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完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


完 訳 日 本 の 古 典 49 御 伽 草 子 集 大 島 建 彦 校 注 ・ 訳 0

完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


完 訳 日 本 の 古 典 第 四 十 九 巻 御 伽 草 子 集 昭 和 年 6 月 日 初 版 発 行 定 価 一 七 〇 〇 円 校 注 ・ 訳 者 大 島 建 彦 発 行 者 相 賀 徹 夫 印 刷 所 大 日 本 印 刷 株 式 会 社 発 行 所 株 式 会 社 小 学 館 〒 皿 東 京 都 千 代 田 区 一 ッ 橋 一 一 ー 三 ー 振 替 口 座 東 京 八 ー 二 〇 〇 番 電 話 編 集 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 六 六 九 製 作 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 三 三 三 販 売 ( 〇 三 ) 一 一 三 0 ー 五 七 六 八 ・ 造 本 に は 十 分 注 意 し て お り ま す が 、 万 一 、 落 丁 ・ 乱 丁 な ど の 不 良 品 が あ り ま し た ら お と り か え い た し ま す 。 ・ 本 書 の 一 部 あ る い は 全 部 を 、 無 断 で 複 写 複 製 ( コ ピ ー ) す る こ と は 、 法 律 で 認 め ら れ た 場 合 を 除 き 、 著 作 者 お よ び 出 版 者 の 権 利 の 侵 害 と な り ま す 。 あ ら か し め 小 社 あ て 許 諾 を 求 め て く だ さ い Printed in Japan ◎ T.Osima 1983 ( 著 者 検 印 は 省 略 ISBN4 ・ 09 ・ 556049 ・ 5 い た し ま し た )

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日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) ① 古 事 記 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 京 都 大 学 ) ロ ロ 萬 葉 集 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 日 本 霊 異 記 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 古 今 和 歌 集 竹 取 物 語 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) ⑩ 伊 勢 物 語 松 村 誠 一 ( 成 蹊 大 学 ) - 土 佐 日 記 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 回 蜻 蛉 日 記 CÜ 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 枕 草 子 秋 山 虔 ( 東 京 大 学 ) ロ ロ 源 氏 物 語 曰 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 和 泉 式 部 日 記 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 四 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 更 級 日 記 鈴 木 一 雄 ( 金 沢 大 学 ) 夜 の 寝 覚 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 無 名 草 子 橘 健 二 ( 秋 田 大 学 ) 四 大 鏡 馬 淵 和 夫 ( 筑 波 大 学 ) 今 昔 物 語 集 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ ー 囮 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 新 間 進 一 ( 青 山 学 院 大 学 ) 梁 塵 秘 抄 3 新 古 今 和 歌 集 