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1. UNIX MAGAZINE 2001年4月号

衛星の皮や CATV か利用されています。 これに対し、インターネットではすべての情報を IP に 乗せて送るので、目的の異なるコンテンツ配信であっても 同し回線を共有します。そのため、 BtoB と BtoC のトラ フィックを統合的に処理する仕組みが必要になります。放 送局などをはしめとするコンテンツ所有者は、すでにイン ターネット上で自社の保有するコンテンツを配信するサー ビスを開始しています。ただし、これは基本的に既設の放 送譓蒲とは別にインターネット配信専用のシステムを構築 し、新たな BtoC チャネルを作る方式でおこなわれてい ます。しかし、これからは BtoB の部分と BtoC の部分 をシームレスに連携させ、コンテンツの制作や加工・編集 などからエンドユーサーへの配信にいたるまでの一貫した 流通のイ督はみ、すなわち BtoBtoC 型の配信サービスか求 められるようになるでしよう。 次世代の BtoBtoC 型のコンテンツ流通サーピスにつ いて、我々は、、コンテンツ・ロジスティクス (Content Logistics)" と、、メディアハプ (Media Hub)" という 2 つの概念を導入しました。これらは、 こまでに述べたよ うなさまざまな要求条件か課されるコンテンツ流通をイン ターネット上に適用した場合に生しる題を角夬するため のモデルを提供するものです。 コンテンツ・ロジスティクス インターネットは、多様なユーザーから構成されるさま ざまなネットワーク環竟か相圧に接続されて成り立ってい ます。したがって、種々様々なコンテンツを集め、膨大 なユーサー ( 消費者 ) の要望に応しそれぞれの工竟に適 したかたちて酒己信できなけれは、インターネットにおける コンテンツ・ビジネスは成立しません。 このようにユーサーの目的ごとに最適な品質・形式で コンテンツを配信するために欠カせない基財支彳小了が、 QoS (Quality of Service) 保証技術てす。現在でも、同種の ルータを用いたイントラネットなど、限られた環境での Qo 引正技術はある程度実現されつつあります。しかし、 複数の AS (Autonomous System) を経由するような広 域 IP 網で QoS を保証し、コンテンツを最直な品質で配 信する技術についてはいまた研危 - ヒの段階にあります。 コンテンツ・ビジネスの観点からは、多様な品質要求をェ 連載 Cyber Kansai Project— 172 ンドーエンド間で確実に保証しつつ、適正な品質て配信さ れたかどうかを評価し、その情報をネットワーク管理者に フィードバックする仕組みがとりわけ重要になります。 さらに、ユーサーの要望に応してコンテンツを配信する ためには、その要求を分析し、 ーズに応したコンテンツ を作成する能力も求められます。 TV 局などのコンテンツ 窈是供者は、多チャンネル化されるデジタル放送だけでな く、世界中からアクセス可能なインターネットにも対応 する必要があります。それには、コンテンツの受信者であ るユーザーの層を細かく分け、それぞれのニーズを綿密に 分析しなければなりません。そして、さまざまなコンテン ツをきめ細かく分類したうえで、ユーサーのニーズに応し て適切な方式で配信しなけれはならないでしよう。たとえ ば、自治体、研究機関、企業、一財見聴者など、求められ るコンテンツの品質や内容、粒度、タイミングはユーザー ごとに異なります。したがって、 1 つのコンテンツの田 度やフォーマットなどをそれぞれの目的に応して変更し、 商な品質 / 形式で配イ言する機能が必要になります。 これらの点を勘案すると、インターネットをコンテンツ 配信の基盤として活用するには、 ・広域 IP 網における QoS イ焉正技術の確立 ・ユーサーのニーズに応したきめ細かな情報の発信 か不可欠だと思われます。 コンテンツ・ロジスティクスとは、こういった高度なコ ンテンツ流通形態の概念です。本来は兵站業務を孑嗣 - 、、ロ ジスティクス " という用語は、現在では物充の分野でよく 使われています。インターネットにおいても、サーバーや ストレージ、ネットワークなどの有限な資源を戦田勺に活 用し、必要とされるモノ ( コンテンツ ) を必要なときに必 要なところへ白寉に送り届けられるような流通システムの 卍課か重要になるでしよう。 メディアハフ コンテンツ・ロジスティクスにおいて、中心的な役割 を担うコンテンツ集積配信拠点が、、メディアハプ " です。 この場合の、、ハプ " は、ハプ巷やスイッチングハプのそ れと同義で、中心または中核という未てす。つまり、テ キストや測画像、音声などさまざまな情報メディアを受け UNIX MAGAZINE 2001.4

