、ゝ、 ) つばい走りまわっていたにち ばうしゃ : : : そういった、おかしなもの力し がいありません。 ねえ マーニヤは、姉さんの話を聞きながら、げらげらわらったり、ぶるぶるふ るえたり、しくしくないたりして、大きくなったのでした。けれど、もう、 こびとおおおとこ 姉さんは、この世にはいません。おじいさんやおばあさんや、小人や大男な てん どをひきつれて、天にのばってしまったのでした。 それは、一八七六年で、マーニヤが九つの時でした。 が、それから二年たって、また、かなしい日がやってきました。 だいじな、だいじなお母さんが、ゾーシャ姉さんをおっかけてノ 1 トル・ おと 、十、ど、つ ダムの礼堂のかねの音にのって、天にのばってしまったのです。 その日は、マーニヤにとって、わすれることのできない日です。一八七八 年の五月九日です。かきねにのばらがさいていました。
に、にじのようなごこうがさしているようです。 そのうちに、みんなには、見えないけれど、天国から、お使いがついたの でしよう。 お母さんは、体をこきざみに、ふるわしました。 やがて、そのふるえがとまっていきをひきとるとき、お母さんは、といき とと 1 もこ ) ) 。ししました。 「みんな、大すき。」 かがやく金メダル 「ああ、あんなに、おねがいしたのに : マーニヤは、くちびるをかみしめました。小 きん てんごく さい時から、タベのおいのり ゅう つか 0
じよがっこう た、い・カ / 、 りかべん けれど、女学校を出て二年めあたりから、 ノ リの大学へ入って、理科を勉 きよう つよ 強したいという気持ちが、強くなってきました。そして、プローニヤ姉さん わか じぶん じぶんて と、同じように、 ( わたしたちは、若いのだ。自分の道は、自分の手で、きっ き と切りひらいてみせる。 ) と、かんがえだしました。 力を合わせて ある日、マーニヤが、 「そうだ。いいかんがえがうかんだわ。 と、につこりしました。 さて、どういうかんがえがうかんだのでしようか ねえ
「わかるわ。」 「じゃ、げんまんして。」 と、マーニヤは、手をさしだしました。プローニヤ姉さんも、にこにこして 手をだし、しつかりげんまんしました。 「よかった、よかった。じゃ、 いうわ。ね、お姉さん、 だい。」 「え、パリへ ? 」 かお プローニヤ姉さんは、顔いろをかえました。 「お姉さんが、ハ 。リへ行きたくて、こっそりお金をためているのを知ってる わね早く、いって、お医者さんになってほしいわ。 「まあ、マーニヤ、なにをいうの。 リ大学へ入って、お医者さんになるに は、五年かかるのよ。そんなお金は、うちにないのよ。」 はや しゃ ねえ ハリへ行ってちょう
ねえ 「わかっています。それには、そうだんがあるの。お姉さんが、パ ているあいだ、わたしは、一生けんめいにはたらいて、お金をもうけて、 レ」、つ すこ お姉さんにおくります。少しぐらいは、お父さんも助けてくださるにちが いないわ。けっしんしてちょうだい。」 「まあ、マーニヤが、お金をおくってくれるの。」 しゃ 「ええ、おくるわ。そのかわりにやくそくがあるのよ。お姉さんが、お医者 4 い、カ / 、 リの大学 になったら、こんどはわたしを、助けてほしいの。わたしも、 へあがりたいわ。ね、お姉さん、助けっこすると、今、ゆびきり、げんま んしたでしよう。ね、お姉さん。」 なみだぐんだプローニヤは、しつかり、マーニヤをだきました。 、いけないわ。今もいったように、お医者に 「ありがとう、マーニヤ。でも なるには、五年かかるのよ。だから、あなたが、わたしとかわって、パリ かね しよう たす リに何っ いしゃ
