つくえの上においてあったトランプの箱から、子ネズ ミたちはじようずにカードをぬきだしました。それを、 みんながけちらして、カードをあたりにばらまきます。 「キングとクイ 1 ンと、ジャックだよ。それから、エー スのワン。ワンは犬なんだよ。」 めいれい チビネズミが命令すると、みんなは、 ) しわれたカード くち をえらびだし、ロにくわえてもってきます。 おう 「あるところに、王さまがいました。」 おんな チビネズミは、ちゃんと、女の子がやったように、や りはじめました。 うえ こ
はじめは、女の子がひとりで勝っていました。おもし ろいくらいの勝ちつばなしです。ところが、そのうちに、 ちから こんどは子ネズミたちが、きゅうに力をみせはじめまし つよ た。なかでも、めだって強いのは、やせつばちのチビで した。 み 「見えてきた。見えてきた。カードのうらが見えてき チビはうたいながら、ひょいひょい、カードをめくっ かず ては、数をあわせていきます。 子ネズミたちは、むちゅうになりました。トランプの こ こ おんな こ
「いれてくれる ? 」 おんな 女の子は、びよこんと、べッドの上におきなおりまし 「ありがとう ! 」 ゆきおと さらさらさらさら、雪の音 さむ のに、ちっとも寒くありません。 トランプのカードはぜんぶ、うらがえしに、まぜこぜ に、ゆかの上にばらまかれました。 「わあ、大きなトランプ。」 おんな 女の子はびつくりして、そう ) こ おお うえ そとゆき 。外は雪がふっている うえ しいました。いつのまに
まめでんきゅう て まくらもとの豆電球が、ばんやり、あたりを照らして います。子ネズミたちのすがたは、もう、どこにもあり ません。 うえ ゆかの上には、トランプのカードとヒマワリのたねが ちらばっていました。 そら は ゆきあさひ 空はきれいに晴れあがり、雪は朝日にキラキラかがや こおり ぼん きました。ゃねのひさしからは、氷のつららがなん本も きえだ こおりはな さがっています。木の枝えだには氷の花がさいていまし こ 8
しんけいすいじゃく いよいよ、ゲ 1 ムがはじまりました。神経衰弱は、カ 1 ドのうらを見ながら、おなじ数のカードをひっくりかえ み すあそびです。つぎつぎめくるのを、よく見ていて、あ そこにはなんのカ 1 ド、ここには と、おばえておか なくてはなりません。うらは、みんなおなじなので、し まいには、どこになにがあったのか、わからなくなって きます。 「ああ、また、さっきのふだ、あけちゃった。」 りようて 子ネズミたちは、ひげをしごいたり、両手をこすりあ いっしようけんめいです。 わせたり、それはもう、 こ み かず