2. UNIX MAGAZINE 2002年7月号

et ・ 5 PIay with UNIX ④ 図 10 Echo 図 12 音をステレオて飛ばす 図 13 ディレイ信号の再帰的不とモニタリング 図 11 Delay OSS 0 0 0 ャッホー で終るエコーである。工コーという言葉に対する一勺イ メージと区別するために、、シングルエコー " または、、シン グルディレイ " といったりもするのてややこしいが、要す るにディレイか複数回あるものと、 1 回しかないものを区 別しているのだ。 電気的には 1 回のディレイさえ作れるのなら、あとは フィードバック制御だけでエコーは作れる。ディレイ信号 をモジュールに再入力すれば、信号はディレイタイムの周 期で反復を始めるのである。 ルを通しておけはいい ( 図 12 ) 。 要するに、 Delay モジューノレと Echo モジュールの差 Delay モジュールはディレイ信号のみを出力するよう は、パラメータにフィードバックの成疋があるかないかだ に、 Mix を左に回しきる。 Mix は常識的なノ、一ドウェアの けなのである。 操作とは異なり、右に回しきるとディレイとソースが 1 : 1 、 Echo モジュール ( 図 10 ) のパラメータは、 Delay ( デ 左に回しきるとディレイのみになるので注意が必要だ。 ィレイタイム ) と Feedback( フィードバック ) の 2 つで Oscillator にシーケンサーをつなぐか、キーポードでフ ある。これに対し、 DeI モジュール ( 図 11 ) のほうは、 レーズを弾きながら、適当と思えるディレイタイムを探っ Delay ( ディレイタイム ) と Mix ( ディレイとソースのミ てみてほしい。すこし長めなら、左右に飛び交う音が楽し クスチャー ) の 2 っという構成である。 めるし、短めな引鬮以ステレオのような効果カ碍られるは つまり、 DeIay モジュールにはフィードバックがなく、 すである。 Ech 。モジュールではディレイのミクスチャーか各でき ない。フィードバックがなくても間題はないが、どちらの フィードバック モジュールも出力はミックスアウトの 1 チャンネルだけ さきほど述べたように、ディレイ信号を再 ) 髄勺に利用で である。ディレイのミクスチャーか調整できないと、ディ きればフィードバックのパラメータは不要である。 レイ信号のみを取り出せないのカ咽る。 そこで、ディレイ信号をふたたび Delay モジュールに というわけで、ディレイ信号を取り出して男に処理す 戻しつつ、同時にその音をモニターできる接続を考えてみ るなら、 Delay モジュールお尺する必要がある。 た ( 図 13 ) 。 こで OsciIIator に WaveTable を接続し ステレオティレイ ているのは、変調をかけてソースに変化を与えるためで、 ディレイラインの設疋とは関係がない。 ディレイ信号のみを取り出せれば、ます音をステレオで 飛はすことカきる。たとえば、ソースを右、ディレイを このモジュール接続での要は、 DeIay への入力の手前 左に割り当てておけば、右から左へディレイタイムの速度 に Mixer を置き、フィードバックのレベルを調整できる で音カ形動していく。 ようにしてあるところだ。この M ⅸ er の 2 チャンネル目 そのための接続は簡単で、右チャンネルはバイバスして がディレイ信号のリターンで、このレベルでフィードバッ ストレートに出力へ左チャンネルのみ DeIay モジュー クのレベルを整する。 、、を T OSS 140 UNIX MAGAZINE 2002.7

