子ども - みる会図書館


検索対象: とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟
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1. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

ひとり だいどころ くらしのやりくりはもちろん、台所しごとも一人でひきうけ、そのうえ、夫や子ども新 の服のつくろいから新調までも、てきばきとやってのけました。 りはつどうぐ また、家じゅうのものの理髪、道具などのしゅうり、夫の雑誌の編集のてつだいもし ます。 けれど、そのやり方は、すこしちがっていました。たとえば、子どもがおもちやかな にかをこわしたときなど、 「さあ、どうすればなおるか、かんがえてごらんなさい。くふうすれば、あなた自身に もできるはずです。」 といったぐあいです。 子どもがいきなりほうりだして、 「ねえ、なおしてえ。」 などといったりすることを、けっしてゆるしませんでした。 ふく こ しんちょう かた おっとざっし こ へんしゅう おっと じしん

2. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

ところで、十一さいのウイルヾ ーと、七さいのオービルが、こうして毎日、くず鉄あ つめをするのを、おとうさんのミルトンライトや、おかあさんのカザリンは、どうか んがえていたのでしようか せけん 世間にたいして、みつともないとか、はずかしいとはおもわなかったのでしようか。 それどころか、知っていながら、荷車作りをてつだいさえしたのは、どういうわけな のでしようか。 きんじよ ぐち 日本でなら、すぐ近所のうわさになって、あれこれと、かげ口をいわれるところです。 しかし、アメリカではちがいます。「子どもがじぶんからすすんでやることなら、それが わるいことでないかぎり、やらせるべきだ。」というかんがえが、ふつうなのです。 正しくはたらくことは、たとえ子どもでも、ちっともはずかしいことではなく、むし ろ、とうとばれているのです。子どもたちのほうも、なにもしないでおこづかいをもら うほうが、ずっとはずかしいとかんがえているのです。 ただ にっぽん こ にぐるまづく まいにち てつ

3. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

「ああ、いけない。かたむいた。ああ、なおった : : : あ、また、かたむいた : おお しんばい と心配して、大さわぎです。 そうさ ノノーがある操作をしたら、たこはまえにかたむいて、子どもたちの そのうち、ウイレヾ ほうに、ビューンととびこんできました。 「わあっ。」 こえ 子どもたちは、おどろきの声をあげて、地面にうつぶしてしまいました。 ウイルバーは、それをさっとうけとめて、につこりしました。 たか 「なあんだ、もっと高くあがるかとおもったのに、つまんないの。」 子どもたちは、ふまん顔です。 しかし、兄弟は大まんぞくでした。 さゆうあんてい これで、グライダーも、左右の安定をとるために、のり手が左へいったり、右へいっ たりするひつようがなく、自転車のようにハンドルをうごかすことによって、左右の安 こ こ きようだい がお じてんしゃ じめん ひだり みぎ さゆうあん 164

4. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

げんき ノノーが、弟の手をとってかけだそうとするのを、おかあさ にわかに元気づいたウイレヾ んがとめました。 「まちなさい。そのまえに、紙とえんびつをもってきてちょうだい。それから、ものさ じようぎ しと定規もね。」 「どうしてなの。紙とえんびつで、そりが作れるの。」 「ええ、できますとも。」 ウイルバーは、子どもべやのほうへいきながら、そっとつぶやきました。 はなし 「なあんだ。絵にかいたそりか。どうも話がうますぎるとおもったよ。」 せいかくず 正確な図をかけば だいどころ 台所のテープルをかこんで、三人の子どもがならびました。おかあさんが紙をひろげ かみ こ かみ おとうと こ つく かみ

5. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

の子どもも、むねをわくわくさせてまっています。 ばくし としれんごうどうほうきようかい ミルトンライトは、まえの年、連合同胞教会の牧師として、アイオワ州のセダーラ ピッズというところへいき、一年ぶりにかえってくるのです。 「おうい いまもどったぞ。」 こ - ん こえ ひる 昼すぎ、なっかしい声をきくと、子どもたちは、「わあっ。」と、よろこびの声をあげ て、とびだしていきました。 「おいおい、そんなにぶらさがっちゃ、おみやげがつぶれてしまうよ。」 「えつ、おみやげつて、なに、よに ? 」 にんぎよう 「さあ、なんだろうな。はい、ケートちゃんにはお人形 : : : 。」 「まあ、うれしい。あたし、ほしくてほしくて、たまらなかったの。」 「ぼくたちのは ? 」 「あけてごらん。」 ねん しゅう

6. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

びようき けれど、病気になってからも、おかあさんは、ちっともめそめそしませんでした。っ とめてほがらかにふるまい、新しいことをかんがえだしては、むすこたちをはげましま こころおし せつきよう お説教はしませんでした。からだで、心で教えました。なにを教えたのでしようか それは、 うんめい ( じぶんの運命は、じぶんできりひらいていけ。 ) ということではなかったでしようか ねんがつよっか さいごの日がきたのは、一八八九年七月四日でした。 ライト一家の柱をささえ、子どもたちの心をささえていたともしびは、しずかにきえ ていきました。 かお ヘッドのまわりにあつまった三人の子どもたちの顔を、かわるがわる見つめ、うなず くようにしていましたが、やがて、大きなをはいて、目をとじました。 はしら あたら こ おお こ こころ おし 118

7. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

つまり、ライト家の子どもはぜんぶで七人、いま家にいるのが、ウイレヾ ノノーたち三人 とい , っことになります - 。 かてい ひとり こんなわけで、家庭のすべてのことは、おかあさん一人のかたにかかっているのです。 かお 子どもたちの顔をながめながら、ちょっとかんがえていたおかあさんは、やがて、に こっとして、 「ど , っ ? ・ いっそのこと、おまえたちがじぶんで作ってみたら。」 「えつ、ばくたちが : : 。だめだよ。とてもできないよ、むずかしくて。」 、え、できますとも。わたしもてつだうわ。」 「おかあさん、そりを作ったことあるの。」 「ありませんよ。生まれてはじめてですよ。でもね、なんだって、よくかんがえ、力を あわせてやれば、できないことはないはずだわ。」 ものおきごや いただいくど・つ々、 「ようし、きまった。すぐ物置小屋へいって、板と大工道具をもってこよう。」 こ つく ちから にん

8. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

きようだい いが′、 ミルトン " ライトとスーサン日カサリンは、、 ートビルという町の小さな大学で、 べんきよう っしょに勉強しているうちに、したしくなって、けっこんしました。 子どもがつぎつぎに生まれたことは、まえに書いたとおりですが、ここには、ライト 兄弟だけをしるしておきましよう。 ゥ一イルヾ Ⅱライト一八 , ハ七年生まれ オービル日ライト 一八七一年生まれ 子どもたちは、おかあさんにつれられて、キヨルナーおじいさんのところをおとずれ ることが、たびたびありました。 もっこうせんばん おじいさんの家には、木工旋盤があります。ふといのや、ほそいのや、さまざまな木 をくるくるまわし、それに刃ものをあてがうと、シュルシュルと木くずがテープのよう におどりだし、みるみるうちに、まるくけずられていきます。 ( まるで、まほうのようだな。 ) こ ねんう ねんう まちちい

9. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

「バルナムスサーカスのことだろう。」 「うん、すごいあたりなんだって。でね、ぼくたち子どもだけで、動物ショーをやろう と、そうだんがまとまったんだ。」 「動物ショーって、なにをやるんだい。」 「いろいろな動物をならべて、それを見せて、お金をもらうんだよ。」 どうぶつ 「だめだね。だいいち、そんなに動物があつまらないし、子どもに生きた動物があっか えるわけがないだろう。」 「ところが、できるんだよ。もちろん、生きた大ぐまや、しかはむりだけど、ばくの友 だちのジョンストンの家が、はくせい屋なんだ。それで、いろんなめずらしい動物のは めいあん くせいをたくさんもっているから、これをかりて、ならべるんだよ。どうだい、名案だ ろう。」 「うん、それならできるかもしれないが : ・ : ・。」 どうぶつ どうぶつ おお かね こ こ どうぶつ どうぶつ どうぶつ

10. とべ! 飛行機第一号 ライト兄弟

ひだり はたらきで、いつでもねじれるようになっているのでした。 きたい 兄弟は期待にむねをふくらませながら、家からすこしはなれたおかへでかけていきま したが、とちゅうから、子どもたちがめずらしがって、ぞろぞろとついてきます。 さて、あげようというときになると、 「わたしにやらして。」 「ばくにやらして。」 / 力し , を こうばいあいで、兄弟はヘいこうしてしまいました。 「まあ、おまち。このたこは、あたりまえのたこではないのだからね、きみたちにはや れないよ。まあ、はなれて、おじさんのやるのを見ておいで。」 かざ さゆうよく 風むきをしらべ、おもむろにあげてから、左右の翼の糸をひくと、たこは右があがり、 左があがり、ふらふらとゆれうごきます まさにウイルヾ ーのおもったとおりです。しかし、見ている子どもたちは、 きようだい きようだい こ みぎ 163