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検索対象: 小説トリッパー 2014年春季号

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小説トリッパー 2014年春季号


「 小 説 ト リ ッ パ ー 」 夏 季 号 は 、 2014 年 6 月 絽 日 ( 水 ) 発 売 予 定 で す 。 は 、 ま だ 酔 わ な い ば ん 美 し い 』 『 こ う し て 書 い て い く 』 ほ か 。 戸 山 大 学 〈 ス イ 研 〉 著 に 『 世 界 一 周 デ 1 ト 』 ほ か 。 の 謎 と 酔 理 』 ほ か 。 吉 田 伸 子 ◎ 年 生 ま れ 。 書 評 家 。 著 書 に 三 羽 省 吾 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 肥 年 『 太 陽 が イ ッ パ イ い つ ば い 』 で 小 説 新 潮 長 篇 森 山 大 道 ◎ 年 生 ま れ 。 写 真 家 。 写 真 集 『 恋 愛 の ス ス メ 』 。 新 人 賞 受 賞 。 著 書 に 『 厭 世 フ レ 1 バ に 『 何 か へ の 旅 1971 ー 1974 』 『 カ ラ ー 』 『 モ ノ ク ロ 1 ム 』 ほ か 。 『 タ チ コ ギ 』 reJunk 』 『 傍 ら の 人 』 ほ か 。 鷲 田 清 一 ◎ 年 生 ま れ 。 哲 学 者 。 年 『 モ ー ド の 迷 宮 』 で サ ン ト リ 1 学 芸 賞 、 湊 か な え ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 告 吉 田 友 和 ◎ 祐 年 生 ま れ 。 旅 行 作 家 。 著 書 年 『 「 ぐ ず ぐ ず 」 の 理 由 』 で 読 売 文 学 賞 受 白 』 で 本 屋 大 賞 、 肥 年 「 望 郷 、 海 の 星 . に 『 自 分 を 探 さ な い 旅 』 『 3 日 も あ れ ば 海 賞 。 著 書 に 『 だ れ の た め の 仕 事 』 『 「 待 っ ー で 日 本 推 理 作 家 協 会 賞 短 編 部 門 受 賞 。 著 外 旅 行 』 『 ョ 1 ロ ッ パ 鉄 道 旅 っ て ク セ に な と い う こ と 』 『 〈 ひ と 〉 の 現 象 学 』 『 お と な 書 に 『 少 女 』 『 夜 行 観 覧 車 』 『 花 の 鎖 』 『 サ る ー 国 境 を 陸 路 で 越 え て 川 カ 国 』 共 の 背 中 』 、 共 著 に 『 臨 床 と こ と ば 』 ほ か 。 フ ァ イ ア 』 『 白 ゆ き 姫 殺 人 事 件 』 「 母 性 』 「 望 郷 』 『 高 校 入 試 』 ほ か 。 ご 下 で 時 ま 日 で ま 絽 な 売 , 合 当 ~ 村 田 喜 代 子 ◎ 菊 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 寵 所 場 担 日 必 的 売 の 販 秘 御 天 歌 』 で 芸 術 選 奨 文 部 大 臣 賞 、 間 年 販 望 直 坪 選 本 聞 希 部 間 黝 よ 『 故 郷 の わ が 家 』 で 野 間 文 芸 賞 受 賞 。 著 書 新 ご 務 時 カ 邯 て に 『 人 が 見 た ら 蛙 に 化 れ 』 『 あ な た と 共 に っ 逝 き ま し よ う 』 『 縦 横 無 尽 の 文 章 レ ッ ス ン 』 < ら 俶 保 め か 版 行 場 の 『 ゅ う じ よ こ う 』 ほ か 。 求 < 社 出 ) の お か 月 聞 、 。 4 す 送 の ] 店 、 。 新 ン す 森 晶 麿 ◎ 四 年 生 ま れ 。 作 家 。 Ⅱ 年 『 黒 猫 法 書 日 だ お 齣 ク 年 方 の だ 朝 印 て 社 ッ ガ 文 り の 遊 歩 あ る い は 美 学 講 義 』 で ア ガ サ ・ ク ク 主 寄 気 の 連 小 の ら ッ 目 最 注 記 ご e と ※ す か リ ス テ ィ ー 賞 受 賞 。 