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) CÜ 曰 ー 因 CÜ 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 九 州 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 成 城 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 曰 凵 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 瓸 3 と は す が た り 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) CÜ ⑩ 囿 宇 治 拾 遺 物 語 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) 囮 ー 囮 平 家 物 語 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 囮 謡 曲 集 凵 風 姿 花 伝 佐 を 久 雄 亳 斈 短 契 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 北 川 忠 彦 ( 京 都 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 囮 狂 言 集 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 御 伽 草 子 集 暉 畯 康 降 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ 好 色 一 代 男 好 色 五 人 女 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 好 色 一 代 女 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 國 日 本 永 代 蔵 万 の 文 反 古 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 。 。 世 間 胸 算 用 井 本 農 一 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 芭 蕉 句 集 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 井 本 農 一 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 村 松 友 次 ( 東 洋 大 学 ) 近 松 門 左 衛 門 集 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 雨 月 物 語 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 春 雨 物 語 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 囮 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 暉 畯 康 隆 ( 早 稲 田 大 学 ) 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 冂 凵 冂 当 古 典 詞 華 集 丸 山 一 彦 ( 宇 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

完訳 日本の古典 第四十九巻 御伽草子集


367 解 説 の で は な か っ た 。 そ し て 、 そ れ ら の 作 品 に 求 め ら れ た の は 、 さ ま ざ ま な 教 訓 や 知 識 に ほ か な ら な い 。 そ の た め に 、 い わ ゆ る 御 伽 草 子 を 通 じ て 、 著 し い 教 訓 性 や 啓 蒙 性 が 認 め ら れ る の で あ る 。 