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検索対象: 完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣から 308件ヒットしました。

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


完 訳 日 本 の 古 典 33 ム 韭 物 駈 集 四 ー 1 日 ロ 本 朝 世 俗 部 馬 淵 和 夫 ・ 国 東 文 麿 ・ 今 野 達 校 注 ・ 訳 0 小 学 館 0

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


凡 例 今 昔 物 語 集 巻 第 一 一 一 十 本 朝 付 雑 事 ・ ・ 平 定 文 本 院 の 侍 従 を 仮 借 す る 語 第 一 ・ 平 定 文 に 会 ふ 女 出 家 す る 語 第 一 一 : 近 江 守 の 娘 浄 蔵 大 徳 と 通 ず る 語 第 三 : 中 務 の 太 輔 の 娘 近 江 の 郡 司 の 婢 と 成 る 語 第 四 : 身 貧 し き 男 を 去 る 妻 摂 津 守 の 妻 と 成 る 語 第 五 : 大 和 の 国 の 人 人 の 娘 を 得 る 語 第 六 右 近 少 凵 〔 凵 鎮 西 に 行 く 語 第 七 大 納 言 の 娘 内 舎 人 に 取 ら る る 語 第 八 : 信 濃 の 国 の 姨 母 棄 山 の 語 第 九 : 下 野 の 国 に 住 み て 妻 を 去 り て 後 返 り 棲 む 語 第 十 : 目 次 原 文 現 代 語 訳 ・ : 一 九 六

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


凡 例 今 昔 物 語 集 巻 第 一 一 一 十 本 朝 付 雑 事 ・ ・ 平 定 文 本 院 の 侍 従 を 仮 借 す る 語 第 一 ・ 平 定 文 に 会 ふ 女 出 家 す る 語 第 一 一 : 近 江 守 の 娘 浄 蔵 大 徳 と 通 ず る 語 第 三 : 中 務 の 太 輔 の 娘 近 江 の 郡 司 の 婢 と 成 る 語 第 四 : 身 貧 し き 男 を 去 る 妻 摂 津 守 の 妻 と 成 る 語 第 五 : 大 和 の 国 の 人 人 の 娘 を 得 る 語 第 六 右 近 少 凵 〔 凵 鎮 西 に 行 く 語 第 七 大 納 言 の 娘 内 舎 人 に 取 ら る る 語 第 八 : 信 濃 の 国 の 姨 母 棄 山 の 語 第 九 : 下 野 の 国 に 住 み て 妻 を 去 り て 後 返 り 棲 む 語 第 十 : 目 次 原 文 現 代 語 訳 ・ : 一 九 六

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


完 訳 日 本 の 古 典 第 三 十 三 巻 今 日 物 集 昭 和 年 7 月 引 日 初 版 発 行 定 価 一 五 〇 〇 円 校 注 ・ 訳 者 馬 淵 和 夫 国 東 文 麿 今 野 達 発 行 者 相 賀 徹 夫 印 刷 所 凸 版 印 刷 株 式 会 社 発 行 所 株 式 会 社 小 学 館 〒 東 京 都 千 代 田 区 一 ッ 橋 二 ー 三 ー 振 替 口 座 東 京 八 ー 二 〇 〇 番 電 話 編 集 ( 〇 三 ) 二 九 二 ー 四 七 六 三 業 務 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 三 三 三 販 売 ( 〇 三 ) 一 一 三 〇 ー 五 七 三 九 ・ 造 本 に は 十 分 注 意 し て お り ま す が 、 万 一 、 落 丁 ・ 乱 丁 な ど の 不 良 品 が あ り ま し た ら お と り か え い た し ま す 。 ・ 本 書 の 一 部 あ る い は 全 部 を 、 無 断 で 複 写 複 製 ( コ ピ ー ) す る こ と は 、 法 律 で 認 め ら れ た 場 合 を 除 き 、 著 作 者 お よ び 出 版 者 の 権 利 の 侵 害 と な り ま す 。 あ ら か じ め 小 社 あ て 許 諾 を 求 め て く だ さ い Printed in Japan K. Mabuti H. Kunisaki 1988 ( 著 者 検 印 は 省 略 T. Konno い た し ま し た ) ISBN4 ・ 09 , 556033 ・ 9

