生き生き動物の国■ワマ くじ 2 ま - ん、が 夏クマの布図をつくる 日本のクマーー 8 広がる海 2 クマの行動を追う わた 地グマと渡りグマ ノイオ・テレメトリー につん こ、つどう 20 1 9 7
ひろ メートル ) も移動すること、雄は雌よりも、広いはんいを歩きまわることがわかった とい、つことです。 こ、つど、つけんしら つかまえては印をつけて放し、その行動圏を調べるこの方法は、日本では、とて きけん じっこ、つ も実行できそうにありません。というのは、日本ではクマが出れば危険だと、すぐに はなばたけ そうげん しやさっ 射殺されてしまうからです。また、アメリカクロクマは、お花畑のような草原や、 あか かん木がまばらにはえた明るいところにもよく出てくるのですが、日本のツキノワグ しんりんなか ふかやま マは深い山の中にすんでいます。森林の中では、クマの耳につけたイヤ 1 ・タグや、 ばんごう からだ ・かノにん 体に書いた番号を確認することは、 ノイオ・テレメトリー きようとだいがくあしうえんしゅうりん カっ医」よ、つと 一九六八年の九月、京都の北部にある京都大学芦生演習林で、四歳くらい、体重 おり みみ やく わかおす が約五〇キログラムの若い雄グマを、檻でつかまえました。耳にイヤ 1 ・タグをつけ おも て放そうと思ったのですが、放したあと、いつつかまるのか、まったくわかりません ねん しどう しるし おすめす ほくぶ おも かなりむずかしいのではと思います。 につほん みみ ュま、つエ・、つ につばん につほん たいじゅう
あんせんふゅ あな 母グマにとっては、安全な冬ごもり穴の中で、子グマの世話もじゅうぶんにでき、 ひとりある そだ 一人歩きができるようになるまで、育てることができるのです。 ふゅ たいおん さて、はじめのところで、クマは冬ごもりし、そのときには体温が一五度にも下が ふか ふゅ り、深いねむりに入っているといいましたが、その冬ごもりは、コウモリやヤマネの ふゅ とうみん 久、 ) 」もりとはちか、つし、は虫類などの冬眠とは、まったくちか、つといいました。 ふゅ 亠っゅ、つ しゆっさん その第一のちがいは、冬ごもり中に母グマが出産をすることです。子グマが生ま ちちの つめ れれば、子グマに、お乳も飲ませないといけません。冷たくなって、スウスウねむつ つめ ているはずはないのです。生まれてきた子グマが、冷たいミルクを飲んでいるはずは じしん たいおん おす ないと、自信をもっていうことができます。体温が一五度にも下がるのは、雄グマや、 にんしん めす 妊娠していない雌グマだけではないかと考えています。 げんざい とお れんぞく たいおん へんか 現在では、テレメトリーをクマにつければ、遠くからでも、連続して体温の変化を しゆっさん たいおん かんが 知ることができます。出産する母グマは、体温が低下しないという考えは、こんな 、かノ、に , ん おも わたくしじしん 方法で、まもなくはっきり確認してもらえると思いますし、私自身でたしかめてみ たいことの一つです。 ま、つま、つ 、ちゅ、つるい かんが なか ていか せわ
し わたくし こころ し、もしつかまっても、知らせてくれなければ、私の試みもむだになってしまい ころ ます。それよりも、つかまったということは、殺されたということになるのです。 はっしんき こうどうれんぞく そんなとき、ニホンザルに発信器をつけて放し、そのサルの行動を連続して追って し とお いるとい、つことを知りました。遠くにいながらにして、サルかどこにいるのか、どこ ま、つま、つ 、り・ト ( 、つ でんば まで行っているのかがわかるという方法です。電波を利用して調べるこの方汝を、 せいたいえんかくそくていほう イオ・テレメトリー しいます % ( 生体遠隔測定法 ) と、 はっしん、 とお はっしん これは、動物の体に発信器をつけて放し、遠くはなれたところで、発信器からの でんば し 、つ工、つ ち れんぞく ちしら 電波を受け、どこにいるのか、その位置を知るガ汝です。連続して位置を調べれば、 、」、つ A ) 、つ ど、つじ なんと、つ はっしん医」 その行動はんいかわかりますし、何頭かに同時に発信器をつけて放せば、なかまとの ーし であ かんけい でんば 出合いや、おたがいの関係を知ることができます。