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検索対象: 小説トリッパー 2014年秋季号

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小説トリッパー 2014年秋季号


こ う 』 で 読 売 文 学 賞 受 賞 。 著 書 に 『 人 が の 月 を 喰 べ る 獅 子 』 で 日 本 大 賞 、 見 た ら 蛙 に 化 れ 』 『 鯉 浄 土 』 『 あ な た と 共 年 『 神 々 の 山 嶺 』 で 柴 田 錬 三 郎 賞 、 Ⅱ 年 鷲 田 清 一 ◎ 年 生 ま れ 。 哲 学 者 。 年 に 逝 き ま し よ う 』 『 縦 横 無 尽 の 文 章 レ ッ ス 『 大 江 戸 釣 客 伝 』 で 泉 鏡 花 文 学 賞 、 舟 橋 聖 『 モ 1 ド の 迷 宮 』 で サ ン ト リ ー 学 芸 賞 、 ン 』 『 屋 根 屋 』 ほ か 。 一 文 学 賞 、 年 吉 川 英 治 文 学 賞 受 賞 。 著 年 『 「 ぐ す ぐ す . の 理 由 』 で 読 売 文 学 賞 受 書 に 『 キ マ イ ラ 』 『 闇 狩 り 師 』 『 餓 狼 伝 』 賞 。 著 書 に 『 だ れ の た め の 仕 事 』 『 「 待 っ 」 森 山 大 道 ◎ 年 生 ま れ 。 写 真 家 。 写 真 集 『 陰 陽 師 』 シ リ ー ズ 、 『 宿 神 』 ( 全 四 巻 ) 『 天 と い う こ と 』 『 〈 ひ と 〉 の 現 象 学 』 『 お と な に 『 何 か へ の 旅 1971 ー 1974 』 『 カ ラ ー 』 海 の 秘 宝 』 ( 上 下 巻 ) ほ か 。 の 背 中 』 、 共 著 に 『 臨 床 と こ と ば 』 ほ か 。 『 モ ノ ク ロ ー ム 』 『 パ リ + 』 ほ か 。 山 本 一 カ ◎ 絽 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 あ か ね 空 』 で 直 木 賞 受 賞 。 著 書 に 『 欅 し ぐ れ 』 『 江 戸 は 心 意 気 』 『 た す け 鍼 』 『 早 刷 り 岩 次 郎 』 『 五 一 一 屋 傳 蔵 』 『 千 両 か ん ば ん 』 『 紅 け む り 』 『 つ ば き 』 ほ か 。 湯 川 豊 ◎ 年 生 ま れ 。 文 芸 評 論 家 、 エ ッ セ イ ス ト 。 2 年 『 須 賀 敦 子 を 読 む 』 で 読 売 文 学 賞 受 賞 。 著 書 に 『 イ ワ ナ の 夏 』 『 夜 明 け の 森 、 夕 暮 れ の 谷 』 『 本 の な か の 旅 』 『 植 村 直 己 ・ 夢 の 軌 跡 』 『 ヤ マ メ の 魔 法 』 夢 枕 獏 ◎ 年 生 ま れ 。 作 家 。 年 『 上 弦 「 小 説 ト リ ッ パ ー 」 冬 季 号 は 、 2014 年 月 衵 日 ( 木 ) 発 売 予 定 で す 。 大 沢 在 昌 氏 「 帰 去 来 』 、 岡 崎 琢 磨 氏 「 道 然 寺 さ ん の 双 子 探 偵 』 、 高 橋 克 彦 氏 「 遠 野 小 説 』 、 梨 木 香 歩 氏 「 椿 宿 の 辺 り に 』 は 休 載 い た し ま す 。 週 刊 朝 日 別 冊 小 説 ト リ ッ / ヾ ー 2014 年 秋 季 号 発 行 日 2014 年 9 月 日 発 行 人 首 藤 由 之 編 集 長 長 田 匡 司 発 行 所 朝 日 新 聞 出 版 〒 104-8011 東 京 都 中 央 区 築 地 5-3-2 電 話 03 ー 5 1 ー 田 32 ( 編 集 ) 03 ー 5 g7793 ( 販 売 ) 本 誌 掲 載 記 事 の 無 断 転 載 を 禁 じ ま す ⑥ 朝 日 新 聞 出 版 2014 バ ッ ク ナ ン バ ー の お 求 め に つ い て [ 注 文 方 法 ] 最 寄 り の 書 店 か A S A ( 朝 日 新 聞 販 売 所 ) ま で ご 注 文 く だ さ い 。 小 社 か ら 直 送 を ご 希 望 の 場 合 は 、 下 記 の 「 朝 日 新 聞 出 版 ・ 出 版 業 務 部 直 販 担 当 」 ま で ご 連 絡 く だ さ い 。 TEL : 03 ー 554g7793 ( 営 業 時 間 は 平 日 10 ~ 18 時 と な っ て お り ま す ) ※ 小 社 よ り 直 送 の 場 合 、 送 料 が 別 途 必 要 に な り ま す 。 バ ッ ク ナ ン バ ー の 保 存 期 間 は 基 本 的 に 発 売 日 か ら 1 年 で す 。 執 筆 者 紹 介 372

