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完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


完 訳 日 本 の 古 典 49 御 伽 草 子 集 大 島 建 彦 校 注 ・ 訳 0

完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


完 訳 日 本 の 古 典 第 四 十 九 巻 御 伽 草 子 集 昭 和 年 6 月 日 初 版 発 行 定 価 一 七 〇 〇 円 校 注 ・ 訳 者 大 島 建 彦 発 行 者 相 賀 徹 夫 印 刷 所 大 日 本 印 刷 株 式 会 社 発 行 所 株 式 会 社 小 学 館 〒 皿 東 京 都 千 代 田 区 一 ッ 橋 一 一 ー 三 ー 振 替 口 座 東 京 八 ー 二 〇 〇 番 電 話 編 集 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 六 六 九 製 作 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 三 三 三 販 売 ( 〇 三 ) 一 一 三 0 ー 五 七 六 八 ・ 造 本 に は 十 分 注 意 し て お り ま す が 、 万 一 、 落 丁 ・ 乱 丁 な ど の 不 良 品 が あ り ま し た ら お と り か え い た し ま す 。 ・ 本 書 の 一 部 あ る い は 全 部 を 、 無 断 で 複 写 複 製 ( コ ピ ー ) す る こ と は 、 法 律 で 認 め ら れ た 場 合 を 除 き 、 著 作 者 お よ び 出 版 者 の 権 利 の 侵 害 と な り ま す 。 あ ら か し め 小 社 あ て 許 諾 を 求 め て く だ さ い Printed in Japan ◎ T.Osima 1983 ( 著 者 検 印 は 省 略 ISBN4 ・ 09 ・ 556049 ・ 5 い た し ま し た )

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日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) ① 古 事 記 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 京 都 大 学 ) ロ ロ 萬 葉 集 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 日 本 霊 異 記 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 古 今 和 歌 集 竹 取 物 語 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) ⑩ 伊 勢 物 語 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) - 土 佐 日 記 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 回 蜻 蛉 日 記 CÜ 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 枕 草 子 秋 山 虔 ( 東 京 大 学 ) ロ ロ 源 氏 物 語 曰 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 和 泉 式 部 日 記 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 四 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 更 級 日 記 鈴 木 一 雄 ( 金 沢 大 学 ) 夜 の 寝 覚 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 無 名 草 子 橘 健 二 ( 秋 田 大 学 ) 四 大 鏡 馬 淵 和 夫 ( 筑 波 大 学 ) 今 昔 物 語 集 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ ー 囮 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 梁 塵 秘 抄 3 新 古 今 和 歌 集 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) CÜ 曰 ー 因 CÜ 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 九 州 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 成 