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検索対象: 完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡

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完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


完 訳 日 本 の 古 典 26 夜 の 寝 覚 一 鈴 木 一 雄 ・ 石 埜 敬 子 校 注 ・ 訳

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


完 訳 日 本 の 古 典 第 二 十 六 巻 夜 の 寝 覚 昭 和 年 1 月 引 日 初 版 発 行 定 価 一 七 00 円 校 注 ・ 訳 者 鈴 木 一 雄 石 埜 敬 子 発 行 者 相 賀 徹 夫 印 刷 所 大 日 本 印 刷 株 式 会 社 発 行 所 株 式 会 社 小 学 館 〒 期 東 京 都 千 代 田 区 一 ッ 橋 二 ー 三 ー 振 替 口 座 東 京 八 ー 一 一 00 番 電 話 編 集 ( 〇 三 ) 一 一 三 0 ー 五 六 六 九 業 務 ( 0 三 ) 二 三 〇 ー 五 三 三 三 販 売 ( 0 三 ) 一 一 三 0 ー ー 五 七 六 八 ・ 造 本 に は 十 分 注 意 し て お り ま す が 、 万 一 、 落 丁 ・ 乱 丁 な ど の 不 良 品 が あ リ ま し た ら お と り か え い た し ま す 。 ・ 本 書 の 一 部 あ る い は 全 部 を 、 無 断 で 複 写 複 製 ( コ ピ ー ) す る こ と は 、 法 律 で 認 め ら れ た 場 合 を 除 き 、 著 作 者 お よ び 出 版 者 の 権 利 の 侵 害 と な り ま す 。 あ ら か し め 小 社 あ て 許 諾 を 求 め て く だ さ い Printed in Japan ◎ K. Suzuki K. lsino 1985 ( 著 者 検 印 は 省 略 ISBN4 ・ 09 ・ 556026 ・ 6 い た し ま し た )

