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検索対象: 完訳 日本の古典 第二十巻 源氏物語 ㈦

完訳 日本の古典 第二十巻 源氏物語 ㈦から 415件ヒットしました。

完訳 日本の古典 第二十巻 源氏物語 ㈦


完 訳 日 本 の 古 典 20 源 氏 物 語 七 阿 部 秋 生 ・ 秋 山 虔 ・ 今 井 源 衛 ・ 鈴 木 日 出 男 校 注 ・ 訳 0 ′ ク 0 0 0 小 学 館

完訳 日本の古典 第二十巻 源氏物語 ㈦


完 訳 日 本 の 古 典 第 二 十 巻 源 氏 物 囮 昭 和 年 5 月 引 日 初 版 発 行 定 価 一 七 〇 〇 円 阿 部 秋 生 秋 山 虔 校 注 ・ 訳 者 今 井 源 衛 鈴 木 日 出 男 発 行 者 相 賀 徹 夫 印 刷 所 凸 版 印 刷 株 式 会 社 発 行 所 株 式 会 社 小 学 館 〒 期 東 京 都 千 代 田 区 一 ッ 橋 一 一 ー 三 ー 振 替 口 座 東 京 八 ー 二 〇 〇 番 電 話 編 集 ( 〇 三 ) 二 九 二 ー 四 七 六 三 製 作 ( 〇 三 ) 二 三 〇 ー 五 三 三 三 販 売 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 七 三 九 ・ 造 本 に は 十 分 注 意 し て お り ま す が 、 万 一 、 落 丁 ・ 乱 丁 な ど の 不 良 品 が あ り ま し た ら お と り か え い た し ま す 。 ・ 本 書 の 一 部 あ る い は 全 部 を 、 無 断 で 複 写 複 製 ( コ ピ ー ) す る こ と は 、 法 律 で 認 め ら れ た 場 合 を 除 き 、 著 作 者 お よ び 出 版 者 の 権 利 の 侵 害 と な り ま す 。 あ ら か じ め 小 社 あ て 許 諾 を 求 め て く だ さ い 。 Printed in Japan ( 著 者 検 印 は 省 略 A. Abe. K. Akiyama G. lmai H. Suzuki い た し ま し た ) ISBN4 ・ 09 ・ 556020 ・ 7 1987

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方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) 国 古 事 記 国 と は ず ・ が た り ・ ロ 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 成 城 大 学 ) 圄 ー 萬 葉 集 7 武 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 囮 回 宇 治 拾 遺 物 語 圄 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 回 日 本 霊 異 記 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) 国 ー 囮 平 家 物 語 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 回 古 今 和 歌 集 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 佐 藤 喜 久 雄 ( 学 習 院 大 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 回 竹 取 物 語 謡 曲 集 ロ 風 姿 花 伝 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) 画 伊 勢 物 語 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) 北 川 忠 彦 ( 京 都 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 囮 狂 言 集 土 佐 日 記 国 御 伽 草 子 集 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 回 蜻 蛉 日 記 好 色 一 代 男 康 隆 ( 早 稲 田 大 学 ) 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 回 回 枕 草 子 冒 好 色 五 人 女 阿 部 秋 生 ( 東 京 大 学 ) 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 梅 光 女 学 院 大 学 ) 国 回 ー 四 源 氏 物 語 7 田 秋 山 虔 ( 東 京 女 子 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 東 京 大 学 ) 好 色 一 代 女 和 泉 式 部 日 記 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 區 日 本 永 代 蔵 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 万 の 文 反 古 更 級 日 記 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 世 間 胸 算 用 鈴 木 一 雄 ( 明 治 大 学 ) 3 夜 の 寝 覚 井 本 農 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 図 芭 蕉 句 集 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 国 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 は 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 無 名 草 子 囮 近 松 門 左 術 門 集 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 橋 健 一 ズ 岐 阜 女 子 大 学 ) 四 大 鏡 冒 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 今 昔 物 語 集 7 周 馬 淵 和 夫 ( 中 央 大 学 ) 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ ー 国 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 雨 月 物 春 雨 物 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 外 村 南 都 子 ( 白 百 合 女 子 大 学 ) 国 国 梁 塵 秘 抄 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 黯 理 一 ( 成 城 大 学 ) 国 国 新 古 今 和 歌 集 冒 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) 〕 〔 一 古 典 詞 華 集 冒 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 松 田 成 摠 ( 金 城 学 院 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 丸 山 一 彦 ( 宇 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