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第 7 回 朝 日 時 代 小 説 光 賞 応 募 規 定 「 朝 日 時 代 小 説 大 賞 」 は 、 ① 長 篇 の 時 代 小 説 。 未 発 表 の 作 品 に 限 る 。 従 来 の 枠 に と ら わ れ な い ② 応 募 資 格 は プ ロ ・ ア マ を 問 わ な い 。 ③ 枚 数 は 400 字 詰 め 原 稿 用 紙 300 枚 以 上 400 枚 以 内 。 ワ ー プ ロ 原 稿 時 代 ト 説 の 書 き 手 を 発 掘 す る 賞 と し て の 場 合 は 、 判 の 用 紙 品 字 x8 行 を 目 安 に 印 字 す る こ と 。 原 稿 用 紙 、 の 印 字 は 不 可 。 4 0 0 字 換 算 で の 原 稿 枚 数 、 作 品 の 梗 概 ( 8 0 0 字 以 内 ) 、 筆 名 ( 本 名 ) ・ 住 所 ・ 電 話 番 号 ・ 年 齢 ・ 経 歴 を 明 記 し た 別 紙 を 添 え る こ と 。 位 置 づ け 、 プ ロ ・ ア マ を 問 わ ず 、 ④ 締 め 切 り は 、 2014 年 月 日 ( 当 日 消 印 有 効 ) 。 ⑤ 宛 先 幅 広 い 人 材 発 掘 を め ざ し ま す 。 l}— 10 4 ー 8 01 一 1 株 式 会 社 朝 日 新 聞 出 版 朝 日 時 代 小 説 大 賞 事 務 局 進 取 の 気 性 に 富 ん だ * 応 募 は 郵 送 に 限 り ま す 。 住 所 は 不 要 で す 。 ⑥ 入 選 作 発 表 「 小 説 ト リ ッ パ ー 」 2015 年 秋 季 号 ( 9 月 発 売 予 定 ) 意 欲 的 な 作 品 で 挑 戦 し て く だ さ い 。 * 途 中 経 過 は 年 夏 季 号 ( 6 月 発 売 予 定 ) に 掲 載 し ま す 。 ⑦ 正 賞 = 記 念 品 副 賞 H200 万 円 主 催 ・ 朝 日 新 聞 出 版 協 賛 ・ テ レ ビ 朝 日 ⑧ 受 賞 作 は 朝 日 新 聞 出 版 よ り 刊 行 し ま す 。 出 版 権 お よ び 映 像 化 権 そ の 他 の 権 利 は 、 朝 日 新 聞 出 版 に 属 し ま す 。 ⑨ 応 募 原 稿 は 返 却 し ま せ ん 。 コ ピ ー を と っ て お い て く だ さ い 。 ま た 選 考 経 過 に 選 考 委 員 ( 五 古 順 ) つ い て の 問 い 合 わ せ に は 応 じ ら れ ま せ ん 。 ⑩ ニ 重 投 稿 は ご 遠 慮 く だ さ い 。 縄 田 一 男 葉 室 麟 松 井 今 朝 子 ⑩ 優 秀 な 応 募 作 品 に つ い て は 、 テ レ ビ 朝 日 で の ド ラ マ 化 を 検 討 し ま す 。 368

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立 ち 上 が り 、 ケ 1 ス を 開 け て み る 。 真 新 し い ピ ッ コ ロ が 静 か に 横 た わ っ て い た 。 ほ ん と に 小 さ い 小 さ く て 可 愛 い そ っ と 唇 を つ け て み る 。 ピ ッ コ ロ は フ ル 1 ト か ら の 派 生 楽 器 だ か ら 、 薄 片 は 使 わ な い ェ ア リ ー ド だ 。 そ の ま ま 息 を 吹 き 込 み 、 音 を 出 す 。 ピ ッ コ ロ の 音 は 高 い 。 高 く 飛 び 跳 ね る 。 き ま ま 気 儘 な 小 鳥 み た い だ 。 あ た し に 使 い こ な せ る か な 。 不 安 が 、 ま た 、 頭 を も た げ る 。 間 も な く 夏 休 み の 練 習 に 入 ろ う か と い う こ の 時 期 に 、 ま だ 不 安 だ な ん て 、 ど う な ん だ ろ う 。 自 分 が 悩 み 過 ぎ る 性 質 だ と は 思 わ な い け れ ど 、 こ と 、 吹 奏 楽 の こ と に な る と 臆 病 に な る み た い だ 。 楽 し い の に 、 わ く わ く す る の に 、 不 安 な の だ 。 あ い の 「 相 野 さ ん 、 す ご く 緊 張 し て な い ? ふ じ わ ら ー ト 練 習 の 初 日 、 部 長 で 、 ー ト リ ー ダ 1 の 藤 原 さ ん に 言 わ れ た 。 