参 考 文 献 〇 長 谷 川 福 平 『 古 代 小 説 史 』 ( 明 冨 山 房 ) 〇 平 出 鏗 一 一 郎 『 近 古 小 説 解 題 』 ( 明 肥 大 日 本 図 書 、 昭 名 著 刊 行 会 ) 〇 藤 岡 作 太 郎 『 鎌 倉 室 町 時 代 文 学 史 』 ( 大 4 大 倉 書 店 、 『 藤 岡 作 太 郎 著 作 集 』 第 二 冊 昭 岩 波 書 店 ) 〇 島 津 久 基 『 近 古 小 説 新 纂 』 初 輯 ( 昭 3 中 興 館 ) 〇 柳 田 国 男 『 桃 太 郎 の 誕 生 』 ( 昭 8 ・ 三 省 堂 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 八 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 島 津 久 基 『 義 経 伝 説 と 文 学 』 ( 昭 2 明 治 書 院 、 昭 肥 大 学 堂 書 店 ) 〇 吉 沢 義 則 『 室 町 文 学 史 』 ( 日 本 文 学 全 史 八 昭 ⅱ 東 京 堂 ) 〇 横 山 重 ・ 巨 橋 頼 一 一 一 『 物 語 草 子 目 録 』 前 編 ( 昭 肥 大 岡 山 書 店 、 昭 恥 角 川 書 店 ) 〇 横 山 重 ・ 太 田 武 夫 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 一 、 五 ( 昭 肥 、 大 岡 山 書 店 、 昭 井 上 書 房 ) 〇 野 村 八 良 『 室 町 時 代 小 説 論 』 ( 昭 巌 松 堂 ) 〇 柳 田 国 男 『 昔 話 と 文 学 』 ( 昭 創 元 社 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 六 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 藤 田 徳 太 郎 『 日 本 小 説 史 論 』 ( 昭 Ⅱ 至 文 堂 ) 〇 島 津 久 基 『 国 文 学 の 新 考 察 』 ( 昭 至 文 堂 ) 〇 桑 田 忠 親 『 大 名 と 御 伽 衆 』 ( 昭 貯 青 磁 社 、 昭 有 精 堂 ) 〇 市 古 貞 次 『 未 刊 中 世 小 説 解 題 』 ( 昭 楽 浪 書 院 ) 〇 筑 土 鈴 寛 『 復 古 と 叙 事 詩 』 ( 昭 青 磁 社 、 『 筑 土 鈴 寛 著 作 集 』 第 一 巻 昭 せ り か 書 房 ) 〇 後 藤 丹 治 『 中 世 国 文 学 研 究 』 ( 昭 磯 部 甲 陽 堂 ) 〇 島 津 久 基 『 日 本 国 民 童 話 十 一 一 講 』 ( 昭 四 日 本 書 院 ) 〇 柳 田 国 男 『 物 語 と 語 り 物 』 ( 昭 幻 角 川 書 店 、 『 定 本 柳 田 国 男 集 』 第 七 巻 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 折 ロ 信 夫 『 日 本 文 学 啓 蒙 』 ( 昭 朝 日 新 聞 社 、 『 折 ロ 信 夫 全 集 』 第 十 一 一 巻 昭 中 央 公 論 社 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 』 ( 日 本 文 学 教 養 講 座 昭 % 至 文 堂 ) 〇 林 屋 辰 三 郎 『 中 世 文 化 の 基 調 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 の 研 究 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 藤 井 隆 『 未 刊 御 伽 草 子 集 と 研 究 』 一 、 四 ( 未 刊 国 文 資 料 昭 引 、 未 刊 国 文 資 料 刊 行 会 ) 〇 永 積 安 明 『 中 世 文 学 の 展 望 』 ( 昭 引 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 荒 木 良 雄 『 中 世 文 学 の 形 象 と 発 展 』 ( 昭 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 ) 〇 市 古 貞 次 『 御 伽 草 子 』 ( 日 本 古 典 文 学 大 系 三 十 八 昭 岩 波 書 店 ) 〇 三 谷 栄 一 『 日 本 文 学 の 民 俗 学 的 研 究 』 ( 昭 肪 有 精 堂 ) 〇 松 本 隆 信 『 室 町 時 代 物 語 類 現 存 本 簡 明 目 録 』 ( 慶 応 義 塾 大 学 斯 道 文 庫 書 誌 叢 刊 一 一 昭 井 上 書 房 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 野 間 光 辰 『 御 伽 草 