3. UNIX MAGAZINE 2003年10月号

ー P ルーティンク ルーティングの基礎 小原泰弘 はじめに で、その基本となる IP プレフィックスやルーティング・ とはどのようなものか、ルーティングの念を述べたうえ さまざまな概念や用語をとりあげます。 IP ルーティング 今回は、ルーティングについて論しるうえで不可欠な、 の上て動く簡単かっー叫リなソフトウェアです。 は、 Linux 、 FreeBSD 、 NetBSD など、多くの UNIX る、オープンソースのフリー・ソフトウェアです。 Zebra UNIX ルータのルーティングを支えてきた GateD に代わ フトウェアを紹介する予定です。これは、長年にわたって 連載のなかでは、 GNU Zebra というルーティング・ソ も分かるでしよう。 ットワークでできること、できないことのおおよその違い ットにおけるスケーラビリティの出題の概要や、既存のネ ルーティングについての知識を身につければ、インターネ なネットワークの構築や運用の能力を習得することです。 す。この連載の目的は、ルーティングについて学び、簡単 UNIX を題材として、 IP ルーティングについて角見しま ( 糸習各制知に関する知識が欠かせません。この連載では、 ネットワークを構築・運用する際には、ルーティング いたるところで使われています。 て新しい機能を開発するような場合など、 UNIX ルータは トワークを学習したり、あるいはソフトウェアを書き換え 商用ネットワークでコストダウンを図ったり、個人がネッ 使うと、自分だけのネットワークを簡単に構築できます。 ても UNIX か数多く利用されています。無償の UNIX を インターネットでは、サーバーのみならす、ルータとし UNIX MAGAZINE 2003.10 テープル ( 糸各表 ) について説明します。 この連載では、基本的に IPv4 にもとづいて解説しま す。新しい IP である IPv6 と既存の IPv4 のルーティン グを上交すると、 IP サプネットの制約カ陬り払われた以 外は、概念的にはほとんど違いがありません。以下では、 たんに、、 IP" と書いた場合、 IPv4 を孑一こととします。 ルーティングの概要 ルーティングとは、ネットワークを利用して通信する 際、通信の始点から終点までどのようにデータを転送する かを決定するシステムです。ルーティングは、ルータや ゲートウェイと呼はれる、バケットの中継専用のコンヒ ータすべての上て独立におこなわれます。ルーティング が正常に機能していなけれは、いかなる通信もおこなえま せん。そのため、ルーティングの能はインターネット全 体窈生能に大きく景グします。 インターネットは、、、障害か当ーしても自重加勺 : ゴ夏機 構が働き、通信を復活させることができるネットワーク " を目的としています。そのためインターネットでは、ルー ティングは高い自律分散匪をもつシステムとして実現され ます。ルーティングの仕組みが分かれは、インターネット がどのように動いているかも理解できます。しかし、巨大 なインターネットを円滑に機能させるには、求められる要 件も必烈勺に高くなるため、ルーティングは複雑で、きわ めて難しい題でもあります。 IP ネットワークにおけるルータの概念を、図 1 に示 します。ルータの周辺に描かれた放射状に伸びる複数の線 は、ルータに接続されているネットワーク回線を表してい ます。ルータ内の左下・にある四角形は、各ルータが一尉寺す るルーティンク・テーフルと呼はれる表です。バケットを 161

