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検索対象: ジュリスト 2016年10月号

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ジュリスト 2016年10月号


、 。 ー 。 縉 有 斐 閣 ・ 出 版 案 内 ・ 〒 101 ー 開 51 東 京 都 千 代 田 区 神 田 神 保 町 2 ー 17 TeI : 03 ー 3265 ー 11 http:〃www.yuhikaku.co.jp/ ※ 表 示 価 格 は 税 別 。 消 費 税 込 み の 金 額 が 定 価 で す 。 QuarterIy ー Jurist 7 ュ ・ 好 評 * 発 売 中 ・ 〔 ジ ュ リ ス ト 増 刊 〕 B5 判 並 製 各 2 , 667 円 + 税 特 集 1 個 人 情 報 ・ プ ラ イ バ シ ー 保 護 の 理 論 と 課 題 2016 年 夏 号 ( 18 号 ) 2 再 婚 禁 止 期 間 , 夫 婦 別 姓 訴 訟 大 法 廷 判 決 特 集 憲 法 の あ の 瞬 間 特 集 不 法 行 為 制 度 の あ り 方 を 考 え る ー 複 数 の 者 が 関 与 す る 損 害 発 生 に お け る 複 層 性 の 検 討 特 集 土 地 法 の 制 度 設 計 特 集 刑 の 執 行 猶 予 の 多 角 的 検 討 特 集 憲 法 の 現 況 特 集 1 「 新 た な 刑 事 司 法 制 度 」 の 構 築 2 団 体 訴 訟 の 制 度 設 計 と 244 頁 978-4-641-21318-0 2016 年 春 号 ( 17 号 ) 248 頁 978-4-641-21317-3 2016 年 冬 号 ( 16 号 ) 220 頁 978-4-641-21316-6 2015 年 秋 号 ( 15 号 ) 256 頁 978-4-641-21315-9 2015 年 夏 号 ( 14 号 ) 228 頁 978-4-641-21314-2 2015 年 春 号 ( 13 号 ) 208 頁 978-4-641-21313-5 2015 年 冬 号 ( 12 号 ) 264 頁 978-4-641-21312-8 特 集 1 社 会 保 障 制 度 改 革 一 議 論 の 道 程 と 今 後 の 展 亡 月 王 2014 年 秋 号 ( 1 1 号 ) 2 国 際 関 係 法 上 の 喫 緊 の 課 題 特 集 1 法 務 と 数 理 的 思 考 2 現 代 相 続 法 の 課 題 208 頁 978-4-641-21310-4 200 頁 特 集 憲 法 " 改 正 " 問 題 ー 国 家 の あ り 方 と は 978-4-641-21309-8 特 集 1 障 害 者 権 利 条 約 の 批 准 と 国 内 法 の 課 題 2 改 正 行 政 事 件 訴 訟 法 施 行 1 0 年 の 検 証 特 集 1 環 境 条 約 の 国 内 実 施 ー 国 際 法 と 国 内 法 の 関 係 248 頁 978-4-641-21311-1 244 頁 978-4-641-21307-4 2013 年 秋 号 ( 7 号 ) 248 頁 978-4-641-21308-1 2014 年 冬 号 ( 8 号 ) 2014 年 春 号 ( 9 号 ) 2014 年 夏 号 ( 10 号 ) 2 星 野 英 一 先 生 の 人 と 学 問 特 集 震 災 と 民 法 学 特 集 い ま , 選 挙 制 度 を 問 い 直 す 特 集 團 藤 重 光 先 生 の 人 と 学 問 特 集 重 要 判 例 か ら み た 行 政 法 特 集 1 裁 判 員 制 度 3 年 の 軌 跡 と 展 望 2 国 際 化 時 代 に お け る 家 族 法 の 課 題 特 集 憲 法 最 高 裁 判 例 を 読 み 直 す 204 頁 978-4-641-21306-7 252 頁 978-4-641-21305-0 2 1 6 頁 978-4-641-21304-3 240 頁 978-4-641-21303-6 276 頁 978-4-641-21301-2 232 頁 978-4-641-21300-5 2013 年 夏 号 2013 年 春 号 2013 年 冬 号 2012 年 秋 号 2012 年 夏 号 2012 年 春 号 ( 6 号 ) ( 5 号 ) ( 4 号 ) ( 3 号 ) ( 2 号 ) ( 1 号 )

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め ら れ る こ と に よ り , 広 く 消 費 者 契 約 に 量 等 の 観 点 か ら の 適 切 さ の 評 価 が な さ れ る こ と に も 大 き な 意 義 が あ る ( 改 正 消 費 者 契 約 法 4 条 4 項 ) 。 高 齢 者 の 判 断 力 不 足 5 ) 等 に つ け 込 ん だ 不 要 な 商 品 の 大 量 取 引 は , 決 し て 悪 質 事 業 者 に よ る 特 殊 な 事 例 だ け で 問 題 と な っ て い る の で は な い 。 75 歳 の 認 知 症 の 女 性 が , 4 年 半 の 間 に , デ パ ー ト の テ ナ ン ト で あ る 洋 装 店 か ら 約 1100 万 円 に 及 ぶ 婦 人 服 を 購 入 し て い た 事 案 6 ) で は , 洋 装 店 が 女 性 の 弟 か ら 販 売 の 停 止 を 求 め ら れ た に も か か わ ら ず , 「 売 っ て 欲 し い と 言 っ て い る お 客 様 に 売 ら な い わ け に は 行 か な い 」 と の 判 断 に よ っ て , そ の 後 も 女 性 に 対 し て 婦 人 服 の 販 売 が 継 続 さ れ た 。 こ う し た 事 例 で は , 従 来 は , 成 年 後 見 制 度 な ど の 利 用 と と も に , 民 法 の 意 思 無 能 力 や 公 序 良 俗 違 反 を 理 由 と す る 契 約 の 無 効 が 主 張 さ れ た が , そ こ で は 取 引 の 頻 度 や 量 , 代 金 額 , 消 費 者 の 判 断 能 力 や 商 品 の 必 要 性 な ど を 総 合 的 に 主 張 す る 必 要 が あ っ た 7 ) 。 過 量 等 消 費 者 契 約 取 消 権 が 消 費 者 契 約 法 に 規 定 さ れ た 結 果 , 判 断 力 が 不 足 す る 消 費 者 に 対 し て 繰 り 返 し 同 種 の 商 品 を 販 売 す る こ と は , 不 適 切 な 取 引 で あ る こ と が 明 確 に さ れ た 。 過 量 等 の 判 断 要 素 と し て , 量 だ け で な く , 回 数 や 期 間 が 挙 げ ら れ て い る こ と も 重 要 で あ る 8 ) 。 い ず れ に し て も , 高 齢 化 社 会 に お け る 適 正 な 取 引 ル ー ル を 定 め る 責 任 が , 事 業 者 に 投 げ か け ら れ る こ と に な っ た 。 事 業 者 に は , 取 引 の 性 質 に 対 応 し た 分 か り や す い 判 断 基 準 を 示 し て , 実 際 の 取 引 に 組 み 込 ん で い く こ と が 期 待 さ れ る 。 消 費 者 と し て も , 買 わ な い と の 5 ) 厚 生 労 働 省 に よ れ ば , 2012 年 の 65 歳 以 上 の 人 口 は 3079 万 人 。 そ の う ち , 認 知 症 を 発 症 し て い る 者 が 約 462 万 人 に 達 し て い る と 推 計 さ れ て い る ( 厚 生 労 働 省 「 認 知 症 施 策 推 進 総 合 戦 略 ー ー ー 認 知 症 高 齢 者 等 に や さ し い 地 域 づ く り に 向 け て ( 新 オ レ ン ジ プ ラ ン ) 」 平 成 27 年 1 月 ) 。 6 ) 東 京 地 判 平 成 25 ・ 4 ・ 26 消 費 者 法 ニ ュ ー ス 98 号 311 頁 。 判 決 で は , 同 じ 服 を 3 着 購 入 し た こ と が 認 知 症 の 典 型 的 な 症 状 で あ る 可 能 性 が 否 定 で き な い と し て , そ れ 以 降 の 契 約 が 意 思 無 能 力 に よ り 無 効 で あ る と し , 237 万 円 余 り の 返 還 を 認 め た 。 