子 ・ 仮 名 草 子 』 ( 日 本 古 典 鑑 賞 講 座 十 六 昭 角 川 書 店 ) 〇 杉 浦 明 平 『 戦 国 乱 世 の 文 学 』 ( 岩 波 新 書 昭 岩 波 書 店 ) 〇 筑 土 鈴 寛 『 中 世 芸 文 の 研 究 』 ( 昭 有 精 堂 、 『 筑 土 鈴 寛 著 作 集 』 第 三 、 四 巻 昭 引 せ り か 書 房 ) 〇 大 島 建 彦 『 お 伽 草 子 と 民 間 文 芸 』 ( 民 俗 民 芸 叢 書 昭 犯 岩 崎 美 術 社 ) 〇 佐 竹 昭 広 『 下 剋 上 の 文 学 』 ( 昭 筑 摩 書 房 ) 〇 一 一 一 谷 栄 一 『 古 典 文 学 と 民 俗 』 ( 民 俗 民 芸 叢 書 昭 岩 崎 美 術 社 ) 〇 高 崎 富 士 彦 『 お 伽 草 子 』 ( 日 本 の 美 術 五 十 一 一 昭 恥 至 文 堂 ) 〇 横 山 重 ・ 松 本 隆 信 『 室 町 時 代 物 語 大 成 』 第 一 、 ( 昭 絽 、 角 川 書 店 ) 〇 佐 竹 昭 広 『 民 話 の 思 想 』 ( 昭 平 凡 社 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 大 島 建 彦 『 日 本 の 説 話 』 第 四 巻 ( 昭 東 京 美 術 ) 〇 大 島 建

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5 凡 例 太 郎 』 ( 同 上 ) 、 天 理 図 書 館 蔵 写 本 『 ほ ん 天 こ く 』 ( 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 一 l) 、 笹 野 堅 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 ほ ん 天 わ う 』 ( 同 上 ) 、 慶 応 義 塾 図 書 館 蔵 古 活 字 本 『 ほ ん て ん こ く 』 ( 室 町 物 語 集 成 』 第 一 輯 ) 、 清 水 泰 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 和 泉 式 部 』 ( 『 和 泉 式 部 全 集 』 ) 、 禿 氏 祐 祥 氏 旧 蔵 写 本 『 う ら 嶋 太 郎 物 語 』 ( 『 室 町 時 代 物 語 集 』 第 五 ) 、 大 東 急 記 念 文 庫 蔵 絵 巻 『 浦 島 太 郎 』 ( 同 上 ) 、 高 安 六 郎 氏 旧 蔵 奈 良 絵 本 『 う ら し ま 』 ( 同 上 ) 、 逸 翁 美 術 館 蔵 絵 巻 『 大 江 山 絵 詞 』 ( 『 続 日 本 絵 巻 物 集 成 』 第 一 巻 ) 、 東 洋 大 学 図 書 館 蔵 絵 巻 『 酒 伝 童 子 絵 』 な お 、 諸 本 の 引 用 に あ た っ て は 、 初 出 の 部 分 に 「 大 東 急 記 念 文 庫 蔵 絵 巻 」 「 京 都 大 学 図 書 館 蔵 奈 良 絵 本 」 な ど と 、 完 全 な 名 称 を し る し て 、 以 下 は 「 大 東 急 本 」 「 京 大 本 」 と 、 略 称 を 用 い た 。 一 、 本 書 の 現 代 語 訳 で は 、 で き る だ け 本 文 の 表 現 に 即 し な が ら 、 し か も 平 易 な 語 句 に お き か え た 。 文 脈 の 通 じ が た い 場 合 に は 、 適 当 に 主 語 な ど を 補 っ た 。 ま た 、 「 言 ふ や う : ・ 言 ふ ー 「 言 ひ け る は : ・ 言 ふ 」 な ど は 、 現 代 の 語 法 と 異 な る の で 、 あ と の 「 言 ふ ー だ け を 残 し た 。 一 、 本 書 の 現 代 語 訳 で は 、 敬 語 の 使 用 は 、 で き る だ け 本 文 に 従 っ た が 、 前 後 の 文 脈 に よ っ て 、 必 要 な も の を 補 っ た 。 一 、 本 文 お よ び 現 代 語 訳 の 検 索 の た め に 、 そ れ ぞ れ 下 段 の 内 側 に 、 数 ベ ー ジ お き に 対 応 す る 。 ヘ ー ジ 数 を し る し た 。 一 、 本 書 の 巻 末 に は 、 付 録 と し て 、 「 昔 話 『 小 さ 子 』 伝 承 一 覧 」 お よ び 「 サ 工 の 神 に 関 す る 近 親 相 姦 の 伝 承 一 覧 」 を 掲 げ た 。 本 書 の 『 一 寸 法 師 』 お よ び 『 和 泉 式 部 』 の 理 解 の た め に も 、 ま た 、 御 伽 草 子 と 民 俗 と の 関 係 の 考 察 の た め に も 、 適 切 な 資 料 と し て 役 だ つ で あ ろ う 。 一 、 本 書 の 刊 行 に あ た っ て 、 市 古 貞 次 博 士 を は じ め 、 東 京 大 学 国 文 学 研 究 室 、 秋 田 県 立 秋 田 図 書 館 、 フ ォ ッ