4. UNIX MAGAZINE 2005年2月号

特集 広域 Ethernet 実験網 JGN 機種 ・インターフェイス・アドレスを広告 ( / 128 ) → 2 機種 これでは、ネットワーク上でアナウンスされる Point- to-Point の経路にばらっきが生じることになります。そ の結果、対向するインターフェイスでの広告方式が異なる と、 Point-to-Point リンクへの外部からの接続性カ寉保で きなくなるおそれがあります。 ルーカヾックの広告に関する問題 ループバックの広告において、 : : 1 / 128 を広告するルー タがあります。その景彡響として、 : : 1 / 128 の経路を受け取 ると、以降の糸各をすべて無視してしまうルータカ在す ることが分かりました ( 大半のルータ製品は、この経路を 受け取ってもとくに支障なく動作します ) 。 ルートフィルタの活用など、運用上の工夫によって一応 は対処できますが、そもそも : : 1 / 128 を広告すること自体 カ澗題です。さらに、これを受け取った側でのルータにつ いても、その処理過程で機種ごとに挙動が異なります。い うまでもなく、このような現象は相互接続性の面で好まし くありません。 BDR → DR 時にフリーズするルータがある BDR (Backup Designated Router) た態のルータ が DR (Designated Router) に遷移する時点でフリーズ ( 停止 ) し、コンソールからも何も受け付けない状態になる 現象カ咥生しました。 OSPFv3 の基本機能での問題であり、明らかにルータ・ ソフトウェアのバグです。このルータが DR になってしま うと、 DR への移行後に必要な OSPF 関連のバケットを 送信しない (Hello を週言しない ) ため、ネットワーク全体 カ鰔能しなくなります。 この問題も、べンダーによるソフトウェアのバージョン アップによりすでに解消されています。 工リア 0 以外のエリアで Neighbor が確立できない OSPF にはエリア (area) という概念があり、エリア ごとに AS ( 自律網 ) を構成してネットワークを構築しま す。この独立した各工リアをまとめるのが、、エリア 0 " で す。ェリア 0 以外のエリアでは、相互接続性を維持できな い組合せがあることが分かっています。 UNIX MAGAZ 工 NE 2005 . 2 この問題も特定機種間でのみ発生し、 OSPFv3 のソフ トウェア実装上の不具合に起因するものです。我々カ咥見 した組合せでの不具合は、べンダーによるソフトウェアの バージョンアップによりすでに解消されています。 authentication-key OSPFv2 によるエリア 0 での OSPF 設疋では、一般 に authentication-key を設疋します。 OSPFv3 におけ る authentication-key は、 IPv6 の基本機能の 1 つで ある IPsec を利用して実装されることになっています。し かしながら、現時点ではこの規定は RFC として標準化さ れる途上にあるため、実装を完了しているルータがありま せん。 このような未実装の機能や、標準化されてから日の浅い 機能については、そのつど相互接続性に関する検証・評価 をおこない、ソフトウェアの元成度を高めていかなければ なりません。とくに、実装がすでに完了している機能との 組合せや、物理インターフェイスの種別によって問題カ 在化するパターンがたくさんあります。膨大な組合せのな かからとりわけ重要な機能をピックアップし、実証作業を おこなっているのが実情です。 このように、特定の機種間で発生する問題については、そ れぞれのべンダーに検証内容をフィードバックし、改善を イ頁しています。その結果、ほとんどの問題は 6 カ月以内 に解決され、基本的な運用に必要な OSPFv3 の基本機能 については、ある程度の相互接続性カ寉立されつつあると いってよいでしよう。 IPv6 マルチキャスト 広帯域ネットワークの普及につれて、電話や放送など、 さまざまなサービスをインターネットを用いて提供しよう という動きが活発化しています。とくに放送のデジタル化 にともない、通信と放送の融合に関する技術に注目が集ま っています。 双方向通信技術として発展してきたインターネットです が、特定多数に同時に情報を配信するマルチキャスト技術 も、次世代インターネットにおける重要な技術の 1 っとし て注目されています。 113

