考え - みる会図書館


検索対象: 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ
9件見つかりました。

1. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

り・ゅ、つど、つ スギやヒノキ林には食べものがないので、スギ・ヒノキをかじるのだといわれるの ふゅ ですが、スギ・ヒノキ林には、冬ごもりまえに、たくさん食べておかないといけない あな ふゅ ドングリもなく、冬ごもり穴もないのですから、クマかもともとすめるはずはないの ちいき こ、つよ、つじゅりんのこ りん です。実さいに、スギ・ヒノキ林ばかりで、広葉樹林の残っていない地域には、まず クマはいません。 でも、食べものがないためかじるのではないとしたら、なぜ、クマハギをするので びんかん しんよ、つじゅ しよう。ッキノワグマが、針葉樹のヤニのにおいに敏感なのはたしかです。だからこ じゅ、ん、 じゅひ しんよ、つじゅ そ、針葉樹だけをえらんで、樹皮をはぐのでしよう。そして、梅雨のころは、樹液の じゅひ 流動がもっともさかんな時期で、それだけに、クマにとって、樹皮をはぐのは、か んたんな仕事であることはたしかです。 しめ おお かじった高さが、クマの大きさを示しますから、クマがなわばり ( テリトリ 1 かんが しめ 示しているのではないか、といった考えもあるようです。これはたぶん、シートン つめ なか どうぶつき ゞ、ほかのクマが木につけた爪あとのはるか上 の動物記の中のハイイログマ、ワープカ れんそう はなし に、大きな爪あとを残す、という話などからの連想でしよう。ッキノワグマについ おお し ) ) と つめ りん っゅ 、つえ

2. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

あんせんふゅ あな 母グマにとっては、安全な冬ごもり穴の中で、子グマの世話もじゅうぶんにでき、 ひとりある そだ 一人歩きができるようになるまで、育てることができるのです。 ふゅ たいおん さて、はじめのところで、クマは冬ごもりし、そのときには体温が一五度にも下が ふか ふゅ り、深いねむりに入っているといいましたが、その冬ごもりは、コウモリやヤマネの ふゅ とうみん 久、 ) 」もりとはちか、つし、は虫類などの冬眠とは、まったくちか、つといいました。 ふゅ 亠っゅ、つ しゆっさん その第一のちがいは、冬ごもり中に母グマが出産をすることです。子グマが生ま ちちの つめ れれば、子グマに、お乳も飲ませないといけません。冷たくなって、スウスウねむつ つめ ているはずはないのです。生まれてきた子グマが、冷たいミルクを飲んでいるはずは じしん たいおん おす ないと、自信をもっていうことができます。体温が一五度にも下がるのは、雄グマや、 にんしん めす 妊娠していない雌グマだけではないかと考えています。 げんざい とお れんぞく たいおん へんか 現在では、テレメトリーをクマにつければ、遠くからでも、連続して体温の変化を しゆっさん たいおん かんが 知ることができます。出産する母グマは、体温が低下しないという考えは、こんな 、かノ、に , ん おも わたくしじしん 方法で、まもなくはっきり確認してもらえると思いますし、私自身でたしかめてみ たいことの一つです。 ま、つま、つ 、ちゅ、つるい かんが なか ていか せわ

3. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

コナラにつくられた円座 ( 上と下 ) えんざ うえした はのこ 55

4. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

まえがき おも らと思っています。 ど、つじ ひと げんしよ、つ しんりんばっさい ぜっめつ 同時に、森林の伐採などで、すみかをうばわれ、減少し、絶滅するクマ、人をお かじゅえんしんりんあ そうおそれ、果樹園や森林を荒らすおそれがあるため、捕かくされるクマ、この二つ し わたくし きようぞん じじっ の事実を知ったうえで、クマと私たちの「共存」について、考えていただければ おも と思います。 さいご すい この本の執筆をご推せんくださり、はげましてくださった、 最後になりましたが、 0 十つよ、つ くしん あざぶだいがくめいよきよ、つじゅ うだがわたつおせんせい ご苦心のうえ、写された貴重 麻布大学名誉教授の宇田川龍男先生、そして表紙に、 きよ、つとふちょ、つじゅ、つほごいん こいずみひろやす しやしんてい医」よ、つ な野生グマの写真を提供してくださった、京都府鳥獣保護員の小泉博保さんに、 、も、つ↓の あっ 厚くお礼を申し上げます。 やせい 昭和六二年一二月 ほんしつびつ ひょ、つし かんが うつ わたなべひろゆき 渡辺弘之

5. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

3 食べものを調べる 00 名 00 0 0 0 0 00 0 00 0 , 0 ら 。び 00 名。 0 00 0 の 0 クマの糞の中から出てきたもの ( 上 ) タカノッメ , ( 下 ) ウヮミズザクラ ふんなか つえ 47

6. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

にちじよ、つある 日常歩きわまるはんいは、どのくらいの大きさなのでしよう。そしてほんとうに、 テリトリーをもっているのでしよ、つか ある とはいっても、クマかどのくらい移動するのか、どのくらいのはんいを歩きまわる のかを、どうやって調べればいいのでしよう。 しるし クマに印をつける みみしるし それには、まずクマをつかまえ、耳に卩 ( イヤ 1 ・タグといし 、ます ) をつけるこ とお とが考えられます。それも、色をかえるとか、いくつかの色を組み合わせれば、遠 挈、、つ・カ′ル」よ、つ かんさっ くから双眼鏡で観察して、どのクマかを見わけることができるでしよう。クマの毛 ばんごうおお あか せんもうさい 染毛剤で番号を大きく書いても ) しいかもしれません。こうして、赤いイヤ 1 ・タ なんばん ある グかどこにいたとか、何番のクマがどこを歩いていた、といったことをたしかめるた ・か / 、にん・刀い、す・、つ おお ちすうえか かんさっちてん 追びに、地図の上に書きこんでいくのです。確認の回数や観察地点が多くなればなるほ こ、つと、つ ど、クマの行動はんいがはっきりしてくるのです。 実さいに、アメリカのモンタナ州で、ジョンケルさんとコーワンさんは、檻でア A 一、つ メリカクロクマを一五八頭もっかまえ、それにイヤー・タグをつけて放しています。 じっ かんが どう おお おり

7. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

2 クマの行動を追う みずはい はっしんき . 一よ、つ . り・ . よノ、 協力してくれました。発信器の本体は小さなものですが、水が入らないように、 はっしん なが 防水のカバーをしたり、長いあいだ発信がつづくように、電池をたくさん入れたりし はっしんきおも くびわ ました。また、はずれないように、首輪にしましたので、発信器の重さは一・三キロ グラムにもなり、首に浮き輪をつけたようにも見えました。 ちか 六月一一日の午後三時、つかまえた場所の近くまでクマをはこびました。やはり目 うえ のまえでクマを放すのですから、すこしこわいので、みんなトラックの上にのって、 はっしん一 トラックの上から、檻のとびらを引っぱり上げました。発信器をつけたクマは、ばっ ひやく じゅ、も′ と樹木の中に走りこみました。クマは、その日は約六〇〇メートル移動して、つぎの おお 一二日、一三日も、谷の中を行ったりきたりするだけで、あまり大きな動きはありま おね じゅしん せんでした。ところが、四日めに受信できなくなり、六月一八日に、やっと、尾根を くつきむら しがけん こえた滋賀県の朽木村に、入りこんでいることがわかりました。そのあとふたたび、 ゆくえがわからなくなってしまいました。 ついせき はじめてのことで、たった三日しか追跡できませんでしたが、捕かく、麻すいの けん」ゅ、つ じゅしんき 力いり・よ、つついせ はっしんき ガ汝、発信器・受信器の改良、追跡のしかたなど、その後の研究にとって、大きな引 ほ、つ・す・い ュ・、つエ・、つ がっ 、つ、え くび おり はんたい がっ でんち しどう おお

8. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

ど、つじ なんと、つ しゅ、つはす、つ はっしんでんば す、つと、つしら こも数頭を調べるのがやっとです。発信電波の周波数をかえれば、同時に何頭でも ついせき 追跡できるのですが、その試みも、まだはじまったばかりです。 ーり・・ト、つ アメリカでは、この方汝を利用して、もっと大がかりな調査をしています。たとえ と、つ はっしんき しゅ、つ ば、ペンシルバニア州では、アメリカクロクマ二七頭に発信器をつけ、二八二五 ・かノに , ん ちてん 地点でクマがいることを確認したとか、アリゾナ州では二八頭につけて、一一〇〇 あな ついせき ふゅ なんとう 、か ~ 、にん ちてん 地点でクマを確認し、そのうちの何頭かでは、冬ごもり穴まで追跡できた、というよ 「か ) に , ん よっしんき うな報告がたくさんあります。たくさんのクマに発信器をつけるほど、そして確認で せいかっ ちてんおお きた地点が多いほど、クマの生活が、よりはっきりわかってくるのです。 さんがくち しかし、まえにちょっとのべましたように、日本のような山岳地では、クマか小さ じゅしん でんば おね な尾根をこえたり、谷のおくへ入るだけで、電波を受信できなくなります。この おお おね やま↓つよ、つじよ、つ ー ) よ、つ・カし 障害をのりこえるには、山の頂上や高い尾根に、大きな固定アンテナをつくるこ し ち . り・ト、つ じんこ、つえいせい げんざい とが必要になります。現在では、人工衛星を利用して、その位置を知ることができま 工、つ、つ しごと す。とても、ひとりではできない仕事になってきましたが、こんな方法で、クマの あき 生活も、しだいに明らかにされていくことでしよう。 せいかっ ひつよう ュみ、つ工、つ こころ おお につほん ちょ、つさ こてい

9. 生き生き動物の国 身近な猛獣 クマ

かる はっしんき おも 成果があったと思います。今では、発信器はずっと軽くなり、電池もとりかえなしで、 、力し . り一よ、つ たいようでんちつか ちょうじかんはっしん 長時間発信できるように太陽電池を使うなど、つぎつぎと改良されています。 じゅしん一 しこ、っせい じゅしん はっしんき クマにつけた発信器からの受信には、指向性をもっ二つの受信器 ( レシー じゅしんき一 ある じゅしん」 用意します。二つのグループが、それぞれ受信器をもって歩くのです。受信器は、 医」より・ はっしんちてん でんば 電波のくる方向はわかりますが、発信地点までの距離をはかることはできません。一一 きろく でんば おな つのグループが、同じ時刻に、電波のくる方向と自分の位置を記録します。そして、 でんば ちすうえ おな あとで同じ地図の上に、それぞれのグループの位置と、そこでの電波の入ってきた ちよくせんほうこうしめせん 方向を書きこみます。二つの直線 ( 方向を示す線 ) が交わったところに、クマがい はうこうれんらくあ でんば 1 で、おたがいの位置と電波の方向を連絡し合えば、 たことになります。トランシー おお すぐにクマの位置がわかります。クマがそれほど動かないときは、こちらが大きく はっしんみ一 そくてい 移動しながら測定すれば、一つの発信器でも位置を知ることができます。 ちか なかお やま みち といっても、道のない山の中を追いかけるのですから、それはたいへんです。近づ おね とお いどう きすぎて、クマの移動をさまたげてもいけないし、遠くはなれすぎると、谷や尾根が でんば あって、クマからの電波が入らなくなり、クマを見うしなってしま、つのです。 ま、つ、 ) 、つ せいか しどう ほ、つ、」、つ ほ、つ、」、つ じぶん でんち