タングステン - みる会図書館


検索対象: いたずらと発明の天才 エジソン
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1. いたずらと発明の天才 エジソン

「電球は、もう改良することがないところまですすんでしまったこ とかたったのでした。 だが、ものごとの進歩というものは、とどまるところがないようです。 ものがたり でんきがいしゃ この物語のさいしょこゝ ( 力いたように、ゼネラル電気会社のクーリッジ博士が、エジソ ふかのう ンさえも不可能とかんがえていた、タングステンでフィラメントをつくることに成功し たんそでんきゅう たのです。こうして、エジソンの炭素電球も、もはや時代おくれとなり、あかるくて でんりよく でんきゅう よ じゅみようもながく、電力もわずかですむタングステン電球の世の中になったのです。 でんきゅう そして、このタングステン電球を、さらに改良したのが、ラングミューアです。クー でんきゅう リッジの電球は、真空のためにタングステンがじようはっして、ガラス球を黒くしまし しん′、・つ た。ラングミューアは、真空にするかわりに、アルゴンガスをふうじこんで成功したの です。 でんきがいしゃ でんきゅう ゼネラル電気会社は、この電球を「マッダ」と名づけました。マッダは、光の神さま でんきゅう 力いりよう しんば 力いりよう じだい きゅう り か み くろ せいこ・つ せいこ・つ 132

2. いたずらと発明の天才 エジソン

でんとう はつめい 「このタングステンのフィラメントで、先生が発明された電灯が、いよいよ世界をほん とうにあかるくするのです。」 たんそでんきゅう 「電球は、炭素電球でおわりかとおも「ていたのに、こんなほそいタングステンのフィ 0 よく、がんばったものだ。」 ラメントができるとは : じつけんだい はくし クー丿ッジ博士は、実験台にちかよ「てスイッチをいれました。 「おお ! でんきゅう こ・ん エジソンのおどろきの声です。台の上のタングステン電球が、ば「と白い光をなげた のです。 ひか クー丿ッジ博士の手をにぎりしめたエジソンの目に、なみだが光「ていました。二十 かんせい せいねん でんきゅう 何年間、かんがえ、研究してきた電球の改良を、この青年はいま、り「ばに完成してく れたのです。 でんきゅう 「先生のかぞえきれない発明の一つ一つは、いずれこの電球のように発達するにちがい はつめい せんせい かいりよう はったっ し ろ 力、 せかい

3. いたずらと発明の天才 エジソン

とに、むちゅうだったのです。そしてそれが、発明を生みだす才能のめばえだったので す。 さいのう そうだ、それはなんといっても、たいせつなことだ : 「才能ー と、エジソンはうなずきながら、クーリ ッジ博士にこたえました。 はつめいか 「みんな子どものころは、発明家のたまごなんですよ。わたしのばあいはね、がその たまごを、ひじようにうまくかえしてくれたんだとおもいますね。」 エジソンは、どんないたずらをしても、おかあさんからしかられたことはありません やくにんしようにん でした。もし、しかられてばかりいたら、ありふれた役人か商人になって一生をおくっ たかもしれないと、しみじみおもうのでした。 せん 「それはそうと、きみはこのタングステン線を、どうやってこしらえたのですか ? と、エジソンは、クーリ ッジ博士にたずねました。 じつけん 「先生も実験されたとおり、タングステンでフィラメントをつくったら、とてもあかる せんせい はつめい さいのう しよう は