な お , 本 件 の 判 例 評 論 と し て , 谷 本 圭 子 「 判 批 」 金 判 1486 号 ( 2016 年 ) 32 頁 , 菅 富 美 枝 「 判 批 」 現 代 消 費 者 法 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498 68 選 択 権 の 行 使 が , 時 に は 重 要 で あ る こ と を 再 認 識 す る 機 会 と な ろ う 。 2. 消 費 者 契 約 取 消 し 後 の 消 費 者 の 返 還 義 務 の 範 囲 n -20121101 ー 2. html) 。 ( 2012 年 11 月 。 http://www.kokusen.go.jp/news/data/ -- - ・ 一 訪 問 販 売 や 電 話 に よ る 現 物 積 立 ま が い の 勧 誘 に ご 注 意 」 な っ て か ら ! ? 金 地 金 の 分 割 前 払 い 取 引 の ト ラ ブ ル が 増 加 と な る 事 例 と し て , 国 民 生 活 セ ン タ ー 「 受 け 取 り は 105 歳 に 8 ) 例 え ば , 高 齢 者 に 対 す る 長 期 間 の 前 払 い 契 約 が 問 題 ニ ュ ー ス 102 号 341 頁 な ど が あ る 。 ニ ュ ー ス 86 号 136 頁 , 津 地 判 平 成 26 ・ 9 ・ 29 消 費 者 法 と さ れ た 事 例 と し て , 福 岡 地 判 平 成 22 ・ 7 ・ 7 消 費 者 法 7 ) 高 齢 者 の 締 結 し た 契 約 の 効 力 が 量 的 な 観 点 か ら 問 題 22 号 ( 2014 年 ) 83 頁 。 地 が あ る 。 例 え ば , 取 消 し の 対 象 と な る 契 約 に で は , い わ ゆ る 「 出 費 の 節 約 」 が 問 題 と な る 余 け を 返 還 」 す る こ と 9 ) と 理 解 さ れ て い る 。 形 を 変 え て 残 存 し て い る と き に か ぎ り , そ れ だ に よ っ て 事 実 上 え た 利 得 が , そ の ま ま あ る い は 現 存 利 益 の 返 還 と は , 「 取 り 消 し う べ き 行 為 に 改 正 民 法 と あ わ せ て 施 行 さ れ る と し た 。 範 囲 を 現 存 利 益 と す る と の 規 定 を 新 設 し , と も 商 法 も , 取 消 権 の 行 使 後 の 消 費 者 の 返 還 義 務 の 異 な る 処 理 に な る 。 そ こ で , 消 費 者 契 約 法 も 特 れ ば , こ れ ま で の 清 算 に 関 す る 実 務 の 対 応 と は ほ と ん ど で あ っ た 。 原 状 回 復 が 求 め ら れ る と す き る 範 囲 で 事 後 的 な 清 算 処 理 が な さ れ る こ と が 消 権 を 行 使 す る 場 合 は , 消 費 者 が 現 実 に 返 還 で て き た 。 も っ と も , 実 際 に 消 費 者 が こ れ ら の 取 は な く , 基 本 的 に は 民 法 の 原 則 に よ る と 解 さ れ 消 し 後 の 消 費 者 の 返 還 義 務 の 範 囲 に 関 す る 規 定 案 121 条 の 2 ) 。 消 費 者 契 約 法 も 特 商 法 も , 取 す る 条 項 が 新 た に 提 案 さ れ て い る ( 改 正 民 法 法 例 外 と し て , そ れ 以 外 は 原 則 と し て 原 状 回 復 と し の 場 合 の 返 還 の 範 囲 を 現 存 利 益 と す る こ と を 返 還 義 務 に 関 し て , 制 限 行 為 能 力 者 に よ る 取 消 る 。 改 正 民 法 法 案 に は , 取 消 し の 効 果 と し て の 消 費 者 契 約 に 対 す る 影 響 に も 注 意 が 必 要 で あ 現 在 , 国 会 に 提 出 さ れ て い る 改 正 民 法 法 案 の

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MonthIy Juri-site 10 月 25 日 発 売 / 11 月 号 / 1499 号 定 価 1 0 円 ・ 特 集 に あ た っ て / 小 泉 直 樹 連 載 ・ 柔 軟 性 の あ る 権 利 制 限 規 定 / 国 際 ビ ジ ネ ス 紛 争 処 理 の 法 実 務 ⑧ / 金 子 剛 大 ・ 小 坂 準 記 ・ リ ー チ サ イ ト を 通 じ た 侵 害 コ ン テ 城 山 康 文 / 岩 瀬 吉 和 ・ 山 内 真 之 ン ツ へ の 誘 導 行 為 へ の 対 応 / 中 川 達 也 HOT issue ・ 拡 大 集 中 許 諾 制 度 / 鈴 木 雄 一 字 賀 克 也 ・ 三 角 育 生 ・ 証 拠 収 集 手 続 / 三 村 量 一 ・ 損 害 賠 償 / 飯 田 圭 時 論 / 富 永 晃 一 ・ 均 等 論 / 松 田 俊 治 ・ 延 長 登 録 の 要 件 及 び 効 力 / 城 山 康 文 次 号 予 告 特 集 知 財 シ ス テ ム の 次 な る 方 向 性 ー 立 法 的 課 題 と 裁 判 例 の イ ン バ ク ト 前 号 の ご 案 内 編 集 室 メ モ ・ 特 集 で は , 不 祥 事 の 予 防 ・ 対 応 と い う 観 点 か ア ユ リ 入 ト ら , コ ン プ ラ イ ア ン ス の 最 先 端 を ご 解 説 い た だ き ま し た 。 「 ウ チ は コ ン プ ラ 対 策 バ ッ チ リ だ も ん ね 」 と い う 方 々 に も , 新 た な 発 見 を し て い た だ け る 特 集 で す 。 ぜ ひ ご 一 読 く だ さ い 。 ( 浦 川 ) ・ 「 お 断 り し ま す 」 と お 伝 え し た 訪 問 販 売 業 者 様 が 拙 宅 に 再 度 訪 問 さ れ た の は , 先 週 の こ と で ご ざ い ま し た 。 「 時 論 」 で は , 改 正 特 定 商 取 引 1 0 月 号 / 1498 号 法 ・ 改 正 消 費 者 契 約 法 を , 実 務 の 視 点 か ら 解 説 Oct. 2016 NO. 1498 ( 大 原 ) い た だ き ま す 。 ・ 自 己 責 任 の 名 の 下 に 個 人 至 上 主 義 を 掲 げ る 2016 年 10 月 1 日 発 行 「 社 会 」 と , 善 意 で 個 人 を 縛 ろ う と す る 「 世 間 」 。 毎 月 1 回 1 日 発 行 こ の 2 つ に 挟 ま れ 翻 弄 さ れ る 主 人 公 の 視 点 か 編 集 人 / 亀 井 聡 ら は 現 代 日 本 の グ ロ テ ス ク さ が 浮 か び 上 が る 。 発 行 人 / 江 草 貞 治 「 コ ン ピ ニ 人 間 」 は , ど こ に で も い る 。 ( 川 村 ) デ ザ イ ン / 株 式 会 社 キ タ ダ デ ザ イ ン ・ 小 誌 と は 別 企 画 で す が 著 者 の 先 生 方 と 「 合 宿 」 印 刷 所 / 株 式 会 社 暁 印 刷 に 。 日 常 を 離 れ た 空 間 を 共 有 し な が ら の 検 討 ・ 執 発 行 所 / 株 式 会 社 有 斐 閣 筆 の 場 に 居 て 普 段 の 会 と は ま た 違 う あ り が た み を 感 じ ま し た 。 過 去 の 小 誌 合 宿 企 画 の 存 在 や 様 子 を 仄 聞 す る と , 時 代 の 移 り も 感 じ ま す 。 ( 三 宅 ) 株 式 会 社 有 斐 閣 ・ ジ ュ リ ス ト 10 月 号 校 了 日 の 今 日 も , ま だ 暑 101 ー 0051 い 日 が 続 い て い ま す 。 去 年 を 思 い 出 す と , 夏 か 東 京 都 千 代 田 区 神 田 神 保 町 2 ー 17 ら 冬 に 一 気 に 季 節 が 変 わ っ た 印 象 が あ り ま 〔 本 社 ] す 。 2016 年 の ジ ュ リ ス ト も 11 月 号 , 12 月 号 , 有 斐 閣 本 社 ビ ル 論 究 秋 号 の 3 冊 と な り ま し た 。 ( 足 立 ) 営 業 部 / 電 話 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 03 ー 3265 ー 6811 : 15 開 号 特 集 に 向 け て 書 庫 に 籠 も る 機 会 が 定 期 購 読 係 / 電 話 ・ ・ ・ 048 ー 465 ー 8321 増 え て き た 。 書 棚 か ら バ ッ ク ナ ン バ ー を 出 し て [ ジ ュ リ ス ト 編 集 室 ] は チ ェ ッ ク し 戻 し て は ま た 別 の 号 を チ ェ ッ ク 神 田 神 保 町 ビ ル 10 階 す る 作 業 を 数 十 回 繰 り 返 す と 腕 が プ ル プ ル し 電 話 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 03 ー 3264 ー 1311 て く る 。 こ れ も 158 号 の 「 重 み 」 で す 。 ( 亀 井 ) ・ ・ ・ 03 ー 3264 ー 1250 E-mail ・ ・ ・ ・ ・ ・[email protected] http:〃www.yuhikaku.co.j p 本 書 の 無 断 複 写 ( コ ピ ー ) は , 著 作 権 法 上 で の 例 外 を 除 き , 禁 じ ら れ て い ま す 。 複 写 さ れ る 場 合 は . そ の つ ど 事 前 に , ( 社 ) 出 版 者 著 作 権 管 理 機 構 ( 電 話 0 3 ー 3 5 1 3 ー 6 9 6 9 . F A X 0 3 ー 3 5 1 3 ー 6 9 7 9 . e-mail : [email protected]) の 許 諾 を 得 て く だ さ い 。 Monthlyl Jurist 9 月 号 / 1497 号 定 価 1440 円 特 集 震 災 と 企 業 法 務 鼎 談 ・ 震 災 と 企 業 の 対 応 防 災 ・ BCP を 中 心 に / 松 井 秀 樹 ・ 中 野 明 安 ・ 津 久 井 進 ・ 震 災 と 株 主 ・ 投 資 家 対 応 / 松 井 秀 樹 ・ 震 災 時 の 労 務 対 応 / 荒 井 太 一 ・ 震 災 と 契 約 法 務 / 荒 井 正 児 ・ 震 災 と 金 融 業 務 / 小 田 大 輔 ・ 吉 田 和 央 連 載 ・ 国 際 ピ ジ ネ ス 紛 争 処 理 の 法 実 務 時 論 / 広 瀬 元 康 lnformation Lounge / 木 村 敬 ア ユ リ ス ト 震 災 と 企 業 法 務 JCOPY 160 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498

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皿 判 決 の 内 容 と 意 義 終 了 し た が , 当 時 Y は Z と X の 関 係 を 知 ら な か っ た 。 そ の 後 , Y は , 平 成 24 ( 2012 ) 年 2 1 . 判 決 の 内 容 月 に , 加 州 の 連 邦 地 方 裁 判 所 に お い て , Z と X 判 決 は , 本 件 訴 え の 変 更 の 一 部 を 認 め , 請 と を 相 手 方 と し て , 上 記 和 解 契 約 違 反 , 詐 欺 , 求 A に か か る 審 判 対 象 を , ① X が , Z に よ る 守 秘 義 務 違 反 及 び ト レ ー ド シ ー ク レ ッ ト 侵 害 に 係 る 違 法 行 為 の 差 止 め や 損 害 賠 償 等 を 求 め る 訴 営 業 秘 密 の 不 正 取 得 又 は 不 正 開 示 に つ き 悪 意 又 訟 を 提 起 し た ( 以 下 「 連 邦 訴 訟 」 と い う ) が , は 重 過 失 で , 神 奈 川 県 横 浜 市 に お い て Z か ら X に 対 す る 請 求 に 関 し て , 連 邦 裁 判 所 の 管 轄 当 該 営 業 秘 密 を 取 得 し , 使 用 し た こ と が 不 正 競 権 が 限 定 的 で あ る こ と 等 か ら , 管 轄 の 争 い に よ 争 に 当 た る こ と を 理 由 と す る 差 止 , 損 害 賠 償 及 る 訴 訟 遅 延 を 避 け る た め , 平 成 25 ( 2013 ) 年 1 び 不 当 利 得 返 還 請 求 権 の 存 否 , 及 び ② 上 記 行 為 月 に , X に 対 す る 請 求 を 内 容 と す る 訴 訟 を , が Y の 機 密 情 報 の 不 正 使 用 等 に 当 た る こ と を 加 州 の ロ サ ン ゼ ル ス 郡 上 位 裁 判 所 に 提 起 ( 以 下 理 由 と す る 不 法 行 為 に 基 づ く 損 害 賠 償 及 び 不 当 「 加 州 訴 訟 」 と い う ) す る と と も に , 同 年 3 月 利 得 返 還 請 求 権 の 存 否 で あ る と し た 上 で , 請 求 に , 連 邦 訴 訟 の X を 相 手 方 と す る 部 分 を 取 り A 及 び 請 求 B に つ い て , 日 本 の 裁 判 所 の 管 轄 下 げ た 。 権 を 否 定 し , さ ら に , 仮 に 管 轄 権 が 認 め ら れ た 本 件 は , 加 州 訴 訟 提 起 前 の 平 成 24 年 11 月 と し て も 民 訴 法 3 条 の 9 に い う 特 別 の 事 情 が あ る と し , X の 請 求 を い ず れ も 却 下 し た 。 に , X が 横 浜 地 方 裁 判 所 に 対 し て , 連 邦 訴 訟 で Y の 主 張 し た X の 債 務 の 不 存 在 確 認 ( 請 求 ( 1 ) 日 本 の 裁 判 所 の 管 轄 権 の 存 否 に つ い て ( ア ) 請 求 A に つ い て 最 高 裁 平 成 26 年 A) の ほ か , Y が X の 営 業 秘 密 を 侵 害 し , ま た 上 記 連 邦 訴 訟 が 不 当 提 起 で あ る と し て 損 害 賠 4 月 24 日 判 決 ( 民 集 68 巻 4 号 329 頁 ) を 引 用 償 の 支 払 ( 請 求 B ) を 求 め た 事 案 で あ る 。 し て 民 訴 法 3 条 の 3 第 8 号 の 「 不 法 行 為 に 関 す る 訴 え 」 に は 不 正 竸 争 防 止 法 違 反 に よ る 損 害 賠 X は , 請 求 A の 不 存 在 確 認 の 対 象 に つ き , 当 初 , 「 連 邦 訴 訟 に お い て Y の 主 張 す る 営 業 秘 償 及 び 差 止 請 求 に 関 す る 訴 え を 含 む と し , 請 求 密 の 不 正 使 用 等 と 評 価 さ れ る 行 為 の 一 切 」 と A の う ち 損 害 賠 償 及 び 差 止 請 求 に つ い て は 同 し , そ の 後 , そ の 内 容 を 連 邦 訴 訟 に お け る も の 号 に 当 た る か が 問 題 と な る と し た 9 ) 。 か ら 加 州 訴 訟 に お け る も の へ と 変 更 し , 次 い こ の 点 , 最 高 裁 平 成 13 年 6 月 8 日 判 決 ( 民 で , 訴 え の 追 加 的 変 更 ( 以 下 「 本 件 訴 え の 変 集 55 巻 4 号 727 頁 ) 及 び 前 掲 最 判 平 成 26 年 に 更 」 と い う ) に よ り , 加 州 訴 訟 に お い て Y の お け る 客 観 的 事 実 関 係 証 明 説 の 定 式 は , 債 務 不 主 張 す る 9 つ の 訴 因 で あ る と し た 。 存 在 確 認 請 求 に お い て は 再 構 成 す べ き で あ り , こ れ に 対 し て , Y は , 本 件 訴 え の 変 更 の 不 民 訴 法 3 条 の 3 第 8 号 の 「 不 法 行 為 に 関 す る 訴 午 を 申 し 立 て る と と も に , 本 案 前 の 抗 弁 と し え 」 が 損 害 賠 償 請 求 権 の 債 務 不 存 在 確 認 請 求 で て , 日 本 の 裁 判 所 の 管 轄 権 の 不 存 在 , 民 訴 法 3 あ る 場 合 に は , 「 原 則 と し て , 原 告 が 日 本 国 内 条 の 9 に よ る 訴 え の 却 下 を 主 張 し て 争 っ た 。 