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


方 丈 記 神 田 秀 夫 ( 武 蔵 大 学 ) 日 本 の 古 典 」 全 巻 の 内 容 永 積 安 明 ( 神 戸 大 学 ) 徒 然 草 荻 原 浅 男 ( 千 葉 大 学 ) 国 古 事 記 日 い 久 保 田 淳 ( 東 京 大 学 ) 3 と は す が た り 小 島 憲 之 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 佐 竹 昭 広 ( 京 都 大 学 ) ロ ロ 萬 葉 集 小 林 智 昭 ( 専 修 大 学 ) 木 下 正 俊 ( 関 西 大 学 ) ⑩ 囿 宇 治 拾 遺 物 語 小 林 保 治 ( 早 稲 田 大 学 ) 中 田 祝 夫 ( 筑 波 大 学 ) 日 本 霊 異 記 市 古 貞 次 ( 東 京 大 学 ) 囮 ー 囮 平 家 物 語 小 沢 正 夫 ( 中 京 大 学 ) 回 古 今 和 歌 集 囮 謡 曲 集 三 道 小 山 弘 志 ( 国 文 学 研 究 資 料 館 ) 佐 藤 健 一 郎 ( 武 蔵 野 美 術 大 学 ) 表 章 ( 法 政 大 学 ) 竹 取 物 囮 謡 曲 集 い 風 姿 花 伝 佐 藤 喜 久 雄 ( ( 大 学 ) 片 桐 洋 一 ( 大 阪 女 子 大 学 ) 福 井 貞 助 ( 静 岡 大 学 ) 囮 伊 勢 物 北 川 忠 彦 ( 京 都 女 子 大 学 ) 安 田 章 ( 京 都 大 学 ) 松 村 城 一 ( 成 蹊 大 学 ) 囮 狂 言 集 土 佐 日 記 大 島 建 彦 ( 東 洋 大 学 ) 御 伽 草 子 集 木 村 正 中 ( 学 習 院 大 学 ) 伊 牟 田 経 久 ( 鹿 児 島 大 学 ) 回 蜻 蛉 日 記 暉 畯 康 降 ( 早 稲 田 大 学 ) ⑩ 好 色 一 代 男 松 尾 聰 ( 学 習 院 大 学 ) 永 井 和 子 ( 学 習 院 大 学 ) 囮 囮 枕 草 子 好 色 五 人 女 東 明 雅 ( 信 州 大 学 ) 阿 部 秋 生 ( 実 践 女 子 大 学 ) 今 井 源 衛 ( 梅 光 女 学 院 大 学 ) ロ ロ 源 氏 物 語 秋 山 虔 ( 東 京 女 子 大 学 ) 鈴 木 日 出 男 ( 東 京 大 学 ) 好 色 一 代 女 和 泉 式 部 日 記 谷 脇 理 史 ( 筑 波 大 学 ) 藤 岡 忠 美 ( 神 戸 大 学 ) 國 日 本 永 代 蔵 中 野 幸 一 ( 早 稲 田 大 学 ) 紫 式 部 日 記 大 養 廉 ( お 茶 の 水 女 子 大 学 ) 万 の 文 反 古 更 級 日 記 神 保 五 彌 ( 早 稲 田 大 学 ) 世 間 胸 算 用 鈴 木 一 雄 ( 明 治 大 学 ) 夜 の 寝 覚 井 本 農 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 中 村 俊 定 ( 早 稲 田 大 学 ) 図 芭 蕉 句 集 堀 信 夫 ( 神 戸 大 学 ) 堀 切 実 ( 早 稲 田 大 学 ) 堤 中 納 言 物 語 稲 賀 敬 一 一 ( 広 島 大 学 ) 井 本 農 一 ( 実 践 女 子 大 学 ) 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 久 保 木 哲 夫 ( 都 留 文 科 大 学 ) 芭 蕉 文 集 ・ 去 来 抄 村 松 友 次 ( 東 洋 大 学 ) 無 名 草 子 ・ 近 松 門 左 衛 門 集 森 修 ( 大 阪 市 立 大 学 ) 鳥 越 文 蔵 ( 早 稲 田 大 学 ) 橘 健 二 ( 岐 阜 女 子 大 学 ) 四 大 鏡 馬 淵 和 夫 ( 中 央 大 学 ) 雨 月 物 語 高 田 衛 ( 都 立 大 学 ) 今 昔 物 語 集 国 東 文 麿 ( 早 稲 田 大 学 ) 中 村 博 保 ( 静 岡 大 学 ) 今 野 達 ( 横 浜 国 立 大 学 ) 本 朝 世 俗 部 春 雨 物 語 栗 山 理 一 ( 成 城 大 学 ) 新 間 進 一 7 冂 山 学 院 大 学 ) 梁 塵 秘 抄 區 蕪 村 集 ・ 一 茶 集 暉 畯 康 隆 ( 早 稲 田 大 学 ) 日 い 山 本 健 吉 ( 文 芸 評 論 家 ) 調 新 古 今 和 歌 集 峯 村 文 人 ( 国 際 基 督 教 大 学 ) 可 山 古 典 詞 華 集 ロ 襲 ロ 曰 ー 田 松 田 成 穂 ( 金 城 学 院 大 学 ) 石 埜 敬 子 ( 跡 見 学 園 短 期 大 学 ) 丸 山 一 彦 ( 字 都 宮 大 学 ) 松 尾 靖 秋 ( 工 学 院 大 学 ) 増 古 和 子 ( 上 野 学 園 大 学 )

