くだものやのおみせへかけていきました。 「もしもし、おみせにはせきたんをうっていない ? おうまのおくつがとれてしまったのだけれど、せき たんがなくちゃてつがやけないんですって」と しいますと、くだものやのおじいさんはわらって、 「なにを いうのだ。うさぎさん。おれのところは、り んごゃぶどうや、ジャムのようなものならあるけど、 せきたんはうらないよ。くだものやじゃないか」と しいました。
「おまえさん、せきたんな いって、ちの ら、お山へ 下のあなのそこでは たらいているせきたんは りの人にそうおしし よ」とおしえてくれまし た。うさぎちゃんは、 「ほほう、そうですか。そ れは、ありかと、つ」とよ
ろこんで、どんどんお山 へかけていきました。そ して、せきたんほりのは たらいている、ふかいふ かいあなの中へおり ていってみますと、あな の中はまっくらなので、 せきたんほりの人は、ほ 、つしのさきへランフを
やのみせへおうまをつれていって、 「もしもし、おしさん、おうまのおくつがひとっ しいますと、 とれたから、こしらえてくださいな」と かじゃのおじさんはこまったように、 「いまちょうど、せきたんかなくなってしまった。 せきたんがなくちゃてつがやけないもの」と いました。 「おやおや、どうしよう」と、うさぎちゃんは、どぎまま ぎしておうまをそこへあすけておいて、とおりの
おとならしく、えらくなっていたのに、こんなことを おんな されたので、まるで小さな女の子になってしまい じよちゅう ました。おふろやの女中さんにおべべをきせても らったりするおとなかどこにあるでしよう。ほん とにくやしいわと、ふたりとも、そうおもって、ふ くれかえってたっていました。なんておせつかいな いつもは、すきな人だとおもってい 女中でしよう。 たのですが、あんなことされたので、そのかおも、 ひきがえるみたいにいやらしくみえました。
さんかとおりかかりました。ば、つさんは / 、ろいき ものにきいろいけさをかけていました。それを ぜんた しいました。 こえで みると善太がハ 「三平ちゃん、みな。あすこをばうさんがいくだろ う。ね。あれをばく いま、ちょうにしてみせるか 「うん、すぐして。すぐしてみせてよ」 「まってろ。まってろ」 「ならないじゃないか、 さんべい にいちゃん。はやくしないと、 8
んだんげんきをかいふくしてきました。そして、 五日たち、七日たつうちに、もとのじようぶなから だとなったのであります。 きん、きょ いろいろのさ 金魚は、水の中から、にわさきに、 いた花をながめました。また、ある夜はやわらか つき にてらす月のひかりをながめました。じぶんた ちをかわいがってくれた、おじいさんの顔はふた しようねん たび、みることはなかったけれど、少年はまい日の 魚 ように、水の中をのぞいて、えをくれたり、あた いっか なのか よる
「どれ、どれ、わたしにみせてください」と、 おじいさんは、やまぶきの花のさいているにわさ きん、きょ きへまわって、金魚のはいっている大きなはち をのぞきました。 「よう、よう、大きくなったと、 はよろこびました。 しようねん 少年は、おじいさんから、二ひき金魚をかいまし た。おじいさんは、べつに一びき しい金魚をくれ たのです。 いって、おじいさん 引金魚うり
ぜんた それから善太はとおる人ごとにまほうをつか って、トンボにしたり、 ッタにしたり、せみなん かにまでしてしまいました。じどうしやをうんてん しゅごとまほ、つに かけたら、これはカフトムシに なって、かしの木のえだの上にとまりました。う んてんしゆがいないのでさがしていたら、そのつ ののさきにあぶらむしのような小さなむしか のつかっていたので、それだということにきめました。 学に、刀 せいのとはうもなく高いチンドンやがとおっ 134
のみきをよじのばろうとしました。ところがみ きは三かかえも四かかえもあるふとさなので、ふ うせんうりはただじびたへおっこちてはなの さきをうっただけでした。 「えつ、いまいましい」ふうせんうりは、ぶんぶんして 、っち しいました。「こんなことでは、いつまでたっても家 へかえれはしない。ふうせんだまよ、なぜもっと つよくひつばらないんだ。このおれひとりぐらい もちあげてくれてもよさそうなものだ」