5. 現代の図書館 2013年 09月号

162 現代の図書館 VoI. 51 N 。 .3 ( 2013 ) ている。つまり , 図書館経営を論じる場合 , 図書 館が当たり前のように行ってきた業務を館種を超 えた図書館の経営戦略として位置づけ直す必要が ある。 2 経営戦略とは何か 経営戦略の概念は , Alfred D. Chandler が , & 耀〃〃イ S レれ ( 1962 ) の中で , 軍事学に おいて用いられていた「戦略 (Strategy) 」とい う概念を経営学の領域で初めて示したことによっ て生まれた 3 ) 。 1954 年に Drucker が指摘したよ , 1950 年代までは , 経営に不可欠な機能 は個別に論じられることがほとんどであったが , Chandler は彼の著作の中で , 戦略という概念を 用いることで , 組織内で拡大する各機能を統合し 0 そして , この Chandler が提示した戦略という 概念は , 1970 年代までに , lgor Ansoff, George A. Steiner, Kenneth R. Andrews, Charles W. Hofer と Dan SchendeI らによって体系的に理論 化された。 経営戦略の定義に関しても , さまざまな経営学 の研究者や実務家が行ってきたが , 伊丹敬之が , それらの経営戦略の定義を " 市場の中の組織とし ての活動の長期的な基本設計図 " 5 ) として端的に 示している。 これまでの図書館における 経営戦略の検討状況 図書館において明示的に記述された経営戦略 は , 1970 年代前半のアメリカの図書館において 長期経営計画として検討され始めたものである。 当時の経営戦略は , 経営学の領域で検討された経 営理論を数年程度遅れて図書館に適用しようとす るものであった 6 ) 。また , その多くは , 図書館の 所属母体などから経営計画を求められたことに対 応するためのものであり , 図書館が主体的に経営 戦略の立案を推進したものではなかった。経営戦 略を立案する機会は , 図書館が所属する組織で大 規模な改変がある場合などに限られていた。 3 その後 , アメリカの図書館で継続的に経営戦略 が求められるようになってきたのは , 1990 年代 からである。この頃 , アメリカを中心に世界的に も経済状況が悪化し , 図書館においても説明責任 が求められたことが理由であると考えられる。 一方 , 日本の図書館おいて経営戦略が継続的に 検討されるようになってきたのは , 2000 年代に 入ってからのことであり , その多くは長期経営計 画と呼ばれるものであった。 図書館固有の特性に基づいた 経営戦略の必要性 日米あるいは館種を問わず , 図書館において検 討された経営戦略の多くは , 適切に執行されるこ とが少なく , その経営戦略と実際の組織とが離 れ , 経営戦略という企画業務と図書館の実務とが 連動していないことが多かった。これは , 図書館 において経営戦略が検討されるようになってから の歴史が浅く , さらに従来の図書館業務と経営戦 略の立案業務はその内容が大きく異なっていたた めである。つまり , 図書館員は経営戦略の立案業 務に不慣れであり , その執行も難しかったのであ そして , 近年 , 病院や教育機関といった非営利 組織を対象にそれぞれの機関に固有の経営戦略が 検討されてきている。これは , 理念や目的が大き く異なる非営利組織においては , その組織に固有 の経営戦略が必要だからである。つまり , 非営利 組織である図書館の経営においても , 従来の方法 でうまくいかない場合には , 図書館の特性にあっ た固有の経営戦略が求められる。 図書館における経営戦略 図書館における経営戦略は , 基本戦略と個別戦 略から説明することができる。基本戦略とは , 館 種を超えた多くの図書館で共通して採用されてき たサービス , 業務 , 組織形態を統合的に記述した ものであり , あらゆる図書館で採用すべき経営戦 略である。つまりこれは , 経済環境や情報技術環 境 , またそれらに影響を受けた利用者の情報行動 4