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御 伽 草 子 集 3 つ ぎ に は 、 本 書 に 収 め ら れ た 各 編 の 解 説 を 試 み る 。 ひ た ち の く に ぶ ん た か し ま だ い ぐ う じ 常 陸 国 の 文 太 と い う 男 は 、 初 め は 鹿 島 の 大 宮 司 に 仕 え た が 、 後 に 「 つ の を か が 磯 」 に 落 ち っ し お や き ぶ ん し ゃ う 文 正 草 子 い て 、 塩 焼 の わ ざ に い そ し ん だ の で 、 つ い に は 「 文 正 つ ね を か ー と 名 の っ て 、 す ば ら し い 長 者 と し て も て は や さ れ た 。 そ の 二 人 の 娘 の 中 で 、 姉 の 蓮 華 の 方 は 、 関 白 の 若 君 と 結 ば れ て 、 そ の 北 の 方 と か し ず か れ 、 味 の 蓮 の 方 は 、 時 の 帝 に 召 さ れ て 、 中 宮 と 仰 が れ た が 、 文 正 み ず か ら 大 納 言 に 任 ぜ ら れ 、 一 家 こ と ご と く 栄 華 を き わ め た と い う の で あ る 。 そ こ で は 、 め で た い こ と ば か り が 語 ら れ て 、 「 ま づ ま づ 、 め で た よ う り ゅ う て い た ね ひ こ き こ と の 始 め に は 、 こ の 草 子 を 御 覧 じ あ る べ く 候 ふ 」 と 結 ば れ て い る 。 そ の こ と に つ い て 、 柳 亭 種 彦 の 『 用 し や ば こ か き ぞ め 捨 箱 』 上 巻 に も 、 「 昔 は 正 月 吉 書 の 次 に 、 冊 子 の 読 初 と て 、 女 子 は 文 正 草 子 を 読 み し と な り 」 と 記 さ れ て い つ の お れ 作 中 の 「 つ の を か が 磯 」 と い う の は 、 茨 城 県 鹿 島 郡 大 野 村 の 角 折 に あ た る も の と み ら れ る 。 『 新 編 常 陸 国 誌 』 巻 八 の 「 長 者 屋 敷 ー の 項 に 、 「 鹿 島 郡 角 折 村 ニ ア リ 、 今 ニ 農 家 ノ 宅 地 ナ リ 、 昔 ョ リ 長 者 屋 敷 ト 云 フ 、 何 彦 『 御 伽 草 子 集 』 ( 日 本 古 典 文 学 全 集 一 一 一 十 六 昭 小 学 館 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 野 間 光 辰 『 御 伽 草 子 ・ 仮 名 草 子 』 ( 鑑 賞 日 本 古 典 文 学 一 一 十 六 昭 引 角 川 書 店 ) 〇 小 松 和 彦 『 神 々 の 精 神 史 』 ( 昭 伝 統 と 現 代 社 ) 〇 松 本 隆 信 『 御 伽 草 子 』 ( 新 潮 日 本 古 典 集 成 昭 新 潮 社 ) 〇 市 古 貞 次 ・ 高 崎 富 士 彦 ・ 豊 田 武 『 御 伽 草 子 』 ( 図 説 日 本 の 古 典 十 一 一 一 昭 集 英 社 ) 〇 市 古 貞 次 『 中 世 小 説 と そ の 周 辺 』 ( 昭 東 京 大 学 出 版 会 ) 〇 奥 平 英 雄 『 御 伽 草 子 絵 巻 』 ( 昭 角 川 書 店 ) 〇 奈 良 絵 本 国 際 研 究 会 議 『 御 伽 草 子 の 世 界 』 ( 昭 一 一 一 省 堂 ) は ち す さ う し れ ん げ