完訳 日本の古典 第二十巻 源氏物語 ㈦


付 録 引 歌 一 覧 : 各 巻 の 系 図 : 図 録 : 官 位 相 当 表 : ロ 絵 目 次 源 氏 物 語 絵 巻 / 横 笛 源 氏 物 語 絵 巻 / 柏 木 : ・ 源 氏 物 語 絵 巻 / 御 法 ・ 〈 装 丁 〉 中 野 博 之 ・ : 三 八 五 ・ : 四 0 七 ・ : 四 一 三

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付 録 引 歌 一 覧 : 各 巻 の 系 図 : 図 録 : 官 位 相 当 表 : ロ 絵 目 次 源 氏 物 語 絵 巻 / 横 笛 源 氏 物 語 絵 巻 / 柏 木 : ・ 源 氏 物 語 絵 巻 / 御 法 ・ 〈 装 丁 〉 中 野 博 之 ・ : 三 八 五 ・ : 四 0 七 ・ : 四 一 三

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源 氏 物 語 218 一 九 月 九 日 の 重 陽 の 節 句 。 真 綿 と 、 書 き 添 へ た ま ふ 。 で 菊 の 花 を 被 い 、 花 の 露 に 濡 れ た 綿 で 体 を ぬ ぐ う と 老 い を 除 き う る 九 月 に な り て 、 九 日 、 綿 お ほ ひ た る 菊 を 御 覧 じ て 、 〔 一 巴 九 月 九 日 、 延 命 長 と 信 じ ら れ た 。 長 寿 を 祈 る 行 事 。 た も と 寿 を 祈 る 被 綿 に 涙 す る 源 氏 も ろ と も に お き ゐ し 菊 の 朝 露 も ひ と り 袂 に か か る ニ 「 も ろ と も に 」 は 紫 の 上 と い っ し ょ に 。 「 置 き 」 「 起 き 」 の 掛 詞 。 「 朝 露 」 は 、 長 寿 の 祝 儀 と は 裏 腹 に 秋 か な う し な 紫 の 上 を 喪 っ た 後 の 老 い の 涙 を 暗 し ぐ れ 神 無 月 は 、 お ほ か た も 時 雨 が ち な る こ ろ 、 い と ど な が め た 示 。 「 も ろ と も に お き ゐ し 秋 の 露 〔 一 五 〕 秋 、 雁 に よ せ て 亡 ゆ く え ば か り か か ら む も の と 思 ひ か け き き 魂 の 行 方 を 思 う や 」 ( 後 撰 ・ 哀 傷 玄 上 朝 臣 女 ) 。 ま ひ て 、 夕 暮 の 空 の け し き に も 、 え も 言 は ぬ 心 細 さ に 、 三 神 無 月 ( 十 月 ) か ら は 冬 。 た だ く も ゐ か り つ ば さ 源 氏 「 降 り し か ど 」 と 独 り ご ち お は す 。 雲 居 を わ た る 雁 の 翼 も 、 う ら や ま し く で さ え 時 雨 に 濡 れ が ち な 時 季 な の で 、 源 氏 は い よ い よ 悲 涙 に 濡 れ る 。 四 夕 暮 は 人 恋 う 時 刻 ま も ら れ た ま ふ 。 五 ↓ 葵 一 二 七 ハ ー 注 一 九 の 歌 。 六 雁 は 常 世 の 使 者 。 そ れ ゆ え 紫 源 氏 大 空 を か よ ふ ま ば ろ し 夢 に だ に 見 え こ ぬ 魂 の 行 く 方 た づ ね よ の 上 に も 逢 え る か と 思 う と 、 雁 が う ら や ま し い 。 一 説 に 、 翼 を 並 べ 何 ご と に つ け て も 、 紛 れ ず の み 月 日 に そ へ て 思 さ る 。 て 飛 ぶ 姿 が う ら や ま し い ご せ ち 五 節 な ど い ひ て 、 世 の 中 そ こ は か と な く い ま め か し げ な る セ 「 ま ば ろ し 」 は 幻 術 士 。 紫 の 上 〔 一 六 〕 五 節 に 華 や ぐ 人 を の 魂 を 捜 し て ほ し い 意 。 ↓ 桐 壺 田 わ ら は て ん じ ゃ う 見 、 何 の 感 興 も 覚 え ず 二 七 ハ ー 注 一 一 三 。 幻 の 巻 名 の ゆ え ん 。 こ ろ 、 大 将 殿 の 君 た ち 、 童 殿 上 し た ま ひ て 参 り た ま へ り 。 ^ 新 嘗 祭 で の 少 女 楽 。 十 一 月 中 ふ た り 同 じ ほ ど に て 、 二 人 い と う つ く し き さ ま な り 。 御 叔 父 の 頭 中 将 、 蔵 人 少 将 な ど の 丑 ・ 寅 ・ 卯 ・ 辰 の 日 。 特 に 辰 の と よ の あ か り せ ち え 日 は 豊 明 の 節 会 で 、 天 覧 に 供 す る 。 を み あ を ず り ↓ 少 女 一 二 六 ハ ー 注 一 = 。 小 忌 に て 、 青 摺 の 姿 ど も 、 清 げ に め や す く て 、 み な う ち つ づ き も て か し づ き っ ( 現 代 語 訳 三 六 五 ハ ー ) 五 き せ わ た か む な づ き 四 を た ま ゆ へ