6. プロフェショナルBSD

3 章ネットワークの基礎 それぞれの層の役割を以下にまとめておく。 ・アプリケーション層 アプリケーション層ではユーザーの要求に応した SMTP * 4 などのアプリケーショ ン間プロトコルを実装している。アプリケーション間プロトコルはアプリケーショ ンによって無数に存在するため、アプリケーションプログラム内部に実装されて いる。 ・ TCP/UDP 層 TCP/UDP 層では TCP と UDP を実装している。 TCP は信頼性のあるデータ ストリーム通信を実現している。一方、 UDP はアプリケーション層に対して信頼 性のないデータグラム通信を提供するプロトコルである。 ・ IP 層 IP 層は相手のホストまでのバケットの到達を実現するためのプロトコルである。 TCP / UDP 層から受け取ったデータをバケットに分割し、経路情報に基づいて バケツリレー式に相手のホストまで届ける。 ・インターフェイス層 IP は汎用性の高いプロトコルで、通信メディアとして多くのメディアを用いるこ とができる。インターフェイス層ではメディアごとに異なる部分を吸収し、 IP 層 に対して統一的なインターフェイスを提供している。 3.4.2 インターネット・プロトコルスーツによるネットワークの特徴 IP はバケット交換をベースとしたネットワークプロトコルで、ルータな どの概念を採り入れてバケットを中継することによって実現している。イ ともいくつかのルータを介して通信できる。 バケットを中継するという概念を持っているため、直接接続されていないホスト ・直接リンクを持たないホストとも通信できる ある。 ンターネット・プロトコルスーツによるネットワークには次のような特徴が 86 * 4 Simple Mail Transfer Protocol : メールをやり取りするためのプロトコルの 1 つ。

7. 思想 2016年 08月号

1 18 なる。 かという疑問に応えるためである。もとより、カントがイギ カントの「構成」の議論は、こうした意味で、「一般観念」 リスの一般観念説から何を学んだかは、直接的には明確では 説を含む。ところが、他方それは、「超越論的分析論」でのない。しかし、内容的には、興味深い対応関係を認めること ができる。 純粋知性概念の図式に関する議論と密接に関わる。周知のよ うに、カントはヒュームによって「独断のまどろみ」を覚ま第二節と第三節では、純粋数学の成立に関わるカントの され、直観においてその「像」を生み出すことのできない一「構成」に関する議論を取り上げ、カントがどのような二重 二の純粋知性概念 ( カテゴリ ー ) を判断表から析出する。そし構造的な見方の中で「構成」を捉えていたかを確認する。カ て、この純粋知性概念と直観とを媒介し、前者の後者への適ントは概念を直観化し、「像」を形成するとともに、さらに 用を可能にするものとして、超越論的「図式」の役割を論じその像を一般化するという手順によって純粋数学の成立を説 る。ところが、この図式論に見られるカントの「像」と「図明しようとする。そこに見られる彼の考えの要点を確認する 式」の考え方は、「構成」の議論に見出される彼の考えと接ことが、これら二節で試みられる。 続している。したがって、カントの「一般観念」説の検討は、構成に関するカントの見解の一つの面、すなわち、概念は カントの図式論を理解するための重要な手がかりとなる。 一般的 ( 普遍的 ) であるが、それに対応する像は特殊でしかな 小論では、このような観点から、カントの一般観念説の内 いという面は、ロックの一般観念説と比較することによって 実を確認し、それをもとに彼の図式概念のよりいっそうの明その特徴をより明確に捉えることができる。そのため、第四 確化を試みる。 節では、ロックの一般観念説の特徴を確認し、それとカント 右に述べた事情から、カントの一般観念説を考察するにあ説との構造的対応関係を考察する。 たっては、彼がケーニヒスペルク大学時代から多くの関わり そうしたロックとの近さとは対照的に、概念の直観化によ を持ったイギリス哲学の一般観念説との比較をもって、理解って構成された「像」の一般化についてのカントの見解は、 の手がかりとする必要がある。そこで、第一節では、第四節 ークリとヒュームの「一般観念説」の路線に近い。第五節 以降で取り上げるロック、ヾ ークリ、ヒュームの著作そのもと第六節では、彼らの一般観念説の基本を押さえ、どのよう のへのアクセスがカントにとってどのような仕方で可能であな意味でそれがカントのそれと重なるかを確認する。 ったかをまずは確認する。これは、英語を読まなかったカン 第七節では、以上の作業を踏まえて、カントが「原則の分 トが実際にどのようにして彼らの著作を読む可能性があった析論」第一章で行った「像」と「図式」の区別について考察