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説 か れ て い る 。 そ れ ら の 山 中 の 「 捨 て 童 子 」 は 、 弁 慶 や 金 時 な ど の 英 雄 と 、 酒 呑 童 子 な ど の 鬼 神 と い う よ う に 、 ほ ぼ 二 つ の 部 類 に 分 け ら れ る で あ ろ う 。 そ れ に つ い て 、 小 松 和 彦 氏 の 『 神 々 の 精 神 史 』 で は 、 「 英 雄 と 集 怪 物 と が 同 じ 存 在 の 異 な っ た 表 現 で あ る こ と 」 、 す な わ ち 、 「 英 雄 の 負 の 属 性 の 顕 現 が 怪 物 ( 化 ) で あ り 、 怪 物 草 の 正 の 属 性 の 顕 現 が 英 雄 ( 化 ) で あ る こ と 」 が 示 さ れ て い る 。 参 考 文 献 〇 小 川 寿 一 「 大 江 山 伝 説 考 」 ( 『 宗 教 と 芸 術 』 九 巻 五 号 ) 〇 小 川 寿 一 「 大 江 山 絵 詞 考 」 ( 『 宗 教 と 芸 術 』 九 巻 六 号 ) 〇 小 川 寿 一 「 大 江 山 絵 詞 の 研 究 」 ( 『 歴 史 と 国 文 学 』 十 二 巻 一 号 、 四 号 、 十 五 巻 三 号 ) 〇 佐 竹 昭 広 「 伊 吹 童 子 と 酒 呑 童 子 」 ( 『 学 習 院 大 学 文 学 部 研 究 年 報 』 六 輯 ) 〇 佐 竹 昭 広 「 弥 一 一 一 郎 伝 説 」 ( 『 国 語 国 文 』 一 一 十 九 巻 九 号 ) 〇 市 古 貞 次 「 酒 呑 童 子 」 ( 『 御 伽 草 子 ・ 仮 名 草 子 』 昭 角 川 書 店 ) 〇 宮 本 正 章 「 『 大 江 山 伝 説 』 成 立 考 」 ( 『 近 畿 民 俗 』 四 十 八 号 ) 〇 鮎 沢 寿 『 源 頼 光 』 ( 昭 吉 川 弘 文 館 ) 〇 金 井 清 光 「 作 品 研 究 ・ 大 江 山 」 ( 『 能 の 研 究 』 昭 桜 楓 社 ) 〇 徳 江 元 正 「 し ゅ て ん 童 子 の 話 」 ( 『 沖 』 三 巻 一 ・ 一 一 号 ) 〇 山 岸 徳 平 「 酒 顛 童 子 と 大 江 山 に 就 い て 」 ( 『 山 岸 徳 平 著 作 集 』 第 五 巻 昭 貯 有 精 堂 ) 〇 佐 竹 昭 広 『 酒 呑 童 子 異 聞 』 ( 昭 平 凡 社 ) 〇 天 野 文 雄 「 酒 呑 童 子 ー 日 本 カ ー ニ ヴ ァ リ ズ ム の 系 譜 の 中 で ー 」 ( 『 国 文 学 』 一 一 十 一 一 巻 十 六 号 ) 〇 小 松 和 彦 「 怪 物 退 治 と 異 類 婚 姻 」 ( 『 神 々 の 精 神 史 』 昭 伝 統 と 現 代 社 ) 〇 谷 川 健 一 『 鍛 冶 屋 の 母 』 ( 昭 思 索 社 ) 〇 天 野 文 雄 「 『 酒 天 童 子 』 考 」 ( 『 能 研 究 と 評 論 』 八 号 ) 〇 浜 中 修 「 『 酒 呑 童 子 』 論 」 ( 『 中 央 大 学 国 文 』 一 一 十 四 号 ) 〇 若 尾 五 雄 『 鬼 伝 説 の 研 究 ー 金 工 史 の 視 点 か ら ー 』 ( 昭 大 和 書 房 ) 〇 宮 本 正 章 「 大 江 山 伝 説 と 地 頭 金 山 氏 」 ( 『 近 畿 民 俗 』 九 十 一 一 一 号 )

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こ れ ま で の 研 究 の か ぎ り で は 、 道 命 と 和 泉 式 部 と の 関 係 は 、 確 実 な 史 料 に 即 し て 確 か め ら れ る も の で は な ほ ん ち ょ う つ け げ ん き 、 後 代 の 説 話 を 通 じ て 知 ら れ る も の で あ る 。 『 本 朝 法 華 験 記 』 巻 下 第 八 十 六 話 、 『 今 昔 物 語 集 』 巻 十 一 一 第 三 ど き よ う 集 十 六 話 な ど に よ る と 、 こ の 道 命 と い う 人 物 は 、 読 経 の 名 手 で あ り な が ら 、 破 戒 の 僧 侶 で あ っ た こ と が う か が う ぶ っ し ゅ う 草 わ れ る 。 『 宝 物 集 』 巻 七 に は 、 「 道 命 阿 闍 梨 ハ 泉 式 部 ニ 落 ル 不 浄 ノ 僧 也 シ カ ト モ 、 法 華 経 ヲ 読 誦 ノ 功 徳 ニ ョ リ ず き よ う く ど く テ 、 往 生 ノ 素 懐 ヲ 遂 」 と 記 さ れ て お り 、 か れ の 誦 経 の 功 徳 に よ っ て 、 そ の 女 犯 の 罪 業 を も あ が な っ た よ う に こ じ だ ん 説 か れ て い る 。 