「ちがうよ ! 」 リュックはそ一ついって、にげだそうとした。 「まて、ばけダヌキ ! 」 「ばけてなんか、いないよ ! 」 こ、ん 声とどうじに、こんどはチョコレ 1 トいろのあた まがのぞいた。タヌキのかおがあらわれた。 子ダヌキだったので、ばくはすこしほっとした。 「おまえ、ばけダヌキだな ? 」 「ちがう。まめだまめまめだみつまめだ」 くち はやくち 子ダヌキはロをとがらせると、早ロことばみたい なへんじをした。 「なに、それ ? 」
0 0 「じゃ、あんた。おいらと、早ロことばのきようそう するか」 子ダヌキのみつまめだは、なまいきにもばくに ちょうせんしてきた。 「いいとも。そっちから、 いってみてよ」 ほ 2 、かし ) うと、みつまめだはかんだかい声でさ けんだ。 小んぶくちゃがまはきんちゃがま こ はやくち こ、ん ◆ 0 0 0 0
そのとたん、ふいにリュックがかるくなった。 みつまめだが、とびおりたのだ。 ちゃいろいしつばが、くさむらにとびこむのが見 えた。 / 、さ みつまめだは、草のかげからばくのほうを見た。 その目に、みるみるなみだがたまったかとおもうと、 子ダヌキは、林の中にすばやくきえた。 こくど、つ 「さ、国道にでたぞ。まぬけなたぬきにならない ように気をつけろ ! 」 れつのせんとうで、六年生の ていた。 こ め はやし なか リータ 1 かどなっ み
「タヌキにちゅういって、タヌキがでてきてばか すのかなあ」 ばくかひとりごとでいったら、まえの子にきか れてしまった。 「けつ、タヌキがばかすだって ! 」 まえの子がわらうと、 「ば 1 か。こうつうじこだよ。まぬけなタヌキがど うろにとびだし、くるまにひかれてべったんこなの」 六年生のリ 1 ダーがいった このあたりには、このごろタヌキかふえて、よく じど、つしゃ 自動車にはねられるんだとさ。 「まぬけなタヌキべったんこ , くるまにひかれて
山下明生の空とポ学校 入学案内 ようこそ、空とぶ学校へ ! 入学、いつでも OK 、だれでも OK 。 ーじかんめ 2 じかんめ さんすう 3 しかんめ おんかく 4 じかんめ せいかっ 5 じかんめ たいいく 出席はとりません。 宿題はありません。 成績表はありません。 すきなとき、お休みできます。 たのしいだけの学校です。 時間割 まめだまめまめだみつまめだ 絵◆はたこうしろう きみも早ロことばで子ダヌキとしようぶしよう ! たまご十うんち = いくら 絵◆曽我舞 きみもきようりゅうパークでたまごをもらえる ! だいすきメロンのこもりうた ( 続刊 ) 空とぶ UFO カタッムリ ペンギンおよぎすいすい ( 続刊 ) ( 続刊 )
カ おと そのとき、カサッと音がして、ばくのリュックがう 」しに 「なんだ、あれ ? 」 リュックがまた、もそもそっと一つごく。 リュックの口からしつほがのぞき、うしろあし にゆっとでた。 「おいおい、なんだ ? 」 こっそりこっそり、あるきだした。 「わかった、タヌキだ ! タヌキがリュックにばけ ているんだ ! 」 くち
べったんこ ! 」 みんなは、ばくをからかうようにどなりながら、 はり・ 木林にはいっこ。 「 : : : ひかれてべったんこ ! 」 みんなのどなりごえが、やまびこになってかえっ てくる。 山のタヌキがきいたら、気をわるくしないかな やま
ばくは、あわててリュックのロをしめた。 やくそくだから、しかたがない。 みつまめだをリュックでおんぶして、ばくは山 をおりはじめた。 タヌキをおんぶしてあるくなんて、生まれては じめて。むねがどきどきする。 やま
「でも、かえりはどうする ? 」 「だいじようぶ。ここらまでなら、まえにもきたことあ るもの。おにいちゃんたちと」 「でも、おにいちゃんはもう いないんだろう」 「だいじようぶ。まめだまめまめだみつまめだ、ひとり でもかえれる。カエルびよこびよこひとりでかえる」 みつまめだはちょうしにのって、リュックをゆ すった。 「しずかにしろよ。じゃ、これをいったら、いちばんま えにのつけてやるよ」 ちょうど、「タヌキにちゅうい」のたてふだのところ までおりたところだった。
たき 0 0 0 0 0 でんしゃ 電車をおりると、ばくは、いちばん うしろのほうをだらだらとあるいて っ一」 0 やまみち しんごうをわたって、山道にきた。 「はやく ! れつをあけないように ! 」 六年生のリーダ 1 が、やけにはりき ってどなっている。 このまえのときにはなかったのに、 ことしは、山の人り口に、 「タヌキにちゅうい」 というたてふだがたっていた。 ぐち