著 書 に 『 名 無 し の 蝶 山 本 一 カ 氏 「 た す け 鍼 」 は 、 休 載 い た し ま す 。 週 刊 朝 日 別 冊 小 説 ト リ ッ パ ー 2014 年 春 季 号 発 行 日 2014 年 3 月 日 発 行 人 市 川 裕 一 編 集 長 長 田 匡 司 発 行 所 朝 日 新 聞 出 版 〒 1 - 11 東 京 都 中 央 区 築 地 5-3-2 電 話 03 巧 図 ト 32 ( 編 集 ) 03 ー 5 図 7793 ( 販 売 ) 本 誌 掲 載 記 事 の 無 断 転 載 を 禁 じ ま す ⑥ 朝 日 新 聞 出 版 2014 執 筆 者 紹 介 4

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第 る 朝 日 時 代 小 説 賞 豆 ぎ 応 募 規 定 「 朝 日 時 代 小 説 大 賞 」 は 、 ① 長 篇 の 時 代 小 説 。 未 発 表 の 作 品 に 限 る 。 従 来 の 枠 に と ら わ れ な い ② 応 募 資 格 は プ ロ ・ ア マ を 問 わ な い 。 ③ 枚 数 は 400 字 詰 め 原 稿 用 紙 300 枚 以 上 400 枚 以 内 。 ワ ー プ ロ 原 黐 時 代 小 説 の 書 き 手 を 発 掘 す る 賞 と し て の 場 合 は 、 判 の 用 紙 品 字 行 を 目 安 に 印 字 す る こ と 。 原 稿 用 紙 、 の 印 字 は 不 可 。 4 00 字 換 算 で の 原 稿 枚 数 、 作 品 の 梗 概 ( 800 字 以 内 ) 、 筆 名 ( 本 名 ) ・ 住 所 ・ 電 話 番 号 ・ 年 齢 ・ 経 歴 を 明 記 し た 別 紙 を 添 え る こ と 。 位 置 づ け 、 プ ロ ・ ア マ を 問 わ ず 、 ④ 締 め 切 り は 、 2014 年 月 日 ( 当 日 消 印 有 効 ) 。 ⑤ 宛 先 幅 広 い 人 材 発 掘 を め ざ し ま す 。 〒 10 4 ー 8 011 株 式 会 社 朝 日 新 聞 出 版 朝 日 時 代 小 説 大 賞 事 務 局 進 取 の 気 性 に 富 ん だ * 応 募 は 郵 送 に 限 り ま す 。 住 所 は 不 要 で す 。 ⑥ 入 選 作 発 表 「 小 説 ト リ ッ パ ー 」 2015 年 秋 季 号 ( 9 月 発 売 予 定 ) 意 欲 的 な 作 品 で 挑 戦 し て く だ さ い 。 * 途 中 経 過 は 年 夏 季 号 ( 6 月 発 売 予 定 ) に 掲 載 し ま す 。 ⑦ 正 賞 = 記 念 品 ・ 副 賞 H200 万 円 主 催 ・ 朝 日 新 聞 出 版 協 賛 ・ テ レ ビ 朝 日 ⑧ 受 賞 作 は 朝 日 新 聞 出 版 よ り 刊 行 し ま す 。 出 版 権 お よ び 映 像 化 権 そ の 他 の 権 利 は 、 朝 日 新 聞 出 版 に 属 し ま す 。 ⑨ 応 募 原 稿 は 返 却 し ま せ ん 。 コ ピ ー を と っ て お い て く だ さ い 。 ま た 選 考 経 過 に 選 考 委 員 ( 五 古 順 ) つ い て の 問 い 合 わ せ に は 応 じ ら れ ま せ ん 。 ⑩ ニ 重 投 稿 は ご 遠 慮 く だ さ い 。 縄 田 一 男 松 井 今 朝 子 ⑩ 優 秀 な 応 募 作 品 に つ い て は 、 テ レ ビ 朝 日 で の ド ラ マ 化 を 検 討 し ま す 。

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◎ 空 い て い る コ ー ヒ ー シ ョ ッ 。 フ の 中 で 、 僕 は パ ソ コ ン を 開 き 、 持 っ て き た 展 覧 会 の カ タ ロ グ を 広 げ た 。 沖 縄 県 立 博 物 館 ・ 美 術 館 で 開 催 中 の 「 森 山 大 道 終 わ ら な い 旅 北 / 南 」 の カ タ ロ グ だ っ た 。 構 成 が 不 思 議 だ っ た 。 