キュリー夫人 A 田 6 ポプラ社文庫 A 106 定価 390 円、 I S B N 4 - 5 91 -0 0 9 7 4 - 2 C 81 2 5 \ 3 9 0 E キュリー夫人 山本和夫 ポプラ社文庫 く伝記 > べべ織豊徳エナ野キへ ーー田臣川ジイロュレ トプ信秀家ソチ英リン ー・長吉康ンン世ー ゲ夫ケ 一人ラ ス 大川悦生 3 おかあさんの木 めす 2 車のいろは空のいろあまんきみこ デゴイチ あまんきみこ あ庫名まえを 大川悦生 おんちゃんの話 みてちょうだい を文 リコはおかあさん間所ひさこ 学な子そうのプローくん寺村輝夫 5 トン子ちゃんの 谷真介 寺村輝夫 文イおにのあかべえ アフリカぼうけん 作デ のんびりこぶたと 小沢正 創ン 2 オムくんトムくん寺村輝夫 せかせかうさぎ 社 宮川ひろ 源じいさんの竹とんぽ斎藤了一 話っ齠るすばん先生 宮川ひろ 斎藤了一 8 アーコも転校生 6 天下一の鎌 作す 4 ちいさなちいさな いぬいとみこ 舟崎克彦 駅長さんの話 フ一創や 0 森からのてがみ るみ いぬいとみこ 8 白クマそらをとぶ 0 、あ読もしもしウサギです舟崎克彦 のつばビルのでぶくん大石真 8 やまんばのにしき松谷みよ子 定た A123 A122 A120 A118 A117 A114 A108 A107 A106 A105 柳田国男 山口正重 4 日本のむかし話 C 山本和夫 日本のむかし話柳田国男 柳田国男 馬場正男 5 日本の伝説 C 柳田国男 土田治男 説日本の伝説冨 大川悦生 野村兼嗣イ日本の民話 1 大川悦生 平方久直 舌日本の民話 2 - 三ロ 大川悦生 北島春信民日本の民話 3 大川悦生 山本和夫 1 日本の民話 4 赤坂包夫 浜野政雄 翁 0 山本和夫 ポプラ社 文庫 A 1 06 ポプラ社文庫
にっぽん まも のです。やくそくは、守らなければなりません。アルファベットというのは、 日本でいえば、「いろは」です。 いなかへくるときに、 O ( い、ろ、は ) と、書いたカ 1 ドを持ってき ました。このカードには一まいに、字が、一字書いてあります つかかた このカードの使い方を、日本りゅうにいえば、お母さんが「大」といえば、 たくさんのカードの中から「い」と書いてあるカードと、「ぬ , と書いてある カードをえらびだしてならべ、その字をおばえるのです。 プローニヤ姉さんは、アルファベットをおばえることを、はっきりお母さ んとやくそくしたけれど、ほんとういえば字をおばえるのは、あまりすきで はありません。 いや、勉強がきらいというよりも、あそびたかったので す。 みんなが、たのしそうにあそんでいるのに、自分だけ、一人でカードを勉 ねえ じぶん 、し、 0 ぬ
ぎようせき ショパンやキュリー夫人たちの業績を思うと、私たちの心は、理想に燃える。 日本の年号でいえば、江戸末期の文化四年に生まれたショパンが、世界的な不朽の作 しんき 曲をのこし、維新期の慶応三年に生まれたキュリー夫人が、今日の原子力時代の先達と なった。日本から見れば、ポーランドはすばらしい先進国だったといえる。 けれど、この国は、現在、人民共和国となっているが、東にソビエト・ロシア、西に はと、つ ドイツがあって、はさみ撃ちとなる関係で、常にはげしい政治的波涛に見まわれている。 ひうん ぶんかっ 過去に、たび重なる国土分割や、他国支配の悲運にあうなど、政治的には安定を欠く経 験をくりかえさなければならなかった。 ていせい キュリー夫人の幼いときには、帝政ロシアの属国になって、思想・言論・教育・信仰 きんし の自由をうばわれ、ポーランドなのに、ポーランド語を使うことは禁止され、ロシア語 をしゃべらなければならなかった。 くつじよく この屈辱の影は、キュリー夫人の心からは消え去らなかった。 べんがく 夫人は、勉学のために、フランスのパリへ出てきたが、ポーランドを捨てたのではな しはい ぞっこく せんだっ 158
しんがっき 十一月三日が、一学期のはじまりです。日本なら四月が、新学期なのです が、フランスだからです。このけいじにつづいて、小さな字で、先生の名や、 じかんひょう 時間表がでてい ました。 マーニヤは、そ のややこしい時間、働 表をていねいに、 あか 赤い小さなノ 1 ト に、一つつしとり - ま した。マーニヤに 教えてくださる先 ぜんぶ 生は、全部で二十 おし にっぽん マーニャ ( 左 ) とプロー ャ 125
じゅうくに ここは、自由の国です。 やくにん ポ 1 ランドでは、ロシアの役人たちに、にらみつけられながら、生きてき もじおし むら ました。あのシチューキ村で、子どもに、ポーランドの文字を教えるのにも、 びくびくしなければなりませんでした。小学校では、ロシアの役人があらわ きようかしょ れると、ぶきみなベルがなりひびき、みんなの教科書やノートは、どこかへ かくされ、そしらぬ顔でさいほうをしなければなりませんでした。 そういうホーランドとは、。、リはちかいました。 せかい ほんや 本屋へいけば、世界じゅうの、どこの国の本でも、大っぴらにならべてあ しんぶん せかい えき り、駅の近くや町かどには、世界の国ぐにの新聞がうられていました。 につぼんご ここではポーランドをしゃべろうが、ロシア語をしゃべろうが、日本 をしゃべろうが、おまわりさんも役人も、もんくをいう人はありませんでし だいがく た。大学では、また、ポ 1 ランドとちがって、女も、男も、同じように、入 まち に 121
ポプラ社文庫を座右におくる 日本の出版文化数百年の歴史からみて、今日ほど児童図書出版の世界が、あらゆる分野にわたっ て絢爛をきわめ、豪華を競っている時代はない。多くの先人が、えいえいとして築きあけた児童文 化の基盤に、後進の新鋭が、新しい魂の所産を孜々として積み上げてきた、その努力の結果がいま 美しく開花しつつあるといってよいと思う。 反面、自由な出版市場に溢れる児童図書の洪水は、流通の分野で混乱をおこし、読者の立場から えば、欲しい本が手に入らないという変則現象を惹きおこすことになった。 加えてオイルショッ クに始まった諸物価の高騰は、当然出版物の原価にハネ返り、定価の騰貴を よび、読者を本の世界から遠ざけるマイナスを招いてしまった。 ポ。フラ社は昭和二十二年以来、数千点に及ぶ児童図書を世におくり、この道一筋の歩みをつづけ て来た。幸い流通市場の強力な支援をうけ、また製作部門のささえもあって、経済界の激動をジカ に読者へ転化しない方策を講じて来たつもりである。しかし三十年の出版活動の中に生んた、世評 の高い諸作品が、ややもすれば読者の手に届かない欠陥のあることを憂い、ここに文庫の形式をと り、選ばれた名作を、更に読みやすく、廉価版として読者の座右におくることにした。 この文庫の特長は、児童図書の一分野に企画を留めず、創作文学、名作文学、実用書、少女文学 等、幅の広い作品を紹介し、 , 多くの読者に、本に親しむ楽しさを堪能してもらうところにおいた。 ( 一九七六年十一月 ) ご批判と、変わらぬご愛顧をたまわれば幸いである。