城 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 曰 凵 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 瓸 3 と は す が た り 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) CÜ ⑩ 囿 宇 治 拾 遺 物 語 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) 囮 ー 囮 平 家 物 語 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 囮 謡 曲 集 凵 風 姿 花 伝 佐 を 久 雄 亳 斈 短 契 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 北 川 忠 彦 ( 京 都 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 囮 狂 言 集 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 御 伽 草 子 集 暉 畯 康 降 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ 好 色 一 代 男 好 色 五 人 女 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 好 色 一 代 女 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 國 日 本 永 代 蔵 万 の 文 反 古 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 。 。 世 間 胸 算 用 井 本 農 一 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 芭 蕉 句 集 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 井 本 農 一 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 村 松 友 次 ( 東 洋 大 学 ) 近 松 門 左 衛 門 集 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 雨 月 物 語 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 春 雨 物 語 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 囮 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 暉 畯 康 隆 ( 早 稲 田 大 学 ) 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 冂 凵 冂 当 古 典 詞 華 集 丸 山 一 彦 ( 宇 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


御 伽 草 子 集 3 つ ぎ に は 、 本 書 に 収 め ら れ た 各 編 の 解 説 を 試 み る 。 ひ た ち の く に ぶ ん た か し ま だ い ぐ う じ 常 陸 国 の 文 太 と い う 男 は 、 初 め は 鹿 島 の 大 宮 司 に 仕 え た が 、 後 に 「 つ の を か が 磯 」 に 落 ち っ し お や き ぶ ん し ゃ う 文 正 草 子 い て 、 塩 焼 の わ ざ に い そ し ん だ の で 、 つ い に は 「 文 正 つ ね を か ー と 名 の っ て 、 す ば ら し い 長 者 と し て も て は や さ れ た 。 そ の 二 人 の 娘 の 中 で 、 姉 の 蓮 華 の 方 は 、 関 白 の 若 君 と 結 ば れ て 、 そ の 北 の 方 と か し ず か れ 、 味 の 蓮 の 方 は 、 時 の 帝 に 召 さ れ て 、 中 宮 と 仰 が れ た が 、 文 正 み ず か ら 大 納 言 に 任 ぜ ら れ 、 一 家 こ と ご と く 栄 華 を き わ め た と い う の で あ る 。 そ こ で は 、 め で た い こ と ば か り が 語 ら れ て 、 「 ま づ ま づ 、 め で た よ う り ゅ う て い た ね ひ こ き こ と の 始 め に は 、 こ の 草 子 を 御 覧 じ あ る べ く 候 ふ 」 と 結 ば れ て い る 。 