環境 - みる会図書館


検索対象: 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ
8件見つかりました。

1. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

三朝一な新 きひら 切り開かれた森のあとは , キツネたちにとって , かんきよう またとないよい環境となり , 好んですみつく 原げ は もり 63

2. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

」カい・カん す キツネの好きなすみか よこナそ、っち ひとす ほっ・かいマっ げんや 北海道の東部の原野には、あちこちに、あれた畑や草地、そして、人の住まなく ち 一」、つ↓ノ、 ほね はいおく み なった廃屋が見られます。それらの光景は、かってそこを、墳墓の地 ( そこに骨をう ゅめ ふうん めるときめたところ ) にしようとちかって、開拓の鍬を入れた人たちが、不運にも夢 さ がやぶれて、むなしく去ったあとなのです。 ちくしゃ おもやちゅうしん きぐお それらの廃屋は、母屋を中心に、サイロや畜舎、機具置き場などが見られますが、 イ」っそ、つ やしき なかあし み 外観はともかく、一歩、家敷の中に足をふみ入れると、身のたけをこすような雑草が としよ、つじ おくない おいしげり、屋内のふすまも、戸障子も、あれるにまかせて、鬼気せまるようです。 ところか、人にとってはそうであっても、キツネたちにとっては、そこが、またと ・カ かん医、よ、つ ないかくれ家であり、まずは、、つってつけの環境でさえあるのです。 かん一よ、つ もりどうぶつ どうぶつ キツネという動物は、もともとは、森の動物というより、こういった環境にもす みつく動物なのです。森がきりはらわれてしまったあとにできる、うずたかくつみあ どうぶつ はいおく とうぶ ひと くわ ふんば ひと み

3. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

おも のではないかと思いました。 「ポ 1 ン」のホ 1 ムレンジ きようたい ところで、ほかの兄弟ギッネたちのゆくえは、まったくわかりませんでした。で はいおく わたくしさい力し も、この「ポン・フレチノ」は、私と再会したときにはもう、このあれはてた廃屋 ちゅ、つしん おも せいかつけん を中心に、ホームレンジ ( 生活圏 ) をつくっていたのではないかと思われました。 じぶんりようち こうした動物たちのホームレンジというものは、「ここからここまでが、自分の領地 だ。」といった、とりきめや区分けできまるものではありません。よほど、えさの少 まえ ・かん」よ、つ はなし ない環境でもないかぎり、前にもお話したように、つぶれたり、すてられたりした 小屋のような、あれはてた「かくれ家」があったり、そして、よそからおそわれたり かたちひろ かんけい しぜん するおそれさえなければ、あとは、形や広さに関係なく、自然に、それがきまって いくものなのです。 とち したみ その後、「ポーン」のホームレンジである土地に、買い手がついて、そこを下見に どうふつ

4. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

そ楽園」とい、つさだめを、こ、つい、つことからも、知ることかできます。 当」し、力し 「ポ 1 ン」との再会 ざわ け・ん」ゅ、つか ぶんさん り・さんど、つぶつが′しゃ モセウシナイ沢の「ケマ」の一家が、離散 ( 動物学者や研究家たちは、これを分散 ばんしゅ、つ といっています ) をしてから、ほほ二か月ほどたった晩秋のことでした。私は、 かぶ、つ、えま、んあし そこから六キロメートルほどはなれた森のはずれで、木の株の上に前足を一本あげて、 背のびでもしているかのようなかっこうで、じっと私を見つめているキタキツネを きんけ おも わかめす 見つけました。金毛とも思えるような毛なみのきれいな、ほっそりとした若い雌ギッ ネでした。 どいしんりん あたりが、ミズナラやシナノキやニレノキの大森林でおおわれていたころは、キッ めだ ネは、それほど目立った動物ではありませんでした。しかし、そのあたりの木という 立 すがため と木か、一面にきりとられると、いっとはなしに、キツネたちの姿が目につくように 、ごゅ、つ このかんきよう ひとて なりました。キツネの好む環境が、人の手によって、急ピッチにひらけてきたから らくえん めん どうぶつ わたくしみ わたくし

5. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

3 子わかれの季節 とがらを、とてもたいせつにしているからです。 ふか やせい しぜん しかし、自然とか野生に、深く立ち入って、そこから、野生の動物たちの、とんで おも ふご、つり もない不合理なことのように思える、生きるためのさだめを見つめてみると、どうで ちきゅ、つ かん医」よ、つ へんか しようか。そこには、ダーウインの「よい種、つまり、地球のどんな環境の変化や 、ゅ、つ しぜんせんたく 危急のときにも生き残れるもの」という「自然選択の条件」を、はっきり見ること ができるのです。つまり、親子といえども、ひとり立ちのためにこそ、そして生きて ドレよ、つ なが しせん いくためには、情におばれ、それに押し流されることを、自然は決して許していな いのです。 まど、じよ、つ かえみち ゅうがた その日から三日めの夕方、このときも、牧場の見まわりからの帰り道のことでし おな さわじよ、つりゆ、つ とお ぜんかい た。前回のところから、さほど遠くないモセウシナイ沢の上流で、同じ母ギッネの まえおな 前と同じような手きびしい態度で、 「ケマ」か、こんどは雌の子ギッネ「サク」に、 さわ この沢から、追い出しにかかっているところを見かけました。 たいあ 「サク」は、母ギッネの「ケマ」に、ほとんど体当たりでもされるように、何べん のこ めすこ おやこ じよ、つけん やせい どうぶつ ゆる なん

6. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

ながあいだ です。つまり、そうした場所は、長い 、大木のかげで、陽の目も見られなかった ざっそ、つ わかぎ 雑草や、若木がのび、さらにそのうえに木のかれ葉や、折れた枝などが、いくえにも つみかさなって、ノネズミやユキウサギたちの、えさ場となります。そして、キツネ そだ ぜっこ、つ にとっても、えものをとったり、子どもを育てたりする、絶好のホームレンジ せいかつけん かん医」よ、つ ( 生活圏 ) にもなるのです。キツネたちが、そういう環境を見のがすことなど、 ぜったい 絶対にありえません。 わたくしこ、つど、つ ともあれ、数一〇メートルもはなれたところから、しげしげと私の行動をうかが すがた わたくし っていたキツネは、やがて、そこから姿を消してしまいました。そのとき私は、 ざわ むすめ そのキツネは、ひょっとすると、モセウシナイ沢で、最後に見た、「ケマ」の娘ギッ おも そ、つがんきよう ネの「ポン・フレチノ」ではないかと思いました。双眼鏡で見ても、あのモセウシ ざわすあな ナイ沢の巣穴にいたころ、首につるしてやった、目じるしのテグスの輪も見えません なん わたし かん でしたが、何とはなしに、私はそう感じたのです。 わたくしうご またかりに、このキツネが、私とはじめて出会った相手であったなら、私が動 なんど いたら、さっと身をひるがえして、にげ去ってしまうはずです。ところが、何度も、 すう わたくし であ えだ

7. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

、かん・か / 、」の、つ ↓つよ、つ、かノ、 tJ ゅ、つ・か′ くうふくぎみ 空腹気味で、聴覚や嗅覚、視覚といった感覚機能がピリピリと張りつめ、それらが田 どうぶっとくせい えいびんれんどうあ 鋭敏に連動し合っていなければ、その動物の特性 ( えものを狩るテクニック ) を、じ ゅうぶんにあらわすことができないのです。 かんか・、、の、つ けがわじゅう どうふつ やせい 野生の動物、ことに毛皮獣のこうした感覚機能に、むかしの罠師たちは目をつけま した。たとえば、テンやカワウソどもは、おもにどんなにおいに、さそわれやすいか まな ち ナいけん といった、かれらの好物についての情報や知しきを、経験からよく学んでいました。 す そして狩ろ、つとするえものの、もっとも好きなえさをつくって、罠をしかけることが ひみつじようほう 多く、そのえさづくりの " 秘密情報。は、どんなに仲のよいなかまにも、教えること は、まずなかったのです。 ともあれ、タイチーじいさんが、反対して、いいたかったことは、ほかでもない、 しんてんち せいぞんきようそう さわ ・かん・き一よ、つ このモセウシナイの沢から、環境のきびしい、生存競争のはげしい新天地へ、ひと おも こころ り立ちしていく最後の子ギッネへの、心からの、はなむけだったと思います。 よ わたくし 私たちから「ポン・フレチノ」と呼ばれた子ギッネは、こうして、ほかの兄弟 おお こうぶつ ド ) よ、つほ、つ はんたい わなし わな おし め きようたい

8. 生き生き動物の国 野山の名ハンター キツネ

る生活圏も、テリトリーと呼ばれるなわばりも、目でたしかめることのできない しるし 「印」によってきめます。キツネたちは、特しゅなにおいをもった自分の尿や、ふ もっち んなどによって、徹底して、盛り土や、つき出ている岩や石、木の根っこといったも りよ、っちしるし じぶん じぶん のに、自分のにおいをすりこんで、自分の「領地の印」とするのです。やがて、子 しるし ぐち すあな をもっころには、さらに巣穴の出入り口にまで「印」をつけます。 」かんき一よ、つ このキツネたちのホームレンジは、そのキツネたちのすんでいる環境によって、 さわ くらた・ ふか げんやあさあか みなまちまちです。つまり、そこにある原野の浅く明るい沢や、深く暗い谷といった こ、つよ、つじゅ . り - よ、つは、つ ・もり・ じよ、つり - よど、じゅ ら / 、よ、つじゅしんよ、つじゅ おな じようたい 状態や、同じ森でも常緑樹とか落葉樹、針葉樹とか広葉樹、またはその両方が入 こんこ、つりん じようたい りまじった混交林とでは、状態にたいへんなちがいがあります。したがって、ホー かたちひろ ムレンジの形や広さについても、それぞれちがってくるわけです。ことに、そこに そうおん こうつうりようおおど、つろ かわぬま 大きな川や沼があり、そのほかにも、あとで、騒音のはげしい交通量の多い道路や おお ちか てつどう 鉄道が、その近くにできたりすると、キツネのホームレンジは大きく変わります。そ はんしよく して、ホームレンジは、どんな動物にとっても、そこで繁殖できるかどうか、食物 があるかどうかによって、えらばれもしたり、すてられもしているのです。 おお せいかつけん てってい どうぶつ じぶん しょ′ v' もっ