で し た 行 為 に よ り 被 告 の 権 利 利 益 に つ い て 損 害 が 生 じ た か , 原 告 が し た 行 為 に よ り 被 告 の 権 利 利 益 に つ い て 日 本 国 内 で 損 害 が 生 じ た と の 事 実 一 三 ロ と す る 訴 え 」 に 該 当 せ ず , 後 者 に つ い て は 「 請 求 の 目 的 が 日 本 国 内 に あ る と き 」 に も 「 当 該 訴 え が 金 銭 の 支 払 を 請 求 す る も の で あ る 場 合 に は 差 し 押 さ え る こ と が で き る 被 告 の 財 産 が 日 本 国 内 に あ る と き 」 に も 該 当 し な い と し た 。 9 ) な お , 請 求 A の う ち 不 当 利 得 返 還 請 求 権 に つ い て は 民 訴 法 3 条 の 3 第 1 号 に い う 「 契 約 上 の 債 務 に 関 し て ・ ・ ・ ・ ・ ・ 生 じ た 不 当 利 得 に 係 る 請 求 ・ ・ ・ ・ ・ ・ を 目 的 と す る 訴 え 」 又 は 同 条 3 号 の 「 財 産 権 上 の 訴 え 」 が , そ れ ぞ れ 問 題 と な る と し , 前 者 に つ い て は , 債 務 不 存 在 確 認 請 求 で あ っ て 「 請 求 ・ ・ ・ ・ ・ ・ を 目 的 [ Jurist ] Oct0ber 2016 / Number 1498 108

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「 競 争 手 段 の 不 公 正 」 は 不 要 で は な い か と 考 え ら れ そ う で あ る 。 こ の 点 に つ い て は , 次 の よ う に 考 え る こ と が で き る 。 す な わ ち , 取 引 妨 害 と 言 っ て も 行 為 の 形 態 ・ 態 様 は 様 々 で , 通 常 の 競 い 合 い の 過 程 に お い て 用 い ら れ る よ う な 行 為 が 含 ま れ る 可 能 性 が あ る 。 競 争 者 排 除 効 果 が あ る 行 為 の う ち 正 常 な 競 争 手 段 と は 言 え な い も の を 区 別 す る 意 味 で 「 競 争 手 段 の 不 公 正 さ 」 概 念 を 用 い る の が 適 切 と 考 え る ( 金 井 貴 嗣 「 取 引 妨 害 の 公 正 競 争 阻 害 性 一 一 第 一 興 商 事 件 審 判 審 決 平 21 ・ 2 ・ 16 」 公 正 取 引 709 号 18 頁 ) 。 用 い ら れ た 競 争 手 段 カ 坏 公 正 か 否 か は , 当 該 競 争 手 段 自 体 が , 価 格 ・ 品 質 ・ サ ー ビ ス に よ ら ず に 顧 客 を 獲 得 す る か ら で は な く , 市 場 に お け る 価 格 ・ 品 質 ・ サ ー ビ ス に よ る 競 争 ( 能 率 競 争 ) が 阻 害 さ れ る か 否 か に よ っ て 判 断 さ れ る 。 ぎ ま ん 的 顧 客 誘 引 ( 一 般 指 定 8 項 ) の よ う に , 行 為 の も っ 性 格 か ら 競 争 手 段 の 不 公 正 さ を 認 定 で き る 場 合 も あ る が , 行 為 者 の 市 場 に お け る 地 位 , 意 図 ・ 目 的 , 取 引 さ れ る 商 品 の 特 性 , 相 手 方 の 合 理 的 な 商 品 選 択 へ の 影 響 等 を 考 慮 し て は じ め て 競 争 手 段 の 不 公 正 さ が 認 め ら れ る こ と も あ ろ う 。 こ れ ら の 事 情 は 自 由 競 争 減 殺 効 果 を 判 断 す る 際 の 考 慮 要 素 と 重 な っ て い る が , 「 競 争 手 段 の 不 公 正 」 は , 市 場 に お け る 能 率 競 争 を 阻 害 す る か 否 か を み る こ と か ら く る も の で あ る 。 本 件 で は , Y が 市 場 支 配 的 地 位 に あ る こ と , 本 件 行 為 が 需 要 者 と 非 組 合 員 の 取 引 を 抑 制 す る 目 的 で 行 わ れ て い る こ と , 生 コ ン が 限 ら れ た 時 間 内 に 納 入 場 所 に 運 搬 し な け れ ば な ら な い と い う 特 性 を 有 し て い る こ と , 取 引 相 手 は 事 業 継 続 の た め に は Y と 取 引 す る 必 要 が あ る こ と , 等 の 事 情 の 下 で , Y が , 取 引 相 手 に 対 し て , 非 組 合 員 と 取 引 す る と き は , 取 引 相 手 に 不 利 益 に な る よ う に 取 引 条 件 を 変 更 す る 旨 告 知 す る 行 為 は , 競 争 手 段 と し て 不 公 正 と 言 っ て よ い と 考 え ら れ る 。 く 参 考 文 献 〉 田 邊 陽 一 = 石 本 将 之 「 岡 山 県 北 生 コ ン ク リ ー ト 協 同 組 合 に 対 す る 排 除 措 置 命 令 に つ い て 」 公 正 取 引 779 号 67 頁 , 川 濵 昇 = 岸 井 大 太 郎 = 白 石 忠 志 = 山 田 昭 典 「 座 談 会 ・ 最 近 の 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 を め ぐ っ て 」 公 正 取 引 778 号 2 頁 。 く 本 件 評 釈 〉 井 畑 陽 平 ・ 平 成 27 年 度 重 判 解 ( ジ ュ リ 1492 号 ) 253 頁 , 辻 拓 一 郎 ・ 公 正 取 引 782 号 46 頁 。 i nfO rmati 0 n ABA-SIL 2016 年 秋 季 大 会 ( 東 京 開 催 ) へ の お 誘 い 米 国 法 曹 協 会 ・ 国 際 法 部 門 (ABA-SIL) は , 2016 年 10 月 18 日 ( 火 ) ~ 21 日 ( 金 ) に , 新 宿 の ヒ ル ト ン 東 京 に て 秋 季 大 会 を 開 催 し ま す 。 昨 年 3 月 に は ABA- SIL の ア ジ ア フ ォ ー ラ ム を 東 京 に て 開 催 し ま し た が , 今 回 は そ の 数 倍 の 規 模 で , 各 種 主 要 テ ー マ に 関 す る 60 を 超 え る セ ッ シ ョ ン を 開 催 し , 各 分 野 の エ キ ス パ ー ト が 実 務 的 な 議 論 を 行 い ま す 。 世 界 各 地 か ら 10 名 超 の 法 曹 等 が 参 加 予 定 で す 。 日 本 国 内 か ら も , 米 国 弁 護 士 資 格 保 有 者 に 限 ら ず , 弁 護 士 ・ 組 織 内 弁 護 士 ・ 若 手 弁 護 士 ・ 研 究 者 ・ 学 生 ・ 政 府 職 員 等 の 参 加 を お 待 ち し て お り ま す 。 参 加 登 録 費 は , ABA 会 員 の 方 の 他 , ご 所 属 の 弁 護 士 会 ・ 団 体 ・ 事 務 所 が 本 大 会 に 協 力 下 さ る 場 合 に も 優 遇 レ ー ト が 適 用 さ れ ま す 。 詳 細 は 下 記 を ご 参 照 く だ さ い 。 http://shop.americanbar. org/PersonifyImages/ProductFiIes/239900551 / Fa Ⅱ % 20 2016%20Registration%20Page. pdf ABA-SIL2016 東 京 大 会 運 営 委 員 会 134 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498