フ ル 1 ト ・ パ ー ト は あ た し た ち 一 年 生 を 含 め て 、 十 二 人 い た 。 内 、 男 子 は 二 人 し か い な い 。 も っ と も 一 年 生 は 、 ま だ 流 動 的 な 立 場 で こ れ か ら 入 れ 替 わ る こ と も 十 分 、 あ り う る 。 「 何 だ か 、 雰 囲 気 が め ち ゃ く ち ゃ 硬 い ん だ け ど 」 藤 原 さ ん は 笑 い な が ら 、 あ た し の 肩 を ち ょ ん と 突 っ つ い た 。 ち ょ っ と 緩 み な さ い と い う 合 図 だ ろ う 。 「 せ つ か く 、 あ た し の 抜 群 の 交 渉 能 力 を 生 か し て 、 フ ル 1 ト は 最 高 の 練 習 室 を 確 保 で き た ん だ か ら 、 そ ん な 硬 い 顔 し な い で 喜 ん で よ 」 あ た し た ち は パ ソ コ ン 教 室 に い た 。 き っ ち り 冷 房 が 利 い て し る 。 パ ー ト 練 習 は 各 パ 1 ト 一 部 屋 が 原 則 だ 。 パ ー ト ご と に 、 そ れ ぞ れ の 練 習 場 に 散 っ て い く 。 真 夏 ほ ど で は な い が 、 ち ょ っ と 動 け ば 汗 ば む よ う な 季 節 に な っ て い た 。 冷 房 が あ る な ん て 、 あ り が た い 。 む し む し と 暑 い 場 所 で は 、 音 合 わ せ が 難 し く な る 。 も っ と も 、 校 舎 内 で 冷 房 完 備 さ れ た こ の 教 室 は 、 ま さ に 最 高 の 練 場 所 な ん て 、 そ う そ 、 つ な い 習 環 境 だ っ た 。 「 藤 原 部 長 の 睨 み の お か げ よ 。 み ん な 、 感 謝 し な く ち ゃ 」 、 も り し ま 森 嶋 さ ん が 真 顔 で 拍 手 す る 。 ま す み 「 ち ょ っ と 、 真 純 。 睨 み っ て 何 よ 。 ま る で 、 あ た し が 周 り を 脅 し た み た い に 聞 こ え る じ ゃ な い 」 か お ん 「 あ れ ? 違 う の ? 香 音 に 睨 ま れ た ら 、 校 長 も 校 長 室 を 明 け 渡 す っ て う わ さ だ よ 」 「 ど う せ 、 あ ん た が 流 し た う わ さ で し ょ 「 あ っ 、 や つ ば わ か っ ち ゃ っ た 。 テ ヘ ペ ロ 」 前 号 ま で あ い の み ゆ 相 野 美 由 は 高 校 に 入 学 し た 。 中 学 時 代 の 部 活 で フ ル ー ト に 苦 い 思 い 出 が あ っ た が 、 親 し く な っ た 同 級 の 菰 池 咲 哉 や 久 樹 友 里 香 と 共 に 再 び 吹 奏 楽 部 に 入 部 し 、 パ ー ト は ピ ッ コ ロ に 決 ま っ た 。 に ら 131 ア レ グ ロ ・ ラ ガ ッ ツ ア

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し た こ と か ら 、 そ う い う 政 治 ド ラ マ に な る 。 政 治 が 洪 と い う 人 第 一 、 丸 谷 自 身 の 「 文 学 は 孤 立 し て 存 在 す る の で は な い 間 の 心 に 食 い 入 っ て く る 苛 酷 な 姿 が あ ざ や か に 描 か れ た こ と は 、 と い う 考 え に 合 わ な い す で に 詳 し く 述 べ た 。 そ こ で は 政 治 は 少 し 距 離 を 置 い て 語 ら れ そ ん な ふ う に 思 い を め ぐ ら せ な が ら 、 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 を 読 み 直 し て い た と き 、 ふ と 頭 に 浮 か ん で 、 す っ と 離 れ る こ と が る の だ け れ ど 、 小 説 の 視 点 で あ る 梨 田 の 手 の 及 ば な い と こ ろ に あ る の だ か ら 、 そ れ は 仕 方 が な い 。 な か っ た の が 、 夏 目 漱 石 だ っ た 。 