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と て も 幾 世 か は 経 べ き 」 ( 一 九 〇 ハ ー 五 行 ) と あ り 、 さ ら に ら れ な か っ た 。 袖 を し が ら み に し て せ き と め よ う と し た け れ ど 。 「 後 れ 先 だ つ ほ ど な き 世 な り け り や 」 ( 一 九 二 ハ ー 一 二 行 ) と あ っ て 、 互 い に ひ び き あ っ て い る 。 「 し が ら み 」 は 、 流 れ を せ き と め る た め の 、 竹 や 木 の 枝 を 語 い な せ と も 言 ひ は な た れ ず 憂 き も の は 身 を 心 と か ら ま せ た 杭 。 「 袖 の し が ら み 」 は 和 歌 的 な 表 現 。 物 語 で 物 ( 後 撰 ・ 恋 五 ・ 九 一 穴 伊 勢 ) は 、 源 氏 の 悲 嘆 の 涙 が 抑 え が た く 、 と め ど な く 流 れ る さ ま 氏 も せ ぬ 世 な り け り 源 承 知 と も 不 承 知 と も は っ き り 言 い き れ る も の で は な い 。 つ ら を し , つ 。 す み ぞ め い の は 、 身 を 心 の ま ま 律 し え な い 世 の 中 と い う も の だ っ た 。 ワ 0 1 墨 染 の 君 が 袂 は 雲 な れ や 絶 え ず 涙 の 雨 と の み 降 る 「 い な せ 」 は 承 知 不 承 知 。 物 語 で は 、 源 氏 が 紫 の 上 と 死 別 ( 古 今 ・ 哀 傷 ・ 会 三 壬 生 忠 岑 ) し た 悲 し み の あ ま り 、 出 家 さ え も ま ま な ら ぬ 、 と す る 行 文 あ な た の 墨 染 の 衣 の 袖 は 黒 雲 な の だ ろ う か 。 い つ も 涙 が 雨 と に 「 身 を 、 い に ま か せ ぬ 嘆 き 」 と あ る 。 ば か り に 降 っ て い る の だ か ら 。 ・ ・ 5 わ び つ つ も 昨 日 ば か り は 過 ぐ し て き 今 日 や わ が 詞 書 に よ れ ば 、 喪 に 服 す 人 を 弔 問 し た 歌 。 涙 を 雨 に 見 立 て 身 の 限 り な る ら む ( 拾 遺 ・ 恋 一 ・ 六 九 四 読 人 し ら ず ) た 表 現 。 物 語 は 、 こ の 歌 に よ っ て 、 こ こ で も 源 氏 の と め ど つ ら く 困 り 困 り し な が ら も 昨 日 ま で は ど う に か 過 し て き た 。 な い 悲 し み の 涙 を か た ど る 。 し づ ご こ ろ 0 今 日 と い う 今 日 は 生 命 の 限 り と な る の で あ ろ う か 。 ワ 0 1 ひ さ か た の 光 の ど け き 春 の 日 に 静 心 な く 花 の 散 こ の 歌 の 「 わ が 身 の 限 り 」 は 生 命 の 限 り 。 物 語 に は 、 源 氏 る ら む ( 古 今 ・ 春 下 ・ 会 紀 友 則 ) が 「 今 日 や と の み 、 わ が 身 も ・ : 」 と あ り 、 今 日 を 限 り に 出 日 の 光 が の ど か に 照 っ て い る 春 の 日 な の に 、 落 ち 着 い た 心 も 家 し よ う 、 の 意 に な っ て い る 。 し か し 実 際 に は 、 容 易 に 出 な い の で 桜 の 花 が 散 っ て い る の で あ ろ う 。 家 で き な い と す る 。 「 ひ さ か た の 」 は 、 略 さ れ た 「 日 」 に か か る 枕 詞 。 落 花 を 擬 人 的 に 表 現 し た 。 物 語 に は 、 「 静 心 な く 」 と し か な い が 、 幻 春 の 人 、 紫 の 上 を 喪 っ た 源 氏 が 、 こ の 歌 の よ う に 、 春 の 陽 そ で ・ ・ 8 涙 川 落 つ る 水 上 は や け れ ば せ き そ か ね つ る 袖 の 光 の な か で 憂 愁 の 思 い を 深 め て い く 。 1 し が ら み ( 拾 遺 ・ 恋 四 人 七 六 紀 貫 之 ) 飛 ぶ 鳥 の 声 も 聞 こ え ぬ 奥 山 の 深 き 心 を 人 は 知 ら 涙 の 川 は 、 そ の 流 れ 落 ち る 上 流 が 急 な の で 、 と て も せ き と め な む ( 古 今 ・ 恋 一 ・ 吾 一 五 読 人 し ら す ) み な か み た も と

