのだった のに。おのをなくしては、しごとをすることもできは しない」 まずしい木こりはなきだしてしまいました。 すると、川のそこから、こえがきこえました。 「木こりよ、木こり。どうしてそんなに かなしんでいる のか」 木こりがおどろいてこえのほうをみると、川の まんなかに、かみさまがたっています。 「かみさま、わたしはたいせつなおのをなくしてしま かわ ばん かわ
「人間がそんをしたって、かまうもんか。 あしたもきっと、 川におちてやるぞ フつままゝ ) 力しぬしにきこえないように ひとりごとを しいました。 つぎの日も、ろばはせなかに つばいの にもつをつんで、はしをわたってきました。 「このへんでよし。それつ はしのまんなかで、わざと足を すべらせると、ろばはばしゃんと川のなか。 「さあ、かるくなれ、かるくなれ。せなかの かわ 4 3 4
川のなかに、おちてしまったのです。 44
金の 6 ヒギえのおの 川のきしで、木こりが 木をきっていました。 と、手がすべって、お のがとんでいってしまい ました。 かわ
のおのと、びかびかひかるぎんのおのと、それに じぶんのてつのおのも手にいれたのです。 このはなしをきいて、もうひとりの木こりが川の きしへでかけました。そして、ふるいおのをわざと Ⅱになげこんで、ないていました。 「木こりよ、木こり。どうしてそんなに のか かみさまのこえがきこえてくると、木こりはしくし くとなきながらこたえました。 「ああ、かみさま、たすけてください。わたしはたった かわ かなしんでいる かわ
からすはしょんばりしていました。 そのとき、川のきしにおちているとりのはねが 目についたのです。くじゃくのはねもおちていました し、はくちょうのはねも、おうむのはねも、 すずめのもいんこのもおちていました。 「そうだ、いい ことがあるぞ」 からすは、いろんなとりの、いろんなはねをあつめ ると、ひとつのこらず、くろいからだにはりつけまし た。しろいはねも、きいろいはねも、むらさきいろのも、 あおいのも、あかいのも、みどりいろのも。 かわ
一本のおのを川におとしてしまったのです。おのが なくては、しごとができません。しごとができなくては、 カわいい 子どもたちをたべさせることもできません 「それはきのどくだ。わたしが、おまえのおのをとっ てきてやろう みず かみさまは、水のそこから、きらきらひかる金の おのをもってきました。 「木こりよ、木こり。おまえのなくしたおのはこれか ね ? 」 木こりは、金のおのに手をのばして きん かわ しいました。
現代感覚あふれる名訳とフレッシュなさし絵が好評の新しい名作集 / 集英社版 《全 30 巻》 子どものための ■全巻の内容 ①若草物語 ォルコット ( 訳Ⅱ谷口由美子・絵小林和子 ) ②たから島 スチープンソン ( 訳Ⅱ宇野輝雄・絵日梶鮎太 ) ヾー戸氏一丁コし 方ノイ二二ロ ③ガリノ スウイフト ( 訳矢崎節夫・絵Ⅱ河井 / ア ) ④ひみつの花園 ーネット ( 訳Ⅱ中村妙子・絵Ⅱ牧村慶子 ) ⑤アルプスの少女 スビリ ( 訳Ⅱ大野芳枝・絵Ⅱ渡辺藤こ ⑥王子とこじき トウェイン ( 訳Ⅱ〕竹崎有斐・絵Ⅱ滝瀬源こ ⑦海底一一万里 ベルヌ ( 訳・今西祐行・絵Ⅱ八木信治 ) ⑧トム・ソーヤの冒険 トウェイン ( 訳日長谷川甲ニ・絵Ⅱ熊谷聡 ) ⑨赤毛のアン モンゴメリ ( 訳Ⅱ前田三恵子・絵Ⅱ山野辺進 ) ⑩家なき子 マロ ( 訳Ⅱ波多野未記・絵Ⅱ村上幸こ ⑩小公女 ーネット ( 訳は吉田比砂子・絵Ⅱ池田浩彰 ) 生⑩フランダースの犬 ・ジョーンズ ) 年ウィーダ ( 訳Ⅱ榊原晃三・絵Ⅱラベリー ⑩長くっ下のビッビ リンドグレーン ( 訳Ⅱ須藤出摠・絵Ⅱ田中槇子 ) 年⑩ォズのまほうつかし バウム ( 訳Ⅱ山主敏子・絵Ⅱ新井苑子 ) 学 ⑩イワンのばか トルストイ ( 訳Ⅱ松谷さやか・絵Ⅱ箕田美子 ) ☆ ⑩ピノッキオ コロッディ ( 訳日高橋久・絵Ⅱ永井郁子 ) ー、や & 、、⑩シャーロック・ホームズの冒険 ドイル ( 訳Ⅱ中山知子・絵Ⅱ鈴木義治 ) ⑩ロビンソン・クルーソー デフォー ( 訳Ⅱはやしたかし・絵Ⅱ依光隆 ) ⑩ビーターパン ー ( 訳Ⅱ大石真・絵日赤坂三好 ) ⑩デブの国ノッポの国 モロア ( 訳Ⅱ辻昶・絵ⅱ長新太 ) ⑩愛の一家 ザソ ー ( 訳Ⅱ関楠生・絵Ⅱ桜井誠 ) @シートン動物記 シートン ( 訳Ⅱ藤原英司・絵ⅱ平沢茂大郎 ) す を ⑩ファープル昆虫記 ファープル ( 文・絵Ⅱ舟崎克彦 ) 作でズ ⑩てん子ちゃんとアントン 名絵ゃ一 ケストナー ( 訳Ⅱ 川超・絵Ⅱ岡本颯子 ) のしリ ⑩小公子 界さシ / ーネット ( 訳Ⅱ岡上鈴江・絵に南波昌子 ) 世なの中 た的。題売⑩足ながおじさん き代冊舌発 言評①ああ虹情 て現る ュゴー ( 訳Ⅱ菊章一・絵ⅱこさかしげる ) 好 れと全く ⑩きようりゅうの圭界 が訳てお巻 ついしで のヘリーヌ物師 マロ ( 訳Ⅱ花輪莞爾・絵Ⅱよしかわきよし ) みし集格 読新編価ー ⑩十五少年漂流記 ベルヌ ( 訳瀬川昌男・絵Ⅱ伊藤展安 ) 0 集英社
かヒ・ きビモ 6 吟に すなはまを、子ども のかにがあるいて いきます。せっせと どこまでもあるいて いきます。 子どものかにの あるきかたをみてい た、おかあさんのか 力しいました。 「おまえはどうして、
、、をたオせ 一 ( 、たいよう きたかぜが、たいように しいました。 い、たいよう。わたしとあんたとでは、どっちが つよいとおもうかね ? 」 たいよ一つは、にこにことわらいながらこたえました。 9 重