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


四 第 語 俗 家 出 一 四 在 位 は 寛 和 二 年 ( 九 八 五 ) よ り 寛 高 広 弘 八 年 ( 一 0 一 I)O ↓ 田 二 二 一 ハ ー 注 九 。 い ふ も あ り ひ ろ た か 勢 い ま は む か し い ち で う ゐ ん み よ 一 五 広 貴 ( 高 ) 、 弘 高 と も 。 金 岡 の 巨 今 昔 、 一 条 ノ 院 ノ 御 代 ニ 、 絵 師 巨 勢 ノ 広 高 ト 云 者 ノ 有 ケ リ 。 古 ニ モ 不 恥 ズ 、 う ね め の か み 曾 孫 、 福 江 の 子 。 采 女 正 。 巨 勢 派 ご ん き も の な い ま か た な ら 絵 の 名 絵 師 と し て 権 記 以 下 に 散 見 。 今 モ 肩 ヲ 並 プ ル 者 無 シ 。 一 六 ↓ 田 八 八 ハ ー 注 一 四 。 だ う し む あ り ひ ろ た か も と 而 ル ニ 広 高 本 ョ リ 道 心 有 ケ ル ニ 、 身 ニ 重 キ 病 ヲ 受 ケ テ 日 来 煩 ヒ ケ ル ニ 、 世 ノ 宅 仏 道 を 求 め る 心 。 ゑ し こ せ の ひ ろ た か し ゆ っ け し て ぐ ゑ ん ぞ く す る こ と だ い し 絵 師 巨 勢 広 高 出 家 還 俗 語 第 四 こ せ の ひ ろ た か 本 話 の 典 拠 は 未 詳 。 病 気 で 出 家 し た 名 絵 師 巨 勢 広 高 の 還 俗 事 情 と 、 以 後 の す ぐ れ た 画 業 を 伝 え た 話 。 朝 廷 が 彼 を 内 裏 絵 所 に 出 仕 さ せ る た め に 還 俗 さ せ た こ と 、 そ の 時 髪 を の ば す た め に 長 楽 寺 に こ も っ て 壁 板 に 地 獄 絵 を 描 い た こ と 、 そ れ 以 後 の す ぐ れ た 制 作 活 動 な ど を 記 し て い る 。 本 文 は 途 中 で 欠 け て い る が 、 そ れ が 典 拠 ま た は 祖 本 の 破 損 に よ る も の か 、 未 完 稿 の た め か は 即 し か し 、 題 目 に 徴 し て も 欠 脱 部 分 に さ し て 内 容 の あ る 記 事 が あ る よ う に は 思 え な 断 し が た い 。 い 。 前 話 と は 、 諸 道 の 名 人 が 還 俗 さ せ ら れ て 公 に 仕 え 、 卓 越 し た 才 能 を 発 揮 す る と い う 共 通 の え い が も の が た り ま く ら の そ う し モ チ ー フ で つ な が っ て い る 。 地 獄 絵 の 屏 風 に つ い て は 『 枕 草 子 』 『 栄 花 物 語 』 や 諸 歌 集 に も み え 、 そ の 恐 ろ し さ が 述 べ ら れ て い る が 、 現 存 の 地 獄 絵 巻 と し て は 、 数 あ る 六 道 絵 の 中 で も 、 平 き た の て ん じ ん え ん ぎ え ま き じ ′ 、 く ぞ う し 安 末 期 乃 至 鎌 倉 初 期 の 制 作 と さ れ る 『 地 獄 草 子 』 ( ↓ 第 一 一 冊 ロ 絵 ) や 『 北 野 天 神 縁 起 絵 巻 』 七 の 地 獄 絵 が 圧 巻 と さ れ る 。 ゑ し こ せ み お も や ま ひ う ひ ご ろ わ づ ら げ ん ぞ く は ぢ よ 会 ( 成 身 会 ) 三 十 七 尊 を さ す か 。 = 座 席 の 位 置 。 す わ る べ き 位 置 。 一 ニ 「 ク 」 は 「 ノ 」 の 誤 写 で 「 此 ノ 」 か 。 一 三 あ ら か じ め 次 々 に 聞 き 伝 え て 。

