お姉さん - みる会図書館


検索対象: キュリー夫人
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1. キュリー夫人

ゆき と、つ 朝から、雪のふりそうな、さむいさむい日でしたが、お父さんが、勉強し ねえ ている、ジョジオ兄さんと、ヘラ姉さんとマーニヤを、よびにきました。 「お姉さんに、あっておやり。 かお お父さんの顔いろは、いつもとは、たいへんちがっています。しかも、行っ てはならないへやヘ、おいでというのです。 マーニヤは、姉さんと兄さんの顔をだまって見ました。姉さんも兄さんも、 その場につっ立って、ばんやりしています。 「さあ、おいで。」 あと お父さんに、うながされて、子どもたちは後につづきました。 ひ ゾーシャ姉さんのへやには、ろうそくの火が、しずかにほのおをあげ、し いんとしていました。 ゝいきは、もう、そのへやから ねつにうなされた、ゾーシャ姉さんのあらし あさ べんきよう

2. キュリー夫人

にぎやかなきようだい マーニヤのおうちは、いつもにぎやかでした。 ひと ねえ マーニヤは、すえっ子で、兄さんが一人、姉さんが三人ありました。すぐ おとこ 上は、ジョセフで、男でしたが、一ばん上の姉さんが、みんなのたいしよう せんそう でした。みんなげんきで、「戦争ごっこ」が、大すきでした。 一ばん上の姉さんは、ソフィという名でしたが、みんなから、ゾーシャと、 よばれていました。 二ばんめの姉さんは、プラニスラワと ) ニヤとよばれていました。 三ばんめの姉さんは、ヘレナで、ヘラとよばれていました。 しいましたが、みんなから、プロー

3. キュリー夫人

消えていました。 ねえ しろ 姉さんは、白いきものをきて、手をくみあわせ、かすかにわらっておりま かお した。でも、その顔から、血のけはうせていました。かみは、みじかく切っ てありましたが、 美しい顔でした。 「お姉さま。」 こえ マーニヤは、声をふるわせて、よびかけましたが、ゾーシャ姉さんは、返 事をしてくれませんでした。 ゾーシャ姉さんは、天にめされていったのです。マーニヤは、ヘラ姉さん やジョジオ兄さんといっしょに、 かなしく小さな手をあわせました。 あくる日は、ゾーシャ姉さんのおそうしきでした。 くろ とお マーニヤは、黒いマントにくるまって、さむい、さむい通りを、姉さんの あと ひつぎの後につづいて、おくって行きました。 うつく

4. キュリー夫人

「はい。」 マーニヤは、一ばん、べそをかいていましたが、また、気のかった子ども で、あきらめも早いのです。かなしいけれども、心はくじけません。すくす くと、そだっていきました。さいわいなことには、四人の子どもは、お母さ びようき げんき んの病気をもらいませんでした。みんな元気です。とくに、ジョジオさん うんどうせんしゅ たら、運動選手のように、りつばな体です。 そして、うれしいことには、みんな、ゆうとうせいです。 べんきよう プローニヤ姉さんも、はじめは勉強がきらいで、小さい時には三つも下の じよがっこう マーニヤにもまける子でしたが、ぐんぐん勉強がすきになり、女学校を出る きん ちゅうがっこう とき、ゆうとうせいの金メダルをもらいました。ジョジオ兄さんも、中学校 を出るときには、一ばんで、やはりごほうびに金メダルをもらいました。 もちろん、マーニヤも金メダル組です。マーニヤが女学校を出たのは、一 ねえ はや にん かあ

5. キュリー夫人

「わかるわ。」 「じゃ、げんまんして。」 と、マーニヤは、手をさしだしました。プローニヤ姉さんも、にこにこして 手をだし、しつかりげんまんしました。 「よかった、よかった。じゃ、 いうわ。ね、お姉さん、 だい。」 「え、パリへ ? 」 かお プローニヤ姉さんは、顔いろをかえました。 「お姉さんが、ハ 。リへ行きたくて、こっそりお金をためているのを知ってる わね早く、いって、お医者さんになってほしいわ。 「まあ、マーニヤ、なにをいうの。 リ大学へ入って、お医者さんになるに は、五年かかるのよ。そんなお金は、うちにないのよ。」 はや しゃ ねえ ハリへ行ってちょう