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の 山 に も と ど め て お け そ う だ が 、 、 い の ほ う は 野 に も 山 に も 迷 柏 木 い 出 て い き そ う で あ る 。 ・ Ⅱ ・ 8 大 方 の 我 が 身 一 つ の 憂 き か ら に な べ て の 世 を も 出 家 し て も 、 風 流 に 執 す る 心 は 抑 え が た い と す る 歌 。 同 じ ( 拾 遺 ・ 恋 五 ・ 九 五 三 紀 貫 之 ) 恨 み つ る か な 作 者 の 類 想 歌 と し て 、 「 い つ ま で か 野 辺 に 心 の あ く が れ む お お む ね わ が 身 一 つ が つ ら く 思 わ れ る ば っ か り に 、 す べ て の 花 し 散 ら ず は 千 代 も 経 ぬ べ し 」 ( 古 今 ・ 春 下 ・ 突 ) が あ り 、 『 河 か い し よ う 世 の 中 を も 恨 ん で し ま う こ と で あ る よ 。 海 抄 』 な ど は こ れ を も 掲 げ て い る 。 物 語 で は 、 柏 木 の 出 家 ほ だ し 願 望 と そ の 絆 を 語 る 「 野 山 に も あ く が れ む 道 の 重 き 絆 な る 『 後 撰 集 』 ( 雑 三 ・ 一 = 三 三 ) に は 類 歌 と し て 、 初 句 「 飛 鳥 川 」 、 べ く 」 の 叙 述 に 、 次 項 の 和 歌 と と も に 引 か れ て い る 。 こ の 第 三 句 「 淵 瀬 ゅ ゑ 」 の 異 同 の あ る 歌 ( 読 人 し ら ず ) が あ る 。 物 語 で は 、 「 な べ て の 世 の 中 す さ ま じ う 思 ひ な り て 」 の 、 歌 を ふ ま え て 「 野 山 に も あ く が れ む 道 」 と あ る だ け に 、 出 え ん せ い 柏 木 の 厭 世 観 を 語 る 叙 述 に 引 か れ て い る が 、 そ れ に 先 立 っ 家 は 自 ら の 魂 の あ こ が れ を 志 向 し て い る と い え よ う か 。 次 「 一 つ 二 つ の ふ し ご と に 、 身 を 思 ひ お と し て し こ な た 」 に 項 参 照 1 ム . 0 11 1 世 の 憂 き め 見 え ぬ 山 路 へ 入 ら む に は 思 ふ 人 こ そ 覧 も ひ び き あ っ て い る 。 古 来 「 一 つ 二 つ 」 が 何 を さ す か 問 題 ・ も の の べ の よ し な ほ だ し な り け れ ( 古 今 ・ 雑 下 ・ 九 五 五 物 部 吉 名 ) 一 と な っ て き た が 、 こ う し た 引 歌 に よ る 和 歌 的 な 表 現 で あ る 歌 世 の 中 の つ ら さ に あ わ ず に す む 山 の 中 に 入 ろ う と す る と 、 捨 点 に 注 意 し た い 。 て が た く 思 う 人 が 修 行 の 妨 げ に な る も の だ っ た 。 1 ・ 1 い づ く に か 世 を ば 厭 は む 、 い こ そ 野 に も 山 に も ま ( 古 今 ・ 雑 下 ・ 九 四 七 素 性 法 師 ) ど ふ べ ら な れ 前 出 ( ↓ 賢 木 三 八 七 ハ ー 上 段 な ど ) 。 物 語 で は 前 項 の 和 歌 と と ど こ に 世 を 厭 う て 出 家 し た ら い い の だ ろ う か 。 体 な ら 一 箇 所 も に 、 柏 木 の 出 家 願 望 と そ の 絆 を 語 る 叙 述 に 引 か れ て い る 。 引 歌 一 覧 、 こ の 「 引 歌 一 覧 」 は 、 本 巻 ( 柏 木 ~ 幻 ) の 本 文 中 に ふ ま え ら れ て い る 歌 ( 引 歌 ) で 、 脚 注 欄 に 掲 示 し た 歌 を ま と め た も の で あ る 。 一 、 掲 出 の 仕 方 は 、 は じ め に 、 引 歌 表 現 と み ら れ る 本 文 部 分 の ペ ー ジ 数 と 行 数 を あ げ 、 そ の 引 歌 お よ び 出 典 を 示 し 、 以 下 、 行 を 改 め て 、 歌 の 現 代 語 訳 と 解 説 を 付 し た 。 へ か