正 確 に い う と 、 丸 谷 才 一 の 『 闊 丸 谷 才 一 は 、 「 純 文 学 書 下 ろ し 特 別 作 品 」 と い う 箱 入 り の 本 の 歩 す る 漱 石 』 の 、 と り わ け 「 三 四 郎 と 東 京 と 富 士 山 」 と 題 さ れ 裏 側 に 、 「 つ ま り こ れ は 非 政 治 的 人 間 の 書 い た 政 治 小 説 で あ る 」 た 『 三 四 郎 』 論 を 思 い 出 し て い た の で あ る 。 と 書 き つ け て い る 。 そ し て 、 政 治 的 人 間 で な い 人 間 に こ そ 、 政 な お 、 そ の 後 に 、 辻 原 登 が 丸 谷 全 集 第 三 巻 ( 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 治 は 襲 い か か っ て く る も の だ 、 と い う 意 味 の こ と も い っ て い る 収 録 ) の 解 説 で こ の 「 三 四 郎 と 東 京 と 富 士 山 」 に 触 れ て い る の を 思 え ば 梨 田 も 、 そ し て 洪 ( 大 統 領 ) さ え も 、 じ つ は 非 政 治 的 人 読 み 、 そ の 先 見 の 明 に 驚 い た こ と を 、 こ こ に 特 記 し て お か な け 間 な の で あ っ た 。 れ ば な ら な い 。 私 の 以 下 の 記 述 は 辻 原 の 所 論 に 支 え ら れ て い る と も い 、 ん る 。 『 裏 声 で 歌 へ 君 が 代 』 は 、 二 つ の 特 徴 を あ わ せ も つ 、 ま っ た く 新 し い 、 カ の あ る 小 説 の 試 み で あ っ た 。 丸 谷 の 『 闊 歩 す る 漱 石 』 が 刊 行 さ れ た の は 二 〇 〇 〇 年 七 月 、 さ ら に い う と 「 三 四 郎 と 東 京 と 富 士 山 ー は 「 文 藝 春 秋 ー 一 九 九 九 年 四 月 号 に 掲 載 さ れ て い る 。 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 ま た 『 裏 声 で 歌 へ 君 が 代 』 か ら も ず い ぶ ん 時 間 の 経 っ て い る 漱 石 論 な の だ 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 は 従 来 の 日 本 文 学 に は な か っ た よ う な 「 俗 け れ ど 、 そ れ だ け に い っ そ う 丸 谷 に 対 す る 漱 石 の 影 響 を た め ら 物 」 を 主 人 公 に し 、 従 来 の 日 本 文 学 に は な か っ た よ う な ユ ー モ わ ず に 論 じ る こ と が で き る と も 考 え ら れ る 。 ラ ス な エ ピ ソ ー ド を 積 み 重 ね て ゆ く 。 そ う い う ふ う に 書 か れ た 、 丸 谷 才 一 は 、 『 三 四 郎 』 に は 「 日 本 の 状 態 」 小 説 と も 呼 ぶ べ き 新 し い 文 学 な の で あ る 。 さ ら に は 、 国 家 と 市 民 に つ い て の 議 論 局 面 が あ る 、 と い う 。 こ れ に は 、 二 つ の 方 向 か ら の 説 明 が 必 要 ん ろ 、 つ が 延 々 と つ づ い て 議 論 小 説 と 呼 び た く な る よ う な 『 裏 声 で 歌 へ む 君 が 代 』 。 こ の よ う な 小 説 も 、 日 本 の 近 ・ 現 代 文 学 の な か で 類 例 『 三 四 郎 』 の 冒 頭 、 三 四 郎 は 上 京 す る 汽 車 の な か で 、 後 に 広 田 読 を 見 つ け る の が 不 可 能 だ っ た 。 系 譜 を た ど る と い う こ と が で き 先 生 と わ か る 男 に 出 会 う 。 広 田 先 生 は 、 日 本 で 誇 れ る の は 富 士 を 才 山 だ け だ が 、 そ の 富 士 山 は 天 然 自 然 の も の で 日 本 人 が 作 っ た も 谷 丸 の で は な い の だ か ら 仕 方 が な い 、 と い う 。 つ ま り 、 広 田 先 生 の し か し 、 丸 谷 才 一 の 小 説 が い か に 新 し い 書 き 方 が さ れ て い る と し て も 、 そ れ が 突 然 出 現 し た と い う ふ う に は 考 え な い ほ う が 明 治 末 期 ( 日 露 戦 争 後 ) の 日 本 社 会 へ の 批 判 の 象 徴 が 富 士 山 な 2

