看護婦 - みる会図書館


検索対象: さと子の日記
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1. さと子の日記

たけれど、学校の一日のできごとを、毎日、電話で知らせてくれた一年生当時のことが、 思い出されます。中学生とは名ばかりで、この春、出来た新校舎にもついに人ることがで きなくて、さぞかし、残念であったろうと思います。 日大の森田先生をはじめ、長 ) し間、いろいろお世話になった天竜病院の皆様、二病棟の 看護婦さん、 5 病棟に移って、夏目先生と青島先生、看護婦さんたち、七年間お世話になっ た大井婦長さん、そして、天竜養護学校の先生方、ほんとうにありがとうございました。 浜松医大の賀古先生、秋山先生、大変お世話になりました。あっくお礼申し上げます。 さと さいご - に、病気のお友だちには、 ) しっそうの勇気を、健康なお友だちには、聡子の分ま ですばらしい人生をと願ってやみません。そして、このささやかな日記をとおして、生き子 さ ることの尊さを、す「しでも感じとめていただけるならこれにまさるよろこびはありませ ら ん。この「日記」は、たぶん、そんなことを語りかけようとした名もない少女のメッセー さ ジなのですから。 207

2. さと子の日記

お母さんの手記 六年生の三学期は調子が悪く、学校も休みがちでしたのに、卒業式をむかえることがで さと きて、うれしなみだでした。六年間、天竜養護学校にいたのは聡子ひとりです。身長一二 九センチ、体重二十五キロ、なんとも小さくて痛々しい姿でした。 小学校卒業ができ、いよいよあこがれの中学生活です。その日を楽しみにしていたのに、 ふしゅ 二十八日心配していた高熱と、浮腫 ( むくみ ) が来ました。婦長さんと相談、天竜病院で、 熱が落ちつくまで私が付きそうことになりました。熱はさがらず、肺炎となりました。 先生の診察では、 さと 「聡ちゃんの状態は、今夜だめといっても、不思議ではないですよ。」 といわれました。 てんてき 病気がついに悪化したのです。パンパンにふくれあがったお腹をかかえ、昼夜、点滴で 身動きできないのに、それでも看護婦さんたちと、「わたしニンシン三ヶ月よ」などじよ さと うだんをいいあっている聡子を見ていると、先生の言葉が信じられないのです。 とにかく熱が落ちついたら、東京の日大病院へ移ることになりました。 194

3. さと子の日記

お母さんの手記 さと 一月二十六日、東京の日大病院へ検査に行きました。ことしも、新年のはじめから、聡 3 子は、熱に置まされましたが、 主治医の岡本先生から、最近、特に貧血がひどいといわれ 一月二十二日 ( 火 ) はれ 今日は面会日、授業は国語と社会でした。帰るとき、お母さんが、こんどの土曜日、日 大病院へ持っていくレントゲンと検査の結果を書いた手紙を、婦長さんからもらいました。 主治医の先生にも、看護婦さんにも、うるさいほど、 「運動しては、だめだよ、 いいね。」といわれ、お母さんからも帰るとき、 「先生や看護婦さんのいうとおり、運動しちゃあだめだよ。こっちの検査がわるく、東京 での検査がわるかったら、どうするの。むりしちゃだめだよ」 と、なん回もいわれました。 いつもは、東京の病院へレントゲン写真なんか持っていかないのに、なんか気になりま す。 さと子の六年生

4. さと子の日記

あのことないしょにしてて ~ ( マクライン作、落合恵子訳 ) を読みはじめました。とても 楽しい本だという。 八月十二日先生にお願いして、外泊。家に帰って来た。一日中、つくえのまえにすわりつ ばなしで勉強をしている。すっかりやせ細って歩くにもまえほどの元気がない。それでも、 家に帰れてうれしくてうれしくて、いとこたちとも楽しそうにすごしていた。この外泊が わが家での最後になろうとはー さと 秋になって、すっかり、聡子はやせおとろえ、トイレに立っ足どりもあぶなっかしく、 全く、活気がなくなっていった。 十月十日。天竜病院より連絡を受け、かけつけました。危険な状態であることを知らされ、 このままでは治療もむつかしいからと、肝臓病専門の浜松医大の賀古先生に診ていただく ことになる。 十一月十一日。五病棟の看護婦さん、べットの先生やお友だちに見送られ、すみなれた 天竜病院をあとにする。 五病棟の看護婦さん、ふたりにつきそわれ点滴のまま医大へ向った。 かんぞう 202