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花 が 咲 い て は す ぐ に 散 っ て し ま う の を 気 づ か う 物 思 い も な い 飛 ぶ 鳥 の 声 も 聞 え な い 奥 山 が 奥 深 い よ う に 、 私 の 心 の 奥 深 い の で あ る 。 と こ ろ に 秘 め た 思 い を 、 あ の 人 に 知 っ て も ら い た い も の だ 。 前 出 ( ↓ 若 菜 上 囹 四 〇 三 ハ ー 下 段 ) 。 物 語 で は 、 出 家 を 願 望 す る 前 出 ( ↓ 須 磨 3 三 五 二 ハ ー 上 段 ) 。 物 語 で は 、 前 項 の 源 氏 の 引 歌 源 氏 の 心 を か た ど る 。 な お 、 春 の 花 々 を 叙 述 す る 行 文 の な 表 現 に よ る 言 葉 に 対 し て 、 女 三 の 宮 が 「 谷 に は 春 も 」 と 応 ず る 。 宮 自 身 は 、 自 分 が 出 家 の 身 だ か ら 春 の は な や か さ も か で 、 「 鳥 の 音 」 と い う 語 句 が 花 に 照 応 し あ っ て い る 。 そ で ・ 朋 ・ 5 大 空 に 覆 ふ ば か り の 袖 も が な 春 咲 く 花 を 風 に ま 無 関 係 、 と 率 直 に 言 っ た つ も り で も 、 源 氏 に は 、 も と の 歌 ( 後 撰 ・ 春 中 ・ 六 四 読 人 し ら ず ) か せ じ に 「 物 思 ひ も な し 」 と あ る と こ ろ か ら 、 皮 肉 と も 無 神 経 と 大 空 に 対 し て 地 上 を す つ ば り 覆 う く ら い の 巨 大 な 袖 が ほ し い 。 も 聞 え る 。 「 言 し も こ そ あ れ 」 と 、 彼 女 を 疎 ま し く 思 う ゆ え ん で あ る 。 春 に 咲 く 花 を 風 の 思 う ま ま に 散 ら す こ と は さ せ ま い す み ぞ め 0 0 深 草 の 野 辺 の 桜 し 心 あ ら ば 今 年 ば か り は 墨 染 に 前 出 ( ↓ 澪 標 3 三 六 四 ハ ー 上 段 ) 。 物 語 で は 、 桜 花 を は か な く 散 ・ き ち ・ よ ろ ′ に お う み や か む つ け の み わ お ( 古 今 ・ 哀 傷 人 三 一 一 上 野 岑 雄 ) ら す ま い と す る 幼 い 匂 宮 が 、 木 の 周 囲 に 几 帳 を め ぐ ら す の 咲 け 前 出 ( ↓ 三 八 八 ハ ー 下 段 ) 。 