りゆう - みる会図書館


検索対象: ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ
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1. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

224 0 0 0 そんなふうにわたくしは空想しました。あの時、おわれて、たん、すすめのえさになって えいぞう しまったらしい、あわれなちょうが、わたくしの頭の中に映像をのこしていました。その映像 か、たまたまに菜の花の場所に出あって、「花とちょう」になりました。 はなし じかん かけらのような、みしかい話。でも、それが一つのものにまとまるまでには時間がかかると ざいりよう と一男 いってよいかもしれません。材料が一つ所で見つかって、すぐにそれが一つの話にまとまると いう手「とり早い、のよいばあいも、もちろんありましよう。だが、わたくしの験では、 じかん あることからが、長い時間をかけてから、しぜんにうまく組み合わされて生まれてくるという せんろ はうが多いような気がします。「なの花ときつね」にしても、線路の土手に一本はなれて咲い あそ ている菜種の茎を見たことは、少年の日の遊びの時かもしれません。ささいなことでも、目に 見たものを、いにとめておくことは、いっか、それが役に立つのであると田 5 うと、なおざりには できないものとなってきましよう。わたくしたちは、旅をする日に汽車の窓から外の景色を見 てん ていくでしよう。べつだんにめすらしいものではなくても、 いろいろなものを見ましよう。田 えん ある 園のハンノ木に、やぎが一頭つながれていて、その木をなん度かまわり歩いたものらしく、首 きしゃ・ま 2 こ 根のつなが、ひどくみしかくなっているのを汽車の窓から見かけたことがありました。こまっ , て - フぞ・フ たような、やぎの顔つき。・・・・ーーそれは、ただ、そう田 5 うわたくしの想像にとどまるものでありま どうわ しよう。けれども、しばらくたってから、たんばのやぎは、わたくしの童話の中にとりあげら なたね なカ えいぞう

2. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

227 ーフきようこ・フー、う・しはん ふぞくしさフがくぶ かん・一 - フ 「なみだの川」という題で、この作は、もとの東京高等師範学校付属小学部が刊行していた月 砿誌「初等教育研究」 ( そう記慮する ) に発表になりました。それを後日にあらためて珮在の 題にしました。ほんとうの愛の、いに根ざしてはしめて勇ましい行動がとられること、そして、 さくひん もの か・ル′、・フ それがおこなわれると、どんな者でも感動をうけるであろうとい、つことを作品のねらいとしま さくしゃ した。その組み立てでは、英語本でいっか読んだことのある、だれとも作者の出ていない、み ぶんそう 想をか「てに借りうけてしぶんの しかいフアリイ・テール ( おとぎ話 ) から、ある部永、 にとりこめました。 めいあん てんせつ なお、この作では、伝説の世界のりゅうが迷暗をひらこうとする人間の知性の力にかないが たくて、しぶんのほうから近代他し、化化するという文化の歩みをそれとなく意味するよう カカ / 、し・う . てんかい ちゅうせいき かいぶつ ふう に工夫しました。洞くつのりゅうーー中世紀の怪物が科学思想の展開を見る世紀にむかって出 ちゃ、そう とっ きせん とっぴ てくるすがた、つまり、りゅうが汽船になるという着想は、突飛のようでも、かならすしも突 ぶんか ひっゼんあゆ へんけ ぐうぜんの変形ではなく、そこには文化の必然な歩みがあるというようにほのめ 飛ではなく、 もちろん、童話は文学としてロマンの世界をそのままに かされていることを知ってください さくしゃ それを、しか 、つけとってもら、つものです。しかし、作者の「たとえ」をかくしてあるばあい、 どくしゃ と見とどけられない読者もいましよう。それで、ひとこと圭曰きたしておくことにしました。 どうわ ちから

3. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

8 おちついて、水にうかんていらっしゃい。 「プリキのきんぎよ、それがぼく。フんそうだったよ。わかりました。 つばめさん。」 し聿 ( した。 いってこっこり・ おもちゃのきんよは、そフ そら そのときに、空はみごとにタやけがして、もえたつような雲のけ いけ しきが、 . 池のおもてにうつっていました。フリキのきんぎよは、その 雲におなかをかるくあてていました、 。、まはす . つかりおちっはらっ いけ て、池のおもてに花のようにういていました。 ゅうかぜ てくるてしょフかる、 医′ルよは、風 . に タ風がまもなくふ、 れてそろそろと池のおもてをすべるにちがいあリません。 あなたが、おもちゃの金魚だったら・・、ーーそういうつもりで、もういっぺん、 読んでみましよう。それからね、このお話のつづきを考えてみませんか。 みず はな きんぎよ ゅう かぜ

4. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

癶、、ひし、 レ J ′ル、ほ . に かリ・キましょフ。雨が かっても、そこ いるより にそ、フしてぬれながら はり・士从しょ , フ いう、あわれなとんぼに あか ゅう ごらんください赤いタやけ、あしたもきっと よー てんき なるてしょ , フ。けれども、 お天気に いとの長さしか とべない とん、ほは、ゾフした、ら も、のてしようか。 いようと見えるタやけ。 村ても町ても、どこに あか その赤いタやけ雲のひろがる下に、そのような ろっ 、ると あわれなとんぼが、五、六びきどこかに 気がされてなリません。 赤い、きれいなタやけ雲が、とんぼの目玉に、うつっています。あすも、いい 天気になるでしよう。けれど、ああ、こまったな。とんぽは、うちに帰れない むら まち ゅう あめ した かえ ゅう

5. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

798 「リこうな人だな。おかあさんは」 あいての人は、さもかんしんをしたようにはな しをすすめて 「そのせいだろうよ。いまになって、りゅうのはな しを一めず、らしがって、キ、たがる。、け・、は医 / ほ。と あの子はすっかリまじめになる。どうやら に、んらものになるかもしれない」 いってほかの すると、そばからあたまを 、ました。 田カ・カ、、 「そうはなるまいあの子は、じようぶて、 そと げんきて外てあそんているが、どうもす こし - のよわいところがあるよ。ばった おとこ ひと ひと

6. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

、フに、ん、ら、 にんげんが、どこからか、ててきてくれ ものだろ、フか」 こまったよ , フなかおをしながら人たちは、ど , フにも ならない はなしをしあって、やがてはなしにあきて しまうと、それぞれの床につくのてあリました。そう して、じぶんたちまてもまだ見たことがないと フのに、そのリゅ ) フのものおそろし、 ゅめを見るのてあリました。 どうしたらよいのてしょ リゅ ) フをたいじし てくれるつよい男が・ なぜどこからもやって 、 0 おとこ とこ ひと

7. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

りゆうの目のなみだ ー 9 7 てありました。 「ほんと , フにおかしな子だよ。」 「どうしたわけかな。」 人たちがくびをひねってそう 、ました。 いうと、ある人たちはい、 「それは、なんだな、あの子のお 、しかんか、ら やが、あの子の小さい ゅ、フのははし」 しないよ一フにつとめたからだよ。・・・・・ーー『りゆフが り・ゅフが』レ」 くち ロぐせに子どもに 、一フのはよくないよ医、つとあの 子のおかあさんは、おとうさんとはなしをしあって、よく 気をつけておどかしをいわなかったにちがいない」 「なるほどな」 ひと ひと ちい

8. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

「ありがとう。ても、このホテルは、あなたがたの ねん だいじなものてす。あなたがたがきょ年の秋に 南のほうへいかれたあと、いつもがらんと ちょ、 あいていました。それてちょい し士从した おかリ ことわリなしてした けれど。けれども春になりました。つば めさんのホテルにとまって、いつまても すずめがいてはおかしいのてす。わたし めは、これからどこかのやねにすをつ くっ一レ J にし士しょ , フ」 「「ああ、そうてすか。気もちよくこのす、、 , ・ , 」たって / 、たきれ、は、ぼく、らもっごフ みなみ はる あき

9. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

225 れて書かれました。 あかゆう 赤いタやけ」のとんばも、これと同しこと。いっか、いなかの町を歩いているときに、それ てんしんばレら は、しおからとんばでしたが、からだに黒いもめんの糸をぶらさげて、電信柱にとま「ていま てんせん ところ した。頭の上の電線ではなく、たてのの少しばかり高い所にとま「ていました。けれども、 さくひん それを目にとめてから、心にかかってわたくしは、この作品を書きました。 しろ 黒いきこりと白いきこり」 大正十二年 ( 一九二三年 ) の作。 北国のむかし話にかたられる変佖の一つ、「雪女」が、この作品にだされていますが、それ さくしゃ さくひん きよう、 は、作聿名がかってにここに用 いただけです。したがって、この作品は、雪女が出る北方の郷土 こうひてんせつ のロ碑、伝説にたよるところはありません。つまり、ま「たく、作者の創意、空想から書きあ げられたものであります。 しさつわ しんぶん さくひんさ、わ それなのに、昭和三十一年一月、ある小学生新聞にこの作品が再話のかたちにちぢめられ、 にいがたけんかんばらちほうてんせつ 新潟県蒲原地方の伝説、「雪の神様」と題をつけてのせられました。どうして、そういうこと しさつわ になったのか、それをしらべてみましたところ、昭和十六年ごろに、中学校の先生氏が、う せいと ちまう こうひてんせつ けもちの生徒に言って、地方にのこるロ碑、伝説を書きと「て出させ、それらの中からおも はなし しろそうな話をえらんで、ととのえて印刷、本にして売りだしました。その中のひとりの生徒 くろ - もち かみさま いんさっ ほっぱう

10. ひろすけ幼年童話2 りゅうの目のなみだ

2 ー 2 山のかけまてきこえるような気がしました。そうしてそ や、あのりゅうが出て れを一医キつけ・て、、つとなにかか、 くるよフにおもわれました。けれども子どもはちっとも たにま うをおそれません。、の力い谷間に目をやリながらあリたけ こえ の大きな声てよびたてました。 「山のリゅう。山のリゅう。」 山びこが、まねをしました。それだけて たにま こえ 声は谷間にきえました かど、れ ( 、リ . ゅフは ほらあなのおくに ひとりてねていましたが、名をよばれ ると目をかっと見ひ、らキましたたい そフ しか、ながしました やま やま やま おお やま