行動 - みる会図書館


検索対象: 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ
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1. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

かんなか あと ぜんしん ます。はじめのうちは管の中を、前進したり、後ずさりしたり、またはターンなど間 かんなかせいし をしていますが、しばらくすると管の中で静止します。 じつけんけつか しいくばこ このような実験の結果をみてから、こんどは飼育箱に土をまったく使わないで、箱 そこ かなあみ の底から五センチメートルの高さに金網をはり、その下にモグラを入れてみました。 しい / 、ばこなか あか そして、飼育箱の中を四〇〇〇ルックスの明るさにします。ところがモグラは、その あか へいき 明るさにはおかまいなしに、平気で活動し、生活するのです。 しかく 以上のようなことから、視覚をもたないモグラは、何か、ほかのものにふれながら こ、つと、つ ひかり たいも、つひ 行動することが、わかったのです。つまり、光にたよらずに、体毛 ( 皮ふ ) が何か じぶん みあんてい にふれているという感覚だけで、自分の身の安定をたもつのです。そして、ほかの何 あんしん じぶんからだめんせきおお せいしじようたい ものかにふれている、自分の体の面積が多くなると、安心して落ちつき、静止状態 となります。 こ、つど、つ ひかり このモグラの行動は、まったく光に関係のない、走触性といわれるものです。 くら たいもうせっしよくかんかく モグラは、まっ暗なトンネルの中で、目のかわりに体毛の接触感覚によって、何 ふじゅう せいかっ 不自由なく、生活をしているのです。 なか かつどう 、かんけ・い め せいかっ そうしよくせい っち お つか

2. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

4 モグラの行動 えいびん かん しよっかく ちょうかくえいびん モグラは、聴覚も鋭敏ですが、体毛で感じる触覚がとても鋭敏です。それは、 ち - ゅ、つ しんどうす、つすく ぶったい なか 野外のトンネルの中では、振動数の少ない物体 ( ミミズ、こん虫の幼虫など ) の動 かん おお しんどう き ( 震動 ) を、体毛で感じることが多いからです。 じつけん こんな実験をしてみました。 しいくばこそこ あっ 飼育箱の底に、厚さ三ミリメートルのガラス板 ( 三七センチメートル x 五五センチ に、シャーレ メートルのもの ) を一枚しいておきます。このガラス板のどこか なか ちょっナい ( 直径六センチメートル ) をふせておき、その中にオンプバッタを二ひき入れます。 そこにモグラを放しますと、モグラは、シャーレをのけて、バッタをつかまえて食べ ます ( ページの絵 ) 。 し しゅ、つかく あき ッタのいることを、臭覚で知ったのではなく、 これは明らかに、モグラか、ハ し じつけん おな おと ちょうかくしんどう ノタがはねる音を、聴覚と震動とによって知ったものです。同じような実験を、ミ しんど、つ けつかおな ミズでやってみました。結果は同じでした。やはり、震動によって、ミミズかいるこ し とを知ったのです。 おと かん ごくふつうには、「耳」といえば、音を感じとる働きをするもの、と考えるのか やカい たいもう え みみ たいもう はたら よ、っちゅ、つ かんが 、つご

3. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

つか 体をいくぶんかたむけて、あのシャベルのような手のひらを、かわるがわるに使 ぜんしん よぶん っちあとあし じようめん っち い、撼った土をトンネルの上面におしつけながら、余分な土は後足でけって前進し はなさ医」 すき てつか っち ます。土のやわらかなところなら、手を使わないで、がんじような鼻先を、鋤のよう に使って土をもちあげ、いともかんたんにトンネルをつくりあげます。その掘る速さ じかん 一ゅ、つ じかん ひとばん ぶんかん は、一分間に三〇センチメートルです。一晩に ( 休けい時間を入れて ) 三 5 五時間 やく 掘ると、約六〇 5 九〇メートルにもなります。 にわさきどうろ ひとどお また、人通りの多い、ふみかためられた庭先や道路でさえ、その下にトンネルを、 らくらくと掘るのにはおどろかされます。 じかんはんやく こ、つど、つ ばくそうち へいきん 牧草地では、平均四五〇平がメートルの行動はんいをもち、六時間半で約七五〇 あきむぎばたけ かんさっ かつどう メートルも活動したモグラを観察しました。秋の麦畑で、ときに、なんと一キロ メートルほどにもおよぶトンネルを掘ることかあります。 おんしつなかあげどこ へいほう 実験として、一〇〇平方メートルの温室の中の揚床 ( べンチ ) の下にモグラを放し へいきん て、自由にトンネルをつくらせてみました。トンネルは、平均七五メートルありまし じつけんばしょ はち 鉢などかおいてありましたが、実験昜所と た。もちろん、べンチの下の土はかたく、 からだ つか じつけん じゅ、つ っち したっち つ はや

4. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

4 77 モグラの行動 かんなかユー

5. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

こうどう 4 モグラの行動 石と石のあいだに入ったモグラ。体が、 何かにふれていると落ちつきます からだ

6. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

4 モグラの行動 あいだとお ↑レンガの間を通るモグラ ↓一方のレンガをとると , おかれたままのレンガにそって進みます いつほう 75

7. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

、かん・か′、 、」、つてつ この章では、モグラたちの地中での行動がどんなものであるかについて、感覚 動 はなし きかん 行器官というものをとおして考え、お話してきました。 からだ かんきようす グ モグラは、地中という環境に住むために、体のつくりが、すみずみまで、とても モ 力いて あんぜん うまくできています。しかし、かれらが安全に生きていくためには、害敵から逃れた せきついどうぶっそせん せいぶっしんか しぜん 自然です。しかし、生物の進化ということからながめると、脊椎動物の祖先では、 おも 十つよ、つ、か′ 聴覚はあまり重要ではなく、おそらくもたなかったと思われています。むしろ、 し 、かん・か′ ち し へいこ、つかんかくじゅ、つりよ / 、 平衡感覚 ( 重力に対して、動物が、体の位置やバランスを知る感覚 ) のほうが、 十つよ、つ、か′ v' 聴覚のもとであったのでしよう。 しんど、つ 十つよ、つ、か′ おと なか 、こ、トンネルの中のモグラを見ますと、音を聞きわける聴覚と、震動によ 実さしし こ、つと、つ たいも、つかんかくしよっかく かん って感じる体毛感覚 ( 触覚 ) とによる行動を、区別することができません。 、えんかくしよっかく当」かん はなさきふくぶ なお、モグラの鼻先や腹部の皮ふの中には、遠隔触覚器官といわれるものがあって、 ち し おすめす ・カいてご とお その働きによって、遠くにいるミミズや害敵、そして、雄・雌のおたがいの位置を し さいきん 知ることが、最近、わかってきました。 はたら ちちゅう じゅ、つよ、つ かんが どうぶつ ちちゅ、つ ひ からだ み のが

8. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

しんか しんか 進化しました。そのめざましい進化のひとつは、まず、乳類が、胎生にな 0 たとい 、つことです。 はちゅ、つるいちょ、つるい まこゅ、つる げんしてきたんこうるい 爬虫類や鳥類はもちろん、乳類でも原始的な単孔類 ( カモノハシ ) は卵生です。 たまご あいだ てき そして卵を抱いて、子が生まれるまでの間は、敵におそわれやすい、も 0 とも危険 ほにゆ、つるし たまご な時期なのです。ところが、哺乳類の卵は、母親の体内で発育し、胎児がよく育 0 しゆっさん あんぜん てから出産されるので、子にと 0 ては、とても安全に保護されることになります。 ははおやにゆうせんかんせん へんか つぎは、生まれた子は、母親の乳腺 ( 汗腺の変化したもの ) からでる母乳によ 0 そだ まこゅ、つ ははおやた て育てられることです。母乳は、母親が食べた食物を、子の弱い胃が消化できるよ ぶんかい うに、分解してつくられたものです。そして、子の成長とともに、母乳の成分はか えられていき、もっともすぐれた食物として子にあたえられるものです。 ほにゆ、つるし ちゅうす、つしんけい だいのう さらに、哺乳類の中枢神経、とりわけ大脳はよく発達しています。このことは、 色 ほんのう こ、つど、つ 特本能による行動よりも、知能によ 0 て行動し、生活することになります。これによ 0 まにゆ、つる 、か′ん・去、よ、つ ひろ グて哺乳類は、、 しろいろな環境に対して、生きていけるはんいを、広げることができ げんざい まにゆ、つる たのです。そして現在、乳類は、さまざまなグループをつくりあげ、一八目、一一 しょ、、もっ

9. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

3 モグラの生活 なわばりに、よそものは入れない じかん モグラの一印は、五 5 六時間 たいに食べて、たいに働く ふゅ 冬も働く みす 水を、さかんに飲む へいき 4 お客など平気 こ、つど、つ 4 モグラの行動Ⅱ へいき 目が見えなくても平気ーー・ー し ひる きせつ 昼と夜、季節を体で知る 鼻で、すべてがわかる はたら よる せいかっ からだ の

10. 生き生き動物の国 トンネルづくりの名人 モグラ

どう あっ じぶん かん へんか り、えさとするほかの動物をとらえたり、自分の住みかの変化を感じとったりするこ とができなければいけません。これは、ほかの動物にもあてはまることです。 じぶん しげ、 へんか じぶん 動物は、自分のまわりの変化が刺激となり、それによって、自分につごうのよい行 しげき一 、カん・カ′当」し , 、つ ーカ′ル、か / 、当」し . し、つ 動をとります。その刺激を受け入れるのが、感覚細胞といわれるもので、感覚細胞が そしき かんかくきかん 集まって、ほかの組織といっしょに、感覚器官がつくられているのです。 こうとうど、つぶつ ひかり しげみ一 めおと しげき 高等な動物では、光の刺激に目、音の刺激には耳、においには鼻、というぐあい いってい しげき とくべつかんかくきかん 一定の刺激を受け入れる、特別な感覚器官がそなわっています。とくにモグラの しゅ、つかくしよっかく こ、つど、つ つよ、つ・か′、 しかく ばあいは、臭覚、触角にたよって行動します。そして、聴覚も働きますが、視覚 ( ないとい、つことかおわかりになったでしよ、つ。 どうぶつ どうぶつ どうぶつ みみ はたら