そ の こ と に つ い て 、 柳 亭 種 彦 の 『 用 し や ば こ か き ぞ め 捨 箱 』 上 巻 に も 、 「 昔 は 正 月 吉 書 の 次 に 、 冊 子 の 読 初 と て 、 女 子 は 文 正 草 子 を 読 み し と な り 」 と 記 さ れ て い つ の お れ 作 中 の 「 つ の を か が 磯 」 と い う の は 、 茨 城 県 鹿 島 郡 大 野 村 の 角 折 に あ た る も の と み ら れ る 。 『 新 編 常 陸 国 誌 』 巻 八 の 「 長 者 屋 敷 ー の 項 に 、 「 鹿 島 郡 角 折 村 ニ ア リ 、 今 ニ 農 家 ノ 宅 地 ナ リ 、 昔 ョ リ 長 者 屋 敷 ト 云 フ 、 何 彦 『 御 伽 草 子 集 』 ( 日 本 古 典 文 学 全 集 一 一 一 十 六 昭 小 学 館 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 野 間 光 辰 『 御 伽 草 子 ・ 仮 名 草 子 』 ( 鑑 賞 日 本 古 典 文 学 一 一 十 六 昭 引 角 川 書 店 ) 〇 小 松 和 彦 『 神 々 の 精 神 史 』 ( 昭 伝 統 と 現 代 社 ) 〇 松 本 隆 信 『 御 伽 草 子 』 ( 新 潮 日 本 古 典 集 成 昭 新 潮 社 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 高 崎 富 士 彦 ・ 豊 田 武 『 御 伽 草 子 』 ( 図 説 日 本 の 古 典 十 一 一 一 昭 集 英 社 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 と そ の 周 辺 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 奥 平 英 雄 『 御 伽 草 子 絵 巻 』 ( 昭 角 川 書 店 ) 〇 奈 良 絵 本 国 際 研 究 会 議 『 御 伽 草 子 の 世 界 』 ( 昭 一 一 一 省 堂 ) は ち す さ う し れ ん げ

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5 凡 例 太 郎 』 ( 同 上 ) 、 天 理 図 書 館 蔵 写 本 『 ほ ん 天 こ く 』 ( 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 一 l) 、 笹 野 堅 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 ほ ん 天 わ う 』 ( 同 上 ) 、 慶 応 義 塾 図 書 館 蔵 古 活 字 本 『 ほ ん て ん こ く 』 ( 室 町 物 語 集 成 』 第 一 輯 ) 、 清 水 泰 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 和 泉 式 部 』 ( 『 和 泉 式 部 全 集 』 ) 、 禿 氏 祐 祥 氏 旧 蔵 写 本 『 う ら 嶋 太 郎 物 語 』 ( 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 五 ) 、 大 東 急 記 念 文 庫 蔵 絵 巻 『 浦 島 太 郎 』 ( 同 上 ) 、 高 安 六 郎 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 う ら し ま 』 ( 同 上 ) 、 逸 翁 美 術 館 蔵 絵 巻 『 大 江 山 絵 詞 』 ( 『 続 日 本 絵 巻 物 集 成 』 第 一 巻 ) 、 東 洋 大 学 図 書 館 蔵 絵 巻 『 酒 伝 童 子 絵 』 な お 、 諸 本 の 引 用 に あ た っ て は 、 初 出 の 部 分 に 「 大 東 急 記 念 文 庫 蔵 絵 巻 」 「 京 都 大 学 図 書 館 蔵 奈 良 絵 本 」 な ど と 、 完 全 な 名 称 を し る し て 、 以 下 は 「 大 東 急 本 」 「 京 大 本 」 と 、 略 称 を 用 い た 。 一 、 本 書 の 現 代 語 訳 で は 、 で き る だ け 本 文 の 表 現 に 即 し な が ら 、 し か も 平 易 な 語 句 に お き か え た 。 文 脈 の 通 じ が た い 場 合 に は 、 適 当 に 主 語 な ど を 補 っ た 。 ま た 、 「 言 ふ や う : ・ 言 ふ ー 「 言 ひ け る は : ・ 言 ふ 」 な ど は 、 現 代 の 語 法 と 異 な る の で 、 あ と の 「 言 ふ ー だ け を 残 し た 。 一 、 本 書 の 現 代 語 訳 で は 、 敬 語 の 使 用 は 、 で き る だ け 本 文 に 従 っ た が 、 前 後 の 文 脈 に よ っ て 、 必 要 な も の を 補 っ た 。 一 、 本 文 お よ び 現 代 語 訳 の 検 索 の た め に 、 そ れ ぞ れ 下 段 の 内 側 に 、 数 ベ ー ジ お き に 対 応 す る 。 