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


品 賤 し か ら ぬ 人 妻 を 去 り て 後 返 り 棲 む 語 第 十 一 丹 波 の 国 に 住 む 者 の 妻 和 歌 を 読 む 語 第 十 一 一 夫 死 ぬ る 女 人 後 に 他 の 夫 に 嫁 が ざ る 語 第 十 三 : 人 の 妻 化 し て 弓 と 成 り 後 鳥 と 成 り て 飛 び 失 す る 語 第 十 四 : 今 昔 物 語 集 巻 第 三 十 一 本 朝 付 雑 事 : 東 山 科 の 藤 尾 寺 の 尼 八 幡 の 新 宮 を 遷 し 奉 る 語 第 一 ・ 鳥 羽 の 郷 の 聖 人 等 大 き な る 橋 を 造 り て 供 養 す る 語 第 一 一 ・ 湛 慶 阿 闍 梨 還 俗 し て 高 向 公 輔 と 為 る 語 第 三 : 絵 師 巨 勢 広 高 出 家 し て 還 俗 す る 語 第 四 ・ ・ 大 蔵 の 史 生 宗 岡 高 助 娘 を 傅 く 語 第 五 : 加 茂 祭 の 日 一 条 の 大 路 に 札 を 立 て て 見 物 す る 翁 の 語 第 六 ・ 右 少 弁 師 家 の 朝 臣 女 に 値 ひ て 死 ぬ る 語 第 七 灯 火 に 影 の 移 り て 死 ぬ る 女 の 語 第 八 常 澄 安 永 不 破 関 に 於 て 夢 を 見 る 語 第 九 : 尾 張 の 国 の 勾 経 方 妻 を 夢 に 見 る 語 第 十 : ・ 陸 奥 の 国 の 安 倍 頼 時 胡 国 に 行 き て 空 し く 返 る 語 第 十 一 ・ 鎮 西 の 人 度 羅 島 に 至 る 語 第 十 一 一 大 峰 を 通 る 僧 酒 泉 郷 に 行 く 語 第 十 三 ・ 九 平 : / 、 プ く フ 、 し 一 ヒ 五 、 : 一 一 三 四

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


品 賤 し か ら ぬ 人 妻 を 去 り て 後 返 り 棲 む 語 第 十 一 丹 波 の 国 に 住 む 者 の 妻 和 歌 を 読 む 語 第 十 一 一 夫 死 ぬ る 女 人 後 に 他 の 夫 に 嫁 が ざ る 語 第 十 三 : 人 の 妻 化 し て 弓 と 成 り 後 鳥 と 成 り て 飛 び 失 す る 語 第 十 四 : 今 昔 物 語 集 巻 第 三 十 一 本 朝 付 雑 事 : 東 山 科 の 藤 尾 寺 の 尼 八 幡 の 新 宮 を 遷 し 奉 る 語 第 一 ・ 鳥 羽 の 郷 の 聖 人 等 大 き な る 橋 を 造 り て 供 養 す る 語 第 一 一 ・ 湛 慶 阿 闍 梨 還 俗 し て 高 向 公 輔 と 為 る 語 第 三 : 絵 師 巨 勢 広 高 出 家 し て 還 俗 す る 語 第 四 ・ ・ 大 蔵 の 史 生 宗 岡 高 助 娘 を 傅 く 語 第 五 : 加 茂 祭 の 日 一 条 の 大 路 に 札 を 立 て て 見 物 す る 翁 の 語 第 六 ・ 右 少 弁 師 家 の 朝 臣 女 に 値 ひ て 死 ぬ る 語 第 七 灯 火 に 影 の 移 り て 死 ぬ る 女 の 語 第 八 常 澄 安 永 不 破 関 に 於 て 夢 を 見 る 語 第 九 : 尾 張 の 国 の 勾 経 方 妻 を 夢 に 見 る 語 第 十 : ・ 陸 奥 の 国 の 安 倍 頼 時 胡 国 に 行 き て 空 し く 返 る 語 第 十 一 ・ 鎮 西 の 人 度 羅 島 に 至 る 語 第 十 一 一 大 峰 を 通 る 僧 酒 泉 郷 に 行 く 語 第 十 三 ・ 九 平 : / 、 プ く フ 、 し 一 ヒ 五 、 : 一 一 三 四