6. キュリー夫人

す。 リの大学へ行くことをかんがえついたので きようだいが、助けあって、 べんきよう ねえ リで勉強しているあいだ、マーニヤがはたらいて、お金を ( お姉さんが、パ しゃ 姉さんに、おくるのです。それから、姉さんが、お医者さんになったら、 こんどは、かせいで、マーニヤをパリにおくってくれる。 ) しいかんかえにちか きようだいが、こういうふうに助けっこするのです。 いありません。 しいことをかんがえついたの。さんせいしてほしいわ。 「ね、姉さん、 ゝことってなあに、マーニヤ。 しいことよ。きようだいが、助け合うことなの。 「とってもゝ 「まあ、今だって、助け合っているじゃないの。、 「もっと、助け合うのよ。」 たす

7. キュリー夫人

小さなマーニヤは、姉さんの話を聞きながら、ふきだしたり、ふるえあがっ たりしました。 さて、マーニヤの四つの夏も、もちろんいなかへいきました。 おお やつばり、その年も、たのしいあそびが、い とこや大ぜいの村の子どもと おおごえ っしょこ、ゝ しなかにまっていました。きようだいたちは、大声をあげて、 ねえ はしゃぎまわりました。マーニヤは、いちばんのちびっ子ですが、姉さんた ちに負けないで、いっしようけんめいにはねています。 「みんな、たのしそうね。でも、勉強をすませましたか。 と、とおりかかったお母さんはにこにこしながら聞きました。いなかへきた にい 時は、だいたいあそびです。それでも、ジョセフ兄さんは、かけざんの九九 ねえ をおばえること。それから、プローニヤ姉さんは、アルファベットをおばえ ること。これだけは、こちらにくる時に、お母さんと、やくそくしてあった とし ねえ なっ むら

8. キュリー夫人

へ出かけるには、五年も、またねばならないのよ。 「わかっているわ、姉さん。でも、わたしは、お姉さんより、年が三つも、 下なのよ。だから、お姉さんとくらべたら、二年おくれるだけよ。」 「でも : : : 」 「いいの。お姉さんは、今まで、わたしたちのために、お母さんがわりになっ て、はたらいてくださったのです。わたしたちは、どんなにかんしやして いるか、そして、どんなにかおれいをしたがっているか。 : この気持ち を、わかっていただきたいわ。」 「ありがとう。それじゃ、お父さんに、そうだんしましよう。」 「お父さんは、よろこんで、さんせいしてくださるにちがいないわ。」 きしゃちん ちよきん プローニヤ姉さんの、今までの貯金は、ワルシャワからパリへの汽車賃と、 ねんかんべんきよう それから、だいたい、。、 リの大学で、一年間勉強できるくらいたまっていま した で ねえ とし

9. キュリー夫人

リでけっこんしました。 どおり、お医者さまになったのですが、パ ところが、そのおっとのカジミールさんは、ポーランド人でしたが、ロシ やくにん アの役人に、にらまれていて、ポーランドへかえることができなかったので した。 びよういん それで、プローニヤは、カジミールさんと二人で、小さな病院を、パリで かい」よう 開業しました。 午後一時から三時までのかんじやは、カジミールさんがうけもち、そのほ かの時間は、、 フローニヤ姉さんのうけもちでした。しんさっ室が一つだから、 かわるがわるつかうよりほかなかったのです。 さて、プローニヤ姉さんは、病院を開業すると、さっそくマーニヤをパリ によぶことにしたのでした。 カくし 「わたしたちは、お医者になったけれど、まだ、びんばうで、あなたに学資 しゃ しゃ じん しつ 118

10. キュリー夫人

かあ まいにち ねえ つばいあ プローニヤ姉さんには、毎日毎日、お母さんがわりの仕事が、い かていきようし りました。けれど、ひまをつくって、きんじよの子どもたちの、家庭教師に かね なり、そのおれいのお金をためていました。 いしゃ 。たい。カ′、 リの大学を出て、お医者になることでし プローニヤ姉さんののぞみは、。、 そのころ、ポーランドには、お医者さんが少なかったのです。お医者さん むら のいない いなかの村が、たくさんありました。プローニヤは、お医者さん ひょうき 冖に、なり・ - 、 いなかの村へいって、病気の人を、すくってやりたいという気持ち が、心の中で、いよいよはげしくなるばかりなのです。 じよがっこう ところがマーニヤは、少しちがいました。女学校を出たときには、大学は、 きつばりとあきらめていました。というのは、まだ、しようらいの希望を、 はっきりきめていなかったからです。 きぼう