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


夜 の 寝 覚 4 漢 字 を 仮 名 に 改 め た り 、 仮 名 を 漢 字 に 改 め た と こ ろ が あ る 。 当 字 や 異 体 字 も 通 行 の 漢 字 に 改 め た 。 4 助 動 詞 「 ら ん 」 「 け ん 」 「 ん 」 は 、 す べ て 「 ら む 」 「 け む 」 「 む 」 に 統 一 し た 。 動 詞 の 送 り 仮 名 は 活 用 語 尾 を 送 る こ と を 原 則 と し た 。 6 反 復 記 号 ( ゝ ) は 、 こ れ を 用 い ず 、 文 字 を 繰 り 返 し て 表 記 し た 。 た だ し 漢 字 一 字 の 反 復 に は 「 々 」 を 用 い た 。 一 、 底 本 を 校 訂 し た 部 分 は 、 巻 末 「 校 訂 付 記 」 に 掲 げ 、 校 訂 の 拠 り ど こ ろ と し た 諸 本 の 略 号 を 記 し た 。 一 、 脚 注 は 、 「 日 本 古 典 文 学 全 集 」 『 夜 の 寝 覚 』 の 注 を 踏 ま え て い る が 、 な お 次 の よ う な 配 慮 を 加 え て 新 た に 執 筆 し た 。 簡 潔 、 明 快 で あ る こ と を 旨 と し 、 か っ 脚 注 だ け で 本 文 が 読 解 で き る よ う 工 夫 し た 。 本 文 の 見 開 き ご と に 注 番 号 を 通 し て 付 し 、 そ の 注 解 は 見 開 き 内 に 収 め る よ う 心 が け た 。 3 語 釈 は 、 ス ペ ー ス の 許 す か ぎ り 、 語 義 ・ 語 感 ・ 語 法 ・ 文 脈 ・ 当 時 の 社 会 通 念 な ど に 触 れ 、 読 解 ・ 鑑 賞 の 助 け に な る よ う 心 が け た 。 4 登 場 人 物 ・ 官 職 ・ 有 職 故 実 な ど に つ い て は 、 本 文 の 読 解 ・ 鑑 賞 に 必 要 な 限 り に と ど め た 。 本 巻 お よ び 本 書 第 一 冊 の 巻 末 に 付 し た 「 系 図 」 「 年 立 」 「 官 位 相 当 表 ー 「 図 録 ー な ど を 併 せ て 参 照 さ れ た い 。 一 、 現 代 語 訳 に つ い て は 、 次 の よ う な 配 慮 の も と に 執 筆 し た 。 原 文 に 即 し て 忠 実 な 訳 を 心 が け た が 、 独 立 し た 現 代 文 と し て も 味 わ い 得 る よ う な 訳 出 に 努 め た 。 2 そ の た め に 、 必 要 に 応 じ て 、 主 語 ・ 述 語 の 補 充 、 語 順 の 変 更 な ど を 試 み 、 現 代 文 と し て よ り 味 読 で き る よ う 工 夫 し た と こ ろ が あ る 。