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ド ニ ヤ 有 ラ ム 。 し ゅ ぎ ゃ う じ や き ゃ う か へ り ふ た り ど う ば ふ む ま た め こ と ぜ ん ご ん し ゅ 彼 ノ 修 行 者 ノ 、 京 ニ 返 テ 、 二 人 ノ 同 法 ノ 馬 ノ 為 ニ 、 殊 ニ 善 根 ヲ 修 シ ケ リ 。 こ れ お も み す お こ な い ひ な が ら ゆ く べ か ら + 此 ヲ 思 フ ニ 、 身 ヲ 棄 テ 、 行 フ ト 云 乍 モ 、 無 下 ニ 不 知 ザ ラ ム 所 ニ ハ 不 可 行 ズ 。 第 し ゅ ぎ ゃ う じ ゃ ま さ か た り き き っ た か た っ た 巻 修 行 者 ノ 正 シ ク 語 ケ ル ヲ 聞 伝 へ テ 、 此 ク 語 リ 伝 へ タ ル ト ャ 。 集 語 物 昔 今 あ き た や ま の い め ひ と を め と な す こ と だ い じ ふ ご 北 山 狗 人 為 妻 語 第 十 五 本 話 の 典 拠 は 未 詳 。 京 の 北 山 で 道 に 迷 っ た 男 が 柴 の 庵 を 見 つ け 、 主 の 女 に 一 夜 泊 め て も ら っ た が 、 女 の 夫 は 大 き な 恐 ろ し い 白 犬 で あ っ た 。 女 の 取 り な し で 翌 日 無 事 帰 る こ と が で き た が 、 女 と の 約 束 を 破 っ て 、 皆 に こ れ を 語 っ た の で 、 若 者 た ち が 出 か け て 行 き 、 犬 を 射 殺 そ う と し た が 失 敗 し 、 大 は 女 と と も に 山 奥 に 消 え 、 ロ 軽 な 男 は 死 ん だ と い う 話 。 こ れ も 常 民 社 会 と は か け 離 れ た 一 個 の 隠 れ 里 奇 談 で 、 同 時 に 人 獣 婚 姻 譚 で も あ る 。 前 話 と は 、 山 中 で 道 に 迷 っ た 男 が 動 し よ う し よ う 物 の 災 い に あ う と い う モ チ ー フ で つ な が っ て い る 。 犬 が 女 と 夫 婦 に な る 話 は 、 中 国 の 『 瀟 湘 た き ぎ わ ば き ん な ん 録 』 ( 広 百 川 学 海 第 七 冊 ) に 飼 い 犬 と 通 じ た 杜 修 巳 の 妻 の 話 が み え 、 わ が 国 で は 滝 沢 馬 琴 『 南 そ う さ と み は つ け ん で ん ふ せ ひ め や っ ふ さ 総 里 見 八 犬 伝 』 の 伏 姫 ・ 八 房 の 話 が 著 名 。 四 と こ ろ 一 同 学 の 僧 が 変 じ た 馬 。 ニ 来 世 に 善 所 ( 極 楽 な ど ) に 生 れ る も と と な る 所 業 。 写 経 ・ 造 像 ・ 供 養 な ど を い う 。 三 い わ ゆ る 捨 身 の 行 で 、 仏 果 を 得 る た め に 身 を 捨 て て 苦 行 す る 意 。 四 む や み に 。 以 下 と 同 趣 の 教 訓 句 は 、 巻 二 六 第 一 三 話 ・ 巻 二 七 第 七 話 ・ 巻 二 九 第 二 八 話 末 等 に も み え る 。 ( 現 代 語 訳 二 四 一 ハ ー )