カ タ ロ グ は 3 冊 構 成 で 、 一 冊 は カ ラ ー の 沖 縄 の 写 真 、 一 冊 は 学 芸 員 、 評 論 家 な ど の テ キ ス ト 、 そ し て 残 り の 一 冊 が モ ノ ク ロ の 北 海 道 の 写 真 だ っ た 。 な ぜ 、 沖 縄 で 北 海 道 な の か 。 色 鮮 や か な カ ラ ] の 写 真 は 、 森 山 の 眼 が 官 能 的 に 捉 え た 「 沖 縄 」 を 感 し さ せ る と と も に 、 ど こ か 沖 縄 で 亡 く な っ た 先 達 で あ る 写 真 家 の 東 松 照 明 へ の オ マ ー ジ 「 一 の よ う な も の を 感 し た 。 そ し て モ ノ ク ロ の 「 北 海 道 」 の 写 真 で あ る 。 こ の カ タ ロ グ を 見 た 時 、 何 故 か 僕 は 泣 け て き た 。 そ れ は 1970 年 代 後 半 に 森 山 が 札 幌 を 拠 点 に し て 撮 ら れ た も の で 、 近 年 に な る ま で 年 以 上 放 置 さ れ て き た 写 真 群 か ら の も の だ っ た 。 19 7 8 年 当 時 の こ と を 森 山 は こ う 書 い て い る 。 「 初 夏 か ら 盛 夏 に か け て の 三 か 月 間 、 僕 は 札 幌 に ア パ ー ト を 借 り て ひ と り で 住 ん で い た 。 ふ た た び 、 僕 自 身 が 写 真 を 撮 る 日 々 を と り 戻 す た め に と い う の が 唯 一 の 目 的 で あ っ た 。 し か し そ の 名 分 の か げ に は 、 ど こ か 、 自 己 逃 避 と も 自 己 隔 離 と も っ か な い う し ろ め た さ が っ き ま と っ て い た 。 当 時 僕 は 、 ま る で 抜 け 殻 の よ う に 実 際 の 生 活 感 が 希 薄 に な っ て し ま っ て い た 。 鬱 と 不 安 と , も う 秋 か そ れ に し て も 、 何 故 に 、 永 遠 の 太 陽 を 惜 し む の か 、 俺 た ち は き よ ら か な 光 の 発 見 に 心 ざ す 身 で は な い の か 、 ー ー 季 節 の 上 に 死 減 す る 人 々 か ら 遠 く 離 れ て 。 秋 だ 。 俺 た ち の 舟 は 、 動 か ぬ 霧 の 中 を 、 纜 を 解 い て 、 悲 惨 の 港 を 目 指 し 、 焔 と 泥 の し み つ い た 空 を 負 う 巨 き な 街 を 目 指 し て 、 舳 先 を ま わ す 。 ( 小 林 秀 雄 訳 、 ラ ン ポ ー 『 地 獄 の 季 節 』 「 別 れ 」 よ り 、 岩 波 文 庫 )

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〔 連 載 評 論 〕 橋 本 失 わ れ た 近 代 を 求 め て Ⅲ 高 橋 源 一 郎 青 少 年 の た め の ニ ッ ポ ン 文 学 全 集 鷲 田 清 一 素 手 の ふ る ま い ア ー ト が さ ぐ る 〈 未 知 の 社 会 性 〉 連 載 小 説 大 沢 在 昌 帰 去 来 梨 木 香 歩 椿 宿 の 辺 り に 村 田 喜 代 子 焼 野 ま で あ さ の あ っ こ ア レ グ ロ ・ ラ ガ ッ ツ ア 高 橋 克 彦 遠 野 小 説 火 坂 雅 志 北 条 五 代 藤 谷 治 あ の 日 、 マ ー ラ ー が 深 町 秋 生 ノ ョ ッ ト ガ ン ・ ロ 1 ド 318 262 0 写 真 & 創 作 森 山 大 道 文 ・ 赤 坂 英 人 〔 季 刊 ブ ッ ク レ ヒ ュ ー 吉 田 伸 子 西 加 奈 子 舞 台 』 私 を 変 え た こ の 一 冊 東 山 彰 良 「 や さ し さ の 体 系 」 連 載 ェ ッ セ イ 永 江 朗 最 近 の 評 論 を 読 む 和 冊 第 7 回 朝 日 時 代 小 説 大 賞 応 募 規 定 執 筆 者 紹 介 181 2 笳 絋 ん み . ・ ん 0 / 0 U. ん UO ん 4 な co 佐 ル な na な 正 M ぬ D . 洋 火 SO