へ出かけるには、五年も、またねばならないのよ。 「わかっているわ、姉さん。でも、わたしは、お姉さんより、年が三つも、 下なのよ。だから、お姉さんとくらべたら、二年おくれるだけよ。」 「でも : : : 」 「いいの。お姉さんは、今まで、わたしたちのために、お母さんがわりになっ て、はたらいてくださったのです。わたしたちは、どんなにかんしやして いるか、そして、どんなにかおれいをしたがっているか。 : この気持ち を、わかっていただきたいわ。」 「ありがとう。それじゃ、お父さんに、そうだんしましよう。」 「お父さんは、よろこんで、さんせいしてくださるにちがいないわ。」 きしゃちん ちよきん プローニヤ姉さんの、今までの貯金は、ワルシャワからパリへの汽車賃と、 ねんかんべんきよう それから、だいたい、。、 リの大学で、一年間勉強できるくらいたまっていま した で ねえ とし
と、つ した。どうやら、うまくいきそうです。マーニヤは、お父さんのところへ、 とんで行きました。 「お父さん、ね、今プローニヤ姉さんとゆびきりげんまんしたの。 う。さんせいしてちょうだい。」 その時、お父さんは、大きな机にむかって、しらべものをしていました。 ろうがんきようを、はずしながら、 「なにを、やくそくしたのだね。とっても、すばらしいことらしいね。」 「そうなの。とっても、すばらしいことなの。でも、お父さんが、さんせい してくださらなければ、だめになるの。」 「ほ一つ、ど一つい一つこと」ろ一つ。け一んと一つがっか、ないね。 「あててちょうだい。 「さあ、なんだろうな。」 つくえ しいでしょ
ニヤもいる。それに五年たてば、プローニヤはりつばなお医者さんになっ とう て、かえってくるんだね。たのしみだよ。お父さんもできるだけ、お金を おくりますよ。」 マーニヤは、自分のむねをだきしめるようにして、目をかがやかせました。 とう 「まあ、うれしい。お父さんは、ゆるしてくださるのね。 お父さんは、ふさんせいのはずはないのです。プローニヤが生まれたとき たいカく から、大学まであげたいと思ったのです。けれどもそれができなかったのは、 お金がたりないからでした。 「まあ、うれしい。お父さんもマーニヤも、うちの人はみんな、わたしのこ とをしんばいしてくれるのね。 プローニヤは、目になみだをうかべてマーニヤをだきしめました。 マーニヤもしつかりと、プローニヤ姉さんをだきしめながらいいました。 じぶん ねん ひと しゃ
ながめていました。 むすかしい世の中 さて、マーニヤは、。、 ノリのプローニヤ姉さんに、お金をおくることをやく そくしました。 もっとも、一年分ぐらいのお金は、プローニヤは、もっていきました が、それまでにできるだけたくさん、お金をつくっておかねばなりませんで した。 し′」と それには、仕事を見つけることです。 べんきよう こうじよう が、マーニヤは、勉強のすきな家にそだっただけに、工場へいくとか、商 店につとめるとかいうことを、かんがえませんでした。 てん ねえ かね しよう
「子どもは、もうすぐ、かえります。まっていてください。」 ちゃ とゝい、げんかんにまたせたままお茶もだしてくれません。しかたがないの じかん でマーニヤは、二時間もげんかんに、しょんばりとまたねばなりませんでし し′」とぐち マーニヤは、お金を少しでも多くほしかったから、仕事口をいくつもみつ おも け、時間をきめて、かけまわろうと思いました。けれど、これでは思うよう こ、かけもちはできません。マーニヤは、がっかりしました。 べんきよういえ マーニヤのうちは、肉屋のおじさんまでが、かんしんする「勉強の家」で したから、 にんげん 「人間のやることで、なにが一ばんだいじか。」 と聞かれたら、お父さんも、お母さんも、姉さんも、兄さんも、すぐに口を そろえて、 かね くち