8. 思想 2016年 08月号

132 て表象する方法を考える」ことだと言っているのである。カ ロックが三角形の抽象概念を感覚や心像としては「存在しえ ントはこの方法についての考えを「図式」と呼ぶ。それは、 ない」としたように、カントもまた「三角形一般の概念に合 「概念に像を提供するための想像力の一般的手順についての致するその概念の像は存在しないであろう」と言う。そして、 考え」 ( とも表現される。 図式を「想像力の総合の規則」として説明する。 像が、想像力によって概念を直観化した特殊な心像である カントはまた、経験的概念についても、次のように言う。 のに対して、図式は、「三つの直線を組み合わせて閉じた平 面図形を作成する」とか、「点を順次打。てそれらをびとま経験の対象もしくはその像は、どこまでも決して経験的概 とまりものとして捉える」とかいったその描き方、直観化の 念に届くことはなく、経験的概念は常に、ある普遍的概念 仕方のことである。カントは、これについて、興味深い解説二般概念〕に従ったわれわれの直観の規定〔直観にどのように を行っている。まず、今取り上げた三角形のような「純粋な 描かれるかを定めること〕の規則としての、想像力の図式と 感性的概念」の場合についてである。彼は次のように言う。 直接関わっている。大の概念は、私の想像力がある四つ足 の動物の形をさまざまに描くことを可能にする規則を意味 実際、われわれの純粋な感性的概念の基盤となっているの する ) 。 は、対象の像ではなくて図式である。そもそも、三角形一 般の概念に合致するその概念の像は存在しないであろう。 このように、カントによれば、概念は、純粋な概念であれ というのも、三角形の概念は、直角三角形であれ斜角三角経験的概念であれ、像の描き方の規則としての図式と結びつ 形であれ何であれ、すべての三角形に適合する普遍性を持 いており、それに従って像が描かれるが、描かれた像は概念 つが、三角形の像はその普遍性には届かず、〔全三角形から が一般性・普遍性を持つのに対して、あくまで特殊なもので なる〕この領域の一部に限定されているからである。三角しかないのである。 形の図式は決して思考以外のところには存在せず、空間中 この事態は、概念には図式が結びついていて、図式はどの の〔三角形の〕純粋な形に関する、想像力の総合〔三直線をあ直観がその概念の適用事例であるかを決定する役割を担う、 る仕方で描き、それらを三角形としてとりまとめること〕の規則 と言い換えることもできる。像を形成するための規則として を意味している ( 幻 ) 。 の図式は、逆に見れば、形成された像がなぜその概念の事例 であるかを決定することになる。さらに言い換えれば、図式

9. 思想 2016年 08月号

122 の幾何学の成立とは直接的な関わりはない。なぜかと一一 = ロえば、 ニ概念の直観化 カントが幾何学に求める普遍性は、空間がアプリオリな純粋 『純粋理性批判』の「超越論的感性論」に、次の言葉があ直観であることによるのではなく、空間中に概念をもとに描 かれた図形が、一般的なものとして扱われることにあるから である。 空間はす。へての外的直観の根底に存するアプリオリな必然『純粋理性批判』の「超越論的方法論」におけるカントの 的表象である。〔 : : : 〕すべての幾何学的原則の明証必然的「構成」 (Konstruktion) についての説明は、この事態をよく表 確実性と、それらの原則のアプリオリな構成の可能性は、 している。「構成」とは、産出的想像力によって、概念に対 このアプリオリな必然性に基づいている ( 2 ) 。 応する図を空間の中に描くことである。つまり、概念の直観 化である。彼はこれについて、次のように言う。 カントによれば、空間は外的直観 ( 外的感官 ) のアプリオリな 形式である。純粋数学の必然性・普遍性は、この空間のアプ 哲学的認識は、概念からの理性認識であり、数学的認識は、 リオリな観念性に基づいており、したが。て、いかなる外的概念の構成からの理性認識である。しかるに、概念を構成 対象も、空間の中に現象せざるをえないばかりか、この直観するとは、その概念に対応する直観をアプリオリに描き出 の形式としての空間から導き出される幾何学的諸原則は、す すことである。したがって、概念の構成には経験的でない べて、現象する諸対象にあてはまらなければならないとカン 直観が必要であり、そのため、その直観は、直観としては トは考える。 個別の客観〔対象〕であるが、それにもかかわらず、概念 ( 普 ュークリッド幾何学がそのままこの「自然」にあてはまる 遍的表象 ) の構成としては、同じ概念に属するす。へての可能 という当時の考え方はさておき、空間を直観の形式と見なす な直観に対する普遍妥当性を、その表象において表現しな ことと、純粋数学としての幾何学のアプリオリな成立は、ど ければならない。 というわけで、私が三角形を構成するに のように関係しているのか。結論から言えば、空間を直観の は、この概念に対応する対象を、びたすら想像によって純 形式と見なすことは、カントにとって、幾何学が自然界にあ粋直観において描き出すか、想像に従。てまた紙の上に経 てはまることを保証する手立てであ「たとはいえ、空間を直験的直観において描き出すかであり、いずれの場合にも、 観の形式とすること自体は、カントの考える純粋数学として まったくアプリオリで、そのための見本をなんらかの経験 る。