4. いたずらと発明の天才 エジソン

でんき でんきゅう 、電気をくわない電球ができるのはわかっていたのですが、もろくて、すぐおれてし せいしつ まう性質から、ほそい線はひけなかったわけです。わたしは、かんがえられることは、 すいそ ろ カたち すべてやってみました。そしてついに、水素の炉の中で、ぼうの形におしかためたタン でんりゅう たかおんど グステンに電流をとおして高い温度にしながら、ゆっくりとひつばる方法を発見しまし た。そのあいだ、タングステンをまわりじゅうから、たたいていくのです。」 につすう 「それまでに、どのくらい日数がかかりましたか ? 」 「四年です。」 ねんかん こん *J 「四年間もー いや、たいした根気だ。やつばり、これはわたしのまけですよ。」 しようり 「いや、そうではありません。これは、エジソン流の勝利なのです。わたしは、エジソ てき じっこ・つ ン流を、てってい的に実行しただけです。」 どりよく 「そうか、努力は発明の母だったね。はつはつは : : : 。」 ふたり ごえ でんきゅう じつけんしつなか 二人のわらい声が、タングステン電球にかがやく実験室の中に、ひびきわたりました。 ねん はつめい せん りゅう はつけん

5. いたずらと発明の天才 エジソン

ちょうかん こうしてエジソンは、こころよくダニエルス長官のもうしでをひきうけました。 ししん・カし 力いぐんこもん せんそう まもなくアメリカが戦争にくわわったので、海軍顧問委員会は、ひじようにいそがし もんだい くなりました。、 しろいろな問題が、ひっきりなしにもちこまれてきます。その中でのい せんすいかん もんだい ちばん大きな問題は、ドイツの潜水艦のこうげきを、どうしたらふせげるかということ でした。 けんきゅう しかし、議長のエジソン自身が、いまそんな研究をやってみるひまはありません。そ でんきけんきゅうしょ こでエジソンは、ふとおもいついて、ゼネラル電気研究所のクーリッジ博士をよびまし はつめい れいのタングステンフィラメントを発明した人です。 き力し せんすいかんはつけん 「やあ、クーリッジくん。あなたならきっと、潜水艦を発見する機械をかんがえだして くれるとおもうんだが、ひとつやってみてくれませんかな。」 もんだい せんすいかんはつけん 「潜水艦の発見ですか。これはむずかしい問題ですね。」 「タングステン日フィラメントよりはやさしいだろう。」 おお ぎちょう じしん ひと はくし 206

6. いたずらと発明の天才 エジソン

くうかんはつめい 空管を発明しました。それがこんにちのラジオの発達のもとになったのです。ですから、 し がんそ 0 エジソンは知らないうちに、ラジオの元祖になっていたわけです せんはつけん 一八九五年に、レントゲンがエックス線を発見しました。エジソンはこれに大きな おお きようみをもち、さっそく大じかけな実験をはじめました。そうしてついに、エックス こうばんはつめい 線のけい光板を発明したのです。 き ーしん / 、・つ 「それは、真空のガラス器の内がわのかべに、タングステン酸カルシウムをやきつけて き なかでんきよく せんはっせい おいて、このガラス器の中に電極をおき、エックス線を発生させる。そうすると、エッ クス線がタングステン酸カルシウムにあたってけい光を発するわけだ。これがなかなか あかるくてね。六、七しよっ光ぐらいの光をだすのだ でんとうおうよう わたしは、これを電灯に応用しようかとおもったが、わたしの助手のダリーくんが、 ェックス線にやられてね。頭の毛はぬけるし、ひふにただれができるし : いや、これ はたいへんだというわけで、わたしはそれきり、この計画はやめてしまった。」 せん せん せん ねん さん あたま ひかり はったっ はっ さん じよしゅ おお 212

7. いたずらと発明の天才 エジソン

天才のめばえ 世界をあかるくした人 こがたでんきろ じつけんしつじつけんだい うすぐらい実験室。実験台の上の小型の電気炉のそばで、ひくくうなっているモー ひかり でんきゅうあか たんそ ター。てんじようからつるされた、炭素フィラメントの電球の赤つばい光。その光が、 ことし六十二さいのエジソンの白髪を、ぼうっとてらしています。 ゅびさき エジソンは、指先につまんだ、かみの毛のようにほそいタングステン線を、光にかざ 「ふうん : ・・ : これがねえ。」 かお 耳のとおいエジソンに、顔をちかづけて説明しているのは、クーリ みみ てんさい せかい ひと はノ、はっ うえ せつめい ッジ博士です。 せん ひかり