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


四 十 第 語 や ま と と と び も も そ 箸 一 三 書 紀 、 崇 神 紀 は 倭 迹 々 日 百 襲 い ま は む か し 一 ニ て ん わ う ま う し み か ど ひ と り む す め お は し か た あ り さ ま た ん じ ゃ う な り 和 今 昔 、 冂 凵 凵 天 皇 ト 申 ケ ル 帝 一 人 ノ 娘 御 ケ リ 。 形 チ 有 様 端 正 也 ケ レ バ 、 天 姫 命 と す る 。 大 一 四 心 か ら い つ く し み 、 大 事 に お わ う は は ぎ さ き か な し か し づ た ま こ と か ぎ り な 育 て に な る 。 ↓ 一 七 四 ハ ー 注 九 。 皇 母 后 悲 ビ 、 傅 キ 給 フ 事 無 限 シ 。 一 五 「 娶 」 は 男 女 が 情 を か わ す こ と こ む す め い ま と つ ぎ た ま こ と な あ ひ だ い み じ け だ か む す め お ほ む も と 此 ノ 娘 未 ダ 娶 給 フ 事 モ 無 キ 間 ニ 、 誰 ト モ 不 知 ヌ 人 ノ 極 ク 気 高 キ 、 娘 ノ 御 許 で 、 結 婚 の 意 。 や ま と の く に の は し の は か の こ と だ い さ む じ ふ し 大 和 国 箸 墓 語 第 三 十 四 本 話 の 典 拠 は 未 詳 。 皇 女 が 毎 夜 通 っ て 来 る 見 知 ら ぬ 男 に 身 元 を 尋 ね る と 、 櫛 に あ る 油 壺 の 中 を 見 よ と い う の で 、 見 る と 小 蛇 が い た 。 男 が お び え た 皇 女 を 恨 み 、 陰 部 を 箸 で 突 く と 皇 女 は に ほ ん し よ き 死 ん だ が 、 そ の 墓 を 箸 墓 と 称 す る と い う 話 。 い わ ゆ る 箸 墓 伝 説 で 、 『 日 本 書 紀 』 崇 神 紀 + 年 九 月 の 条 お お も の め し の か み や ま と と と び も も そ ひ め の み こ と に み え る 話 と 同 話 。 『 日 本 書 紀 』 に よ れ ば 、 男 は 大 物 主 神 、 皇 女 は 倭 迹 々 日 百 襲 姫 命 で あ る 。 お お み わ お お た 大 物 主 神 に か か わ る 神 婚 説 話 ( 三 輪 山 伝 説 ) の 一 で 、 他 に 『 古 事 記 』 中 巻 に 大 神 氏 の 神 意 富 多 い く た ま よ り ひ め 々 泥 古 の 出 自 を 語 る 話 と し て 、 見 知 ら ぬ 男 ( 大 物 主 神 ) が 活 玉 依 毘 売 の も と に 通 っ て 来 た が 、 そ の 男 の 正 体 を 知 る た め 、 苧 を つ け た 針 を 男 の 衣 の 裾 に つ け 、 そ の 苧 を 伝 っ て 行 く と 三 輪 山 の お だ ま き 神 の 社 に 至 っ た 、 と い う 話 が あ り 、 昔 話 〈 蛇 婿 入 〉 苧 環 型 ( 三 輪 山 型 ) と し て も 全 国 的 に 分 布 と し よ り ぞ ・ い の う す る 。 な お 、 『 俊 頼 髄 脳 』 に も 類 話 が あ る が 、 後 半 は 『 古 事 記 』 の よ う に 、 苧 を 男 の 衣 の 衿 に つ け 、 そ れ を し る べ に 訪 ね て 行 く と 三 輪 山 の ほ こ ら に は い っ た と な っ て い る 。 た ね こ た れ ひ と て ん ひ め の み こ と ( 現 代 語 訳 一 一 六 三 ハ ー ) 話 に 対 す る 編 者 の 関 心 の 所 在 を 示 す 句 。 竹 取 物 語 制 作 意 図 と の 相 違 に 注 意 し た い 。 ↓ 3 一 四 二 ハ ー 注 一 一 。 一 ニ 天 皇 の 諡 号 明 記 を 期 し た 欠 字 。