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し 異 な る 美 感 を 起 こ さ せ る も の と 認 め ら れ る 。 」 解 説 本 件 は , 意 匠 権 侵 害 の 成 否 が 問 題 と な り , 意 匠 の 類 似 の 判 断 が 争 点 と な っ た 事 案 で あ る ( な お , 特 許 権 侵 害 の 成 否 も 争 点 と な っ て い る が , 本 稿 で は , 意 匠 権 侵 害 の み を 取 り 上 げ る ) 。 本 判 決 は , 従 前 の 裁 判 例 の 判 断 を 踏 襲 す る も の で あ り , 特 段 新 し い 判 断 を 示 し た も の で は な い が , 実 務 上 の 参 考 に な る た め 紹 介 す る 。 意 匠 の 類 似 の 判 断 基 準 に つ い て は , 従 前 の 裁 Ⅱ 判 例 の 多 数 を 占 め て い た 判 断 基 準 を 確 認 的 に 規 定 す る 趣 旨 で , 平 成 18 年 改 正 で 意 匠 法 24 条 2 項 に 明 文 化 さ れ た 。 意 匠 法 24 条 2 項 は , 「 登 録 意 匠 と そ れ 以 外 の 意 匠 が 類 似 で あ る か 否 か の 判 断 は , 需 要 者 の 視 覚 を 通 じ て 起 こ さ せ る 美 感 に 基 づ い て 行 う も の と す る 」 と 定 め て い る 。 意 匠 の 類 似 の 判 断 に あ た っ て は , ま ず , 前 提 と し て , 両 意 匠 の 基 本 的 構 成 態 様 ( 大 づ か み の 骨 格 的 な 態 様 ) と 具 体 的 構 成 態 様 ( 細 部 の 詳 細 な 態 様 ) が 認 定 さ れ る 。 上 記 の 認 定 の 後 は , 全 体 的 観 察 に よ る 両 意 匠 の 対 比 観 察 が 行 わ れ , 両 意 匠 が 看 者 で あ る 取 引 者 ・ 需 要 者 に 対 し て 異 な っ た 美 感 を 与 え る か を 判 断 す る こ と に な る 。 そ の 際 に は , 取 引 者 ・ 需 要 者 の 最 も 注 意 を 惹 き や す い 部 分 を 意 匠 の 「 要 部 」 と し て 把 握 し , 登 録 意 匠 と 相 手 方 意 匠 と が , 意 匠 の 要 部 に お い て 構 成 態 様 を 共 通 に し て い る か 否 か が 重 視 さ れ る こ と に な る 。 本 判 決 も 以 上 の よ う な 判 断 枠 組 に 従 っ て 判 断 を 行 っ て い る 。 そ し て , 「 要 部 」 の 認 定 に あ た っ て は , 本 判 決 も 判 示 し て い る と お り , 意 匠 に 係 る 物 品 の 性 質 , 用 途 及 び 使 用 態 様 , 並 び に 公 知 意 匠 に は な い 新 規 な 創 作 部 分 の 存 否 等 が 参 酌 さ れ る ( 要 部 認 定 に あ た っ て の 考 慮 要 素 に つ き , 東 京 高 判 平 成 10 ・ 6 ・ 18 判 時 1665 号 94 頁 〔 自 走 式 ク レ ー ン 事 件 〕 , 知 財 高 判 平 成 23 ・ 3 ・ 28 裁 判 所 HP 〔 平 成 22 年 ( ネ ) 第 10014 号 [ マ ン ホ ー ル 蓋 用 受 枠 事 件 ] 〕 と 同 旨 ) 。 こ れ に よ り , 基 本 的 構 成 態 様 の み が 要 部 と な る 場 合 , 具 体 的 構 成 態 様 が 要 部 と な る 場 合 , 両 方 が 要 部 に な る 場 合 が あ り 得 る 。 意 匠 の 類 似 本 判 決 で は , 本 件 物 品 の 性 質 , 用 途 , 使 用 態 様 等 か ら , 具 体 的 構 成 態 様 の う ち , 道 路 橋 の 利 用 者 か ら 注 目 さ れ る 前 面 側 の 舗 装 層 に よ っ て 隠 れ な い 部 分 が 要 部 と 認 定 さ れ , 基 本 的 構 成 態 様 に つ い て は 要 部 で は な い と さ れ た 。 そ し て , 要 部 に お け る 具 体 的 構 成 態 様 の 差 異 ( 後 掲 の 参 考 図 を 参 照 ) が 決 め 手 と な っ て , 両 意 匠 を 全 体 と し て 観 察 し た 際 に , 看 者 で あ る 取 引 者 ・ 需 要 者 に 対 し 異 な る 美 感 を 起 こ さ せ る も の と さ れ , 意 匠 の 類 似 性 が 否 定 さ れ た 。 な お , 意 匠 の 類 似 の 判 断 基 準 に つ い て , 学 説 上 は , 混 同 説 ( 物 品 の 取 引 者 ・ 需 要 者 を 基 準 と し て , 両 意 匠 に つ い て 混 同 が 生 じ る お そ れ が あ る か に よ り 判 断 す る 説 ) と 創 作 説 ( デ ザ イ ン に 関 わ る 当 業 者 を 基 準 と し て , 両 意 匠 か ら 生 じ る 美 的 特 徴 を 対 比 す る 説 ) 等 種 々 の 説 が あ り , い ず れ の 説 に 立 っ か に よ り , 要 部 認 定 の 考 え 方 も 変 わ っ て く る と さ れ て き た ( 学 説 に つ い て は , 茶 園 成 樹 編 『 意 匠 法 』 〔 有 斐 閣 , 2012 年 〕 102 頁 ~ 104 頁 等 参 照 ) 。 最 高 裁 は , 最 判 昭 和 49 ・ 3 ・ 19 民 集 28 巻 2 号 308 頁 ( 可 撓 伸 縮 ホ ー ス 事 件 ) に お い て , 意 匠 法 3 条 2 項 の 創 作 非 容 易 性 の 判 断 基 準 と の 対 比 で , 意 匠 法 3 条 1 項 3 号 の 意 匠 の 類 似 に つ い て の 判 断 基 準 を 示 し て い る が , 必 ず し も 特 定 の 学 説 を 支 持 し た も の で は な い ( 同 事 件 の 調 査 官 解 説 で あ る 佐 藤 繁 ・ 最 判 解 民 事 篇 昭 和 49 年 度 325 頁 ~ 326 頁 参 照 ) 。 近 時 の 裁 判 例 も , こ の よ う な 学 説 の 対 立 に 立 ち 入 る こ と な く , Ⅱ で 論 じ た よ う な 判 断 枠 組 に よ り 判 断 を 行 っ て お り , 実 務 上 は か か る 学 説 の 対 立 に つ い て 論 じ る 実 益 は 乏 し く な っ て い る と 言 え る 。 要 部 [ 前 面 側 ] の 参 考 図 [ 本 件 意 匠 ( 意 匠 登 録 第 1 1 17920 号 ) ] [ 被 告 意 匠 1 ] [ Jurist ] October 2016 / Number 1498 9

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シ ス テ ム , 建 機 , 自 動 車 部 品 な ど の 複 数 の 事 業 で 一 定 規 模 の 利 益 を あ げ る 構 造 を 作 り 上 げ た 。 本 社 部 門 が な す べ き こ と を な さ な か っ た , っ ま り 全 社 戦 略 と 呼 ば れ る 戦 略 を き ち ん と 立 案 ・ 実 施 し な か っ た , そ れ が 「 チ ャ レ ン ジ 」 な る 過 大 な 目 標 を 課 さ ざ る を え な か っ た 原 因 で あ る 。 「 貧 す れ ば 鈍 す る 」 14 ) 状 況 に 陥 り , 不 採 算 事 業 を 温 存 し つ つ , 各 事 業 部 門 に 採 算 を 厳 し く 問 う て い た の で あ る 。 「 失 わ れ た 20 年 」 の 間 , 事 業 ポ ー ト フ ォ リ オ の 再 構 築 を 目 論 む 経 営 者 が 頻 繁 に ロ に し た キ ー ワ ー ド が あ っ た 。 流 行 語 と も な っ た 「 選 択 と 集 中 」 で あ る 。 こ の キ ー ワ ー ド を 言 い 始 め た の は , 1996 年 6 月 か ら 2000 年 6 月 ま で 東 芝 の 社 長 , そ の 後 に 会 長 な ど を 務 め た 西 室 泰 三 氏 で あ っ た 。 カ ン パ ニ ー 制 を 導 入 ( 1999 年 4 月 ) し た の も 同 氏 で あ っ た 。 流 行 語 の 生 み の 親 で は あ っ た が 「 肝 心 の 選 択 と 集 中 で は , ATM な ど 金 融 端 末 事 業 の 売 却 と , 米 キ ャ リ ア と の 空 調 事 業 の 合 弁 会 社 設 立 が 目 立 つ 程 度 。 グ ル ー プ の 事 業 の 再 編 は 限 定 的 で , 実 効 性 が 伴 わ な か っ た 」 15 ) と 評 さ れ て い た 16 ) 。 こ の 後 も , 事 業 ポ ー ト フ ォ リ オ の 構 築 が 首 尾 よ く 運 ば れ た と は 評 せ な い 。 