『 古 事 談 』 巻 三 や 『 宇 治 拾 遺 物 語 』 な ど に は 、 こ の 道 命 阿 闍 梨 が 、 和 泉 式 部 の も と に と ま っ ね ざ め て 、 寝 覚 の 床 の 中 で 、 法 華 経 の 八 巻 を よ ん で い る と 、 五 条 の サ 工 の 神 が 、 そ の 聴 聞 に あ ら わ れ た と 伝 え ら れ る 。 こ の 二 人 の 情 事 に 、 五 条 の サ 工 の 神 が か か わ り あ う の も 、 か な ら ず し も 偶 然 と は 思 わ れ な い 。 『 本 朝 法 ひ じ り 華 験 記 』 巻 下 第 百 二 十 八 話 、 『 今 昔 物 語 集 』 巻 十 三 第 三 十 四 話 な ど と く ら べ る と 、 聖 の 誦 経 に と も な っ て 、 サ 工 の 神 の 救 済 を 説 く と い う の が 、 当 時 の 説 話 の 型 と し て 認 め ら れ る の で あ る 。 御 伽 草 子 の 『 和 泉 式 部 』 で は 、 サ 工 の 神 と い う 名 は 出 て こ な い が 、 五 条 の 橋 の 捨 て 子 と い う の は 、 や は り 五 条 の サ 工 の 神 か ら 導 か れ た も の で あ ろ う 。 さ ら に 、 近 親 相 姦 と い う 趣 向 も 、 こ の サ 工 の 神 の 信 仰 に よ っ て も た ら さ れ た と 思 わ れ る 。 日 本 の 神 話 の 研 究 で は 、 イ ザ ナ キ ・ イ ザ ナ ミ の 二 神 の 物 語 が 、 東 南 ア ジ ア の 近 親 相 姦 の 神 話 と く ら べ ら れ て き た 。 し か も 、 『 古 事 記 』 上 巻 や 『 日 本 書 紀 』 神 代 巻 で は 、 そ れ ら の 二 神 の 離 別 よ み ど の お お か み つ き た っ ふ な と の か み に あ た っ て 、 「 塞 り 坐 す 黄 泉 戸 大 神 」 「 衝 立 船 戸 神 」 な ど 、 サ 工 の 神 ま た は 道 祖 神 に あ た る も の が あ ら わ れ た と 伝 え ら れ る 。 そ れ ば か り で な く 、 現 行 の 民 俗 の 中 で も 、 サ 工 の 神 や 道 祖 神 の 信 仰 に と も な っ て 、 兄 妺 相 姦 や 父 娘 相 姦 の 伝 承 が 、 す く な か ら ず 認 め ら れ る の で あ る 。 拙 論 の 「 道 祖 神 の 信 仰 と 説 話 」 、 「 日 本 神 話 研 究 と 民 俗 学 」 で は 、 そ の よ う な 伝 承 に 関 す る 資 料 を ま と め て お い た が 、 本 書 の 巻 末 の 一 覧 表 で も 、 そ の 後 の 調 査 さ や ま

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一 四 も こ わ ぎ 妹 子 が 寝 乱 れ 髪 を 猿 沢 の 池 の 九 奈 良 時 代 の 後 宮 の 女 官 。 天 皇 た も も の 御 膳 ・ 手 水 な ど に 奉 仕 し た 。 玉 藻 と 見 る ぞ 悲 し き 一 0 あ れ ほ ど に 美 し か っ た 、 愛 ら と ぶ ら う た し か っ た 。 か わ せ み と 、 御 弔 ひ の 御 歌 な り 。 か の 句 は 、 こ = 翡 翠 の 羽 の よ う な 艶 や か な 黒 の ら 一 六 髪 。 「 か ん ざ し 」 は 髪 の こ と 。 の 歌 の 心 を ま ね び け る 。 そ の 後 、 源 一 ニ あ で や か に 美 し い 両 鬢 。 ↓ 六 か す が だ い み や う じ ん る 九 ハ ー 注 一 0 。 氏 、 春 日 大 明 神 へ 御 参 詣 の 折 節 、 猿 沢 を 一 三 新 月 の よ う に ほ の か に 細 く 、 い に し へ 解 墨 で 引 い た 眉 。 の の 池 を 御 見 物 あ り し に 、 古 の 采 女 が 身 一 四 『 大 和 物 語 』 第 百 五 十 話 、 『 拾 け 一 七 た う っ 遺 集 』 哀 傷 、 『 柿 本 集 』 な ど に 、 第 を 投 げ し こ と を お ぼ し め し 出 で て 、 当 こ 一 一 句 が 「 ね く た れ 髪 を 」 と し て 出 て に い る 。 柿 本 人 麻 呂 の 作 と 伝 え ら れ 火 座 な ど あ そ ば し て 、 御 弔 ひ あ り し 時 、 蛍 る 。 「 わ ぎ 妹 子 」 は 自 分 の 妻 、 ま た で 広 く 女 性 を 親 し ん で 呼 ぶ こ と ば 。 