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冖 連 載 評 論 〕 高 橋 源 一 郎 青 少 年 の た め の 一 一 ッ ポ ン 文 学 全 集 湯 川 豊 丸 谷 才 一 を 読 む 鷲 田 清 一 素 手 の ふ る ま い ア ー ト が さ ぐ る 〈 未 知 の 社 会 性 〉 跖 〔 連 載 小 説 〕 あ さ の あ っ こ ア レ グ ロ ・ ラ ガ ッ ツ ア 江 上 剛 抗 争 メ ガ ・ ハ ン ク メ ル ト / ウ ン 巨 大 銀 行 が 溶 融 し た 日 中 山 七 里 闘 う 君 の 唄 を 火 坂 雅 志 北 条 五 代 深 町 秋 生 シ ョ ッ ト ガ ン ・ ロ 1 ド 藤 谷 あ の 日 、 マ 1 ラ ー が 三 羽 省 吾 ・ ・ ・ ・ 村 田 喜 代 子 焼 野 ま で 山 本 一 カ た す け 鍼 引 2 348 280 128 1 冖 連 載 ノ ン フ ィ ク シ ョ ン 〕 石 井 光 太 世 界 の 産 声 に 耳 を 澄 ま す 冖 連 載 ェ ッ セ イ 〕 内 田 洋 子 イ タ リ ア か ら イ タ リ ア へ 永 江 朗 翻 訳 に つ い て 考 え る 和 冊 冖 写 真 & 創 作 〕 森 山 大 道 文 ・ 赤 坂 英 人 池 上 冬 樹 宮 部 み ゆ き 『 荒 神 第 7 回 朝 日 時 代 小 説 大 賞 応 募 規 定 執 筆 者 紹 介 冖 季 刊 ブ ッ ク レ ビ ュ ー 〕 217 326 238 元 砿 / ″ 宿 市 な 朝 心 ん な 望 7 海 4 ル ツ ⅳ の れ ・ ん 名 oM 靃 ぬ D . ↓ SO

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〈 新 連 載 長 篇 小 説 〉 神 林 長 平 text by Kambayashi Chöhei

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漱 石 が 文 部 省 留 学 生 と し て ロ ン ド ン に 滞 在 し た の は 、 ち ょ う 紀 文 学 へ の 接 近 、 そ れ で い て 小 説 表 現 の 多 様 性 と 新 し さ の 追 究 と い う よ う な モ ダ ニ ズ ム の 特 性 が 、 す べ て 見 落 と さ れ て い る 。 ど 世 紀 の 変 わ り 目 だ っ た 。 一 九 〇 〇 年 十 月 に ロ ン ド ン に 着 き 、 一 九 〇 二 年 十 二 月 に ロ ン ド ン を 去 っ て い る 。 イ ギ リ ス の 小 説 家 丸 谷 は 『 闊 歩 す る 漱 石 』 の な か で 、 初 期 の 漱 石 文 学 の 特 質 を 、 と か 評 論 家 の 誰 彼 と っ き あ っ た の で は な く 、 下 宿 に こ も っ て 本 イ ギ リ ス 文 学 へ の 接 近 の 仕 方 か ら て い ね い に 提 え 直 し て い る 。 た と え ば 、 『 坊 っ ち ゃ ん 』 に 見 る 、 フ ィ 1 ル デ ィ ン グ 『 ト ム ・ ば か り 読 ん で い た 。 個 人 教 師 に つ い て シ ェ イ ク ス ピ ア の 講 読 は し た け れ ど 、 そ れ 以 外 に 学 者 と の つ き あ い も な い ジ ョ 1 ン ズ 』 ( 一 七 四 九 年 刊 ) の 強 い 影 響 。 あ る い は 、 『 吾 輩 は 猫 し か し 、 文 学 に ま と も に 取 り 組 ん で い た 以 上 ( 神 経 袞 弱 に な で あ る 』 に 見 る 、 ス タ 1 ン の 『 ト リ ス ト ラ ム ・ シ ャ ン デ イ 』 ( 一 る ほ ど ま と も に ) 、 時 代 の 流 れ を 当 然 の こ と な が ら 認 識 す る こ と 七 六 〇 5 六 七 年 ) と 同 様 の 反 小 説 性 。 そ う い う 流 れ の な か で 、 『 三 に な る 。 世 紀 の 変 わ り 目 は 、 ヴ ィ ク ト リ ア 朝 小 説 か ら モ ダ ニ ズ 四 郎 』 は 「 日 本 の 状 態 」 小 説 が 意 図 さ れ た 、 と 丸 谷 は い う の で ム 文 学 へ の 変 わ り 目 で も あ る 。 