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風 花 ー か ざ 長 篇 時 代 小 説 最 終 回

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、 つ に 考 え る こ と が で き ま す 。 フ ロ イ ト の 三 大 悲 劇 に 、 私 は 『 源 氏 物 語 』 を 加 え た い 。 「 源 氏 登 原 ・ わ れ わ れ 自 身 の 神 話 物 語 』 も ま た 父 親 殺 し の 物 語 だ か ら で す 。 幼 年 時 代 と は わ れ わ れ 自 身 の 神 話 で す 。 人 類 が 神 話 か ら 出 て 今 か ら 千 年 も 昔 に 、 一 人 の 女 性 に よ っ て 書 か れ た 『 源 氏 物 語 』 に つ い て は 、 終 盤 の 谷 崎 潤 一 郎 を あ っ か う 講 義 で 取 り 上 げ る つ き た よ う に 。 神 話 は 完 全 に 忘 れ ら れ て い る け れ ど も あ る ん だ と い う 考 え 方 。 源 頼 朝 公 幼 少 の み ぎ り の し ゃ れ こ う べ は あ る 。 わ も り で す 。 れ わ れ に は 幼 年 時 代 と い う も の が あ っ て 、 す ご く 悲 し い 、 わ び 「 も は や 誰 の 息 子 で も な い 」 と い う テ 1 マ は 、 「 私 生 児 小 説 」 論 に も 響 い て い る で し よ 、 つ : し い 思 い を し た 、 そ う い う 世 界 が あ っ て 、 そ こ で 必 死 に な っ て わ れ わ れ は 物 語 を 作 っ た こ と が あ っ た と 考 え よ う 。 そ し て 、 成 人 し て 意 識 的 に 物 語 を 作 る 、 小 説 を 書 か な く て も 何 か 言 葉 に よ っ て 世 界 を 説 明 し た り 自 分 自 身 を 認 識 し よ う と す る と き に は 、 そ ・ 再 び 、 テ ー ゼ 「 す べ て の 近 代 小 説 は 探 偵 小 説 で あ る 」 う い う 物 語 が 常 に 無 意 識 の 世 界 か ら の 促 し 、 励 ま し と し て あ る 探 偵 小 説 を 、 好 き な 人 と 嫌 い な 人 が い ま す 。 小 説 家 の 中 に も 、 ん だ と い う 考 え 方 。 ア レ キ サ ン ダ 1 大 王 が 実 在 し た か ど う か を 探 偵 小 説 、 ミ ス テ リ 1 を 愛 好 す る 作 家 と 、 全 く 読 ま な い と い う わ れ わ れ は 確 認 で き な い が 、 ず っ と 歴 史 は そ う い う ふ う に 書 か 作 家 が い ま す 。 私 の 友 人 に も 「 ミ ス テ リ 1 や 探 偵 小 説 は 一 切 読 ま な い 」 と い う 作 家 が い ま す が 、 私 は ほ ど ほ ど の 愛 好 者 で す 。 れ て い る の で す か ら 、 わ れ わ れ は あ っ た と 信 じ て 過 去 を 見 て い 探 偵 小 説 を 無 視 す る わ ナ こ よ 、 、 る し 、 今 の 自 分 を 考 え て い る 。 。 ( ( し 力 な い 。 と い う の も 、 物 語 小 説 を 構 造 や 方 法 で と ら え る に は 、 探 偵 小 説 を 考 え る と 一 番 わ か り や す い 。 ま ず 探 偵 小 説 と い う の は 近 代 社 会 が 生 ま れ て か ら ・ フ ロ イ ト の 三 大 悲 劇 し か 出 て こ な か っ た ジ ャ ン ル で あ る こ と 。 そ し て 、 近 代 の 人 間 フ ロ イ ト は 、 三 大 悲 劇 と し て 、 『 オ イ デ イ プ ス 王 』 『 ハ ム レ ッ の 思 考 の 形 態 そ の も の を 、 小 説 の 構 造 に し て い る か ら で す 。 