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


巻 三 以 降 を 読 む た め に 『 夜 の 寝 覚 一 』 と の 連 絡 本 書 『 夜 の 寝 覚 一 一 』 は 巻 三 ・ 四 ・ 五 を 収 め 、 も と よ り 前 書 『 夜 の 寝 覚 一 』 を 受 け る が 、 前 書 に 収 め た 巻 一 ・ 二 と 、 本 書 の 巻 三 以 降 と の 間 に は 、 約 八 年 に わ た る 欠 巻 部 分 が あ る た め 、 主 要 人 物 の 呼 称 に も 変 化 が あ り 、 欠 巻 部 分 内 で 新 た に 登 場 し た 人 物 も あ っ て 、 い さ さ か 解 説 を 添 え る 必 要 が あ ろ う 。 詳 し く は 前 書 の 解 説 や 系 図 を 参 照 し て い た だ く こ と に し て 、 こ こ で は 簡 略 に 主 要 人 物 や 新 登 場 の 人 々 の 呼 称 や 人 物 関 係 に 触 れ て 、 巻 三 と 中 間 欠 巻 部 分 と の 連 絡 を は か っ て お く 。 お い か ん ば く 巻 三 は 物 語 第 十 四 年 末 か ら 始 る が 、 女 主 人 公 ( 広 沢 の 人 道 太 政 大 臣 の 次 女 。 中 の 君 ) は 二 十 六 歳 。 中 間 欠 巻 部 で 老 関 白 ( 男 主 人 公 の 叔 父 。 故 大 臣 、 故 関 白 、 故 殿 ) と 結 婚 し た が 、 そ の 夫 関 白 と は す で に 死 別 し て い る 。 巻 三 に は 若 き 未 亡 人 と し ね ざ め う え て 登 場 、 通 称 は 寝 覚 の 上 。 北 殿 、 北 の 方 な ど と も 呼 ば れ て い る 。 男 主 人 公 と の 間 に は 姫 君 ( 通 称 、 石 山 の 姫 君 ) と ま さ こ 君 お お い ぎ み ( 若 君 ) が 生 れ て い る が 、 数 奇 な 運 命 の た め 、 母 と 子 た ち は 引 き 離 さ れ て お り 、 代 っ て 姉 大 君 ( 男 主 人 公 の 北 の 方 。 故 人 ) こ ひ め ぎ み さ い し よ う の 4 っ ゅ . う じ よ う の 忘 れ 形 見 小 姫 君 を 引 き 取 っ て い る 。 ほ か に 、 老 関 白 の 前 妻 の 姫 君 た ち 三 人 の 世 話 を し て い る が 、 次 女 は 源 宰 相 中 将 ( か っ て の 宮 の 中 将 ) と 、 三 女 は 新 大 納 言 ( 男 主 人 公 の 弟 、 か っ て の 三 位 中 将 ) と 結 婚 さ せ 、 巻 三 で は 長 女 の 入 内 に 尽 力 し と う か ぞ ん の な い し の か み カ ん き み て い る 。 長 女 は 入 内 し て 登 花 殿 尚 侍 ( 督 の 君 と も ) と 呼 ば れ る 。 男 主 人 公 は 二 十 九 歳 、 す で に 内 大 臣 に い た っ て い る 。 石 山 の 姫 君 と ま さ こ 君 を 擁 し て 、 寝 覚 の 上 へ の 思 慕 は い よ い よ 深 い お ん な い ち み や た い お う み や が 、 朱 雀 院 の 女 一 の 宮 を 正 妻 と し て い る 。 寝 覚 の 上 の 姉 大 君 は こ れ を 恨 ん で 亡 く な っ た 。 女 一 の 宮 の 母 大 皇 の 宮 ( 朱 雀 院 后 の 宮 。 大 宮 、 宮 と も ) は 、 わ が 子 、 女 一 の 宮 の た め 、 内 大 臣 と 寝 覚 の 上 の 仲 を 裂 こ う と 画 策 す る 。 帝 ( 朱 雀 院 の 御 子 、 母 は 大 皇 の 宮 で 、 女 一 の 宮 と は 兄 妹 ) も 中 間 欠 巻 部 以 来 、 寝 覚 の 上 に 執 心 し て い る 。 さ え も ん の か み 寝 覚 の 上 の 兄 た ち は 、 長 兄 が 権 大 納 言 ( か っ て の 左 衛 門 督 ) 、 次 兄 が 中 納 言 ( 新 中 納 言 。 か っ て の 宰 相 中 将 ) に 昇 進 し て た い き み だ い に の ち ゅ う な ご ん そ ち い る 。 か っ て の 対 の 君 は 、 大 弐 中 納 言 ( 帥 と も ) と 結 婚 し て お り 、 大 弐 の 北 の 方 と 呼 ば れ る 。 そ の 他 、 式 部 卿 宮 の 女 御 ( 承 香 殿 の 女 御 ) が 、 帝 の 愛 姫 女 三 の 宮 の 母 と し て 登 場 し て く る 。

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


巻 三 : 巻 四 巻 五 校 訂 付 記 付 録 図 録 ・ 系 図 : 凡 例 目 次 原 文 現 代 語 訳 ・ : 三 一 三 ・ 四 四 三 ・ : 四 四 四

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


巻 三 : 巻 四 巻 五 校 訂 付 記 付 録 図 録 ・ 系 図 : 凡 例 目 次 原 文 現 代 語 訳 ・ : 三 一 三 ・ 四 四 三 ・ : 四 四 四