ち ょ う ど モ ダ ニ ズ ム 文 学 が 形 成 あ る 丸 谷 才 一 の 最 後 の 文 藝 評 論 集 『 樹 液 そ し て 果 実 』 ( 二 〇 一 一 年 さ れ る 時 期 に 、 漱 石 は ロ ン ド ン に 居 合 わ せ た 。 同 時 代 人 で あ り 、 文 学 を 志 し て い た 漱 石 は あ る 意 味 で は 当 事 者 と い っ て も よ い 。 刊 ) に は 、 「 王 朝 和 歌 と モ ダ ニ ズ ム 」 が 収 め ら れ て い る が 、 こ の そ う で は あ っ て も 、 漱 石 が モ ダ ニ ス ト だ と い う 説 は 、 か ん た 論 考 で 丸 谷 は 自 分 が モ ダ ニ ズ ム 文 学 の 徒 で あ り 、 ま た 体 現 者 で ん に 受 け 入 れ ら れ な い だ ろ う 、 と 丸 谷 は 自 ら 認 め て い る 。 そ れ あ る こ と を 、 生 涯 の 終 り 近 く に も う 一 度 宣 言 す る よ う に 述 べ て い る は モ ダ ニ ズ ム に つ い て 、 日 本 で は 碌 で も な い 既 成 概 念 が あ っ て 、 夏 目 漱 石 を 日 本 で 奇 蹟 的 に も 存 在 し た モ ダ ニ ズ ム 小 説 家 と し 何 や ら 軽 佻 浮 薄 な も の 、 ア ヴ ァ ン ・ ギ ャ ル ド 的 な 実 験 的 文 学 と て 捉 え な が ら 、 自 分 が ま っ す ぐ に 漱 石 に つ な が り 、 そ の 後 継 者 い う も の と し て 捉 え ら れ て い る か ら で あ る 。 ( 第 二 回 了 ) そ う し た 既 成 概 念 に お い て は 、 伝 統 の 尊 重 と 見 直 し 、 十 八 世 で あ る の を 意 識 し て い た に 違 い な い 。 311 丸 谷 才 ー を 読 む

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な の で あ る 。 つ か い と で も い う べ き 歴 史 的 か な づ か い の 表 記 法 に な っ た 。 漢 『 笹 ま く ら 』 で 、 社 会 ( 国 家 ) と 個 人 の 関 係 を 徴 兵 忌 避 と い 、 つ 字 に つ い て は 基 本 は 新 字 体 だ け れ ど 、 ど う し て も 容 認 で き な い い わ ば 逆 立 ち し た か た ち で 書 い た 。 そ の 丸 谷 才 一 が 次 に 挑 ん だ と す る 新 字 体 は 正 字 体 を 用 い た 。 例 示 す る と 、 昼 ↓ 晝 、 尽 ↓ 盡 、 野 心 作 が こ の よ う な 反 「 市 民 小 説 。 で あ っ た 。 市 民 社 会 と い 、 つ 蔵 ↓ 藏 、 芸 ↓ 藝 、 証 ↓ 證 な ど で あ る 。 も の が で き て い な い 、 あ る い は 形 ば か り で 未 熟 な 実 質 し か な い こ れ は 丸 谷 の 文 体 を 考 え る に 際 し て 大 き な 要 素 に な る こ と だ 一 九 七 〇 年 前 後 の 日 本 で 、 市 民 小 説 を 書 こ う と す る と 、 こ の よ か ら こ こ で 特 記 し て お き た い 。 う な 姿 に な っ た 、 と い っ て も よ い 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 を 市 民 小 説 に な ら な か っ た と い う 意 味 で こ の 長 篇 を 支 え て い る の は 、 貝 塚 の 受 賞 式 の 場 面 で 見 ら れ る 、 の 反 「 市 民 小 説 ー と す る な ら ば 、 『 裏 声 で 歌 へ 君 が 代 』 は 、 国 家 沸 騰 す る 祝 祭 性 、 カ 1 ニ ヴ ァ ル 性 で あ る 。 こ こ で は 笑 い が は じ 論 小 説 と 呼 ぶ こ と が で き る だ ろ う 。 ひ た す ら に 国 家 と は 何 か を け る の だ が 、 笑 い ( ュ ー モ ア ) は 全 篇 を 通 し て そ こ は か と な く 議 論 す る 小 説 な の で あ る 。 国 家 、 国 家 を つ く り 出 す 市 民 社 会 、 漂 っ て い る 。 