探 こ 直 面 し た と き 、 あ る 一 定 の ト 』 『 カ ラ マ 1 ゾ フ の 兄 弟 』 の 三 作 を 挙 げ 、 こ れ ら は 、 す べ て 父 偵 小 説 と い う の は 、 わ れ わ れ が 謎 ( 親 殺 し の 物 語 で あ る と 言 っ て い ま す 。 や り 方 で 答 を 導 く 、 い わ ゆ る 近 代 科 学 的 思 考 方 法 そ の も の を 物 語 の プ ロ ッ ト に し て い る か ら で す 。 「 ハ ム レ ッ ト 』 が ど う し て 父 親 殺 し ? ハ ム レ ッ ト に と っ て 、 叔 父 が 父 を 殺 し た の は 、 彼 の エ デ イ プ ス ・ コ ン プ レ ッ ク ス を 半 フ ラ ン ス の 二 人 の 推 理 小 説 作 家 ボ ワ ロ 1 & ナ ル ス ジ ャ ッ ク が ば 代 行 し て く れ た の で あ り 、 叔 父 の も の に な っ た 母 親 を 取 り 返 う ま く 論 ( 『 推 理 小 説 論 』 ) を 展 開 し て い る の で 、 そ れ を 全 面 的 す に は 、 叔 父 を 亡 き も の に し な け れ ば な ら な か っ た 。 と い う ふ に 借 用 し つ つ 進 め ま す 。

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6 と 云 い な が ら 、 そ の 眼 底 に 涙 を さ え 宿 し て い た ( 「 い た ま し 捨 て て し ま う の で あ る 。 そ う し て 日 本 の 小 説 に 最 も 欠 け て き 人 ー 「 谷 崎 潤 一 郎 全 集 』 第 二 十 一 一 巻 所 収 、 中 央 公 論 社 一 九 九 い る と こ ろ は 、 此 の 構 成 す る 力 、 い ろ い ろ 入 り 組 ん だ 話 の 五 年 第 五 版 ) 。 筋 を 幾 何 学 的 に 組 み 立 て る 才 能 、 に 在 る と 思 う ( 「 饒 舌 録 辻 『 谷 崎 潤 一 郎 全 集 』 第 二 十 巻 所 収 、 同 前 」 ) 。 明 く る 日 、 二 人 は 根 津 松 子 の 誘 い で ダ ン ス 場 に 出 掛 け ま す 。 タ キ シ ー ド を 着 る 谷 崎 の ワ イ シ ャ ツ の ボ タ ン を 芥 川 が は め て く こ れ に 対 し て 芥 川 は 、 「 『 話 』 ら し い 話 の な い 小 説 は ( 略 ) あ ら れ ま す 。 ゆ る 小 説 中 、 最 も 詩 に 近 い 小 説 で あ る 」 ( 「 文 芸 的 な 、 余 り に 文 芸 そ の と き の こ と を 谷 崎 は 「 そ れ は ま る で 色 女 の よ う な 親 切 さ 的 な 」 『 侏 儒 の 言 葉 ・ 文 芸 的 な 、 余 り に 文 芸 的 な 』 岩 波 文 庫 一 一 〇 〇 で あ っ た 」 ( 同 前 ) と 書 い て い ま す 。 三 年 ) と 反 論 す る 。 要 す る に 、 通 俗 を 排 す る と い う わ け で す 。 谷 崎 は 松 子 を 独 占 し て 踊 り 明 か す 。 そ の 四 カ 月 後 の 七 月 、 芥 谷 崎 は 、 通 俗 を お そ れ な い 、 と 再 反 論 し ま す 。 川 は 自 殺 し ま す 。 源 氏 物 語 は 肉 体 的 力 量 が 露 骨 に 現 わ れ て い な い け れ ど も 、 「 筋 の な い 小 説 論 争 」 と い う の は 、 そ の 年 の 『 新 潮 』 二 月 号 の 優 婉 哀 切 な 日 本 流 の 情 緒 が 豊 富 に 盛 り 上 げ ら れ て い て 、 首 創 作 合 評 で 、 芥 川 が 谷 崎 の 「 日 本 に 於 け る ク リ ッ プ ン 事 件 に 尾 も あ り 照 応 も あ り 、 成 る 程 我 が 国 の 文 学 中 で は 最 も 構 造 つ い て 、 「 谷 崎 君 の を 読 ん で 何 時 も 此 頃 痛 切 に 感 ず る し 、 僕 も 昔 的 美 観 を 備 え た 空 前 絶 後 の 作 品 で あ ろ う 。 ( 「 饒 舌 録 」 ) 書 い た 『 藪 の 中 』 な ん か に 就 い て も 感 ず る の だ が 話 の 筋 と 云 う も の が 芸 術 的 な も の か ど う か と 云 問 題 、 純 芸 術 的 な も の か ど う 谷 崎 の ヴ ェ ク ト ル が 、 日 本 語 に よ っ て 書 か れ た 最 良 、 最 大 の か と 云 う こ と が 非 常 に 疑 問 だ と 思 う 」 と い う 発 言 を 受 け て 、 谷 物 語 、 『 源 氏 』 を め ざ し て い る こ と は 明 ら か で す 。 崎 が 反 論 し た こ と か ら は じ ま っ た も の で す 。 谷 崎 は 、 『 源 氏 』 に 出 会 う た め に 関 西 に 移 住 し た と 言 っ て も い 芥 川 が 「 筋 と い う も の が そ ん な に 大 事 な も の か 」 と 問 い か け る 。 す る と そ れ に 対 し て 谷 崎 は こ う 答 え た 。 『 源 氏 』 に 還 り 、 『 源 氏 』 に 匹 敵 す る も の を 書 く こ と 。 物 語 と は ま ず 声 で す 、 と り わ け 女 性 の 声 で す 。 『 源 氏 物 語 』 が 筋 の 面 白 さ は 、 云 い 換 え れ ば 物 の 組 み 立 て 方 、 構 造 の 面 白 誰 に よ っ て 書 か れ 、 誰 に よ っ て 語 ら れ た か を 考 え れ ば 明 白 で す 。 オ リ ジ ン さ 、 建 築 的 の 美 し さ で あ る 。 ( 略 ) 凡 そ 文 学 に 於 て は 構 造 的 谷 崎 は 女 の 声 が す る ほ う へ 、 物 語 の 水 源 へ と た め ら い も な く 身 美 観 を 最 も 多 量 に 持 ち 得 る も の は 小 説 で あ る と 私 は 信 じ る 。 を 投 げ か け ま す 。 筋 の 面 白 さ を 除 外 す る の は 、 小 説 と 云 う 形 式 が 持 っ 特 権 を 「 お 慕 い 申 し て お り ま す ー お よ

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背 回 捜 査 長 篇 警 察 小 説 最 終 回 麻 生 幾 text ASO lku

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0 ー 時 代 小 説 界 は 、 今 、 大 家 か ら 中 堅 、 新 鋭 の 諸 作 、 そ し て 、 大 ブ ー ム と な っ て い る 文 庫 書 き 下 ろ し 長 篇 ま で 、 驚 く ほ ど の 活 況 を 呈 し て い る 。 そ の 中 で 、 新 し い 文 体 と 発 想 、 さ ら に は テ ー マ を 盛 り 込 ん だ 瑞 々 し い 作 品 と 出 逢 う こ と も し ば し ば だ 。 が 、 注 意 し な け れ ば な ら な い の は 、 こ の ジ ャ ン ル に は 多 く の 約 束 事 が あ り 、 そ れ ら を 無 視 す る と 、 作 品 が 、 時 代 小 説 の か た ち を 借 り た 何 か 別 の も の に な っ て し ま う 点 で あ る 。 前 述 の 新 し い 試 み は 、 そ う し た 約 束 ご と の 間 隙 を ぬ っ て 成 さ れ て こ そ 、 真 の 輝 き を 放 つ の で あ る 。 私 が 望 む の は 、 登 場 人 物 が 鬘 を か む っ て い る の で は な く 、 本 当 の 髷 を 結 っ て い る 作 品 だ 。 時 代 小 説 の パ タ ー ン 化 を 打 ち 破 り つ つ 、 そ の 一 方 で 基 本 を 遵 守 し な が ら 斬 新 さ を 盛 り 込 む ー ー こ の 難 事 を 果 た さ ん と す る 勇 気 あ る 書 き 手 、 出 で よ ! 