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


紫 式 部 日 記 絵 巻 / 産 養 に 疲 れ る 中 宮 大 阪 ・ 藤 田 美 彿 頑 官 蔵 寝 覚 の 上 は 子 福 者 で あ る 。 男 君 と の 間 に 四 人 の 子 を 儲 け て い る 。 こ の 物 語 で は 女 主 人 公 の 出 産 は 重 い 意 味 を 持 つ 。 巻 一 一 の 石 山 の 姫 君 の 誕 生 と 、 中 間 欠 巻 部 分 の ま さ こ 君 出 産 は 、 そ の ま ま 物 語 の 危 機 の 局 面 の 象 徴 で あ る 。 末 尾 欠 巻 部 分 の 第 四 子 誕 生 の 折 に も 、 寝 覚 の 上 の 身 辺 は 危 機 に さ ら さ れ て い た か も し れ な い 。 巻 五 の 第 三 子 ( 次 男 ) 誕 生 だ け が 、 め す ら し く 家 庭 的 に は 平 穏 で あ る 。 『 紫 式 部 日 記 絵 巻 』 を 借 り て 、 女 君 の 出 産 、 う よ や し な い 産 養 の 情 景 を 偲 ぶ 。

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


5 凡 例 3 和 歌 は 、 全 文 を 引 用 し た 後 、 そ の 現 代 語 訳 を ( ) 内 に 示 し た 。 4 見 出 し は 、 本 文 に 付 し た の と 同 じ 見 出 し を 現 代 語 訳 の 該 当 箇 所 に 付 し た 。 5 原 文 と 現 代 語 訳 と の 照 合 、 検 索 の 便 を は か り 、 そ れ ぞ れ 数 ベ ー ジ お き の 下 段 内 側 に 、 対 応 す る 。 ヘ ー ジ 数 を 示 し た 。 一 、 解 説 は 第 一 冊 に 付 し て い る が 、 以 下 の よ う な 方 針 の も と に 執 筆 し た 。 『 夜 の 寝 覚 』 研 究 の 現 段 階 を 踏 ま え 、 学 問 的 成 果 を 吸 収 し つ つ 、 一 般 読 者 に も 楽 し く 読 め る よ う 平 明 を 旨 と し た 。 2 作 品 お よ び 作 者 に つ い て 理 解 す る の に 必 要 な 事 項 ー ー 作 品 の 主 題 と 展 開 、 主 人 公 の 性 格 な ど 、 ま た 、 中 間 お よ び 末 尾 に あ る 欠 巻 部 分 の 内 容 把 握 と 現 存 巻 々 と の か か わ り 、 作 品 の 成 立 問 題 、 作 者 に つ い て の 考 察 、 お よ び 伝 本 な ど に つ き 、 わ か り や す く 解 説 す る こ と に 努 め た 。 一 、 「 系 図 」 「 年 立 」 「 官 位 相 当 表 」 「 参 考 地 図 」 「 図 録 」 な ど の 主 な も の は 、 第 一 冊 巻 末 に 収 め て あ る 。 「 系 図 」 「 年 立 」 は 、 こ の 物 語 の 理 解 と 鑑 賞 に 役 立 つ よ う 整 理 し て 掲 げ た 。 2 「 参 考 地 図 」 は こ の 物 語 の 舞 台 で あ る 京 都 を 中 心 に し て あ る 。 3 「 図 録 」 は 、 内 裏 、 清 涼 殿 ・ 後 涼 殿 平 面 図 、 寝 殿 造 、 男 子 貴 族 装 束 、 女 子 貴 族 装 束 の ほ か 、 建 物 ・ 調 度 類 他 を 収 め た 。 一 、 本 書 は 、 鈴 木 一 雄 ・ 石 埜 敬 子 両 名 の 共 同 執 筆 に か か り 、 そ の 責 任 も ま た 両 者 が と も に 負 う も の で あ る 。 本 文 、 現 代 語 訳 、 脚 注 の い ず れ も 、 両 者 の 緊 密 な 連 絡 ・ 討 議 の う え で 脱 稿 し て い る 。 た だ し 、 解 説 は 鈴 木 一 雄 が 執 筆 し 、 「 系 図 ー 「 年 立 」 は 石 埜 敬 子 が 分 担 し た 。