笑 い と い う よ り 、 片 頬 が わ ず か に ゆ る む と い う よ 市 民 社 会 の 構 成 員 で あ る 市 民 個 人 、 そ し て そ れ ぞ れ の 関 係 を ふ う な も の で あ る と し て も 、 英 介 を 語 り 手 と し て そ れ が で き る の く め て 議 論 が 展 開 す る は 、 円 熟 し た 文 章 の 力 と い う し か な い 。 私 た ち は 、 英 介 の 家 庭 と い う だ け で は 、 小 説 ら し か ら ぬ 、 生 硬 で し ち 面 倒 な 小 説 と に 次 に 何 が 起 こ る か と い う 興 味 と 共 に 、 こ の 微 か な ユ 1 モ ア の い う ふ う に 受 け 取 ら れ か ね な い か 、 ま っ た く そ う で は な い 。 主 流 れ に 導 か れ て 、 小 説 の 行 方 を 追 い つ づ け る の で あ る 。 人 公 梨 田 雄 吉 の 恋 愛 の 始 ま り か ら そ の 結 末 ま で が 小 説 の 流 れ を つ か さ ど る 縦 糸 で あ る の だ か ら 、 中 年 男 女 の 色 事 の 場 面 に 事 欠 か な い ど こ ろ か 、 ず い ぶ ん 色 つ ほ い 空 気 が 全 篇 に 流 れ て い る 。 さ ら に い え ば 、 国 家 論 の 議 論 も 、 い い 年 を し た 男 た ち の 経 て 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 か ら ち ょ う ど 十 年 後 、 一 九 八 二 年 に 『 裏 き た 人 生 が そ の な か に こ も っ て い て 、 そ の 白 熱 に は 十 分 に い わ 声 で 歌 へ 君 が 代 』 が 書 下 ろ し 長 篇 小 説 と し て 刊 行 さ れ た 。 れ が あ る か ら 、 生 硬 で し ち 面 倒 な 議 論 小 説 で は な い 。 そ の 点 か こ こ で 留 意 し て お き た い の は 、 丸 谷 才 一 が 一 九 七 四 年 の 中 篇 ら し て も 、 こ の 大 部 の 長 篇 は 、 こ れ ま で 日 本 文 学 に は 現 わ れ る 小 説 『 横 し ぐ れ 』 か ら 歴 史 的 か な づ か い に 戻 っ た こ と で あ る 。 こ と の な か っ た 新 し さ を も っ て い る の で あ る 。 つ い で に い う と 、 最 初 の 長 篇 小 説 『 エ ホ バ の 顔 を 避 け て 』 は 歴 主 人 公 の 梨 田 雄 吉 に は 、 青 年 の 頃 の 曲 折 し た 国 家 体 験 が あ る 。 史 的 か な づ か い で 、 漢 字 は 新 字 体 。 長 篇 で い う と 『 笹 ま く ら 』 昭 和 十 五 年 四 月 、 陸 軍 幼 年 学 校 に 入 っ た 。 中 学 低 学 年 の 年 頃 で と 『 た っ た 一 人 の 反 乱 』 は 新 か な づ か い 。 そ し て 『 横 し ぐ れ 』 あ る 。 幼 年 学 校 に 入 っ た の は 、 ナ ポ レ オ ン に 憧 れ て の こ と と い か ん せ い か ら 再 び 歴 史 的 か な づ か い に な り 、 そ れ も し だ い に 丸 谷 式 か な う か ら 、 い ず れ 転 身 が や っ て く る 。 突 撃 訓 練 の 喊 声 に 嫌 気 が さ 湯 川 豊 304

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0 日 時 代 小 説 界 は 、 今 、 大 家 か ら 中 堅 、 新 鋭 の 諸 時 代 小 説 に 限 ら な い の だ ろ う け れ ど 、 ト 説 と は 時 代 ハ 説 に 限 ら 一 す 、 ØLL_ に し ろ 、 伝 奇 小 説 に し ほ ん と う 作 、 そ し て 、 大 ブ ー ム と な っ て い る 文 庫 書 き 下 ろ ろ 、 私 が そ こ に 求 め る の は リ ア リ テ ィ ー 真 実 ら 「 心 の 歌 」 を 歌 う こ と だ 、 と 思 っ て い る 。 し 長 篇 ま で 、 驚 く ほ ど の 活 況 を 呈 し て い る 歴 史 小 説 や 時 代 小 説 で 陥 り が ち な の は 、 膨 大 な し さ で あ る 。 