また、電波の入力のぐあいで歩 A 」 追 いているとか、止まっているとかい、つこともわかります。これをアクトグラムとい を なんじ お なんじ につしゅ、つこ、つと、つ 行ます。クマが、何時に起きて何時にねるのか、といった日周行動のリズムがわかる の こ、つと、つ あがたゆうがた かつばっ はくめいはくばがた マ のです。クマの行動は、明け方とタ方に活発になる、「薄明薄暮型」だといわれてい ク ますが、そのようなことか、いなからにしてはっきりわかるのです。 どうぶつからだ ・、ゆ、つ′よ′、 6 、つ 6 、つ
かつどう つけて放したということです。 いしかわけんはくさん はっしんき はっしんき 石川県の白山でも、つぎつぎとクマに発信器をつけて放しています。発信器をふく くびわおも めての首輪の重さは、六〇〇グラムだったといいます。はじめのクマは、放したあと かかん なか かかん 九日間を二六ヘクタールのはんいの中ですごし、二日おいて九日間を、こんどは三〇 おな すうじっかん ヘクタールの中ですごしたといいます。数日間、ほば同じ場所ですごしたあと、ポッ - 」、つてつ とつぎのところへ大きく移動する、という行動をくりかえすようだといいます。先の こ、つと、つ おな 日光でのばあいも、同じような行動をしていたといえるようです。 ち さんしよ、つ 白山では、位置の確認とともに、アクトグラム ( 四ページ参照 ) もとっています。 ・かつい」、つ わ つまり、クマの活動を、はげしい動き、ゆるやかな動き、静止の三つに分けて、活動 お にちへんか よるかつばっかつど、つ の一日の変化を追ったのですが、夜も活発に活動することがわかりました。クマの はくめいはくばがた につしゅ、つ、せし 活動は薄明薄暮型だといわれていますが、日周期性は、それほどはっきりしてないの と、つ は ~ 、さん はっしん医」 では、といっています。白山では、これまで五頭に発信器をつけたということです。 しすおかけんおおいがわじようりゅうあきたけん ほっかいど、つ たいへいざん このあとも、静岡県の大井川上流や秋田県の太平山などで、さらには、北海道の こ、つど、つしら ヒグマでも、このバイオ・テレメトリー法でその行動が調べられているのですが、ど こっこ、つ はくさん なか おお しどう かつどう
じようたい あか きおん 、か , んごよ、つ からだ たいおんこきゅうすう また、体温や呼吸数など、体の状態や、明るさや気温など、まわりの環境をも し しと、つ しよくせいず しよくぶつ 知ることかできると ) しいます。その移動と植生図 ( そこにはえている植物をあらわ しんり・んりよ、つ あ て す図 ) とを照らし合わせると、クマがどのような森林を利用しているのかがわかりま はっしんそ、っち ふゅ す。冬ごもりまえのクマに、こんな発信装置をつけることができれば、よくわかって ふゅ ちゅうせいかっ いない冬ごもり中の生活が、はっきりわかるようになるはずです。 ・、つ 4 ・、つ 一ゅ、っそ / 、お、つよ、つ この方法 ( バイオ・テレメトリ ー ) は急速に応用されてきています。けものでは、 これまでにクマをはじめ、シカ、キツネ、ムササビ、ヌートリア、エゾリス、ネズミ はっしんき ちょうるい などが、鳥類ではキジ、オナガなど、そして、カエルやカメにまで発信器がつけら こ、つど、つ こ、つど、つけんしら れ、その行動と行動圏が調べられています。 はじめての試み がっ わかおす ねんがっ ところで、一九六八年九月につかまえた若い雄グマは、つぎの年の六月まで飼育し はっしん医 けん、ゆ、つしゃ , かいはっ て、サルの研究者が開発していた発信器をつけて放しました。日本ではじめて、 よっしん」 ついせき おおがた 大型のけものに発信器をつけて放し、追跡するという試みでした。ですから、 あいちけんりつだいがく 」よ、つレ」たいカノ、り・カノ、ぶ きようとだいがくれいちょうるいけんきゅうじよ 京都大学霊長類研究所、京都大学理学部、愛知県立大学など、たくさんの人たちが こころ こころ につほん ひと