物 語 で は 、 紫 の 上 と の 死 別 に 悲 嘆 を 思 い つ い た と こ ろ か ら 、 源 氏 が こ の 歌 を 想 起 す る 。 0 ・ ワ 色 も 香 も 昔 の 濃 さ に に ほ へ ど も 植 ゑ け む 人 の 影 し き っ て い る 源 氏 が 、 明 石 の 君 を 相 手 に 、 か っ て の 藤 壺 と ( 古 今 ・ 哀 傷 ・ 会 一 紀 貫 之 ) ぞ 恋 し き の 死 別 を 想 起 し て 、 そ の 時 も 「 心 あ ら ば 」 と 思 っ た も の だ 梅 の 色 も 香 も 昔 と 同 じ 美 し さ に 咲 き 輝 い て い る け れ ど 、 こ の と 語 る 。 外 界 の 春 の 彩 り の な か で 、 源 氏 の 胸 中 に は 藤 壺 と い え あ る じ 木 を 植 え た と い う 亡 き 家 主 の 面 影 こ そ 恋 し い 紫 の 上 が 二 重 映 し と な り 、 い よ い よ 悲 傷 が 深 ま っ て い く 。 は な た ち ば な な . 4 色 か へ ぬ 花 橘 に ほ と と ぎ す 千 代 を 馴 ら せ る 声 聞 詞 書 に よ れ ば 、 主 の 亡 く な っ た 家 の 梅 の 花 を 見 て 詠 ん だ 歌 。 ・ 9 乙 1 こ ゅ な り ( 後 撰 ・ 夏 ・ 一 会 読 人 し ら ず ) 覧 物 語 で は 、 源 氏 の 女 三 の 宮 へ の 言 葉 の 一 節 で 、 春 を 好 ん だ 色 を 変 え る こ と な く 毎 年 同 じ よ う に 咲 く 花 橘 の も と で 、 ほ と 一 紫 の 上 を 追 懐 し て 、 「 植 ゑ し 人 な き 春 」 な の に 、 遠 慮 も な 歌 と ぎ す の 、 千 代 に わ た っ て 長 く 鳴 き 馴 れ て い る 声 が 聞 え て く 、 と す る 。 く は な や か に 咲 き に お う 春 が 疎 ま し い る 。 ・ 朋 ・ 4 光 な き 谷 に は 春 も よ そ な れ ば 咲 き て と く 散 る 物 さ み だ れ き ょ は ら の ふ か や ぶ ( 古 今 ・ 雑 下 ・ 突 セ 清 原 深 養 父 ) 物 語 で は 、 五 月 雨 の こ ろ 、 花 橘 が 咲 き 薫 る の で 、 当 然 ほ と 思 ひ も な し 日 の 光 の 当 ら な い こ の 谷 で は 、 春 な ど 他 人 事 で し か な い の で 、 と ぎ す の 「 千 代 を な ら せ る 声 」 が 待 た れ る と す る 。 「 花 橘 」 お ほ