ヘ ー ジ 数 を し る し た 。 一 、 本 書 の 巻 末 に は 、 付 録 と し て 、 「 昔 話 『 小 さ 子 』 伝 承 一 覧 」 お よ び 「 サ 工 の 神 に 関 す る 近 親 相 姦 の 伝 承 一 覧 」 を 掲 げ た 。 本 書 の 『 一 寸 法 師 』 お よ び 『 和 泉 式 部 』 の 理 解 の た め に も 、 ま た 、 御 伽 草 子 と 民 俗 と の 関 係 の 考 察 の た め に も 、 適 切 な 資 料 と し て 役 だ つ で あ ろ う 。 一 、 本 書 の 刊 行 に あ た っ て 、 市 古 貞 次 博 士 を は じ め 、 東 京 大 学 国 文 学 研 究 室 、 秋 田 県 立 秋 田 図 書 館 、 フ ォ ッ

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こ れ ま で の 研 究 の か ぎ り で は 、 道 命 と 和 泉 式 部 と の 関 係 は 、 確 実 な 史 料 に 即 し て 確 か め ら れ る も の で は な ほ ん ち ょ う つ け げ ん き 、 後 代 の 説 話 を 通 じ て 知 ら れ る も の で あ る 。 『 本 朝 法 華 験 記 』 巻 下 第 八 十 六 話 、 『 今 昔 物 語 集 』 巻 十 一 一 第 三 ど き よ う 集 十 六 話 な ど に よ る と 、 こ の 道 命 と い う 人 物 は 、 読 経 の 名 手 で あ り な が ら 、 破 戒 の 僧 侶 で あ っ た こ と が う か が う ぶ っ し ゅ う 草 わ れ る 。 『 宝 物 集 』 巻 七 に は 、 「 道 命 阿 闍 梨 ハ 泉 式 部 ニ 落 ル 不 浄 ノ 僧 也 シ カ ト モ 、 法 華 経 ヲ 読 誦 ノ 功 徳 ニ ョ リ ず き よ う く ど く テ 、 往 生 ノ 素 懐 ヲ 遂 」 と 記 さ れ て お り 、 か れ の 誦 経 の 功 徳 に よ っ て 、 そ の 女 犯 の 罪 業 を も あ が な っ た よ う に こ じ だ ん 説 か れ て い る 。 『 古 事 談 』 巻 三 や 『 宇 治 拾 遺 物 語 』 な ど に は 、 こ の 道 命 阿 闍 梨 が 、 和 泉 式 部 の も と に と ま っ ね ざ め て 、 寝 覚 の 床 の 中 で 、 法 華 経 の 八 巻 を よ ん で い る と 、 五 条 の サ 工 の 神 が 、 そ の 聴 聞 に あ ら わ れ た と 伝 え ら れ る 。 こ の 二 人 の 情 事 に 、 五 条 の サ 工 の 神 が か か わ り あ う の も 、 か な ら ず し も 偶 然 と は 思 わ れ な い 。 『 本 朝 法 ひ じ り 華 験 記 』 巻 下 第 百 二 十 八 話 、 『 今 昔 物 語 集 』 巻 十 三 第 三 十 四 話 な ど と く ら べ る と 、 聖 の 誦 経 に と も な っ て 、 サ 工 の 神 の 救 済 を 説 く と い う の が 、 当 時 の 説 話 の 型 と し て 認 め ら れ る の で あ る 。 御 伽 草 子 の 『 和 泉 式 部 』 で は 、 サ 工 の 神 と い う 名 は 出 て こ な い が 、 五 条 の 橋 の 捨 て 子 と い う の は 、 や は り 五 条 の サ 工 の 神 か ら 導 か れ た も の で あ ろ う 。 さ ら に 、 近 親 相 姦 と い う 趣 向 も 、 こ の サ 工 の 神 の 信 仰 に よ っ て も た ら さ れ た と 思 わ れ る 。 日 本 の 神 話 の 研 究 で は 、 イ ザ ナ キ ・ イ ザ ナ ミ の 二 神 の 物 語 が 、 東 南 ア ジ ア の 近 親 相 姦 の 神 話 と く ら べ ら れ て き た 。 し か も 、 『 古 事 記 』 上 巻 や 『 日 本 書 紀 』 神 代 巻 で は 、 そ れ ら の 二 神 の 離 別 よ み ど の お お か み つ き た っ ふ な と の か み に あ た っ て 、 「 塞 り 坐 す 黄 泉 戸 大 神 」 「 衝 立 船 戸 神 」 な ど 、 サ 工 の 神 ま た は 道 祖 神 に あ た る も の が あ ら わ れ た と 伝 え ら れ る 。 そ れ ば か り で な く 、 現 行 の 民 俗 の 中 で も 、 サ 工 の 神 や 道 祖 神 の 信 仰 に と も な っ て 、 兄 妺 相 姦 や 父 娘 相 姦 の 伝 承 が 、 す く な か ら ず 認 め ら れ る の で あ る 。 拙 論 の 「 道 祖 神 の 信 仰 と 説 話 」 、 「 日 本 神 話 研 究 と 民 俗 学 」 で は 、 そ の よ う な 伝 承 に 関 す る 資 料 を ま と め て お い た が 、 本 書 の 巻 末 の 一 覧 表 で も 、 そ の 後 の 調 査 さ や ま

