レ」、つほ / 、つほ、つ 冖ににん , 刀し のところでお話しましたように、もともと東北地方や日本海がわは、ツキノワグマ あきた たてやま はくさん てんねん の多いところです。そこには、秋田スギ・立山スギ・白山スギといったように、天然 しんよ、つじゅ のスギがありますし、スギ以外にも、オオシラビソ・シラベなど、ほかの針葉樹も ぶんぶ にしカオやまカたけんか 分布しています。それなのに、新潟や山形県下などで、きわめてまれに、クマハギが しずおかみえきようと わかやま 見つかっているだけです。それにひきかえ、静岡・三重・京都・滋賀・和歌山など、 たいへいよ、つ はっせい りんおお 西日本の、それも太平洋がわでクマハギの発生がひどく、スギ・ヒノキ林が大きな 被害を受けているのです。 - け・つ」よノ、 はっせいじき こ、つよ、つじゅ えださき 結局、クマハギの発生時期が梅雨ごろであること、食べるのなら、広葉樹の枝先 しんよ、つじゅ のほうがよさそうなのに、針葉樹だけをえらんでかじることから、食べものがたりな かんが いため、クマハギをするのではないと考えたものの、ざんねんながら、はっきりし , り : ゅ・、つ た理由を、まだ見つけられません。 。り・ゅ、つ たいさく その理由をはっきりさせないと、クマハギ予防の対策がたてられないのです。この はっせい ひ力い クマハギの発生で、スギ・ヒノキ林への被害がつづくかぎり、ツキノワグマは、 くじよ ゅ、つ力いじゅ、つ 有害獣として駆除されます。クマハギを防ぐため、クマがたくさんつかまえられて ひ力い おお し・カし ふせ
はっせい いるのです。クマハギの発生しているところでは、どこにもクマの捕かく檻がしかけ てっていてき ひ力い られています。被害がなくなるまで、徹底的にクマの捕かくをつづけているのです。 ちいき はっせい やっと、クマハギの発生がなくなったということは、その地域のツキノワグマがぜ ぜっめつ んぶ捕かくされ、絶滅したことになるのです。クマハギさえなければ、ツキノワグマ り・んぎよ、つかんけいしゃ も、林業関係者に、そんなにきらわれないですみます。そのためにも、クマハギの おも はやし 。り・ゅ、つ 理由、なぞを早く知りたいと思っています。 ふせ クマハギを防ぐ じゅひ しんよ、つじゅ スギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹は、クマに樹皮をはがされても、かれるもの も / 、さし はがれたところがくさって、木材として、高くは売れなく ゝましたが、 は少ないとしし ひ力い よっさ、 よてい なってしまいます。それも、化採を予定していなかったところでは、クマハギの被害 しじよ、つ き一ゅ、つ っンごい クを受けたスギ・ヒノキを急に佖採して、市場に出すこともできず、ほうっておくだ け、くさりつばなしにするしかありません。 おり
↓・、つュ、つ 方法がとられています。 おり おり 檻なら、猟銃ほどあぶなくないし、しかけもかんたんです。檻は、箱ワナと呼ば い - り冫っ おり れる、箱型のものですが、クマが檻に入り、えさにふれると、入口の戸が落ちて、出 られなくなる、というしかけです。 おびきよせるえさには、ハチミツや、ぶんぶんミッパチの通っている、ミッパチの 巣箱などが使われています。クマが入っているかどうか、つかまっているかどうかを、 あかぬの おり しのです。檻に長いサオを立て、それに赤い布をつけ、 A 」去」Ä」 0 、見十 ( わ . 、り・に一丁け・、はい ) クマが入れば、このサオかたおれるように、くふうしているところがありました。わ とお ざわざ見に行かなくても、遠くから、入ったかどうかがわかるのです。 ちいき はっせい おり この檻の効果は、すばらしいものでした。クマハギの発生にこまっていた地域では、 おり どこもこの檻をたくさんしかけ、ほんと、つにおもしろいほど、つぎつぎとクマをとり はっせい と、つぜん ました。そして、クマがとれなくなったとき、当然ですが、クマハギの発生もなくな ってきました。 ころ クマハギをしなければ、クマもそれほどきらわれなくてすみ、殺されないですむの すばこ ・・よ、つド」ゅ、つ つか 100
じてき 時的にスギ・ヒノキの材をかじるのだ。」と説明されていました。 はっせい わたくししら 医」よ、つとほ′、ぶ しかし、京都北部などで、私が調べたところでは、クマハギの発生の一ばんさか はや がっげじゅん そ、つしゅん がっ 六 5 七月なのです。もっとも早いものでも、五月下旬で んな時期は、早春でなく、 しんせん しよくぶつ っゅ した。六 5 七月というのは、梅雨のころで、すべての植物が出そろっており、新鮮 えいようほうふさんさい で栄養豊富な山菜がいつばいある時期です。事実、このころのクマは、食べもののと ころでのべたように、フキ・ウバュリ・カニコウモリ・カンスゲ・シシウドなどの やそう 野草をよく食べているのです。食べものがたりないので、クマハギをするのだという はっせいじき一 のには、その発生時期が、まちがいなく梅雨のころであることから見ても、とても、 なっとくできません。 ひょうめん ぶそく さらに、もし食べもの不足をおぎなうためなら、スギやヒノキの材の表面をかじ 、えいよ、つ こ、つよ、つじゅ えださき るより、広葉樹の枝先をかじるほうが、ずっと栄養をふくんでいるはずです。アメリ こ、つよ、つじゅ カクロクマでは、ダグラスモミとともに、サトウカエデなどの広葉樹も、かなりよく えいようぶん A 」 / 、てい じゅもノ \ 、えいよ、つ かじるので、樹木をかじって栄養をとっているか、あるいは、特定の栄養分、ミネラ ルをとっているのではないか、と考えられているようです。 がっ かんが っゅ せつめい じじっ さし
