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検索対象: 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡
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1. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

205 第 321 ~ 322 段 え 「枕にこそはしはべらめ」と申ししかば、「さは得よ」とて給はせたりしを、あとしたら何を書こうか。 一一一条天皇。 かず 三前漢の司馬遷の著した紀伝体 やしきを、こじゃ何やと、つきせずおほかる紙の数を書きてつくさむとせしに、 の史書。文章道で重視された。 一三「枕」は書名とも関連するが明 いと物おばえぬ事そおほかるや。 解がない。↓田「解説」。 おほかたこれは、世ノ中にをかしき事を、人のめでたしなど思ふべき事、な一四「あやしき事を」の意とみる。 一五「故事」とみるが不審。 一六「をかしき」ことを書くのだが ほ選り出でて、歌なども木草鳥虫をも言ひだしたらばこそ、「思ふほどよりは その中でもさらに「人のめでたし わろし。心みつなり」とそしられめ。心一つにおのづから思ふ事を、たはぶれなど思ふべき事」を特に選んで。 宅不審。「『心見つ』なり」で引歌 なな に書きつけたれば、物に立ちまじり、人並み並みなるべき耳を聞くべきものかあるか。三巻奎心見えなり」。 一 ^ 評判。 一九 、とあやし一九気おくれするほどの立派さだ、 はと思ひしに、「はづかしさ」なども、見る人はのたまふなれば、し の意か。 くぞあるや。げにそれもことわり、人のにくむをもよしと言ひ、ほむるをもあニ 0 一般論としてそうした人の心 の程度を推量しているのだとみる。 ニ 0 しと言ふは、心のほどこそおしはかりたれ。ただ人に見えけむぞねたきや。 ばつぶん ニ一第二の跋文。↓田「解説」。 「左中将」は源経房。長徳四年十月 左中将、長和四年 ( 一 0 一五 ) 権中納言。 三一三左中将のいまだ伊勢の守と聞えし時 一三長徳元年正月から二年末まで ニ三伊勢権守。 たたみ せかみきこ ニ三畳をさし出したところが何と 左中将のいまだ伊勢の守と聞えし時、里におはしたりしに、端の方なりし畳 この草子も一緒に乗って出てしま さうし ったのだった。 をさし出でし物は、この草子も乗りて出でにけり。まどひ取り入れしかども、 はしかた

2. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 352 「それならばそなたが取れ」ということでわたしにお与え 三二三わが心にもめでたくも思ふ事を、人に あそばされてあったのを、わたしは持って、里に退出して、 語り 奇妙に中宮様の御前のあたりが恋しく思い出されるので、 自分の心にもすばらしいとも思うことを、人に話し、ま故事や何やと、限りもなくたくさんある料紙を書き尽して しまおうとした間に、い よいよ何ともわけのわからないこ たこのようにも書きつけるので、君の御ためには軽々しい とばかりがたくさんあることよ。 ようであるのも、たいへん恐れ多い これは、また、世の中でもおもしろくもすばらしくも人 しかし、この草子は、わたしの目に見え、いに思うことの、 しよぎい が思うはずのことを選び出してあるのでは、さらさらない わけもなく奇妙なことをも、所在のない折に、人が見よう ただわたしの心一つに思うことをたわむれに書きつけてあ とするはずがないというように思って書き集めてあるのを、 るので、他の著作に立ちまじって、人並に扱われるような 全く無意味な、つまらぬことながら、人にとっては不都合 ものであるはずがないと思っているのに、「読み手が恥ず な言い過しをしてしまいそうな箇所がいくつかあるので、 かしいほどすぐれている」などと、見る人が、おっしやっ とてもうまく隠しておいてあると思ったのを、気がついて ておいでであろうのこそ奇妙なことだ。だが、また、それ みたら「涙せきあへず , の歌のとおり洩れてしまっていた も当然のことなのだよ。人が、物事のよしあしを言ってい のだった。 そうし 中宮様に、内大臣様が献上なさっておおきになった草子るのは、その人の心の程度が推察されるというものだ。た だ、人に読まれはじめることだけが、草木の花からはじめ を、「これに何を書いたらいいかしら」と仰せられ、また しぎ しよもっ しゅじよう て虫に至るまで、いまいましいことである。何事でも、た 「主上におかせられては、史記という書物を、一部お書き こきん だ自分の心にびったりとっくように印象深く感じられるこ あそばされたのだ。わたしは古今を書こうかしら」などと わたくし とを、人の話す歌物語や世間のありさまや、雨、風、霜、 仰せあそばされたのを、わたしが「これを私にくださって、 きよう 雪についてのことをも書いてあるので、おもしろく興のあ 枕にいたしたいものでございます」と申しあげたところ、

3. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

ひさしはしら 端ちかくおはします。これかれ物言ひ、笑ひなどするに、廂の柱によりかかり一私 ( 作者 ) は。 ニ「月影は同じ光の秋の夜をわ おと きて見ゆるは心なりけり」 ( 後撰・ て物も言はでさぶらへば、「など、かう音もせぬ。物言へ。さうざうしきに」 秋中 ) 、あるいは琵琶行の「曲終ッ 子 テ撥ヲ収メ、心ニ当テテ画ク、四 と仰せらるれば、「ただ秋の月の心を見はべるなり」と申せば、「さも言ひつべ 草 絃一声帛ヲ裂クガ如シ。東船西舫 悄トシテ言無シ。唯見ル江心秋月 枕し」と仰せらる。 ノ白キヲ」による。言葉もなく月 と一体化しているさま。 三底本「おほせる」。他本により 訂す。 四三巻本にはこの段と、能因本 本書一三段に相当する段との二か 原はあしたの原。粟津の原。篠原。園原。 所に「原は」がある。↓田一三段。 五奈良県にある、歌枕。以下同。 六滋賀県にある。 四法師は セ未詳。 ^ 長野県にある。 九この段は三巻本のうち二類本 〔一本牛飼はおほきにてといふ次に〕 のみに付載されている。 こと 法師は言すくななる。男だにあまりつきづきしきはにくし。されどそれは一 0 原文本文にこのとおり記載さ れている。「牛飼はおほきにて」は 能因本では三五段。「法師は」「女 さてもやあらむ。 は」「女の遊びは」はそれぞれ別個 した のものであろう。 女はおほどかなる。下の心はともかくもあれ、うはべはこめかしきはまづ 一一法師ではない在俗の男性。 一ニ不審。仮に調和しすぎる意に らうたげにこそ見ゆれ。いみじきそらごとを人に言ひつけられなどしたれど、 おほ 四 六 あはづ しの その

4. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 198 かしら 一不審。髪の毛の頭の頂の方に さしのそきたる髪の頭にも寄り来ず、五寸ばかりさがりて、火ともしたるやう は月の光はさして来ず、の意か ここち なる月の光もよほされて、おどろかるる心地しければ、やをら立ち出でにけりニそこから五寸ほど下がって。 三まるでともし火をともしてあ るように見える。 とこそ、り・しか 四「月の光ーの下に「に」が脱した ものとして解く 五その印象をこわすまいとして 三一六女房のまかり出でまゐりする人の、車を借りたれば 呼びかけもせずに、の趣か 六男が私に語った。 女房のまかり出でまゐりする人の、車を借りたれば、心よそひしたる顔にうセ女房の外出時に牛車は必需品。 しかし必ずしも自由には使えず、 うしかひわらはれい ち言ひて貸したる牛飼童の、例の者よりもしもさまにうち言ひて、いたう走りまた牛飼童は乗り手の心理にまで 立ち入るほど細心ではない。そう した苛立たしさを記したもの。 打つも、あなうたてとおばゆかし。をのこどもなどの、むつかしげに、「いか 「まかり出で」「まゐり」はそれそ で夜ふけぬさきにゐて帰りなむ」と言ふは、なほしのぶ心おしはかられて、とれ体言のように用いられている。 ^ 「心よそひは「心準備」のよう に解する。三巻本「心よう言ひて」。 みの事なりと、また言ひ触れむとおばえず。 九下品に物を言って。 あかっき なりとほあそん レしささかさる事なか一 0 車を走らせ牛を打つのも。 業遠の朝臣の車のみや、夜中暁わかず、人の乗るこ、、 = 牛飼の下心が推察されて。 をんなぐるま りけむ、よくこそ教へならはしたりしか。道に会ひたりける女車の、深き所に三借りたいと思って車の持主に 声をかけること。 一五ずさ たかしななりとお こうのないし 落とし入れて、え引き上げで、牛飼腹立ちければ、わが従者して打たせければ、一三高階業遠。中宮の母高内侍の とうぐうすけ 父の成忠の甥。丹波守、東宮の亮。 一四女の乗った車の牛飼。 まして、いの寺 ( まに、、 しましめおきたりとみえたり。 四

5. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

よべ ば、憂き事もみな忘れぬべし」とは、などて言ふにかあらむ。さらむを、昨夜、一そうではあろうが。以下兵部 の、雨の日に来た人はしみじみと 1 きのふ をととひ 昨日の夜も一昨日の夜も、それがあなたの夜も、すべてこのごろは、うちしき感じられる、という言に反論する。 ニ今朝、明ける前の夜、とみる。 子 ひとよ こよひ り見ゆる人の、今宵もいみじからむ雨にさはらで来たらむは、一夜もへだてじ三下に「私は思う」の意省略。 草 四雨のひどく降る折。 枕と思ふなンめりと、あはれなるべし、と。さて日ごろも見えず、おばっかなく五愛情があるものとすることは でキ、亠まい え て過ごさむ人の、かかるをりにしも来むをば、さらにまた、心ざしあるには得六「心え」不審。人それぞれの理 解の仕方なのだろうか、とみる。 セ元来の本妻。 せじとこそ思へ。人の心えなればにゃあらむ。物見知り、思ひ知りたる女の、 ^ 「さりし」を「さありし」の意に 心ありと見ゆるなどをば語らひて、あまた行く所もあり、もとのよすがなども仮に解く 九事などについても、とみる。 あれば、しげうしもえ来ぬを、なほさりしいみじかりしをりに来たりし事など一 0 男のすることなのだろうか。 = 無理なことを作為してまで。 にも、語りつぎ、身をほめられむと思ふ人のしわざにや。それもげに心ざしな三「わりなき所なりとも」の意と からむには、何しにかは、さも作り事しても見むとも思はむ。されど、雨の降一三「ありとも」の意とみる。 一四ただちょっと話をして帰し。 る時は、ただむつかしう、今朝まで晴れ晴れしかりつる空ともおばえず、いみ一五とどまってもよさそうな男を ひきとめなどきっとするにちがい ほそどの じき細殿のめでたき所ともおばえず。ましていとさらぬ家などは、「とく降り 一六散逸物語。↓ 一九五段。 宅「思ひ忘れにける人のもとに やみねかし」とそおばゆる。月の明かきに来たらむ人はしも、十日、二十日、 まかりて / タ闇は道も見えねどふ 一月、もしは一年にても、まして七八年になりても、思ひ出でたらむは、いみるさとはもとこし駒にまかせてそ ひととせ 四 き みる。

6. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 2 三二三わが心にもめでたくも思ふ事を、人に語り わが心にもめでたくも思ふ事を、人に語り、かやうにも書きつくれば、君のニ以下能因本の単独跋文。三二 ・三二二段とほば同内容である が単なる異文とは考えにくい しとかしこし。 御ためかるがるしきゃうなるも、 系統の本の跋文を集成付加したも のかとも考えられている。その場 されど、この草子は、目に見え心に思ふ事の、よしなくあやしきも、つれづ 合どの跋文を本来のものと認める かについては田の解説を参照のこ れなるをりに、人やは見むとするに思ひて書きあつめたるを、あいなく人のた と。必要な点のみ注するのでその びん 他は両段の注を参照されたい。 しとよく隠しおきたりと思ひしを、 め便なき言ひ過ごししつべき所々あれば、、 三「よしなくあやしき事をも」の 意とみる。 涙せきあへずこそなりにけれ。 四不審。人が見るはずがないと さ、つし うちおとど いうふうに、の意とみなす。 宮の御前に、内の大殿の奉らせたまへりける草子を、「これに何をか書かま しき こきん 五『史記』百三十巻一そろいとは し」と、「うへの御前には史記といふ文をなむ、一部書かせたまふなり。古今 考えにくい 一冊の意か。 をや書かまし」などのたまはせしを、「これ給ひて、枕にしはべらばや」と啓六『古今集』。『史記』に対応する。 え せしかば、「さらば得よ」とて給はせたりしを、持ちて、里にまかり出でて、 やがて持ておはして、いと久しくありてそかへりにし。それより染めたるなン めりとぞ。 ふみ 五 六 一底本表記「染たる」。「初む」は 「染む」と同語源であろうが上に動 詞を冠せずに用いるのは不審。三 巻本の「ありきそめたるなめりと ぞ本に」に従うべきか。仮に左中 将の心を染めたとみる。 ばつぶん

7. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

これは、また、世ノ中にをかしくもめでたくも人の思ふべき事を選り出でた るかは。ただ心一つに思ふ事をたはぶれに書きつけたれば、物に立ちまじり、 な 人並み並みなるべき物かはと思ひたるに、「はづかし」など、見る人の、のた 七草木の花を記した部分から虫 まふらむこそあやしけれ。また、それもさる事ぞかし。人の、物のよしあし言を記した部分まで、この草子全部 にとって、の意か ひたるは、心のほどこそおしはからるれ。ただ人に見えそむるのみぞ、草木の〈「そしらるれば」の誤りか。 九「罪避る」は陳謝する、弁明す 花よりはじめて虫にいたるまで、ねたきわざなる。何事もただわが心につきてる、の意。 一 0 「広めく」で、広く動くこと。 おばゆる事を、人の語る歌物語、世のありさま、雨、風、霜、雪の上をも言ひ一説、「ひろ」は擬態語で、ひょろ ひょろ動きまわる意。 きよう しい・かげ冫ルに。も。 段たるに、をかしく興ある事もありなむ。また、「あやしくかかる事のみ興あり、 三「痩す」の形容詞化したもので、 をかしくおばゆらむ」と、そのほどのそしられば、罪さり所なし。さて人並み肩身がせまく身も痩せる思いがす 第 る、の意が原義という。現在の やさ 並みに、物に立ちまじらはせ、見せひろめかさむとは思はぬものなれば、えせ「優し」に近い例も中古にあるが、 ここは恥ずかしい、みつともない、 にも、やさしくも、けしからずも、心づきなくもある事どももあれど、わざとの意。 御前わたりの恋しく思ひ出でらるる事あやしきを、こじゃ何やと、つきせずお れうし ほかる料紙を書きつくさむとせしほどに、、 しとど物おばえぬ事のみそおほかる ゃ。 な え

8. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

が。でもこの草子はそうではなくて、わたしの心の中だけ 住いの間に、書き集めてあるのだが、全く無意味なつまら ぬことながら、人にとっては不都合な言い過しなどもして で自然と考えることを、たわむれに書きつけてあるのだか ら、ほかの著作に立ちまじって、人並々に扱われるような しまいそうな箇所がいくつかあるので、見事きれいに隠し てあると思っているのに、気がついてみたら、「涙せきあ評判を聞くようなものであるはずがないと思ったのに、 「読み手が気おくれするほどだ」などとも、読む人はおっ へず」の歌のとおり洩れてしまっていたのだった。 そうし しやるそうなので、とても奇妙なことであるよ。だが、な 中宮様に、内大臣様が献上しておおきになった御草子を、 るほどそれも道理で、人のにくむものをもよいと言いー 中宮様が「これに何を書いたらいいかしら」と仰せられ、 しゅじ・よら・ しよもっ また「主上におかせられては、史記という書物をお書きあめるものをも悪いと一一 = ロう人については、そういう人の心底 をこそこちらは推察しているのだ。だから、わたしとして そばしていらっしやる」と仰せられたのを、わたしが「私 まくら なら枕にこそはいたしましようがと申しあげたところ、 はこの草子がただ、人に見られたというのがいまいましい 「それならば、そなたに取らせよう」ということで御下賜のだ。 あそばされたのだが、奇妙なことを、故事や何やと、限り 三一三左中将のいまだ伊勢の守と聞えし時 もなくたくさんにある紙の数を書き尽してしまおうとした かみ のに、書いたことの中には、全くわけのわからないことが 左中将がまだ伊勢の守と申しあげた時、わたしの里の宅 うすべり においでになった折に、端の方にあった薄縁を差し出した 段たくさんあることよ。 大体これは、世の中においておもしろいことを、人がすところが、何とまあ、この草子も一緒に乗って出てしまっ たのだった。あわてて取り入れたのだけれど、そのまま持 加ばらしいなどと思うはずのことについて、やはり選び出し 第 っておいでになって、たいへん長くたってから返ってきた。 て、また、歌などについても、木や草や鳥や虫のことをも しる 1 言葉に出して書き記しているのならばこそ、「考えていた その時から左中将の心を深く染めつけているのであるよう だとい , っことた。 のよりは劣っている。『心見つ』だ」とそしられもしよう

9. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

枕草子 218 おも きは 一伝聞推定とみる。 ぶまじからむ際をだに、めでたしと思はむを、死ぬばかりも思ひかかれかし。 ニところがその一方で。 み 。しカてとも思ふな三容貌が劣っている。 人のむすめ、まだ見ぬ人などをも、よしと聞くをこそま、、ゝ。 四見事な筆跡で字を書いて。 おも おも 五「心もをかしき人」が「うらみ 。いかなる事にかあらむ。 れ。かっ女の目にもわろしと思ふを思ふま、 おこ」したのだが、その恨みの歌 うた もしみじみとしているし、筆跡も かたちいとよく、心もをかしき人の、手もようかき、歌もあはれに詠みて、 立派だ、のように解する。 六 かへり うらみおこせなどするを、返ごとはさかしらにうちするものから、よりつかず、六利ロぶって、うまく上手に セその女のもとへは。 らうたげにうちなげきてゐたるを、見捨てていきなどするは、あさましう、お〈自分の利害とかかわりのない ことで立腹する。義憤を覚える。 はらた けんそここち ほやけ腹立ちて、見証の心地も心憂く見ゅべけれど、身のうへにては、つゆ心九「見証」は、第三者として立ち 合い、判断すること。はた目。 一 0 男自身のことについては。 ぐるしさを思ひ知らぬよ。 = 相手が気の毒だという気持を、 身にしみて感じないことよ。 一四よろづのことよりも情あるこそ を」と」 な一け よろづのことよりも情あるこそ、男はさらなり、女もめでたくおばゆれ。な三情愛。思いやり。 一三「無げ」で、何でもない無造作 な言葉。 げのことばなれど、せちに、いにふかく入らねど、いとほしきことをば「いとほ 一四あなたがやさしい気持を持っ おも った ていらっしやることが、わかり、まし し」とも、あはれなるをば「げにいかに思ふらむ」など言ひけるを、伝へて聞 た。「けり」は気づきの詠嘆的な表 むカ きたるは、さし向ひて言ふよりもうれし。 いかでこの人に、思ひ知りけりとも現。 五 め うみ す 四 て み

10. 完訳 日本の古典 第十三巻 枕草子 ㈡

四二本牛飼はおほきにてといふ次 に〕法師は : 女は : 女の遊びは 五いみじう暑き昼中に : 六南ならずは 七大路近なる所にて聞けば : ・ 八森は 九九月二十日あまりのほど : ・ 一〇清水などにまゐりて、坂もとのば るほど 、いにくきものの下〕 夜居にまゐりたる僧を : 一二世ノ中になほいと心憂きものは : : : 一一一六 : 三巻本系統諸本逸文 一たちは 二職におはしますころ ・ : 三璧 ・ : 三五五 ・ : 三五七 ・ : 三五七 ・ : 三五七 ・ : 三五七 ・ : 三五八 一三男こそ、なほいとありがたく : 一四よろづのことよりも情あるこそ : : : 一二八 : 一五人のうへ言ふを腹立つ人こそ 一六古代の人の指貫着たるこそ : 一七成信の中将こそ 一八左右の衛門の尉を 一九〔一本きよしとみゆるものの次 に〕夜まさりするもの : 二〇ひかげにおとるもの : 二一聞きにくきもの・ 二二文字に書きてあるやうあらめど心 得ぬもの : 二三下の心かまへてわろくてきょげに 見ゆるもの : 二四女のうは着は : 二五汗衫は : 一一六薄様色紙は : 二七硯の箱は : ・ : 三五八 ・ : 三五九 ・ : 三五九