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367 解 説 の で は な か っ た 。 そ し て 、 そ れ ら の 作 品 に 求 め ら れ た の は 、 さ ま ざ ま な 教 訓 や 知 識 に ほ か な ら な い 。 そ の た め に 、 い わ ゆ る 御 伽 草 子 を 通 じ て 、 著 し い 教 訓 性 や 啓 蒙 性 が 認 め ら れ る の で あ る 。 参 考 文 献 〇 長 谷 川 福 平 『 古 代 小 説 史 』 ( 明 冨 山 房 ) 〇 平 出 鏗 一 一 郎 『 近 古 小 説 解 題 』 ( 明 肥 大 日 本 図 書 、 昭 名 著 刊 行 会 ) 〇 藤 岡 作 太 郎 『 鎌 倉 室 町 時 代 文 学 史 』 ( 大 4 大 倉 書 店 、 『 藤 岡 作 太 郎 著 作 集 』 第 二 冊 昭 岩 波 書 店 ) 〇 島 津 久 基 『 近 古 小 説 新 纂 』 初 輯 ( 昭 3 中 興 館 ) 〇 柳 田 国 男 『 桃 太 郎 の 誕 生 』 ( 昭 8 ・ 三 省 堂 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 八 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 島 津 久 基 『 義 経 伝 説 と 文 学 』 ( 昭 2 明 治 書 院 、 昭 肥 大 学 堂 書 店 ) 〇 吉 沢 義 則 『 室 町 文 学 史 』 ( 日 本 文 学 全 史 八 昭 ⅱ 東 京 堂 ) 〇 横 山 重 ・ 巨 橋 頼 一 一 一 『 物 語 草 子 目 録 』 前 編 ( 昭 肥 大 岡 山 書 店 、 昭 恥 角 川 書 店 ) 〇 横 山 重 ・ 太 田 武 夫 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 一 、 五 ( 昭 肥 、 大 岡 山 書 店 、 昭 井 上 書 房 ) 〇 野 村 八 良 『 室 町 時 代 小 説 論 』 ( 昭 巌 松 堂 ) 〇 柳 田 国 男 『 昔 話 と 文 学 』 ( 昭 創 元 社 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 六 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 藤 田 徳 太 郎 『 日 本 小 説 史 論 』 ( 昭 Ⅱ 至 文 堂 ) 〇 島 津 久 基 『 国 文 学 の 新 考 察 』 ( 昭 至 文 堂 ) 〇 桑 田 忠 親 『 大 名 と 御 伽 衆 』 ( 昭 貯 青 磁 社 、 昭 有 精 堂 ) 〇 市 古 貞 次 『 未 刊 中 世 小 説 解 題 』 ( 昭 楽 浪 書 院 ) 〇 筑 土 鈴 寛 『 復 古 と 叙 事 詩 』 ( 昭 青 磁 社 、 『 筑 土 鈴 寛 著 作 集 』 第 一 巻 昭 せ り か 書 房 ) 〇 後 藤 丹 治 『 中 世 国 文 学 研 究 』 ( 昭 磯 部 甲 陽 堂 ) 〇 島 津 久 基 『 日 本 国 民 童 話 十 一 一 講 』 ( 昭 四 日 本 書 院 ) 〇 柳 田 国 男 『 物 語 と 語 り 物 』 ( 昭 幻 角 川 書 店 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 七 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 折 ロ 信 夫 『 日 本 文 学 啓 蒙 』 ( 昭 朝 日 新 聞 社 、 『 折 ロ 信 夫 全 集 』 第 十 一 一 巻 昭 中 央 公 論 社 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 』 ( 日 本 文 学 教 養 講 座 昭 % 至 文 堂 ) 〇 林 屋 辰 三 郎 『 中 世 文 化 の 基 調 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 の 研 究 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 藤 井 隆 『 未 刊 御 伽 草 子 集 と 研 究 』 一 、 四 ( 未 刊 国 文 資 料 昭 引 、 未 刊 国 文 資 料 刊 行 会 ) 〇 永 積 安 明 『 中 世 文 学 の 展 望 』 ( 昭 引 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 荒 木 良 雄 『 中 世 文 学 の 形 象 と 発 展 』 ( 昭 