おお さいきんすく ひがいめんせき ねんかん ぜんこく その被害面積は、最近少なくなってきていますが、それでも現在、全国で、年間一 りんもちぬしこくゆうりんかんり 〇〇 5 四〇〇ヘクタールにもなります。スギ・ヒノキ林の持主、国有林を管理してい えいりんしょひと ゆる そんがい る営林署の人たちにとっては、大きな損害ですし、とても許してはおけないのです。 ふせ クマハギを防ぐため、クマのいるところでは、クマハギの害を受けるおそれのある あじ やくひん 大きなスギやヒノキに、クマがきらうにおいや、味のする薬品をぬっておく方法があ きひざ はっせい ります。これを忌避剤といし 、ます。クマハギが発生するのは、六 5 七月のわずかな きかん きかん じぞく 期間ですから、この期間だけ、効果が持続すればいいのです。 きひざ げんざい かいはっ なが しかし、現在、開発されている忌避剤は、値だんも高いし、雨が降るとすぐに流れ てしまうなど、効果が長つづきしません。それよりも、大きくなったスギやヒノキの きひざ ばんほん 一本一本に、忌避剤をぬるのもたいへんなことです。 ふせ しいというわけで、クマハキ 結局、クマハギを防ぐには、クマをとってしまえば、 きかん ゅ、つ力いじゅ、つノ \ じよ 、よか はっせい が発生しているところでは、狩猟ができない期間でも、有害獣駆除として、許可を り」よ、つじゅ、つ 受けて狩猟をつづけています。それも、猟銃では、夏のあいだは、木がしげつて おり いて、クマを見つけにくく、見つけてもなかなかうてませんから、檻をしかけておく け - っ医」よノ、 ーレゆり・よ、つ しゆりよ、つ おお なっ おお あめふ げんざい がっ ま、つほ、つ
ては、このなわばり説は、あてはまらないのではと考えています。 こ、つびき 、みよ、つ ただ、このクマハギの時期が、クマの交尾期と奇妙に一致するのです。クマの せいかっ こ、つひき がっかんが , ハ 5 八月と考えられています。シカのように、群れで生活しているので 交尾期は、 じゅひ しんよ、つじゅ たんどく はなく、単独でくらしているクマが、針葉樹の樹皮をはぎ、ヤニのにおいをまきちら かんが し、ほかのクマを呼びよせているのでは、と考えたこともあります。しかし、それ おす なら、クマハギは、雄だけがすることになってしまいます。もしそうだとしても、ヤ じぶんそんざい ニのにおいを、まわりにまき散らし、ほかのクマに、自分の存在を知らせるだけなら、 ひょうめんき じゅひ 樹皮をはぐだけでじゅうぶんです。ガリガリとかんだ材の表面の木くずを、食べて こ、つび、 しまう必要はないはずです。ただ、クマの交尾期については、動物園などの確認では、 。り・よ、つー ) あき はっゆきふ , ハ 5 八月でまちかいないのですが、猟師は、秋、それも初雪の降るころだといいます じしん おも どうぶつえんきろく このことについても、動物園の記録はまちかいないと思っていますが、ちょっと自信 のないところもあります。 もう一つ、わからないことがあります。スギ・ヒノキへのクマハギか、おもに 一、つ・′つは、つ かんさいちほ、つ はっせい 関西地方に発生し、東北地方や日本海がわには、ほとんど見られないことです。分布 ひつよう がっ せつ にほん、力し かんか どうぶつえん ぶんぶ
「クマハギ」のなぞ しゅ、つ こくりつこうえんひら 一九七七年、アメリカのモンタナ州にあるグレーシャー国立公園で開かれた「第 かんり こど、さし力し」 しゆっせき 四回クマの研究と管理についての国際会議」に出席して、日本のツキノワグマによ ーしよ、つ、力し しんよ、つじゅ 、カ・カし る針葉樹への加害、つまりクマハギを紹介しました。そのあと、ワシントン州のダ じゅひ グラスモミ林で、アメリカクロクマによるクマハギを見せてもらいました。樹皮のは ぎかたは、日本のモミ・ツガ・カラマツへのクマハギと、よくにたものでした。 とうぶひろぶんぶ ぶんぶ ッキノワグマは、分布のところでのべたように、アジアの東部に広く分布するので ・、つ、んい・カし げんざい すが、現在のところ、日本以外で、ツキノワグマによるクマハギは報告されていませ かいなんと、つしんりんちょ、つさ ねんちゅうごく ん。一九八七年、中国の海南島の森林調査にでかけましたが、ここにも何種類もの み しんよ、つじゅ 針葉樹かあり、ツキノワグマもかなりいるようなのに、クマハギはまったく見ません じゅひ しんりんひがい でしたし、クマが樹皮をはぐ森林被害はないといっていました。日本のツキノワグマ につほんい力し だけがクマハギをし、日本以外のツキノワグマはクマハギをしないことも、ふしぎな ことです。 ふゅ そうしゅんはっせい さて、クマハギについては、これまで、「クマハギは早春に発生する。これは冬ご すく がっ かつどう もりからさめたクマが活動をはじめた三 5 四月は、まだ食べものが少ないので、一 けん」ゅ、つ につほん ねん み につばん につほん なんしゆるい