5. さと子の日記

七月十六日 ( 日 ) はれ 夕方、看護婦さんが来て、 「さと子、あした、食道ぞうえい ( レントゲン ) だから、朝、食事をしないでね。」 といいました。 あしたは、面会日なのに、ツィていないなと思いました。 七月二十一日 ( 金 ) はれ 午後、学校で草とりをして、その後、アイスをもらいました。アイスをもらえるなら、 いつでも、草とりをやってあげるのになあ、と思いました。 七月二十五日 ( 火 ) はれ きようから待ちに待った夏休みの外泊です。 かなや 朝五時に起きました。お父さんがむかえに来てくれました。金谷についたら金谷の町が、 私に、 " おかえり ~ とい「ているように感じました。私も " ただいま ~ と、心のなかでさ さと子の五年生 143

6. さと子の日記

十月二日 ( 月 ) はれ 朝、食事のとき、テレビのニュースで、きようは、日食だといいました。 私はなんだろうと思っていたら、月が太陽と地球のあいだに来て、太陽光線をさえぎり、 太陽が見えなくなることだとニュースで説明してくれたので、よくわかりました。 九月十五日 ( 金 ) はれ きようは、博子が、頭がいたいいたいと言って、ふうふういってました。看護婦さんも、 とても心配していました。私も心配でたまりませんでした。自習の時もそのことばかり気 になっていました。 九月八日 ( 金 ) はれ 朝から目が赤くはれ上がって、いたくてたまりません。悲しくもないのに、なみだが、 ボロボロ出て、なみだが、なくなるのではないかと思いました。 でも、夕方から、少しずつよくなってきました。 さと子の五年生 149

7. さと子の日記

四月九日 ( 日 ) はれ きようは始業式と人学式がありました。私は始業式のほうが楽しみでした。理由は、学 級担任の発表があるからです。小学部の先生が一れつにならびました。一年生の先生が野 中たえ先生だということは、知っていました。野中先生から数えたら、六番目の所に、沢 人先生がすわっていました。もしかして ? と思ったら、やつばり担任は私の大好きな沢 人先生でした。なんだか信じられないようです。 四月二十一日 ( 土 ) はれ 午後テニスコ 1 トで、職員の人たちが、テニスをやっていたので、看護婦さんと見に行 きました。 ます。 おじいさんは、その後、発見されましたが、すでに亡くなっていました。 さと子の六年生 163

8. さと子の日記

二月十六日 ( 金 ) はれ きようは、金曜日なので園芸当番でした。チャボがたまごを生んでいたので、私はたま ごをとりに行く番で、中に人って行きました。なかは、ふんだらけで、とてもくさくて、 とても感しよくが悪くていやな感じでした。チャボが、歩きまわっているので、こわくて たまりませんでした。でも、生んだばかりのたまごは、あたたかで、かわいいなと思いま した。 三月四日 ( 日 ) はれ べん 夕方、看護婦さんが、尿のコツ。フと便の容器をもって来て、 「あした、検査だからね、血液もとるよ」 と言ったので、この間、検査の結果が悪かったので、また、明日調べるのかなと思いました。 明日の結果か、どうか、よいように : : : おいのりしました。 イスにすわっているだけ、なんて、た 走ってもいけない。あんまり動いてもいけない。 えられないー 158

9. さと子の日記

五月二十三日 ( 水 ) はれ よ - つだい 私のとなりのへやで、容態の悪い人があって、夜、六時ごろから先生が三人きて、手術 がはじまり、看護婦さんたちはとてもいそがしそうでした。 ようだい その容態の悪い人は、きのうまで、私のへやにいた人です。トイレに行くといってたおれ、 急に悪くなったのです。私も、おちつかなくなりました。 五月十七日 ( 木 ) 雨 三日ぶりで、学校に行きました。ずっとかぜをひいていたからです。まだ少しせきも出 るし、鼻が出たりするけれど、熱がさがったので行きました。でも、雨で少し残念でした。 やつばり病棟で、ひとりでねてるより、学校の方が楽しくていいです。六年生のなかでも かぜをひいている人があって、授業中、ずうずうやっていました。 六月二日 ( 土 ) はれ きようは、図書の貸し出しだったので、″ともだち、ねむの木、そして私 ~ を借りました。 166

10. さと子の日記

生 年 の 二月十六日 ( 土 ) はれ 子 と ) 朝、寒いと思ったら、へやのまえにある建物の屋根が白く少し雪がつもっていた。学校さ へ行く坂も運動場も、〇・五ー一センチぐらいつもっていた。 寒いけど、もっと五センチ ぐらいつもったらおもしろいだろうなと思った。なんとなくうれしい気分でした。 二月十日 ( 日 ) はれ きようは、日曜日なので、私のへやの、おとなの人の所へも面会人が三人きました。い つもと同じぐらいだなあと思っていたら、午後になって、なんと、二十一人来ました。と なりでねている博子は、あまりたくさん面会に来るので、必死で、人数を数えていました。 私もポカーンと見ているわけにもいかないので、マンガの本を読んでいました。薬を持っ てきた看護婦さんも、あまりの人にびつくりしていました。 私と博子のところには、だれもきませんでした。 でやってる所だったので、ホッとしました。 185