不 祥 事 が 発 覚 す る 直 前 の 2015 年 3 月 期 の セ グ メ ン ト 別 の 決 算 は , 電 子 デ バ イ ス 部 門 (NAND 型 フ ラ ッ シ ュ メ モ リ ー な ど ) の み が 一 定 の 利 益 を あ げ て い る , つ ま り 収 益 の 太 い 柱 は 1 本 の み で あ り , 他 に 太 い 柱 は な い こ と を 示 し て い る 。 そ し て , パ ソ コ ン , 生 活 家 電 な ど の 事 業 か ら 構 成 さ れ る ラ イ フ 13 ) 2 0 年 に 発 覚 し た リ コ ー ル 隠 し , 燃 費 試 験 デ ー タ の 不 正 操 作 問 題 を 起 こ し た 三 菱 自 動 車 と 比 較 し た と き , マ ッ ダ や 富 士 重 工 業 ( ス パ ル ) の 車 種 ( た と え ば , 2 0 年 代 半 ば に 業 績 が 低 迷 し た ス パ ル は 主 力 で あ っ た 軽 自 動 車 の 開 発 か ら 撤 退 ) や 「 売 り 」 と す る 部 分 ( た と え ば , デ ザ イ ン 性 や 安 全 性 ) を 絞 っ た 戦 略 も 対 照 的 で あ る 。 井 上 久 男 「 三 菱 自 動 車 経 営 改 革 が 元 凶 だ っ た 一 - ー 燃 費 不 正 が 生 ん だ 開 発 現 場 と 益 子 会 長 の 深 い 溝 」 文 藝 春 秋 2016 年 7 月 号 176 頁 ~ 177 頁 。 14 ) カ ネ ボ ウ が 最 高 益 を 記 録 し た の は 1973 年 の こ と で あ っ た 。 繊 維 部 門 な ど の 不 採 算 事 業 を 温 存 し , そ れ が 最 終 的 に は 粉 飾 決 算 の 形 の 問 題 化 に つ な が っ た 。 二 品 和 広 「 東 芝 , 特 集 / コ ン プ ラ イ ア ン ス 再 考 ス タ イ ル 部 門 は 赤 字 の 状 況 に あ る 。 現 在 , 韓 国 の サ ム ス ン 電 子 に 次 ぐ 世 界 2 位 の シ ェ ア を 誇 る NAND 型 フ ラ ッ シ ュ メ モ リ ー 事 業 も 1 の , そ も そ も 大 規 模 な 設 備 投 資 が 継 続 的 に 求 め ら れ る 事 業 で あ る 。 ラ イ バ ル の サ ム ス ン 電 子 と の 価 格 競 争 , 次 世 代 製 品 の 開 発 に は 米 国 の マ イ ク ロ ン ・ テ ク ノ ロ ジ ー や 韓 国 の SK ハ イ ニ ッ ク ス の 新 規 参 入 の 表 明 も あ る 。 中 長 期 に わ た っ て 安 定 的 な 収 益 が 見 込 め る , こ こ に 集 中 す れ ば 盤 石 , と い う 事 業 で は な い 。 「 選 択 と 集 中 」 な ど の 形 で 「 旗 を 振 る 」 こ と は し た が 結 果 を 見 れ ば , 本 社 部 門 は な す べ き こ と を な さ ず , そ の 一 方 で , 「 戦 略 そ の も の 」 で は な い 目 標 設 定 の み に 力 を 注 い で き た 。 陳 腐 な 結 論 で あ る が , こ れ が 不 祥 事 の さ ら な る 原 因 で あ ろ う 。 2. 製 品 サ ー ビ ス 市 場 と の 「 対 話 」 ー な す べ き こ と を な す た め に 不 採 算 事 業 が 温 存 さ れ て き た 理 由 に つ い て , 不 祥 事 発 覚 以 前 の 2014 年 の 夏 , 東 芝 の 田 中 久 雄 社 長 ( 当 時 ) は 次 の よ う に 語 っ て い る 。 「 安 易 に 赤 字 事 業 か ら 撤 退 す る 考 え は あ り ま せ ん 。 東 芝 の 139 年 と い う 長 い 歴 史 の 中 で , 現 在 の 主 力 事 業 で あ る 重 電 も 業 績 が 悪 い 時 期 が あ り ま し た 。 当 時 支 え た の が 家 電 や カ ラ ー テ レ ビ で し た ・ ・ ・ ・ ・ ・ 重 電 , 半 導 体 が ダ メ で PC が 屋 台 骨 に な っ た 時 期 も あ る 」 18 ) 切 る べ き は 尻 尾 な の か 」 週 刊 東 洋 経 済 2015 年 12 月 5 日 号 9 頁 , 中 嶋 克 久 「 カ ネ ボ ウ 事 件 」 企 業 会 計 67 巻 10 号 47 頁 。 15 ) 日 経 ビ ジ ネ ス 2 6 年 6 月 19 日 号 44 頁 。 16 ) 「 戦 略 で は な い も の 」 に は , 「 内 部 環 境 ( 自 社 ) 分 析 に 終 始 」 「 外 部 環 境 分 析 に 終 始 」 す る こ と に く わ え て , 流 行 と な っ て い る 「 先 端 的 な 言 葉 」 を 散 り ば め て 戦 略 ( も ど き ) を 語 る と い う パ タ ー ン も 指 摘 さ れ て い る 。 楠 木 ・ 前 掲 注 6 ) 104 頁 。 17 ) 日 経 産 業 新 聞 2016 年 7 月 4 日 付 17 面 。 18 ) 日 経 ビ ジ ネ ス 2014 年 8 月 25 日 号 頁 。 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498 33

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I. は じ め に 平 成 24 年 4 月 1 日 に 施 行 さ れ た 国 際 裁 判 管 轄 法 制 の 整 備 の た め の 民 事 訴 訟 法 及 び 民 事 保 全 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 に よ り , 民 訴 法 3 条 の 2 以 下 に 国 際 裁 判 管 轄 に 関 す る 規 定 が 置 か れ る こ と と な っ た 1 ) 。 こ の 改 正 の 議 論 の 過 程 で 検 討 さ れ た も の の , 最 終 的 に 改 正 が 見 送 ら れ た 論 点 の 一 つ が 国 際 訴 訟 競 合 で あ っ た 。 国 際 訴 訟 競 合 と は , 日 本 の 裁 判 所 に 係 属 す る 訴 訟 と 同 一 の 訴 訟 が 外 国 の 裁 判 所 に 係 属 し て い る 場 合 を い う 。 国 際 訴 訟 競 合 に つ い て は , 日 本 の 裁 判 所 と 外 国 の 裁 判 所 で 下 さ れ る 判 決 の 矛 盾 や 抵 触 を 避 け る と と も に , 当 事 者 の 負 担 を 軽 減 さ せ る 等 の 訴 訟 経 済 の 観 点 か ら , 一 定 の 場 合 に 日 本 の 訴 訟 手 続 を 中 止 又 は 却 下 す べ き だ と の 議 論 が 提 起 さ れ た が , 法 制 審 議 会 に お け る 審 議 の 結 果 2 ) , 特 段 の 規 定 を 設 け な い こ と と さ れ , こ の 問 題 は 裁 判 所 の 解 釈 運 用 に 委 ね ら れ る こ と と な っ た 。 日 本 の 裁 判 所 が 管 轄 権 を 有 す る こ と と な る 場 合 で も 「 事 案 の 性 質 , 応 訴 に よ る 被 告 の 負 担 の 程 度 , 証 拠 の 所 在 地 そ の 他 の 事 情 を 考 慮 し て , 日 本 の 裁 判 所 が 審 理 及 び 裁 判 を す る こ と が 当 事 者 間 の 衡 平 を 害 し , 又 は 適 正 か っ 迅 速 な 審 理 の 実 現 を 妨 げ る こ と と な る 特 別 の 事 情 が あ る と 認 め る と き は , そ の 訴 え の 全 部 又 は 一 部 を 却 下 す 国 際 訴 訟 競 合 と 特 別 の 事 情 小 川 治 彦 ) ( ① 判 決 被 告 代 理 人 ) 1 ) そ の 基 本 的 な 枠 組 み に つ い て は , 佐 藤 達 文 = 小 林 康 彦 編 著 「 一 問 一 答 平 成 23 年 民 事 訴 訟 法 等 改 正 』 ( 商 事 法 務 , 2012 年 ) 参 照 。 