私 は 、 心 か ら 参 っ た 、 と 叫 ば ず に は い ら れ な い 作 品 と 出 逢 う こ と を 、 切 に 望 ん で い る 。 時 代 小 説 に 限 ら ず 、 ØLL に し ろ 、 伝 奇 小 説 に し は ん と う ろ 、 私 が そ こ に 求 め る の は リ ア リ テ ィ ー 真 実 ら し さ で あ る 。 小 説 は 〈 フ さ ら い う ま で も な く 全 体 が 虚 構 だ か ら こ そ 真 実 ら し さ が ど う し て も 必 要 に な る 。 そ し て 何 よ り も 真 実 ら し く あ っ て ほ し い の は そ こ に 描 か れ る 人 間 だ 。 じ つ う そ 「 芸 」 と い う も の は 「 実 と 虚 と の 皮 膜 の 間 に あ る 」 と 看 破 し た の は 往 古 の 近 松 門 左 衛 門 だ が 、 虚 構 を 真 実 に 思 わ せ る か ど う か が 決 め 手 と な る の は 、 三 百 年 の 時 を 経 た 今 も 変 わ ら な い 。 つ ま り 真 実 ら し い 虚 を つ く の が 文 芸 で あ ろ う 。 時 代 小 説 で は 壮 大 な 虚 が つ け る 。 そ れ が 時 代 小 説 の 醍 醐 味 と い っ て い い か も し れ な い 。 た だ し 虚 が 大 き け れ ば 、 一 方 で 小 さ な 真 実 を 丹 念 に 積 み 上 げ て 隙 間 を 埋 め る 地 道 な 作 業 を し な い と た ち ま ち 崩 壊 す る 。 簡 単 に バ レ て し ま う 虚 を つ い て 白 け さ せ る の は 児 戯 に 等 し い 。 虚 実 の 境 目 が 見 え な い く ら い の 壮 大 な 虚 で 、 ど う か 私 た ち を 酔 わ せ て ほ し ひ に く 第 4 回 、 第 5 回 の 朝 日 時 代 小 説 大 賞 選 考 委 員 を ご 担 当 い た だ い た 山 本 兼 一 さ ん が 、 去 る 2 月 13 日 に ご 逝 去 さ れ ま し た 。 謹 ん で ご 冥 福 を お 祈 り 申 し 上 げ ま す 。 第 6 回 朝 日 時 代 小 説 大 賞 に つ き ま し て は 、 縄 田 一 男 さ ん 、 松 井 今 朝 子 さ ん の お 二 人 に ご 選 考 い た だ く 予 定 で す 。

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く 』 『 失 わ れ た 近 代 を 求 め て Ⅱ 』 『 初 夏 の 常 見 藤 代 ◎ 年 生 ま れ 。 ノ ン フ ィ ク シ ョ 鈴 木 英 治 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 的 年 『 駿 ン 写 真 作 家 。 著 書 に 『 月 刊 た く さ ん の ふ 色 』 ほ か 。 府 に 吹 く 風 』 で 角 川 春 樹 小 説 賞 特 別 賞 受 し ぎ 砂 漠 の サ イ ー ダ さ ん 』 『 女 ノ マ ド 、 葉 室 麟 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 銀 漢 賞 。 著 書 に 『 ロ 入 屋 用 心 棒 』 『 手 習 重 兵 衛 』 一 人 砂 漠 に 生 き る 』 。 の 賦 』 で 松 本 清 張 賞 、 年 『 蜩 ノ 記 』 で 『 父 子 十 手 捕 物 日 記 』 シ リ 1 ズ ほ か 。 直 木 賞 受 賞 。 著 書 に 『 柚 子 の 花 咲 く 』 『 こ 永 江 朗 ◎ 年 生 ま れ 。 フ リ 1 ラ イ タ 1 高 橋 克 彦 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 緋 著 書 に 『 セ ゾ ン 文 化 は 何 を 夢 み た 』 『 広 辞 の 君 な く ば 』 『 潮 鳴 り 』 『 山 桜 記 』 ほ か 。 