完訳 日本の古典 第二十六巻 夜の寝覚 ㈡


た ぐ ひ む す め 一 自 分 の 娘 だ か ら 言 う の で は な ほ は し き 御 か た ち は 。 母 君 を こ そ 、 我 が 女 と も 言 は じ 、 世 に 類 な き 一 つ 物 と 、 い が 、 の 気 持 。 挿 人 句 。 あ い ぎ ゃ う ニ 「 一 つ 物 」 は 、 第 一 に 優 れ た 物 。 幼 く よ り 見 し を 、 か れ は せ ち に 愛 敬 付 き 、 う つ く し く に ほ ひ 過 ぎ た ま へ る ほ ど 三 「 か れ 」 は 、 寝 覚 の 上 を さ す 。 こ こ ち け だ か g 「 き び は 」 は 、 幼 い さ ま 。 寝 に 、 気 高 き か た や 、 た だ 少 し 後 れ た る 心 地 す る と 見 る を 、 こ れ は 、 今 か ら 、 か の 五 一 見 し て 臣 下 の 娘 と は 思 わ れ 夜 ば か り き び は な る 御 程 に 、 い と 気 高 く 、 う ち 見 む に た だ 人 と は 覚 え ず 、 か た じ ず 、 畏 れ 多 い 様 子 ま で 備 え て い ら っ し や る こ と よ 。 将 来 后 に も な る べ き 人 と 人 道 は み る の で あ る 。 け な き さ ま さ へ 添 ひ た ま ひ つ る を 。 か か る 人 の 、 ま た 世 に 出 で お は す る 世 に こ 六 姫 の 年 齢 が 数 え 年 十 一 歳 と い う と こ ろ か ら 中 間 欠 巻 部 の 経 過 年 そ あ り け れ 」 と 、 う ち 見 た て ま つ り た ま ふ よ り 、 涙 く れ 塞 が る 心 地 し た ま ひ て 、 月 が 算 定 で き る 。 「 ら む 」 は 、 現 在 推 量 。 断 定 を 避 け た 婉 曲 的 表 現 。 「 い く つ に か な ら せ た ま ふ 」 と 申 し た ま へ ば 、 殿 、 「 十 一 に な ら せ た ま ふ ら む 」 七 以 下 、 人 道 の 、 寝 覚 の 上 十 七 、 八 歳 の 頃 の 回 想 。 田 三 七 ハ ー あ た り と 申 し た ま ふ 。 か ら 一 二 三 あ た り ま で の こ と 。 か し ら ふ た と せ 御 年 の 程 数 へ 思 ひ 出 づ る に 、 「 二 年 の 限 り 、 帳 の 内 よ り 頭 八 小 柄 な 身 に 妊 娠 を 忍 び 隠 し 。 〔 一 三 〕 入 道 、 過 去 を 顧 み 九 そ の 当 座 は 予 期 せ ぬ 不 祥 事 で か し ら ふ 自 ら を し き り に 悔 む も 差 し 出 で ず 臥 し 沈 み 、 い み じ く て 石 山 に 籠 り 、 我 も 頭 下 不 愉 快 だ と 思 っ た に し て も 。 一 0 妊 娠 の 気 配 を 見 つ け て い た ら 、 む ろ し な ど せ し 程 に 、 生 ま れ た ま へ り け る な る べ し 。 あ は れ 、 こ れ を 人 に 知 ら せ 仕 方 な い こ と と し て 、 こ の 私 が お 世 話 し て さ し あ げ た も の を 。 じ と 、 程 な き 身 に 忍 び 隠 し 、 さ り げ な く と 、 思 ひ 嘆 き た ま ひ け む 心 地 、 い か ば 一 一 何 は さ て お い て も 、 の 気 持 。 一 0 一 ニ 以 下 、 内 大 臣 に 思 い を 訴 え る こ こ ろ う 九 け し き か り 侘 し か り け む 。 思 は ず に 、 心 憂 し と 思 ふ と も 、 気 色 を 見 付 け た ら ま し か ば 、 人 道 の 言 葉 。 「 げ に い み じ く と も 」 は 、 ど ん な 大 変 な 事 だ と て 、 の 気 や 言 ふ か ひ な く て 、 我 こ そ 扱 ひ き こ え ま し か 。 い か に し て も 」 な ど お ぼ し 遣 る さ 持 。 下 の 「 深 う 咎 め : こ に か か る 。 ( 現 代 語 訳 四 弩 わ び と し お く か ぞ ふ た ち ゃ う