小 説 は 〈 フ さ ら い う ま で も な く 全 体 が そ の 中 で 、 新 し い 文 体 と 発 想 、 さ ら に は テ ー マ 史 料 を 駆 使 し 、 時 代 の 枠 組 み を ど う い か す か に 腐 虚 構 だ か ら こ そ 真 実 ら し さ が ど う し て も 必 要 に な を 盛 り 込 ん だ 瑞 々 し い 作 品 と 出 逢 う こ と も し ば し る 。 そ し て 何 よ り も 真 実 ら し く あ っ て ほ し い の は 心 し て 、 作 者 自 身 の 「 心 の 歌 」 を 歌 う こ と を 忘 れ て し ま 一 つ こ と だ 。 そ こ に 描 か れ る 人 間 だ 。 は だ 。 が 、 注 意 し な け れ ば な ら な い の は 、 こ の じ つ う そ ひ に く ジ ャ ン ル に は 多 く の 約 束 事 が あ り 、 そ れ ら を 無 視 史 料 の 陳 列 や 時 代 の 雰 囲 気 だ け で 読 者 が 感 銘 を 「 芸 」 と い う も の は 「 実 と 虚 と の 皮 膜 の 間 に あ す る と 、 作 品 が 、 時 代 小 説 の か た ち を 借 り た 何 か る 」 と 看 破 し た の は 往 古 の 近 松 門 左 衛 門 だ が 、 虚 受 け る こ と は な い 。 何 よ り 、 書 き 手 自 身 に と っ 別 の も の に な っ て し ま う 点 で あ る 。 前 述 の 新 し い て 、 こ の 物 語 が 必 要 な の だ 、 と い う 確 信 が な け れ 構 を 真 実 に 思 わ せ る か ど う か が 決 め 手 と な る の 試 み は 、 そ う し た 約 束 ご と の 間 隙 を ぬ っ て 成 さ れ は 、 三 百 年 の 時 を 経 た 今 も 変 わ ら な い 。 つ ま り 真 ば 読 み 手 に は 何 も 伝 わ ら な い て こ そ 、 真 の 輝 き を 放 つ の で あ る 。 私 が 望 む の 実 ら し い 虚 を つ く の が 文 芸 で あ ろ う 。 小 説 を 書 く と い う 作 業 は 、 ス ト ー リ ー や レ ト は 、 登 場 人 物 が 鬘 を か む っ て い る の で は な く 、 本 リ ッ ク を 抽 象 的 に 頭 の 中 で こ し ら え あ げ る 作 業 で 時 代 小 説 で は 壮 大 な 虚 が つ け る 。 そ れ が 時 代 小 当 の 髷 を 結 っ て い る 作 品 だ 。 時 代 小 説 の パ タ ー ン は な く て 、 自 分 が 求 め て い る も の は 何 な の か を 自 説 の 醍 醐 味 と い っ て い い か も し れ な い 。 た だ し 虚 化 を 打 ち 破 り つ つ 、 そ の 一 方 で 基 本 を 遵 守 し な が 分 自 身 と 格 闘 し て 見 つ け 出 す こ と だ と 思 う 。 自 分 が 大 き け れ ば 、 一 方 で 小 さ な 真 実 を 丹 念 に 積 み 上 ら 斬 新 さ を 盛 り 込 む ー ー こ の 難 事 を 果 た さ ん と す の 中 に 無 い も の を 描 い た 上 手 な 小 説 よ り も 、 自 分 げ て 隙 間 を 埋 め る 地 道 な 作 業 を し な い と た ち ま ち 崩 壊 す る 。 簡 単 に バ レ て し ま う 虚 を つ い て 白 け さ る 勇 気 あ る 書 き 手 、 出 で よ ー 自 身 で あ る と 間 違 い な く 言 え る 下 手 な 小 説 を 書 い て い た だ き た い 。 せ る の は 児 戯 に 等 し い 。 虚 実 の 境 目 が 見 え な い く 私 は 、 心 か ら 参 っ た 、 と 叫 ば ず に は い ら れ な い ら い の 壮 大 な 虚 で 、 ど う か 私 た ち を 酔 わ せ て ほ し 作 品 と 出 逢 う こ と を 、 ・ 切 に 望 ん で い る 。 「 下 手 か も し れ な い 。 だ か 、 こ れ が 、 わ た し だ 」 と 開 き 直 っ た と こ ろ か ら 生 ま れ る 小 説 を 期 待 し て 369

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五 代 長 篇 歴 史 小 説 第 十 五 回 火 坂 雅 志 text by Hisaka Masashi