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て よ い も の だ ろ う か 。 こ お ろ ぎ の 鳴 く な か で 、 夕 日 を 浴 び た な ど で は 、 「 人 の 身 も な ら は じ も の を 今 ま で に か く て も 経 や ま と な で し こ 大 和 撫 子 の 花 を 。 ぬ る も の に そ あ り け る 」 ( 出 典 末 詳 ) を 掲 げ る 。 「 き り ぎ り す 」 は 今 の こ お ろ ぎ 。 物 語 で は 、 悲 嘆 の 源 氏 が 、 ・ ・ 3 も ろ と も に お き ゐ し 秋 の 露 ば か り か か ら む も の ( 後 撰 ・ 哀 傷 ・ 一 四 0 九 玄 上 朝 臣 女 ) タ 映 え の 撫 子 に い っ そ う 悲 し み を 深 め る と い う 表 現 。 こ の と 思 ひ か け き や ひ ぐ ら し 亡 き 東 宮 の 御 在 世 の 昨 年 の 秋 、 ご い っ し ょ に 起 き て 語 り 合 っ 歌 の 「 き り ぎ り す 鳴 く 」 を 、 「 蜩 の 声 は な や か な る に 」 と た も の な の に 、 そ の 時 は 、 こ の よ う に 亡 く な ら れ る な ど と 思 替 え た よ う な 行 文 で あ る 。 い ず れ に せ よ 、 聴 覚 視 覚 の 両 面 っ た だ ろ う か 、 露 ほ ど も 想 像 し な か っ た 。 か ら 捉 え た 表 現 と な っ て い る 。 を ぎ う は か ぜ は ぎ ・ ・ 7 秋 は な ほ 夕 ま ぐ れ こ そ た だ な ら ね 荻 の 上 風 萩 の 詞 書 に は 、 前 東 宮 の 亡 く な ら れ た 年 の 秋 に 詠 ん だ 歌 と あ る 。 し た っ ゅ ( 義 孝 集 ) 「 起 き 居 し 」 に 、 露 が 「 置 き 」 を ひ び か す 。 物 語 で は 、 源 下 露 秋 の う ち で も や は り 夕 暮 ど き こ そ た だ な ら ぬ 気 持 に な る も の 氏 の 「 も ろ と も に ・ : 」 の 歌 に 、 こ れ が 特 に 上 の 句 を 中 心 に し の だ 。 荻 の 葉 末 を 吹 き わ た る 風 に 、 萩 の 下 露 が こ ば れ 落 ち る の ふ ま え ら れ て い る 。 紫 の 上 と い っ し ょ に 起 居 し た 往 時 を 偲 ぶ 歌 と な る 。 そ で し ぐ れ 1 よ ・ 「 ー 神 無 月 い つ も 時 雨 は 降 り し か ど か く 袖 ひ つ る 折 前 出 ( ↓ 少 女 団 四 二 三 ハ ー 上 段 な ど ) 。 物 語 に は 、 八 月 に な っ て ( 源 氏 釈 ) は な か り き 「 風 の 音 さ へ た だ な ら ず な り ゆ く 」 と あ る 。 言 葉 の 類 似 こ 十 月 と も な る と 、 毎 年 毎 年 時 雨 は 降 っ た け れ ど も 、 こ ん な に そ 少 な い が 、 こ の 歌 の 情 緒 を ふ ま え た 表 現 と み ら れ る 。 も 袖 の 濡 れ る 時 は な か っ た 。 ・ 躓 ・ 8 身 を 憂 し と 思 ふ に 消 え ぬ も の な れ ば か く て も 経 ( 古 今 ・ 恋 五 人 0 六 読 人 し ら ず ) 出 典 未 詳 。 前 出 ( ↓ 葵 三 八 四 ハ ー 上 段 ) 。 物 語 で は 、 こ れ も ぬ る 世 に こ そ あ り け れ わ が 身 を つ ら い と 思 っ て も 、 命 は 消 え ぬ も の だ か ら 、 こ う も 源 氏 の 悲 嘆 の 言 葉 と し て 引 か れ る 。 歌 の と お り 、 生 涯 で 今 覧 生 き 長 ら え て い る の だ 。 年 こ そ 最 も 悲 嘆 す べ き 年 で あ る と す る 。 や 歌 破 れ ば 惜 し 破 ら ね ば 人 に 見 え ぬ べ し 泣 く 泣 く も 前 出 ( ↓ 桐 壺 田 四 三 九 ハ ー 上 段 ) 。 物 語 で は 、 悲 嘆 に 屈 す る 源 氏 ・ ワ 0 1 ( 後 撰 ・ 雑 二 ・ 一 一 四 四 元 良 親 王 ) な ほ 返 す ま さ れ り が 、 「 今 ま で 経 に け る 月 日 よ 」 と 述 懐 す る 。 こ の 歌 の 「 か ひ せ つ か く の お 便 り を 破 る の で は 残 念 だ し 、 破 ら な い の で は 他 く て も 経 ぬ る 世 」 の 気 持 で あ る 。 容 易 に は 消 え る に 消 え ら 4 人 に 見 ら れ て し ま い そ う だ 。 泣 く 泣 く も 、 や は り お 返 し す る れ ぬ 人 の 命 と い う 実 感 が こ も っ て い る 。 な お 、 『 源 氏 釈 』