苑 の 中 の 掘 り 出 し 日 本 語 』 『 新 宿 で 年 、 い 記 憶 』 で 直 木 賞 、 側 年 『 火 怨 』 で 吉 川 東 山 彰 良 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 肥 年 『 逃 英 治 文 学 賞 、 年 日 本 ミ ス テ リ 1 文 学 大 本 を 売 る と い う こ と 』 ほ か 。 賞 受 賞 。 著 書 に 『 ツ リ 1 』 『 か げ ゑ 歌 麿 』 亡 作 法 TURD ON THE RUN 』 で 「 こ 梨 木 香 歩 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 沼 の ミ ス テ リ ー が す ご い ! 」 大 賞 の 銀 賞 お 『 ド 1 ル ズ 最 終 章 夜 の 誘 い 』 ほ か 。 よ び 読 者 賞 、 的 年 『 路 傍 』 で 大 藪 春 彦 賞 受 地 の あ る 森 を 抜 け て 』 で 紫 式 部 文 学 賞 、 賞 。 著 書 に 『 プ ラ ッ ク ラ イ ダ 1 』 ほ か 。 高 橋 源 一 郎 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 さ Ⅱ 年 『 渡 り の 足 跡 』 で 読 売 文 学 賞 受 賞 。 よ な ら ク リ ス ト フ ァ ー ・ ロ ビ ン 』 で 谷 崎 著 書 に 『 家 守 綺 譚 』 『 — 植 物 園 の 巣 宀 へ 『 雪 潤 一 郎 賞 受 賞 。 著 書 に 『 日 間 で 「 名 文 」 と 珊 瑚 と 』 『 エ ス ト ニ ア 紀 行 』 『 鳥 と 雲 と 火 坂 雅 志 ◎ 浦 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 天 地 人 』 で 中 山 義 秀 文 学 賞 受 著 書 に 「 真 を 書 け る よ う に な る 方 法 』 『 非 常 時 の こ と 薬 草 袋 』 『 冬 虫 夏 草 』 ほ か 。 田 三 代 』 『 常 在 戦 場 ↓ 豕 康 家 臣 列 気 ば 』 『 ば く ら の 文 章 教 室 』 『 銀 河 鉄 道 の 彼 骨 稜 々 な り 』 ほ か 。 縄 田 一 男 ◎ 年 生 ま れ 。 文 芸 評 論 家 。 方 に 』 ほ か 。 年 『 捕 物 帳 の 系 胆 で 大 衆 文 学 研 究 賞 ( 研 辻 原 登 ◎ 菊 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 村 の 究 考 証 部 門 ) 受 賞 。 著 書 に 『 「 宮 本 武 蔵 」 深 町 秋 生 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 g 年 『 果 て し な き 渇 き 』 で 「 こ の ミ ス テ リ 1 が す 名 前 』 で 芥 川 賞 、 年 『 遊 動 亭 円 木 』 で と は 何 か 』 ほ か 。 ご い ! 」 大 賞 受 賞 。 著 書 に 『 ア ウ ト ク ラ ッ 谷 崎 潤 一 郎 賞 、 年 『 花 は さ く ら 木 』 で 介 シ ュ 』 『 ア ウ ト サ イ ダ 1 』 ほ か 。 大 佛 次 郎 賞 、 肥 年 『 韃 靼 の 馬 』 で 司 馬 遼 橋 本 治 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 蝶 の 者 太 郎 賞 、 年 『 冬 の 旅 』 で 伊 藤 整 文 学 賞 ゆ く え 』 で 柴 田 錬 三 郎 賞 、 年 『 双 調 平 受 賞 。 家 物 語 』 で 毎 日 出 版 文 化 賞 受 賞 。 著 書 に 藤 谷 治 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 著 書 に 『 船 執 に 乗 れ ! 』 『 花 の よ う す る 』 『 世 界 で い ち 『 浄 瑠 璃 を よ も う 』 『 幸 い は 降 る 星 の ご と