ま 詠 み 人 し ら ず 、 ま 一 五 「 怨 み わ び た る 猿 沢 の 池 」 の 句 。 た = 〈 以 下 、 出 典 未 詳 。 『 源 氏 物 語 』 寝 猿 沢 の 池 の 柳 や わ ぎ 妹 子 が 寝 乱 れ に は 見 え な い 。 氏 源 宅 即 席 の 和 歌 。 即 興 の 和 歌 。 猿 紙 髪 の か た み な る ら ん 一 八 『 夫 木 抄 』 巻 三 に は 、 承 明 門 院 草 は ん べ 宰 相 の 作 と し て 出 て お り 、 第 四 句 源 と 詠 み 侍 り し 、 そ の 心 を 思 ひ 寄 せ 、 案 じ け れ ば 、 猿 源 氏 な ど と 寝 言 申 し つ ら ん 。 が 「 ね く た れ が み の 」 と い う 形 と な け い ぐ わ っ て い る 。 猿 沢 の 池 の ほ と り に 采 あ ら む つ か し や 、 と く と く 寝 さ せ 給 ( 」 と 申 し け り 。 蛍 火 ま た 申 す や う は 、 女 の 衣 掛 柳 と い う の が あ る 。 い わ し 一 九 煩 わ し い 。 面 倒 く さ い 。 「 そ れ の み な ら ず 、 『 鰯 買 ふ ゑ い 』 と の た ま ひ し 寝 言 は 、 い か が 陳 じ 給 ふ べ き = 0 疾 く 疾 く 。 早 く 早 く よ ひ と 一 八 ニ 0 と ぶ ら が み

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な さ つ じ ま 一 特 に す ぐ れ て い る こ と 。 紫 雲 た ち て 、 殊 勝 な り 。 し か る 故 に 、 こ の 島 を 菩 薩 島 と は 申 す な り 。 人 の 命 も よ し つ ね 長 く し て 、 八 百 歳 を 保 つ な り 」 と 申 す 。 義 経 き こ し め し 、 さ て は 菩 薩 の ま し ま 草 す か や 、 一 日 な り と も と ど ま り 、 拝 ま ば や と お ぼ し め し け れ ば 、 案 の ご と く 、 伽 く わ ゃ う が う 二 十 五 の 菩 薩 、 影 向 な ら せ 給 ひ て 、 管 げ ん お ん が く 絃 音 楽 し 給 ひ て 、 心 も 言 葉 及 ば れ ず 。 四 ら 一 う り く け き ゃ う さ れ ば 、 法 華 経 に 説 か れ た り 。 令 離 苦 と く あ ん を ん ら く 得 安 穏 楽 と 聞 く 時 は 、 あ り が た し あ り じ ゃ う ん じ ゃ う し ゃ う が た し 、 上 品 上 生 、 極 楽 世 界 、 疑 ひ ず い き な し と お ぼ し つ つ 、 随 喜 の 涙 を 流 し 給 ( 絵 ) ふ 。 ま こ と に あ り が た し と は 思 へ ど も 、 こ こ に 心 を と め て も せ ん な し と て 、 ま た 御 船 を お し 出 し 、 風 に 任 せ て 行 き 給 ふ 。 明 け ぬ 暮 れ ぬ と せ し ほ ど に 、 九 十 五 日 と 申 す に は 、 ま た 不 思 議 い だ ニ 古 梓 堂 本 に 「 心 こ と は も を よ る れ は れ す 」 と あ る 。 「 心 も 言 葉 も : ・ 」 ら と あ る べ き か 。 心 に 思 い 及 ば な い べ ら ほ ど で 、 こ と ば に 言 い 表 せ な い ほ ど で あ る の 意 。 背 三 『 妙 法 蓮 華 経 』 の 略 称 。 八 巻 。 扇 仏 出 世 の 本 旨 を 説 い て 、 大 乗 経 典 の の 中 で も っ と も 高 遠 な 妙 法 を 示 し 経 義 た 経 。 は 人 四 『 法 華 経 』 薬 草 喩 品 第 五 に 「 皆 島 令 離 苦 得 安 穏 楽 」 と あ る 。 釈 迦 が の 姿 世 に 出 た の は 、 衆 生 が す べ て 苦 し 泡 み を 離 れ て 、 安 穏 の 楽 し み を 得 る げ よ う に さ せ る た め だ と い う 意 。 わ 五 極 楽 浄 土 に 往 生 す る に あ た っ 児 稚 て 、 上 品 上 生 か ら 下 品 下 生 ま で 九 島 等 の 階 級 に 分 れ る 。 そ の 最 上 級 。 六 心 か ら あ り が た く 思 っ て 流 す 涙 。 あ り が た 涙 。 ( 現 代 語 訳 一 一 八 〇 )