とりおと 「少年のころ、わたしは鳥が音もなく空をとぶのを見た。わたしはこの鳥のようにとぶ とり せいこ・つ たこを作ろうと努力したが、ひとつも成功しなかった。そのとき、わたしは鳥のつばさ とり がたいらでないことに気がついたつばさはカープしていた。そこで、わたしは鳥のつ おお ーたこはしま ばさににた大きなたこを作った。それをおかの上からとばすと、たしかこ、、 そら らく空をとんで、やがて、わけなく地面におりることができた。」 これを読んだとき、兄弟はからだがふるえてきました。 リリエンタールは。ばくたちとおなじことをやっているじゃないか。 「すばらしいなあ、 ぼくたちは、すこしカープしているたこを作ることまではかんがえっかなかった 「まったくだ 丿エンタールは、それから、何十というたこを作って実験し、とうと うそれにのって、おかの上からとんだんだ。」 「ほんとうかい。」 どりよく きよう一こ、 つく うえ じめん ・つ - ん なん じつけん とり
ねんかん 「ぼくたちには、そんな大金はない。 せいぜい一年間に五百ドルもだせるかだせないか だ。万となれば、十年かかっても、むりだよ。」 せいふ けんきゅうひ 「じゃ、政府から研究費をだしてもらうようにたのもうか。」 じてんしやや 「けれど、名も知れないただの自転車屋に、おいそれとだしてくれやしないよ。」 「それもそうだな。」 けんきゅう •YJ 力し 「ばくは、マキシムの機械をよく研究してみたんだ。それによると、マキシムの翼は、 エンジンとのり手のおもさをささえるのにじゅうぶんだった。また、エンジンは機を空 ちゅう 中にまいあがらせるだけの力もあった。ただ、どうしたら機の安定をたもち、どうした ら、かじをうごかせるかを知らなかったのだとおもう。」 まん 「それにしても、二十万ドルじゃねえ。」 「うん。ぼくたちにできるのは、やはりリリエンタールか、シャヌートのやり方しかな いな。あれなら、木のぼうと、ぬのだけだから、せいぜい三百ドルか四百ドルあればい まん ねん たいきん あんてい かた よく 153
はっこう しゅにんしんぶんせいぶ 主任で新聞「西部のニュースーを発行。 一八八九 ( 明冶 ) がなくなる。 してんしゃぎよう デートンで自転車業をはじめる。 一八九四 ( 明治 ) 一八九六 ( 明治四 ) オービル、腸チフスにかかる。航空に 関することを勉強しはじめる。 よくはし 一八九九 ( 明治 ) 紙ばこにヒントをえて、翼端をまげて さゆうあんてい あん 左右の安定をとる案をたてる。 せいさく 一九〇〇 ( 明治芻 ) 第一号グライダーを製作。キティホー ししよう クで試乗 一九〇一 ( 明治 ) 第二号グライダーを製作。風洞で翼の けんきゅう エンタールのだした数 研究をし、リリ ち 値をなおす。 かっくうしゆっ 一九〇二 ( 明治肪 ) 第三号グライダーで滑空術おぼえる。 ひこ・つき はつどうき 一九〇三 ( 明治 ) ガソリン発動機つきの飛行機を作り、 せかいさいしよどうりよくひこうせいこう とぶ。世界最初の動力飛行に成功。 かん かみ 0 らよう べんきよう せいさく ふうど・つよく すう 29 27 22 25 23 18 っし 8 り乙 0 リ っ乙 36 35 32 3 1 一八八九年ドイツ 人リリエンタール けんきゅうは・つこく が翼型の研究報告 を出版。 一八九一年 ンターレゞ、 ノカグライ はつひこう ダーで初飛行 ねん 一九〇〇年二十世 き きねん 紀を記念する万国 たいはくらんかい 大博覧会が。ハリで ひらかれる しん ねん ねん 0 ばん - 」く 0 219
一」・つりつ ひこう べてはるかに効率がよいことをあきらかにし、一八四九年には人を乗せたグライダーの飛行を こんにち ひこ・つき ひこうき ちち はじめて成功させたりするなど、今日の飛行機の基礎をつくったので、「飛行機の父」とよばれ ています。その後、ドイツのリリエンタール兄弟、フランスのペノー、アメリカのシャヌート もけいひこうき ひこうき もんだい かいめい らがグライダーや模型飛行機などによって飛行機の繰縦や安定の問題を解明しました。このよ せんばい はつどうりよくひこうせいこう うな先輩たちのしごとをもとにしてはじめて、ライト兄弟による初の動力飛行の成功があった のです。 はつひこう ひこうき けんきゅうかいはつおうべいかっこく 一九〇三年十二月十七日のライト兄弟の初飛行をきっかけに、飛行機の研究開発は欧米各国 ぐんよう じせかいたいせん できゅうにさかんになり、第一次世界大戦には軍用に使われていっそう発達しました。 はや とお こうくうかんけいしゃあ ひこうき かたち ふくよ・つ 「より速く、より遠く」は航空関係者の合いことばとなり、飛行機の形も、三葉・複葉 ( 主翼 しようげ まいかさ が上下に三枚、あるいは二枚重なったもの ) が単葉に、固定脚が引き込み脚にと改良される一 くわ ねんだい ぜんはん 方、エンジンやプロペラにも改良が加えられていきました。一九四〇年代の前半ごろまでにプ き ちしよう まいびよう げんかい おんそく ロペラ機はほとんどその限界にまで発達しましたが、この形式では音速 ( 地上で毎秒三百四十 じそく ちか おんそく ひこう メートル。時速千二百二十四キロメートル ) に近づくことができず、音速をこえる飛行はター せいこう ねん がっ にち かいりよう きようだい はったっ きようだい たんよう そうしゅうあんてい きようだい ねん こていきやく ひと ひ はったっ きやく かいりよう しゅよく 224