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 ) 〇 市 古 貞 次 『 御 伽 草 子 』 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 三 十 八 昭 岩 波 書 店 ) 〇 三 谷 栄 一 『 日 本 文 学 の 民 俗 学 的 研 究 』 ( 昭 肪 有 精 堂 ) 〇 松 本 隆 信 『 室 町 時 代 物 語 類 現 存 本 簡 明 目 録 』 ( 慶 応 義 塾 大 学 斯 道 文 庫 書 誌 叢 刊 一 一 昭 井 上 書 房 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 野 間 光 辰 『 御 伽 草 子 ・ 仮 名 草 子 』 ( 日 本 古 典 鑑 賞 講 座 十 六 昭 角 川 書 店 ) 〇 杉 浦 明 平 『 戦 国 乱 世 の 文 学 』 ( 岩 波 新 書 昭 岩 波 書 店 ) 〇 筑 土 鈴 寛 『 中 世 芸 文 の 研 究 』 ( 昭 有 精 堂 、 『 筑 土 鈴 寛 著 作 集 』 第 三 、 四 巻 昭 引 せ り か 書 房 ) 〇 大 島 建 彦 『 お 伽 草 子 と 民 間 文 芸 』 ( 民 俗 民 芸 叢 書 昭 犯 岩 崎 美 術 社 ) 〇 佐 竹 昭 広 『 下 剋 上 の 文 学 』 ( 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 一 一 一 谷 栄 一 『 古 典 文 学 と 民 俗 』 ( 民 俗 民 芸 叢 書 昭 岩 崎 美 術 社 ) 〇 高 崎 富 士 彦 『 お 伽 草 子 』 ( 日 本 の 美 術 五 十 一 一 昭 恥 至 文 堂 ) 〇 横 山 重 ・ 松 本 隆 信 『 室 町 時 代 物 語 大 成 』 第 一 、 ( 昭 絽 、 角 川 書 店 ) 〇 佐 竹 昭 広 『 民 話 の 思 想 』 ( 昭 平 凡 社 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 大 島 建 彦 『 日 本 の 説 話 』 第 四 巻 ( 昭 東 京 美 術 ) 〇 大 島 建

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御 伽 草 子 集 376 「 怠 惰 と 抵 抗 ー 物 く さ 太 郎 ー 」 ( 『 下 剋 上 の 文 学 』 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 檜 谷 昭 彦 「 浮 世 草 子 の 成 立 と 展 開 ー 物 く さ 太 郎 ・ 瓢 太 郎 ・ 世 之 介 ・ 元 九 郎 ー 」 ( 『 講 座 日 本 文 学 』 第 七 巻 昭 三 省 堂 ) 〇 渡 辺 昭 五 「 物 く さ 太 郎 の 種 姓 」 ( 『 札 幌 大 学 紀 要 』 一 号 ) 〇 嶋 津 泰 雄 「 寝 太 郎 か ら 物 く さ 太 郎 へ 」 ( 『 駒 沢 国 文 』 一 一 号 ) 〇 信 多 純 一 「 夢 想 『 物 く さ 太 郎 』 論 」 ( 『 谷 山 茂 教 授 退 職 記 念 国 語 国 文 学 論 集 』 昭 町 塙 書 房 ) 〇 桜 井 好 朗 「 下 剋 上 と 神 々 ー 物 く さ 太 郎 考 ー 」 ( 『 中 世 日 本 の 精 神 史 的 景 観 』 昭 四 塙 書 房 ) 〇 小 松 和 彦 「 『 物 く さ 太 郎 』 の 構 造 論 的 考 察 」 ( 『 民 族 学 研 究 』 三 十 九 巻 一 一 号 ) 〇 小 松 和 彦 「 『 物 く さ 太 郎 』 に み る 笑 い と ユ ー モ ア 」 ( 『 神 々 の 精 神 史 』 昭 伝 統 と 現 代 社 ) 〇 浅 見 和 彦 「 『 物 く さ 太 郎 』 の 歌 よ り 」 ( 『 成 蹊 国 文 』 十 号 ) 〇 大 島 建 彦 「 お 伽 草 子 と こ と ば 遊 び 」 ( 『 国 文 学 』 一 一 十 一 一 巻 十 六 号 ) 〇 美 濃 部 重 克 「 『 物 草 太 郎 』 の ロ 承 的 仕 組 み 小 考 」 ( 『 論 纂 説 話 と 説 話 文 学 』 昭 笠 間 書 院 ) 〇 三 木 紀 人 「 新 し い 神 の 誕 生 ー 物 く さ 太 郎 の 変 身 ー 」 ( 『 国 文 学 解 釈 と 鑑 賞 』 三 十 九 巻 一 号 ) た か ふ じ き よ み ず 五 条 の 右 大 臣 高 藤 は 、 清 水 の 観 音 に 願 っ て 、 玉 若 と い う 若 君 を 授 け ら れ た 。 こ の 若 君 は 、 笛 ん ぞ ん お う 梵 天 国 の 徳 に よ っ て 、 梵 天 王 の 姫 君 を め と り 、 妻 の 助 け に よ っ て 、 天 皇 の 難 題 を は た し た 。 