104 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498 る こ と が で き る 」 と す る 規 定 が 改 正 民 訴 法 3 条 の 9 に 置 か れ た が , 国 際 訴 訟 競 合 に つ い て は , 外 国 に お け る 訴 訟 係 属 が 同 条 で 言 う 「 特 別 の 事 情 」 と し て , 考 慮 事 項 と な る か ど う か が 解 釈 論 上 問 題 と な る 。 Ⅱ . ① 判 決 の 事 案 の 概 要 本 件 は , パ チ ン コ 遊 技 機 の 販 売 等 を 主 た る 業 務 と す る 日 本 法 人 で あ る XI, そ の 取 締 役 会 長 で あ る X2, そ し て , XI の 子 会 社 で , YI の 発 行 済 株 式 総 数 の 約 20 % を 保 有 す る X3 等 が , カ ジ ノ 運 営 を 主 た る 業 務 と す る 米 国 ネ バ ダ 州 法 人 で あ る YI が イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の ウ エ プ サ イ ト に 掲 載 し た 記 事 に よ っ て 名 誉 及 び 信 用 を 毀 損 さ れ た な ど と 主 張 し て , YI 及 び そ の 取 締 役 会 会 長 兼 最 高 経 営 責 任 者 で あ る Y2 外 11 名 を 被 告 と し て , 不 法 行 為 に 基 づ い て 合 計 し て 112 億 円 に 及 ぶ 損 害 賠 償 を 請 求 し た 事 案 で あ る 。 ネ バ ダ 州 法 上 , 賭 博 に 関 す る ゲ ー ミ ン グ 免 許 の 取 得 者 は , 犯 罪 に 関 与 し て い る な ど 不 適 格 で あ る と 規 制 当 局 に 認 定 さ れ る と , 当 該 免 許 を 剥 奪 さ れ る こ と が あ る た め , YI の 定 款 に は , 取 締 役 会 が ゲ ー ミ ン グ 免 許 の 維 持 を 脅 か す 可 能 性 が あ る 者 と し て 不 適 格 と 判 断 し た 株 主 の 株 式 を 強 制 的 に 償 還 す る 旨 の 規 定 が あ る 。 YI の コ ン プ ラ イ ア ン ス 委 員 会 は , 平 成 23 ( 2011 ) 年 に 米 国 の 法 律 事 務 所 に が YI の ゲ ー ミ ン グ 免 許 の 維 持 を 脅 か す こ と と な り 得 る 行 為 に 関 与 し た 可 能 性 を 示 す 証 拠 が 存 在 す る か ど う か な ど を 調 査 さ せ た と こ ろ , 平 成 24 ( 2012 ) 年 2 月 18 日 に 同 法 律 事 務 所 か ら , X2 及 び そ の 関 係 者 が , フ ィ リ ピ ン 等 で ゲ ー ミ ン グ 事 業 の 監 督 等 を 行 う 立 場 に あ っ た 政 府 職 員 等 に 賄 賂 を 供 与 す る な ど , 米 国 の 海 外 腐 敗 行 為 防 止 法 に 違 反 す る 行 為 を 繰 り 返 し て き た と み ら れ る こ と 等 を 記 載 し た 報 告 書 が 提 出 さ れ た 。 YI の 2 ) 議 論 の 詳 細 に つ い て は , 佐 藤 = 小 林 編 著 ・ 前 掲 注 1 ) 176 頁 ~ 177 頁 参 照 。

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刑 事 組 織 的 な 犯 罪 の 処 罰 及 び 犯 罪 収 益 の 規 制 等 に 関 す る 法 律 ( 平 成 23 年 法 律 第 74 号 に よ る 改 正 前 の も の ) 3 条 1 項 9 号 に い う 「 詐 欺 罪 に 当 た る 行 為 を 実 行 す る た め の 組 織 」 に 当 た る と さ れ た 事 例 最 高 裁 平 成 27 年 9 月 15 日 第 三 小 法 廷 決 定 平 成 27 年 ( あ ) 第 177 号 , 組 織 的 な 犯 罪 の 処 罰 及 び 犯 罪 収 益 の 規 制 等 に 関 す る 法 律 違 反 被 告 事 件 / 刑 集 69 巻 6 号 721 頁 / 第 1 審 ・ 東 京 地 判 平 成 25 年 5 月 30 日 / 第 2 審 ・ 東 京 高 判 平 成 26 年 12 月 17 日 は 0 Masato 最 高 裁 判 所 調 査 官 伊 藤 雅 人 事 実 I . 事 案 の 概 要 被 告 人 は , リ ゾ ー ト ク ラ ブ の 会 員 権 販 売 等 を 目 的 と す る 会 社 の 実 質 オ ー ナ ー と し て 同 社 の 業 務 全 般 を 統 括 掌 理 し て い た 者 で あ る が , 同 社 の 役 員 及 び 従 業 員 ら と 共 謀 の 上 , 会 員 制 リ ゾ ー ト 施 設 の 施 設 利 用 預 託 金 及 び 施 設 利 用 料 の 名 目 で , 平 成 21 年 9 月 上 旬 頃 か ら 平 成 22 年 5 月 下 旬 頃 ま で の 間 , 合 計 約 190 名 の 顧 客 か ら , 現 金 合 計 4 億 円 余 を 集 め る な ど し た 。 本 件 は , そ の 行 為 が 詐 欺 に 当 た る と さ れ , か っ , 各 詐 欺 行 為 が , 「 団 体 の 活 動 と し て , 詐 欺 罪 に 当 た る 行 為 を 実 行 す る た め の 組 織 に よ り 行 わ れ た 」 も の と 認 め ら れ る と し て , 組 織 的 な 犯 罪 の 処 罰 及 び 犯 罪 収 益 の 規 制 等 に 関 す る 法 律 ( 以 下 「 組 織 的 犯 罪 処 罰 法 」 と い う ) ( 平 成 23 年 法 律 第 74 号 に よ る 改 正 前 の も の ) 3 条 1 項 9 号 ( 現 行 法 の 13 号 ) 違 反 ( い わ ゆ る 組 織 的 詐 欺 罪 ) に 問 わ れ た 事 案 に 関 す る も の で あ る 。 Ⅱ . 上 告 趣 意 第 1 審 , 原 審 で は , 詐 欺 罪 の 成 否 を 中 心 に 争 わ れ た が , 上 告 趣 意 で は , 法 令 違 反 及 び 量 刑 不 当 の み が 主 張 さ れ た 。 判 旨 に 関 連 す る 法 令 違 反 の 所 論 は , 本 件 会 社 の 一 般 の 営 業 員 や 電 話 勧 誘 128 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498 員 に は 詐 欺 行 為 に 加 担 し て い る と い う 認 識 が な か っ た と こ ろ , 組 織 的 詐 欺 罪 の 成 立 を 認 め る た め に は , 「 団 体 の 構 成 員 全 員 が , 自 ら そ の 団 体 の 活 動 に 参 加 す る 意 思 を 抱 き , そ の よ う な 構 成 員 全 員 の 意 思 が 結 合 す る こ と で , 犯 罪 組 織 を 形 成 す る 必 要 が あ る 」 と 解 す べ き で あ り , し た が っ て , 本 件 に つ き , 組 織 的 犯 罪 処 罰 法 を 適 用 す る 余 地 は な い に も か か わ ら ず , 同 法 を 適 用 し て 被 告 人 を 懲 役 18 年 に 処 し た 第 1 審 判 決 及 び こ れ を 是 認 し た 原 判 決 に は , 判 決 に 影 響 を 及 ば す べ き 法 令 違 反 が あ る , と い う も の で あ る 。 高 度 で , 多 数 人 が 統 一 さ れ た 意 思 の 下 , 指 揮 命 こ の よ う な 場 合 は , 通 常 , 継 続 性 や 計 画 性 が は , 当 該 各 号 に 定 め る 刑 に 処 す る 旨 定 め る 。 織 」 に よ り 行 わ れ た と き は , そ の 罪 を 犯 し た 者 て 」 , 「 当 該 罪 に 当 た る 行 為 を 実 行 す る た め の 組 げ る 罪 に 当 た る 行 為 が , 「 団 体 の 活 動 ・ ・ ・ ・ ・ ・ と し 組 織 的 犯 罪 処 罰 法 3 条 1 項 は , 同 項 各 号 に 掲 立 法 趣 旨 等 I . 