10. ビジネス法務 2016年6月号

ゴ会社法・金商法 第 14 回 載の新視点ー 資本概念と公開会社法理 早稲田大学 教授上村達男 はしめに 日本における会社法は平成 2 年の商法改正 で最低資本金制度が定められ , その実施期限 が平成 8 年とされたのだが , 平成 17 年の会社 法制定に際しては , 資本概念自体は残ってい るものの , その実質的意義は失われていると 言って過言でない。近時の資本概念をめぐる 議論は法人格否認の法理との関係等 , 閉鎖会 社をめぐる議論としてのみ行われているのが 通例である 1 。しかし他方で欧州では資本概 念は依然として堅持されており , フランスで は請求書等にも会社の資本金が記載され , そ の意義が社会的に広範に認められている 2 こうしたアメリカ的行き方と欧州的行き方 の相違はどのような背景に基づくものなの か , そもそも資本概念は歴史的に何を担って きたのか , 本稿はそうした疑問について , 公 開会社法理という観点からの視点を示そうと するものである。 1 「株式会社らしい株式会社」 大小会社区分立法論議における フランスのように純資産が資本金額の 2 分の った。もとより , 最低資本規制と言っても , 資本概念不要論と一体となって主張されてい てなされ , その過程で最低資本金不要論が , 小規模で閉鎖期な株式会社を主たる対象とし 経緯もあった。その後 , 最低資本金の議論は 5 億円ないし 10 億円と言った数字が示された しい株式会社」にとっての最低資本金として 度が論じられたが , その際には「株式会社ら は有限責任享受の代償としての最低資本金制 ここでは , 小規模で閉鎖的な会社について とされた 3 。 性」という 2 つの概念が主要な分析道具概念 法の論議に際しては , 「企業規模」と「閉鎖 とめたものであるが , とくに大小会社区分立 に沿ったその後の改正の積み残しの論点をま 50 年の「会社法改正に関する問題点」とこれ 分立法及び合併に関する問題点」は , 昭和 昭和 59 年の「大小 ( 公開・非公開 ) 会社区 1 後藤元「株主有限責任制度の弊害と過少資本による株主の責任」 ( 商事法務 , 2007)0 2 フランスについては全体に , 石川真衣「フランス株式会社法における資本概念 ( 1 ) ( 2 ・完 ) 」早稲田法学会誌 66 巻 1 号 49 頁 , 2 号 1 頁参照。 3 こうした分析概念を用いて閉鎖的株式会社法制 , 有限会社法制について多くの成果を上けられたのが . 私の指導教授の酒巻俊 雄先生である ( 酒巻「閉鎖的会社の法理と立法」 ( 日本評論社 . 1973 ). 同「大小会社のメ分立法」 ( 学陽書房 , 1985 ) ) 。 私の公開会社法理の主張は , このうち , 閉鎖性の対極概念としての市場の論理・公開性の論理を分析概念として導入しあわ せて会社制度分析概念の全体像を示そうとしたものである。 ビジネス法務 2016.6 127