し か し 、 ら せ つ こ く 梵 天 国 の 王 宮 に 参 っ て 、 羅 刹 国 の 王 を 助 け た た め に 、 最 愛 の 妻 を 奪 わ れ た 。 そ こ で 、 羅 刹 国 の 王 宮 を お と ず も ん じ ゅ な り あ い く せ の と れ 、 そ の 妻 と 連 れ だ っ て 、 よ う や く 故 国 に 逃 げ か え っ た 。 や が て 、 夫 は 久 世 戸 の 文 殊 、 妻 は 成 相 の 観 音 と あ ら わ れ た と い う も の で 、 や は り 本 地 物 の 形 式 で 結 ば れ て い る 。 あ ま は し だ て ち お ん じ 京 都 府 宮 津 市 の 天 の 橋 立 に は 、 智 恩 寺 と 成 相 寺 と い う 二 寺 が あ っ て 、 そ れ ぞ れ 文 殊 と 観 音 と の 霊 場 と し て 知 ら れ て い る 。 神 谷 吉 行 氏 の 「 御 伽 草 子 『 梵 天 国 』 成 立 試 論 」 で は 、 こ の 草 子 の 成 立 の 背 景 を さ ぐ っ て 、 清 こ じ よ う る り じ よ う か い こ ・ し 水 寺 と 成 相 寺 な ど と の 関 連 に も ふ れ て い る 。 そ れ に よ る と 、 古 浄 瑠 璃 の 『 梵 天 国 』 の 主 人 公 は 、 浄 快 居 士 と 名 の っ て 、 諸 国 の 遍 歴 に 出 て い っ た と い う が 、 そ の よ う な 説 経 の 徒 輩 が 、 清 水 寺 の 周 辺 に 集 っ て 、 成 相 寺 の 方 面 に も 流 れ て い た と 説 か れ て い る 。 柳 田 国 男 氏 の 『 昔 話 と 文 学 』 で は 、 御 伽 草 子 の 『 梵 天 国 』 と い う の は 、 「 笛 吹 き 聟 」 の 昔 話 を う っ し た も た ま わ か

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一 ひ と と お り で な く 。 非 常 に と 吹 き 給 ふ な り 。 大 王 、 つ く づ く と 聞 き 給 ひ て 、 な の め な ら ず 喜 び 、 「 さ て も 、 ニ あ あ 殊 勝 な 。 き ど く 三 古 梓 堂 本 に 「 師 弟 、 し う / \ 、 奇 特 に 鳴 ら す も の か な 。 よ き に く わ ん き ょ は 、 こ れ ま で 渡 り た り 。 三 百 年 以 前 ふ し 、 ふ う ふ は 、 三 世 の き ゑ ん と ( 絵 ) あ し は ら こ く 草 に 、 葦 原 国 よ り 渡 り 、 た ち ま ち 道 に て 命 を 失 ふ 者 の あ る が 、 な ん ち は 、 こ れ ま う け た ま は る 。 弟 子 に な ら ん と て 伽 来 る 事 、 け ふ の ゑ し き に し た け れ き た 御 で 、 難 な う 来 る 不 思 議 さ よ 。 望 み の あ り て 来 り け る か 。 隠 さ ず 申 せ 」 と あ り し と も 、 師 弟 の け い や く と な の る う へ 、 七 し ゃ う の ち き り な る と い ふ 。 ざ う し だ い り だ い に ち ひ や う か ば 、 御 曹 子 き こ し め し 、 「 恐 れ が ま し き こ と な れ ど も 、 こ の 内 裏 に 大 日 の 兵 一 字 千 金 に か ( し と う け 給 は る 。 こ れ に よ り て 、 し し ゃ う の お ん は う け た ま は な さ け 法 の ま し ま す よ し 承 り 及 び 、 こ れ ま で 参 り て 候 ふ な り 。 御 情 に 、 御 伝 へ あ り 七 百 さ い と と か れ た り 」 と あ る 。 四 『 義 経 記 』 巻 六 な ど に 「 師 弟 は て 給 は り 候 へ か し 」 と の た ま へ ば 、 大 王 き こ し め し 、 「 あ ら や さ し の く わ ん き 三 世 の 契 り 」 と あ る が 、 「 七 生 の 契 四 り 」 と い う の は ほ か に 見 ら れ な い 。 き た し ち し ゃ う ち ぎ 一 字 が 千 金 の 値 を も つ 。 師 の よ が こ こ ろ ざ し ゃ 。 難 な く こ れ ま で 来 り 、 師 弟 の 契 約 と 名 の る ぞ や 。 七 生 の 契 五 恩 の 厚 い こ と の た と え 。 『 童 子 教 』 い ち じ せ ん き ん こ と わ り し し ゃ う み り な り 。 一 字 千 金 の 理 、 師 匠 の 恩 は 七 百 歳 と 説 か れ た り 。 さ れ ば 、 御 身 渡 り て 、 に 「 一 日 一 字 ヲ 学 プ 、 三 百 六 + 字 、 一 字 千 金 ニ 当 リ 、 一 点 他 生 ヲ 助 ク 、 あ ん な い お か ぜ 河 の 案 内 知 り た る ら ん 。 