ひろしは、大きなテラスのはしのところまでいって、もってきた そうがんきようを、さかさまにしてみます。 さかさまにしてみると、ほんとうはちかくにあるのに、とおくに たっているようにみえ、ぜんたいのかんじがよくわかるのです。 おお
ほらあなのなかは、さまざまの大きさのとうめいなすいしようで、 ぎっしりうめつくされていました。 まるで、ひとつの家のなかに、すいしようのおとなやこどもが あつまって、ひろしをみつめているようでした。 ひろしは、そおっと、てをいれ、すぐにひっこめました。 すいしようが、たくさんのはのようにかんじ、 ばくっと、てをかみきられてしまいそうなきがしたからです。 「ああ、きれいだ」 おお
「さかであそばうか」 ゅうやがいうと、ひろしもとしもすぐ、さんせいしました。 草のテラスのはしにたって、三人はしたをみおろします。 さかには、みじかくはえそろった草がぎっしりはえています。 しいかんじ」 「そうだね」 三人は、ころころ、さかをころがっていきます。 どんどんスピードがついて、もうあぶないぞ、というところで、 ちょうどせのたかい草がふわふわはえたくばみが、まっていてくれる のです。 くさ さんにん くさ さんにん くさ
これがきみの一つちかしし ) ねえ。 「へえ 草をおいただけなのに、家のかんじがするんだよね」 おんなこ くさみつ 女の子のそばには、たいらにまるくつんだ草が三つあって、 そのまんなかに、 こいむらさきいろと、赤と、とうめいな きらきらひかるものがありました。 「これ、なあに ? すいしようみたいにみえるけど」 「ゼリーだよ。みんな、よんでおいでよ」 「ええ ? ゼリーなの ? かたいよ、ほら」 「だいじようぶ。すごくおいしいんだから」 女の子は、にこにこわらっています。 おんな くさ あ