組 織 的 犯 罪 処 罰 法 3 条 1 項 の 解 説 と し て も , 別 異 に 解 す べ き 理 由 は な い 。 為 に 加 担 し て い る 認 識 の な い 者 が 含 ま れ て い た め の 組 織 で な く , ま た , そ の 組 織 の 中 に 詐 欺 行 組 織 が 元 々 は 詐 欺 罪 に 当 た る 行 為 を 実 行 す る た る 行 為 を 実 行 す る た め の 組 織 」 に 当 た り , そ の 前 の も の ) 3 条 1 項 9 号 に い う 「 詐 欺 罪 に 当 た 犯 罪 処 罰 法 ( 平 成 23 年 法 律 第 74 号 に よ る 改 正 係 ( 判 文 参 照 ) の 下 で は , 上 記 組 織 は , 組 織 的 金 銭 を 集 め る 行 為 を 継 続 し た な ど の 本 件 事 実 関 組 織 に よ る 営 業 活 動 と し て , 預 託 金 等 の 名 目 で 当 該 団 体 の 役 員 及 び 従 業 員 に よ っ て 構 成 さ れ る こ と を 認 識 し た に も か か わ ら ず , そ れ 以 降 も , に あ り , 集 め た 預 託 金 等 を 返 還 す る 能 力 が な い 構 成 員 に お い て , 当 該 団 体 が 実 質 的 な 破 綻 状 態 実 質 オ ー ナ ー で あ る 被 告 人 を 始 め と す る 主 要 な リ ゾ ー ト 会 員 権 の 販 売 等 を 目 的 と す る 団 体 の 判 旨

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事 業 に は 好 不 調 が あ る 。 会 社 の 歴 史 を 振 り 返 れ ば , 東 芝 の 事 業 ポ ー ト フ ォ リ オ に は 組 み 合 わ せ の 妙 が あ る と の 説 明 で あ る 。 無 論 , そ う し た 歴 史 が あ っ た こ と は 否 定 で き な い 。 こ う し た 妙 を 生 み 出 し た 背 景 に は , 両 事 業 の 輝 か し い 歴 史 が あ ろ う 。 テ レ ビ 事 業 に は た と え ば , 1952 年 の 日 本 初 の テ レ ピ 放 送 機 , 1959 年 の 日 本 初 の ト ラ ン ジ ス タ ー 式 テ レ ビ , 1960 年 の 日 本 初 の カ ラ ー テ レ ビ 受 像 機 , 1971 年 の 世 界 初 の 大 幅 IC 化 カ ラ ー テ レ ビ , そ し て パ ソ コ ン 事 業 に は , 1978 年 の 日 本 初 の 日 本 語 ワ ー ド プ ロ セ ッ サ ー , 1985 年 の 世 界 初 の ラ ッ プ ト ッ プ PC と い っ た 歴 史 が あ る 。 当 時 , 日 本 あ る い は 世 界 市 場 が 注 目 す る 商 品 を 生 み 出 し , そ れ が 市 場 に 受 け 入 れ ら れ て き た の で あ る 。 世 界 初 の ラ ッ プ ト ッ プ PC は 欧 州 で 販 売 が 開 始 さ れ , 当 地 だ け で 1 年 間 で 1 万 台 の 販 売 数 を 誇 っ た 。 た だ し 現 在 , そ れ ら 事 業 に 関 し て , 日 本 お よ び 世 界 の 製 品 サ ー ビ ス 市 場 の 顧 客 が 東 芝 の 市 場 投 入 す る 商 品 に 注 目 し て い る か , 注 目 す べ き 商 品 が 東 芝 か ら 投 入 さ れ る こ と を 期 待 し て い る か , さ ら に は そ も そ も 「 東 芝 の テ レ ビ や パ ソ コ ン が な い と 困 る , 事 業 停 止 な ん ぞ , 考 え ら れ な い 」 , と い う 顧 客 が ど れ ほ ど い る の か 。 テ レ ビ , パ ソ コ ン と も に , 世 界 シ ェ ア ( 2015 年 ) の 上 位 5 位 の な か に 東 芝 の 名 前 は な い 19 ) 。 テ レ ビ や パ ソ コ ン 事 業 で は , コ ス ト の 繰 り 延 べ に よ っ て 利 益 の か さ 上 げ が あ っ た こ と が 調 査 報 告 書 で 明 ら か と な っ て い る 。 冒 頭 で も 触 れ た よ う に コ ー ポ レ ー ト ガ バ ナ ン ス ・ コ ー ド に お い て は , 株 主 ( 投 資 家 ) と の こ れ ま で 以 上 の 「 対 話 」 が 求 め ら れ て い る 。 た だ し , 何 よ り も 真 摯 に 「 対 話 」 す べ き は 製 品 サ ー ビ ス 市 場 に い る 顧 客 で あ る 。 東 芝 は そ れ を な し て い た で あ ろ う か 。 田 中 社 長 は 「 テ レ ビ は 2011 年 , 2012 年 共 に 500 億 円 程 度 の 赤 字 を 出 し た の は 事 実 。 で も 四 半 期 ご と の 業 績 で は 赤 字 幅 は 着 実 に 縮 小 し て い ま す 。 2014 年 度 第 1 四 半 期 は 黒 字 化 を 達 成 で き ま せ ん で し た が , も う 一 段 の 構 造 改 革 で 赤 字 脱 却 の 道 筋 は 付 け ま し た 」 20 ) と も 述 べ て い る 。 資 本 主 義 と は 「 民 間 企 業 が 市 場 を 通 じ て 資 金 調 達 ・ 生 産 ・ 販 売 を 行 い , 消 費 者 に 財 と サ ー ビ ス を 提 供 す る シ ス テ ム 」 (1) で あ る 。 定 義 の 前 半 の 「 資 金 調 達 ・ 生 産 ・ 販 売 」 を 手 が け る 際 の キ ー ワ ー ド は 効 率 性 で あ る 。 一 方 で 後 半 の 「 消 費 者 に 」 以 下 の そ れ は 有 効 性 で あ る 。 田 中 社 長 の 述 べ る 「 構 造 改 革 」 は , テ レ ビ の 機 種 数 の 削 減 や 海 外 拠 点 の 縮 小 な ど を 指 す 。 こ れ ら は 効 率 性 に 向 け て の 策 で あ り , 決 し て 有 効 性 の 策 で は な い 。 消 費 者 , 顧 客 の 視 点 か ら す れ ば , 「 ど う で も よ い 」 話 で し か な い 。 も ち ろ ん , 事 業 売 却 ・ 撤 退 は 簡 単 な こ と で は な い 。 し か し な が ら 不 祥 事 発 覚 後 に 東 芝 は , 医 療 機 器 子 会 社 で あ る 東 芝 メ デ ィ カ ル シ ス テ ム ズ を 売 却 せ ざ る を え な く な っ た 。 メ デ ィ カ ル 事 業 は 田 中 社 長 時 代 の 2013 年 に , 半 導 体 と 原 子 力 に 次 ぐ 「 第 3 の 柱 」 に 位 置 づ け ら れ た 事 業 で あ っ た 。 半 導 体 と 原 子 力 の 事 業 は 収 益 に 不 安 定 性 が あ る が , 国 内 の メ デ ィ カ ル 事 業 は 一 定 の 買 い 換 え 需 要 な ど 安 定 性 を 見 込 め る 事 業 で あ っ た 。 そ う し た 事 業 の 売 却 が 短 期 的 な キ ャ ッ シ ュ 確 保 の 「 急 場 し の ぎ 」 と し て , 将 来 性 の 吟 味 を す る 間 も な く , 実 施 さ れ た 。 事 前 に 手 を 打 た な か っ た こ と , 先 送 り が , 事 後 に 大 き な ツ ケ を 残 し て し ま っ た の は 明 白 で あ る 。 3. 株 主 と の 「 対 話 」 ー な す べ き こ と を な さ せ る た め に 企 業 に お け る 不 祥 事 の 続 発 を 受 け て , 島 村 琢 哉 ・ 旭 硝 子 社 長 兼 CEO は 次 の よ う に 理 由 を 分 析 し て い る 。 点 広 げ よ ( 経 済 教 室 ) 」 日 本 経 済 新 聞 2016 年 8 月 10 日 付 朝 刊 28 面 。 19 ) 20 ) 21) 34 日 経 産 業 新 聞 ・ 前 掲 注 17 ) 。 日 経 ビ ジ ネ ス ・ 前 掲 注 18 ) 。 堂 目 卓 生 「 共 感 ・ 利 他 の 精 神 が 鍵 に 内 向 き を 改 め 視 [ Jurist ] October 2016 / Number 1498