そ の 河 を ば 、 か ん ふ う 河 と 申 す な り 。 水 の 底 よ り 大 風 一 日 ノ 師 疎 カ ラ ズ 、 況 ャ 数 年 ノ 師 ヲ ヤ 、 師 ハ 三 世 ノ 契 」 と あ る 吹 き 、 白 波 た ち て 、 葦 原 国 の 氷 に 百 千 ま さ り つ め た か る ら ん 。 そ の 河 に て 、 朝 六 出 典 末 詳 。 七 「 寒 風 河 」 か 。 こ り ・ し ゃ う じ ん 三 百 三 十 三 度 、 タ に 三 百 三 十 度 垢 離 を と り 、 三 年 三 月 精 進 を し て 、 八 月 十 五 日 八 身 を 清 め て 心 を 慎 む こ と 。 あ た ご 九 愛 宕 山 ( 京 都 市 右 京 区 ) の 天 狗 だ い て ん ぐ た ら う ば う ま き に 一 度 習 ふ 大 事 な り 。 葦 原 国 の 大 天 狗 太 郎 坊 も 、 わ が 弟 子 な り 。 四 十 二 巻 の 巻 太 郎 坊 。 謡 曲 『 善 界 』 『 車 僧 』 『 花 月 』 や 御 伽 草 子 『 天 狗 の 内 裏 』 な ど お こ な も の さ う ぞ ん に 現 れ る 。 天 狗 は 、 深 山 に す ん で 、 物 を 相 伝 せ ん と 申 せ し が 、 や う や う に 二 十 一 巻 、 い の 法 ま で 行 ひ て 、 そ れ よ り ふ ど だ い わ う 0 0

完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


ば 、 さ て さ て 不 便 と お ぼ し め し 、 「 い た だ き た る 鉢 を 取 り の け て と ら せ よ 」 と て 、 み な み な 寄 り て 取 り け れ ど も 、 し か と 吸 ひ っ き て 、 な か な か 取 る べ き ゃ う ( 絵 ) 草 も な し 。 こ れ を 人 々 御 覧 じ て 、 「 い か な る く せ も の ぞ や 」 と て 笑 ひ け る 。 ・ 御 ち ゅ う じ ゃ う ど の 中 将 殿 は 御 覧 じ て 、 「 鉢 か づ き は い づ く へ ぞ 」 と の た ま へ ば 、 「 い づ く と も さ か た し て 行 く べ き 方 も な し 。 母 に 離 れ 候 う け つ く か た は て 、 結 句 、 か か る 片 端 さ へ つ き 候 へ ば 、 見 る 人 ご と に お ぢ 恐 れ 、 憎 が る 人 は 候 へ ど も 、 あ は れ む 人 は な し 」 と 申 し け れ ば 、 中 将 殿 き こ し め し て 、 「 人 の も と に は 不 思 議 な る 者 の あ る も 、 よ き も の に て 候 ふ 」 と の た ま へ ば 、 仰 せ に 従 ひ て 置 か れ け る 。 さ て 、 「 身 の 能 は 何 そ 」 と の た ま ひ け れ ば 、 「 何 と 申 す べ き ゃ う も な し 。 ふ び ん 四 の う お は ち 一 か わ い そ う な こ と 。 ニ 普 通 と 異 な る も の 。 怪 物 三 そ の あ げ く 。 と う と う 。 四 身 に つ け た わ ざ 。 得 意 の 技 芸 。 五 日 本 古 来 の 絃 楽 器 。 六 絃 の 琴 。 六 雅 楽 の 管 楽 器 の 一 。 木 製 の 壺 の 環 状 に 十 七 本 の 竹 管 を 立 て て 、 し た る 下 端 に 金 属 製 の 簧 を つ け た も の 。 す 七 雅 楽 の 管 楽 器 の 一 。 長 さ 約 一 ろ 八 弩 の 竹 管 に 表 七 、 裏 二 の 穴 を あ を け 、 上 端 に 蘆 製 の 簧 を さ し た も の 。 鉢 〈 『 妙 法 蓮 華 経 』 の 略 。 八 巻 一 一 十 の 八 品 。 大 乗 経 典 を 代 表 す る も の 。 九 人 浴 す る 所 。 浴 室 。 鉢 一 0 時 勢 に 従 っ て 身 を 処 す る の が 世 の な ら い で あ る 。 う イ か わ の = 『 姥 皮 』 型 の 昔 話 の 主 人 公 は 、 姿 子 姥 皮 を 着 て 老 婆 の 姿 と な り 、 多 く 烏 火 焚 き の 仗 を つ と め る 。 一 ニ 一 夜 を 五 つ に 分 け て 、 戌 の 刻 = ( 午 後 八 時 ) を 初 更 、 亥 の 刻 ( 十 時 ) の を 二 更 、 子 の 刻 ( 十 一 一 時 ) を 三 更 、 と ら 中 丑 の 刻 ( 午 前 一 一 時 ) を 四 更 、 寅 の 刻 の ( 四 時 ) を 五 更 と い う 。 姿 衣 一 三 「 ふ し 」 は 「 竹 」 の 縁 語 。 「 臥 し 」 直 に 竹 の 「 節 」 を か け る 。 「 臥 し 倒 れ 冠 た る 」 の 「 ふ し 」 も 同 じ 。 い ぬ