完訳 日本の古典 第三十三巻 今昔物語集 ㈣


15 平 定 文 仮 借 本 院 侍 従 語 第 一 し な あ ぎ な い ま は む か し ひ や う ゑ す け た ひ ら さ だ ふ み 今 昔 、 兵 衛 ノ 佐 平 ノ 定 文 ト 云 フ 人 有 ケ リ 。 字 ヲ バ 平 中 ト ナ ム 云 ケ ル 。 品 モ た ひ ら の さ だ ふ み ほ ん ゐ ん の じ じ う を け さ う す る こ と だ い い ち 平 定 文 仮 借 本 院 侍 従 語 第 一 本 巻 は 第 一 話 を 除 き 、 和 歌 を 含 む 説 話 よ り 成 る ( 第 六 ・ 七 話 に つ い て は 確 認 し 得 な い が 、 欠 文 部 に 和 歌 が 含 ま れ て い た 公 算 大 ) 。 全 体 を つ ら ぬ く 統 一 的 テ ー マ は 設 定 し が た い が 、 次 の 巻 三 一 と タ イ ア ッ プ し て 古 伝 承 を 収 録 し た 巻 で 、 巻 三 一 が 雑 多 な 奇 譚 ・ 異 聞 を 収 録 す る の に 対 し 、 歌 話 的 古 伝 承 を 主 体 に 、 男 女 の 交 情 ・ 離 合 が 織 り 成 す 多 様 な 人 間 模 様 を 描 き 出 し て い る 点 が 特 や ま と も の が た り と 。 し ト - り ・ い の う 徴 的 。 『 俊 頼 髄 脳 』 を 出 典 と す る ほ か 、 『 大 和 物 語 』 と 同 話 な い し 同 文 性 の 同 話 が 多 い こ と は 注 目 す べ く 、 ま た 、 典 拠 末 詳 の 第 四 ・ 六 ・ 七 ・ 一 一 話 等 も 、 和 文 脈 の 散 佚 説 話 集 ま た は 散 佚 短 編 物 語 に 取 材 し た も の と 推 測 さ れ る 。 本 話 の 典 拠 は 未 詳 。 た だ し 『 小 世 継 』 五 四 は 同 文 的 同 話 で 、 両 者 は 同 原 拠 と み ら れ る 。 同 話 じ っ き ん し よ う う じ し ゅ う い も の が た り で は あ る が 、 『 宇 治 拾 遺 物 語 』 三 の 一 八 は 本 文 ・ 内 容 に か な り の 差 が あ り 、 『 十 訓 抄 』 一 の 二 九 は た い ら の さ だ ふ み わ ず か に 概 要 に 触 れ る の み 。 世 上 に 流 布 し た 平 中 好 色 譚 の 一 で 、 平 定 文 ( 平 中 ) が 本 院 侍 従 て く だ に 執 拗 に 言 い 寄 っ た が 、 そ の た び ご と に 侍 従 の 手 管 に 翻 弄 さ れ 、 思 い が 募 る ま ま に フ ェ チ シ ズ ム 的 醜 態 ま で 演 じ て こ が れ 死 ん だ 話 。 天 下 の 色 事 師 と 自 他 と も に 許 す 平 中 が 、 絶 妙 な 侍 従 の 駆 引 と ト リ ッ ク の 前 に 哀 れ な ピ エ ロ と 化 し て ゆ く 説 話 展 開 が 見 所 で 、 こ こ に 戯 画 化 さ れ た 平 中 像 の 典 型 を み る こ と が で き る 。 な お 、 本 話 第 二 段 の 「 見 ツ 」 を め ぐ る 問 答 説 話 の 祖 形 は 、 『 伊 勢 集 』 に 、 あ る 男 と 伊 勢 と の 問 答 歌 と し て 所 見 。 『 平 中 物 語 』 二 は こ れ を 踏 ま え て 、 平 中 と あ る 女 の 歌 話 を 作 出 し て い る 。 一 兵 衛 府 の 次 官 。 ニ ↓ 田 四 九 ハ ー 注 一 九 。 三 「 平 仲 」 と も 。 ↓ 田 四 九 ハ ー 注 一 二 。 四 素 姓 。 身 分 。 ↓ 田 四 九 ハ ー 注 一 一 0 。 ひ と あ り こ よ っ ぎ へ い ぢ う